株の分析方法とは~ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析~

ソウ
こんにちはFincle専属ライターのSouです!

いきなりですが、皆さんは株を購入したことはありますか?買ってみたいけど、ギャンブルみたいで怖い…とか、どうやって選べばいいかわからないという方も少なくないはず。今回は株の分析方法について2つの視点から解説していきます。一緒に学習して少しでも投資のリスクを減らしていきましょう!

ソウ
分かり易く解説していくので安心してください !

 

ファンダメンタルズ分析とは

ソウ
いきなり難しそうな単語が・・・(泣)

安心してください。そんな難しいものではないんです。ファンダメンタルズ分析とは簡単に言うと、投資する会社を選ぶ際に、その会社の業績は良いのか?または、その企業の価値に対して株価は割安か?という事を分析します。

ソウ
投資した会社が経営不振で倒産・・・なんてことが一番のリスクなので、ファンダメンタルズ分析はしっかりと抑えましょう!

 

まずは財務諸表を読めるようになろう!

ファンダメンタルズ分析を行う上でまず大切になるのが財務諸表の読み方です。財務諸表とは、企業が一年に一度決算をする際に、作成する決算書の事です。この財務諸表でその会社の経営状況を把握することが出来ます。

ソウ
決算書は企業の業績を報告する書類の事!

代表的な財務諸表である「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」この3つについて簡単に説明するので、ポイントだけサッと抑えましょう。

 

貸借対照表(バランスシート)

貸借対照表は、資産、負債、純資産の3つの項目からなります。資産-負債=純資産という形です!その為、土地や建物などの会社が持っているプラスの財産だけではなく、借入金などのマイナスの財産まで見ることができ、「会社の全財産」を見ることが出来ます。

貸借対照表から、会社がどれだけ財産を持っていて、どのように調達したか。また、どれだけ安定していて、どのくらいの支払い能力があるかを知ることが出来ます。

 

損益計算書

会社における収支表のことです。会社が一定期間にどのくらいお金を稼いで、原価や人件費などかかった費用を順番の引いていき、最終的にどのくらい利益を得たのかを詳しく見ていくことができます。損益計算書から、会社の経営成績と収益力を見ることが出来ます。

 

キャッシュフロー計算書

キャッシュフローとは、現金の流れの事を指します。会社におけるキャッシュフロー計算書では、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つを確認する事が出来ます。

営業キャッシュフローでは、「本業である事業でどれだけ稼げているか」を確認することが出来ます。その為、営業キャッシュフローはプラスであることが望ましいです。

投資キャッシュフローでは「将来に対してお金を投資できているか」という点を見ることが出来ます。この投資キャッシュフローは、マイナスである状態が「お金を払って新しい資産を調達している状態」であるといえる為、マイナスであると良いです。

最後に財務キャッシュフローは「お金の不足分をどう補ったのか」を見ることが出来ます。これがプラスだと、借金で補った状態であり、マイナスだと、借金を減らしている状態であると言えます。安定的に成長できている企業の営業キャッシュフローはプラス、投資キャッシュフローはマイナス、財務キャッシュフローはマイナスになりやすいです。

次にファンダメンタルズ分析においてこれだけは確認するべき!と言える3つの指標について簡単に解説していきます。

 

PER(株価収益率)

簡単に説明するとPERは、“会社の利益と株価の関係”を表していて、割安性を測ることができる数値の事です。一般的に、PERが10倍の会社は、投資額分を稼ぐのに10年かかります。PERが5倍の会社は5年で投資額分を回収できると考えられます。

その為、低ければ低いほど、会社の稼ぐ力に対して株価が割安であると判断できます。このPERという指標は、『その会社の過去と招来予想のPERを比較すること』や、『同じ業種の他社と比較すること』といった使い方ができます。また、一般的にはPERが15倍を上回ると割高、下回ると割安であるとされています。

注意するべき2つのポイント

1つ目のポイントは、他業種の会社をPERで比較してもあまり意味がない!という事です。これは業界によって成長率や、安定性が違うため、平均PERが異なるから。例えば、今後大きな成長が見込まれるIT関連の銘柄はとても大きな成長力を持っている為、平均PERが非常に高くなっています。

2点目は、PERが割安だからと言って、それだけで判断しないこと!PERは株価が下がっても下落します。極端な話、倒産しそうに危険な状態になっていてもPERは下がるという事です。これについては以下で説明するPBRにも当てはまります。

 

PBR(株価純資産倍率)

PBRとは、現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。例えば、PBRが1倍であるならば、会社が解散することになった時に会社の持っている資産を全部売却して、それを株主の持ち分に応じて返却するとしたら、投資金額が全額そのままもどってくるという事です。

これもPER同様に数値が低いほうが割安になります。PBRの場合、基準値は1倍であり、一般的にはこれを上回ると割高、下回ると割安といわれています。しかしPERと違い、低ければ低いほど良いという事はありません。

これは成長性や収益力が乏即足はいとさらに下落してしまうことも考えられるからです。ほかの指標と組み合わせて確認することが必要になります。

ソウ
PER同様これだけで判断しては危険ですよ!

 

ROE(株主資本利益率)

ROEとは簡単に言うと、企業の収益力を図ることができる数値です。一般的にこの数値が10%以上の企業は優良企業、これを下回るにつれて注意が必要になると考えられます。しかし、ROEも設備投資の費用が大きければ基準値も変わるので、高ければ絶対に良いという事ではなく、キャッシュフローを把握する必要があります。

指標の求め方については違う記事で紹介します!

ソウ
どの数値も一つだけじゃなくて組み合わせて考えることが大切なんだね!

初歩的な3つの指標について解説していきました。ここで解説した以外にも投資をするうえで大切になる指標はたくさんあります。この3つだけで投資するのではなく、ほかの指数も組み合わせて投資をしましょう!

ソウ
もう何回目って感じなんですけど、1つの指標だけで投資しない!これ大切ですよ!!

 

テクニカル分析とは

ファンダメンタルズ分析では、「どの会社の株を買うか」という視点で分析をしてきました。ここから解説するテクニカル分析は「いつ買うか」を見分ける為の分析方法です。どんなに優良企業の株でも、株価が高騰しているときに買ったら利益を出すことは難しいですよね。近い将来を予測して、これから上がりそうな株、もしくは下がりそうな株を見つけ出し、値段が動く前に一足早く購入することで利益を獲得しちゃいましょう!

ソウ
将来を予測するなんてなんかカッコいいね!

 

チャートを理解しよう!

テクニカル分析を行う上で、チャートを理解することは必要不可欠です。チャートとは、過去から現在への株価の推移を表したものです。まずは、チャートに出てくる基本的なものを解説しています。

 

ローソク足

ローソク足で表現される数字は、高値、安値、始まり値、終値です。陽線では、太い部分の下のラインが始値、上のラインが終値です。陰線では逆になります。陽線の場合、ローソク足の表している期間の始まりの値段よりも終わりの値段のほうが高くなります。陰線とは、始まりの値段よりも終わりの値段が安くなっている場合に作られます。伸びている細い棒はヒゲと呼ばれ、そのローソク足内での最高値と最安値を表しています。このローソク足が連なり、チャートを形成しています。

ローソク足の表している期間は?

ローソク足はチャートによって長さが違い、1日、1週間、1ヶ月と様々です。

ローソク足だけでも様々な分析のしかたがありますが、今回はそこまで詳しく説明しません。後日の記事をご覧ください。

ソウ
ローソク足にもいろんな形があってそこから分析したりもします。お楽しみに!

 

移動平均線

移動平均線とは、一定の期間の株価の終値の平均値を結んだ折れ線グラフになります。株価チャートでは、たいていの場合、日足なら5日線と25日線、週足なら13週と26週移動平均線が、ローソク足と一緒に描かれています。基本的な部分になるのでここは押さえておきましょう。

移動平均線で何がわかるのかというと、「トレンド」が確認できるということです。トレンドとは簡単にいうと、「その銘柄の株価の推移」を一目見ただけで判断できる材料の事と言えます。移動平均線が右肩上がりならば上昇トレンド、移動平均線が右肩下がりならば下降トレンドとなります。

ソウ
移動平均線は株価の流れを見やすく表しているんだね

移動平均線は、株価の上昇時に株価よりも低い位置に、下降時に高い位置にあるという特徴と、期間の長い移動平均線ほど動きが緩やかになり、短い期間の移動平均線ほど株価との連動性が高くなり激しく動くという特徴を持っています。

また、移動平均線を組み合わせることで、株価の上昇や下落を予想することもできるんです。ここから基本的なテクニカル分析の手法を解説していきます。

 

順張り

順張りとは、上昇しているときに「買い」、下落しているときに「売る」という相場の流れに逆らわずに売り買いを行うやり方を指します。

例えば、上昇トレンドにのっている株を1株100円で買い、その後、110円で売るといったやり方です。上昇の波に乗ることが出来る為、安心して投資しやすいですが、大きな利益を得ることは難しいと言われています。順張りの指標としてはトレンド指標が使われ、上記で紹介した移動平均線の組み合わせも指標として使われます。

このトレンド指標にはかなりの数があるので、初歩的な移動平均線の組み合わせたトレンド指標であるゴールデンクロスとデッドクロスについてここでは解説していきます

ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロス・・・短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜ける現象

デッドクロス・・・短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜ける現象

ソウ
わかりやすいように、ものすごく簡略化した図になっています!

ゴールデンクロスは”買いシグナル”、デッドクロスは”売りシグナル”となります。ただし、シグナル道理に相場が動かない”だまし”も発生する可能性があるので、絶対ではないことに注意してください。

 

逆張り

逆張りとは、株価の値段が下がり切った所で買い、株価の値段が上がった所で売る投資のやり方です。例えば、値段が100円に下がった株を「これ以上は下がらない!」と判断して購入し、その後150円に上昇したときに売るといったやり方です。

その為、値段が底をついた時に買い、値上がりして、一番株価の高いところで買えば、大きな利益を上げることも可能です。ただ、「株価が下落したからチャンスだ!」と思っていても、そこからさらに株価が下がっていってしまうこともあり、上級者向けの投資方法になります。

ソウ
これは結構むずかしそうだ…

逆張りではオシレーター指標という物が使われています。逆張りの精度を高めるために、最も代表的であるものを紹介します。

 

RSI

RSIは、「Relative Strength Index」の略になり、日本語では相対力指数と言われます。投資家の心理を把握しようとした指標です。簡単に説明すると、ある期間の値動きに対して、株価の上昇割合をグラフに表した指標で、その割合によって株が買われ過ぎか売られ過ぎかを判断します。指標は0~100%の間で移動し、上昇トレンドでは50%以上に、下降トレンドでは50%以下になります。

一般的にRSIが70~80%の時には売りサイン、20~30%の時には買いサインとなります。

逆張りの指標としてRSIという指標を1つ挙げましたが、逆張りは投資上級者向けのやり方です。まずは、順張りの指標を勉強し、投資していく事をオススメします。

 

要点チェック!

・貸借対照表で企業の経営状況を把握、損益計算書で挙げている利益を確認。

・キャッシュフロー計算書で営業プラス、投資マイナス、財務マイナスになっているかを確認。

・PERが15倍以下、PBRが1倍付近、ROEが10%以上であるかを確認。1つの指標では判断しない。

・ゴールデンクロスは短期移動平均線が下から突き上げ、デッドクロスは上から突き抜け

・RSIは70~80%で売りサイン、20~30%で買いサイン

 

最後に

いかがでしたでしょうか。ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つの観点から株式について分析する方法を解説していきました。ここで紹介したものはあくまでもどれも基本中の基本といったものばかりです。ここからさらに勉強を深め、自分にあった指標や投資のやり方を見つけてみてください。どの指標にも絶対と言い切れるものはありません。分析を組み合わせ、株式投資におけるリスクを減らし、失敗しない株式投資を目指しましょう!

ソウ
この記事が少しでも皆さんのお役に立てば嬉しいです!
ソウ
以上、ライターのSouがお届けしました