今回は、特徴的なローソク足の形を説明し、そのローソク足がどのような特徴を持っているのか、組み合わせて考える方法をいくつか紹介していきたいと思います。
目次
ローソク足とは
前回、こちらの記事でローソク足の簡単な説明を行ったので、ローソク足が何かという説明は今回省略させていただきます。
大陽線・大陰線
大陽線・大陰線とは、胴体が長く、ヒゲが短い形状のロウソク足の事を指します。特徴として非常に買い、もしくは売りの勢いが強くなっています。例えば、上昇トレンドの時には大陽線が出やすいです。
大陽線・大陰線は、大きく分けると、以下の3種類に分けることが出来ます。
- 陽の丸坊主・陰の丸坊主
- 陽の大引け坊主・陰の大引け坊主
- 陽の寄引坊主・陰の寄引坊主
陽の丸坊主・陰の丸坊主
陽の丸坊主・陰の丸坊主は、シンプルな形になります。特徴としては、ヒゲが上下になく、胴体の部分のみになるという点です。
とても強い陽と陰の性質を持っています。ヒゲがない為、一本調子で相場が大きく上昇・大きく下落したことを表しています。
その時、この大陽線を目安に買いが集まり、株価の上昇に繋がります。
陽の大引け坊主・陰の大引け坊主
陽線の場合は上ヒゲ、陰線の場合は下ヒゲがなく胴体の長いロウソク足の事を指します。陽の大引き坊主の場合、一度下落する場面はあったものの、買いの勢いが強く大きく値上がりをした事を表しています。
陰の大引け坊主の場合、最初は値上がりの流れを見せたものの、売りの勢いが強く、相場の強い絶望感を表していることが多いです。今後、さらに下落していく可能性があります。陽線なら買い勢力、陰線なら売り勢力です。
陽の寄り付き坊主・陰の寄り付き坊主
形としては、陽線の時に下ヒゲがなく、陰線の時に上ヒゲがなく、胴体が大きなローソク足になります。陽線の場合、株価が大幅上昇したが、取引終了まで続かずに少し押し戻された形になります。陰線はその逆で、株価の大幅下落が見られたが、最終的に少し押し上げられた形になります。
上記で紹介した、丸坊主や大引け坊主に比べ、強力ではありませんが、陽線なら買い勢力、陰線なら売り勢力になります。
小陽線・小陰線とは
小陽線・小陰線とは名前の通り、胴体の短いものを指します。これらのローソク足は、相場に迷いが出てている事を意味しています。いくつか種類があるので、紹介していきます。
- コマ
- カラカサ
- トンカチ
コマ
形としては、胴体が短く、上ヒゲ、下ヒゲ共に長いローソク足を指します。
買い手、売り手共に迷っている状態を示します。陽のコマの場合、買いが若干優勢であるものの、売りの勢力がいることも示し、陰のコマの場合、売りが若干優勢であるものの、買いの勢力もいることを示します。
コマは、買い・売りのどちらにもつかない状態であるので、コマを見て、新しく買ったり売ったりする判断をするのはあまり良い選択とは言えません。
カラカサ
陽のカラカサは、大きく下げてからの上昇であるので、株価が下がっている状態でこれが出ると、相場の転換点と言われ、上昇に向けたサインになります。これは、陰のカラカサも同じような効果があります。
更に陽のカラカサが、上昇相場で陽のカラカサが出た場合、下落転換のサインといえるので、陽のカラカサはどちらで出ても転換点になると言えます。
どちらのカラカサも下落局面で見つけたら今後上昇するサインだという事を覚えておきましょう。
トンカチ
トンカチは大きな上ヒゲが特徴で、下ヒゲはありません。これらは、始値かた大きく上昇して高値を付け、その後、大きく下落したことを表しています。
上昇局面で出現すると、相場が反転するサインとなり、その後の株価が下落することがよくあります。
陽線ならまだ終値の方が高いですが、陰線では、終値の方が低く、本格的に下落するサインとされています。
陽線でも陰線でも株価下落のサインである事を覚えておきましょう。
寄引同時線とは
相場の転換時に出やすいローソク足です。
始値と終値が同じ価格であったことを示します。寄引同時線では売りと買いの力関係が拮抗している事を示していて、今後相場が上昇か下落のどちらかにトレンド転換する事を示していると言われています。
寄引同時線には、以下のような種類があります。
十字線
買いと売りが拮抗しているため、トレンド転換を意味します。下落相場での出現は、今までの売りに対して、買いの勢力が追い付いてきていると考えられるため、下落から上昇に転換する可能性が出てきます。
逆に上昇相場での出現は、それまで有利だった買いの勢力に売りの勢力が追い付いてきていると考えられるため、下落に転じる可能性があります。
十字線では次の動きがどうなるかを慎重に見極める事が重要です。
足長同時線
上ヒゲ・下ヒゲ共に長めで同じくらいの長さになった十字形の同時線です。こちらも売り・買いの力が拮抗している状態を表しています。
様子見の場面でヒゲのどちらかが勝ればその方向に大きく動く可能性があると言われています。
トウバ
下ヒゲがない十字線です。一度買いあがったものの、その後行き五百井が続かずに株価が下がり、始値と同じ値段まで戻っています。高値圏では、これ以上株価が上がらないことを暗示しています。
トンボ
上ヒゲがないか、非常に短く下ヒゲが長い寄引同時線です。
カラカサと共通する形で、同種と考えられます。
始値から大きく株価が下落してその後、始値付近まで値を戻した状態です。このように値動きが荒くどちらに触れるかわからないので、注意深く値動きを観察する必要があります。
1本線
上ヒゲも下ヒゲもなく、横1本の線の事を指します。上へも下へも行けず、取引がないことや勢いが止まったことを示しています。消極的な線です。
酒田五法
酒田五法とは、江戸時代に編み出された相場の分析方法です。米相場で活躍した本間宗久によって編み出されました。ローソク足同士を組み合わせ、チャートを分析する方法になります。
酒田五法には、次の五つの方法があります。
- 三山
- 三川
- 三空
- 三兵
- 三法
三山(さんざん)
これは、3回突破出来なかった高値は、もう突破できないだろうという推測の元、相場の天井を予想するパターン分析です。
この3山の真ん中の山が一番高いパターンを特に三尊(さんぞん)といいます。
別名トリプルアップとも言い、この後、株価が下落する可能性が大きいと言われています。
三川(さんせん)
三川とは、ローソク足3本の組み合わせで相場を予想します。明けの明星の場合、1つ目のローソク足が第陰線、2つ目がギャップを開けたコマもしくは、ヒゲの長い陽線、3つ目が大陽線となります。相場としては、強い買いのシグナルであると言われています。
一方、三川宵の明星の際は、明けの明星の逆でローソク足が並びます。こちらは強い売りのシグナルであると言われています。
三空(さんくう)
三空踏み上げとは、上昇トレンド中に3回窓を開けて、株価が上がり続けるチャートパターンで、この後、下降パターンへの転換が予想されます。
窓を開けて急騰した株価は下落も急激に起こりやすいので気を付けましょう。
同様に、窓を開けて陰線が続く場合は、三空叩き込みといい、株価が大きく下落した後に上昇するパターンが予想されます。
三兵(さんぺい)
三兵とは、陽線または陰線が3本連続することを言います。相場の安値圏において、出る陽線の三兵を赤三兵、相場の高値圏で出る陰線の三兵を黒三兵と言います。
どちらとも大きく相場が動くことを予兆しています。
三法(さんぽう)
三法とは、売る事、買う事、休む事の3つを指していると言われています。長期的な上昇トレンドにおいても、常に上昇して言うるわけではなく、大きく上がったら少し下がり、また大きく上がるという形になっているものも多くあります。この途中の下げも考慮し、相場の予想をする方法です。
上げ三法のポイントとしては、3本目の陰線が1本目の大陽線の安値を下回っていない事です。これが下回ると上昇よりも下落エネルギーの方が大きく、黒三兵として判断することが出来ます。
要点チェック!
- 大陽線・大陰線では胴体が長く、ヒゲが短い。大きな買い勢力や売り勢力二つながる。
- 小陽線・小陰線では、胴体が短い。相場に迷いが生じている事を表し、転換点となるものもある。
- 寄引同時線では、始値と終値が同じ価格であった事を表す。その後に動きに注意が必要。
- 酒田五法は、江戸時代にできた分析方法で、ローソク足を組み合わせて判断する方法。現在も十分に使える。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はローソク足の特徴、ローソク足を用いた判断方法について解説していきました。もちろんこれだけで判断する事ではなく、様々な指標を用いて、判断する事をオススメします。相場の転換期や売り・買いのタイミングの判断情報の1つとしてお使いください。