いきなりですが、問題です!
下の記事はどんなことを言っているでしょう??
クリヤマホールディングスは12月31日現在の株主に対して、2019年1月1日付で、1:2の株式分割を実施すると発表した。
ではないんです。意外と株式分割について正しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
今回の記事では、株式分割の「1:2とか、1:3とかってなんの比率なの?」という基本的な事から、株式分割をする会社側のメリットなどについて解説していきたいと思います。
目次
株式分割とは?
株式分割とは、「株式」が「分割」されることを言います。
企業が株式を○対△の比率で分割すると発表し、その数か月後に実際に分割されます。
ここで、最初に 載せたクリヤマホールディングスで考えてみましょう。
クリヤマホールディングスの株価は約2000円です。
この会社が「1:2」の株式分割が行われると
・100株保有→分割後、200株の保有になる
・株価2000円→分割後、1/2の1000円になる
という事が起きます。
大事なポイントとして、株価2000円の株を100株保有しているのと、株価1000円の株を200株保有しているのでは、資産上は得も損もしていないという事です。
ちなみに、「1:4で株式分割が行われる」場合は、
持ち株数=4倍
株価=4分の1
となり、同じように資産が変動することはありません。
資産が変わるわけでもないのに、なぜ株式分割を行うのでしょうか?
株式分割のメリット
- 流動性を高めることが出来る
- 株価が安くなり、購入しやすくなる
- 配当金が増える可能性がある
- 自由度が高まる
の4点です。詳しく見ていきましょう。
流動性を高める事が出来る
株式分割を行うという事は、市場に流れている株数が「1:2」の株式分割だったとしても倍に増えるという事です。株数が増える事により、投資家が売買しやすくなり、流動性を高めることが出来ます。
株価が安くなり、購入しやすくなる
先ほども説明しましたが、株式分割する事により、株数は増えますが、一株当たりの株価は下がるので、購入しやすくなります。
任天堂の株価 一株当たり34,780円(11月29日 11時現在)
参照:Yahoo!ファイナンス
1単元は、100株なので任天堂の株を購入するためには347万8千円が必要という事になります。
この価格を見て、「買えない…」と思った方は僕だけではないはずです。
人気な企業の株は多くの人が買いたいと思うため、株価が高くなってしまいます。
ここで、もし仮に任天堂が「1:10」で株式分割を行った場合
最低単元数を購入するのに必要な金額は34万7千8百円となり、かなり購入しやすくなります。
このように、多くの人に購入の機会を与えることができるのも株式分割のメリットになります。
また、多くの人に購入の機会を作ることで実際に購入してくれる人が増え、株価が上がるという企業側のメリットにもつながっています。
配当金が増える可能性がある
株式を保有していれば配当金が貰えます。
え、こんなに!?配当金の多い会社をランキングで紹介します!
配当金については上の記事で説明してますので、ご覧ください。
例えば株式分割前は、一株当たり、配当金が100円だったとします。
株式分割後に配当金も株数の増加と同時に調整され下げられてしまう事が多いです。しかし、なかには成績が好調で配当金を据え置きする企業も存在するのです。
配当金据え置きで「1:2」の株式分割が行われた場合、一株当たりの配当金が100円のままにも関わらず、持っている株数は倍増となります。
このような形で増配する企業があることも覚えておきましょう。
自由度が高まる
保有株数が増えるという事はそれだけ売却時の自由度が高まります。
もともと1単元しか持っていない場合、「手元に置いておくか、売却するか」の二択しかありません。
しかし、株式分割により、持ち株数が倍になった場合、「株価が上昇したけど、まだ上がりそうだな。1単元だけ売却してもう1単元は手元に残しておこう」のような選択をする事が出来るようになります。
株式分割が行われた場合、このように多くのメリットが存在するので、基本的には好材料となります。
その後の株価の動きに注目してみましょう。
株式分割の流れ
株式分割は、
分割発表→ 権利付き最終日 →効力発生日
となります。一つずつ確認していきます。
分割発表
まずは、企業が株式分割を発表します。
クリヤマホールディングスは12月31日現在の株主に対して、2019年1月1日付で、1:2の株式分割を実施すると発表した。
このように、分割数(1:2)と効力発生日(1月1日)等が発表されます。
基本的には株式分割の発表によって、株価が上昇していきます。
権利付き最終日
株式分割の権利を獲得する為には、権利付き最終日にその対象銘柄を保有しておくことが条件となります。
先ほどのクリヤマホールディングスは、権利付き最終日は12月28日なので、この日までに買っておく必要があります。
効力発生日が1月1日だからと言って、1月1日に買っても恩恵を受けることは出来ないので注意しましょう。
効力発生日
クリヤマホールディングスの株価がもともと20万円×1単元持っていた場合、株式分割されると、手元には10万円×2単元あるはずです。しかし、権利付き最終日に口座にある株は10万円×1単元となり、表面上減少します。
新しく増えてくる株数(この例の場合、10万円×1単元)が表示されるのが”効力発生日”となります。
効力発生日はだいたい、権利付き最終日から4~5日後に設定されています。
詳しくは企業によって異なるので、企業のホームページを確認しましょう。
1つ注意しなければいけないことがあります。
それは、効力発生日にならないと、新しく増える株は手元に表示されません。
その為、どれほど株価の変動があったとしても、もともと持っていた株数しか取引することは出来ません。
株式分割バブルに注意!!
株式分割バブルとは、株式分割による株価が上昇しすぎてしまう状態になることを指します。
株式分割は多くのメリットがあるため、基本的には株価上昇の要因になります。
しかし、株式分割を何度も行い大幅に株価を上昇させたものの、業績が連動していない「ごまかし」の株式分割には注意が必要です。
「株式分割で一時的に株価が上昇したから勢いで購入したけど、すぐに株価が下落した。」なんて事にならないように、しっかりと情報収集をした上で、購入の判断をしましょう。
要点チェック!
- 株式分割は株数が増えるが、株価が下がるので資産上の変化はない
- 取引がしやすくなる、配当金の増配の可能性等が大きなメリット
- 株式分割の恩恵を受ける為には、権利付き最終日までに保有しておくことが条件
- 効力発生日から新しく増えた株の取り引きが出来るようになる
- 株式分割バブルに注意!
最後に
いかがでしたでしょうか?
今まで、「何となく理解できていた気になっていただけ」だった方は意外と多くいらっしゃるのではないでしょうか?
株式分割後は、上昇の可能性が高いので注目していきましょう!
以上、ライターのそうがお届けしました。