株の仕組み・用語をわかりやすく解説!証券と株式?株と株券?証券取引の歴史にも迫る!

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アヤネ
こんにちは!ライターのアヤネです

今回は株取引の仕組みについて簡単に解説していきます。

株価、単元、証券取引、レバレッジ、時価総額、、、なんだかよくわからない単語がたくさんありますよね。

アヤネ
えー。また新しい単語覚えなきゃいけないんですか??(泣)

心配ご無用です。実は仮想通貨と株の仕組みはとても似ているのです!同じ意味の単語もたくさんでてきますよ。

今回の記事では株取引第一弾として株の歴史や株の仕組みについて解説していきます。

「株の仕組みって知ってるようで実際はよくわかってない、、」って人、いらっしゃいませんか?そんな人は必見です。株の仕組みをごく簡単に解説していきますよ。

アヤネ
株かー。株主優待が欲しいです…

そもそも株って?株式の歴史

早速ですがここで問題です。1602年にオランダに設立されたアジア市場を担っていた貿易会社とはどこでしょう?

アヤネ
日本史で習うやつですね!

正解は東インド会社です。わかったでしょうか?

このオランダ東インド会社が世界で初めて、株式を用いて巨額の資金を集めたといわれています。

その前にも株の仕組みに似たような考え方は存在していたようですが(モスクワ会社またはロシア会社と呼ばれる会社が行った仕組み)、実際に株式を発券し資金調達を行ったのはオランダ東インド会社だということです。

アヤネ
話ずれるけど、東インド会社ってイギリスにもフランスにもオランダにもあったんですね!

その後18世紀の半ばにイギリスで産業革命が起こり、ヨーロッパで株取引が盛んになっていきます。ロスチャイルドなどの財閥が登場してくるのもこのあたりです。

アヤネ
このころのヨーロッパでは七年戦争やナポレオンの登場などで戦いが多く起こっていたし、産業革命によって鉄道を敷いたり、また植民地を開拓したりしてたから莫大なお金が必要で、株式が使われたみたいですよ

その後アメリカにも広がり、今では全世界で使われる仕組みとなりました。

アヤネ
ちなみにニューヨークに証券所ができたのは1817年だよ

なぜ株式を発券したのか?

株式の発行が始まった1602年と言えば大航海時代の終盤ですね。大航海時代と言えば世界中を航海し、ドンドン新たな発見をしていった時代です。

アヤネ
マゼランとか懐かしいですね~

当時は航海にでるたびごとに資金を調達し、帰国後その航海で得た利益を出資者に分配していました。

しかし、万が一その航海が失敗してしまうと分配金はおろか元手も戻ってこないというリスクがありました。

そこでこのリスクを軽減するために、オランダ東インド会社は数回分の資金を一度に集め、たとえ一度や二度航海が失敗したとしてもそのほかの航海で得た利益でカバーできるという仕組みを考えました。

この仕組みが株式の始まりに当たるわけですね。

株式、債券、証券の違いとは?

少し余談ですが、株式と似た概念として債権というものがありますね。証券という言葉もあります。この3つの言葉の違いはなんでしょうか。

アヤネ
これクイズですか?難しいです。

詳しくはこれから説明しますが、株式というのは企業が新規事業をする際などに資金調達を行うために発券する、”経営権を細分化したもの“”を指します。

一方で債権というのは、企業や国・地方自治体が資金調達を行う際に発券する、”借金を細分化”したものを指します。

また証券というのは、債権や株式などの概念を包含した言葉です。

アヤネ
なるほど。今理解しました!

債権の歴史

蛇足ではありますが、ついでに債権の歴史についても学んでしまいましょう。

債権の歴史は株式の歴史よりはるか昔、12世紀ごろにさかのぼります。このころのヨーロッパと言えば、そうです、十字軍の遠征が連想されますね。

この十字軍の遠征にはかなりのお金がかかっていたようで、当時のイタリアではこのための資金を王様が商人から借りて賄っていたこともあったようです。

ただ、国王が交代するに伴ってこの商人から借りていたお金、つまりは国王の借金はなかったことになってしまっていたらしく、貸したお金が一向に返ってこない。

そうなると商人は損をするばかりですよね。その結果、商人は次第にお金を貸さなくなっていったのだとか。

そこで国王は考えて、借金を債権という形で発行して”この債権さえ持っていればたとえ国王が変わってしまったとしても貸したお金が返ってくる仕組み”を作ったのが債権の始まりだと言われています。

アヤネ
なるほど。初めは商人からお金を借りるための手段だったんですね。

日本での株取引の始まりは?

日本では17世紀末期つまり江戸時代の末に”米の先物取引”が行われたことが株式の始まりだといわれています。

かの天下の台所と呼ばれる大阪は堂島で初めての取引が行われました。

アヤネ
さすが商人の国ですね~

ヨーロッパの流れとはことなり、米の先物取引がきっかけとなって日本では証券取引が始まりました。

米の先物取引が始まったきっかけは?

江戸時代は年貢をお米で納めていたり、地主が強かったことを加味するとお米の値段が生活に大きく関わっていたのがよくわかると思います。

しかし、現在と同様農作物は天候に左右されやすいため、お米の価格変動は激しいものでした。

商人たちは売るためのお米を農家から買い付けるとします。この時は凶作で市場に出回っている(市民が買うことのできる)お米は少なかったということにしましょう。

凶作だったため商人はこのお米(米俵)を1つ100円で買いました。

ですが実際に店頭にならべた時は、天気に恵まれ豊作でした。そうなるとお米を高く売っても買ってもらえませんね。商人としては1つ150円で売りたいところ。でも隣のお店では1つ90円で売ってる。誰も自分の店からは買ってくれません。

そこで商人はこのような事態になっても損をしない、利益を出せる方法を生み出します。

それが米の先物取引だったのです。先に値段を固定してしまえば損をする可能性が減りますよね。

アヤネ
さすが大阪人。商売上手っ!

株式市場の始まり

明治時代初期に日本で初めて国債の発行が行われました。明治政府がロンドン市場で発行した国債でした。

その後すぐに東京株式取引所が開設され、東京と大阪間の取引が開始されました。しかし当初は先物取引や国債の取引が中心で株式はまだ下火であったといえます。

世界大戦前や世界大戦中は、世界恐慌や昭和恐慌などの影響もあって株式市場は暗黒の時代でした。戦後のGHQによる金融政策が行われるまでは、株式市場は芳しくなかったようです。

GHQによる財閥の解体を経て、株式市場は今日のように活気づいていきました。

アヤネ
第一次世界大戦付近では一時体制を持ち直したみたいですが、それ以外はてんでだめだったようですね。

株の仕組み

株式の歴史はわかりましたでしょうか?さてここからは株の仕組みについて解説していきます。

アヤネ
株にも挑戦してみたい!株主優待がある会社がいいです。(目的それなの?)

まずは用語の整理からです。

株、株式、株券の違いとは?

株と株券はほぼ同じ意味です。株(株式)を保有していることの証明書のことを株券といいます。

株とは?

株を一言で表すと

株式(かぶしき)とは、株式会社における社員権のことである。(ウィキペディアより)

とのことです。もう少しかみ砕いた言い方をすると、会社が資本を集めるために発行する券、と言いかえることもできそうです。

株(株式)の仕組み

ここからは仮設をもちいて説明します。設定はこう。ここに昨日新しく建てたオトギという会社があります。オトギの社長であるアヤネとマナとシンは、この会社を500万円で設立しました。これが時価総額です。

しかし、会社を大きくするためにはより多くの資金が必要でした。そこでオトギは資金調達のため、株式を発行することにします。

オトギは自社には1億円の価値があるとおもったので(1億円くらいほしかったというのもある)、1億円分の株式を発行しました。(時価総額という)

この会社はまだ上場していませんので(上場するというのを、ここでは簡単に証券会社に株を公開することと考えます)この会社の株は非公開株と呼ばれます。

非公開株は(上場前と上場の瞬間は)1億円(時価総額)を何株にわけて発行するか(枚数)、また一株いくらにするか(株価)ということを会社が決めることができます。

このときオトギは1億円を一株40万で250枚発行しました。

非公開株は、オトギの関係者やオトギの社員の知り合いなどによって買い取られます。このようにして資金調達を行いました。

その結果、オトギのもとには1億円が集まります。その後、オトギは上場することを決意します。

上場する際にはさきほども述べたように、証券会社に自社の株を公開することになります。つまりは全世界の誰でもオトギの株を買うことができるようになるということを意味します。

この上場する際にも、どのくらいの量の株を発行するか(時価総額)・株式の枚数・一株あたりいくらにするか(株価)を決めることができます。

アヤネ
上場後は人気によって(需要と供給の割合によって)株価は変わるので、自分たちだけで価格を決められるのは上場前と上場の瞬間だけなんですよね。

オトギはこの際、10億円の株式を1株100円で、100万枚発行することに決めました。

もうオトギは上場したので、これ以降は自社の人気によって株価が決まってきます。株価によって時価総額もきまってきますね。

時価総額は高ければ高いほど、オトギは大量のお金を手にすることができますね。なのでオトギは人気(知名度)をあげる必要があります。

このようにして有名企業などは多くの人気を得て、そのお金で新たな事業を行ったりしながらさらに知名度をあげて大きな会社になっていくという仕組みになっています。

大きな会社になれば社長ならびに社員は大金持ちになれますね。

アヤネ
株の仕組みはなんとなくわかりましたが、この説明だと株を買うだけじゃ、儲けられないですよね?

そうですね、ではここからは視点をユーザー目線に変えて株で儲ける仕組みを解説していくことにします。

株で儲ける仕組み

ここにミクという顧客がいるとします。ミクは株式会社オトギの上場後に、この株を100株買うことにしました。一万円分ですね。ミクは株を保有しているので株主と呼ばれます。

オトギはこのようにして自社の株を買ってくれた株主に対して”配当金”という形で還元していきます。

配当金は会社の利益の一部で、そのほかにも優待券をくれるところもあります。

アヤネ
なるほど。配当金という形でお金が戻ってくるんですね。でも配当金なんて少ないんじゃ…

配当金は利益に応じているので会社によってことなります。会社が儲かっていれば多くの配当金を受け取りことができますし、また反対もしかりです。

ではどのようにして儲けるのかというと、株を高値でうるのです。

アヤネ
え、どういうことですか?

買った当時の値段より、売る値段が高ければ高いほど大儲けすることができますね。

株の値段を上げるには、オトギの株が欲しい人が増えれば株の数は決まっているので(オトギが新たに発行しない限り)、希少価値があがります。

そうなると高いお金をだしてでも買いたいっていう人がでてきますよね。

アヤネ
オークションみたいな感じなんですね!

このような状態を作り出すことができれば儲けることができます。このような状態にするためにはオトギが株式の発行で稼いだお金を新たな事業に投資したりして知名度をあげればよいのです。

アヤネ
なるほど。これで株主も会社もWINWINな関係が築けるわけですね!

最後に

今回は株式の話について書いていきました。今日は新しいものが多かったと思うので簡単にまとめをします。

株の歴史編

世界初の株式はオランダ東インド会社によって発券された

日本では江戸時代後期の大阪で”米の先物取引”が行われたことが発端となった

明治時代になり本格的な証券所ができたが、波に乗り始めたのは戦後

株式と債券はどちらも資金調達の手段だが、株式は”経営権の細分化”で債権は”借金の細分化”である。

証券は株式や債券を含む広い概念

株の仕組み編

株と株式は同じ意味、株券は株を所有していることを証明するもの

上場前の株は非公開株と呼ばれる

株式会社が発行する株式の買値よりも売値のほうが高くなれば儲けられるという仕組み

アヤネ
伝わりましたでしょうか?
アヤネ
以上、アヤネがお伝えしました