今回は、日本株において、有名なインデックスをいくつかご紹介します。インデックスって?という所から、株式投資にどんな関係があるの?といった所まで優しく解説していきます!最後にはインデックス投資についても紹介しますので、内容盛り沢山になりますが頑張っていきましょう!
インデックスとは?
まずはインデックスについて紹介します。
インデックスは、マーケットにおいては、市場全体の動向を示す指標や指数のことをいいます。
iFinnceから抜粋
インデックスの中で以下の6つがよくつかわれています。
- 日経平均株価
- TOPIX
- JPX日経インデックス400
- 日経ジャスダック平均
- ジャスダック指数
- MSCIジャパンインデックス
以下で詳しく見ていきましょう!
日経平均株価
日経平均株価は、インデックスの中でも特に多くの人が聞いたことのあるものだと思います。
この日経平均株価は、「東証一部に上場している225銘柄の株価の平均を表したもの」です。
この指標は日本経済新聞社が東証一部上場企業の中から、業種のバランスや経営の安定性、取引の多さなどから独自に選定した225社となります。
この日経平均株価で、日本の景気の流れについて把握することが出来ます。
TOPIX
TOPIXは、「Tokyo Stock Price Index」が正式名称になります。
TOPIXは1968年1月4日を基準日とし、この日の東証一部上場全銘柄の時価総額(8兆6020億5695万1154円)を100ポイントとして、それに対し現在の時価総額はどの程度なのかを数値化しています。
このように、TOPIXを見ることによって日本経済のこれまでの動向と発展の流れを見ることが出来ます。
JPX日経インデックス400
JPX日経インデックス400とは、JPXグループ(日本取引所グループおよび東京証券取引所)と日本経済新聞社が2014年1月6日から公表を始めた株価指数の事です。投資家に対して、投資魅力の高い会社400社から構成されています。年に1回構成銘柄の入れ替えが行われます。(こちらから参照)
JPX日経インデックス400の選定基準
・3年間の平均ROE(会社の元手金をどれだけ有効に運用しているかを表す指標)
・時価総額
・過去3年間の営業利益
以上の3点を加味して選定されます。選定には以下の3段階を踏みます。
①3年連続赤字や債務超過の会社を候補から外します。
②売買代金と時価総額から上位1,000社を選び出します。
③ROEや、営業利益等に留意して、400銘柄を選定します。
はい、解説します!
赤字は収入よりも支出が多い状態であるのに対して、債務超過は資産よりも負債の方が多い状況にあり、会社の全てを売り払っても負債を返済することが出来ない状態の事を指します。
JPX日経インデックス400のメリット
厳選された銘柄が集結している
メリットは、ここにピックアップされている400社はすべてが優良企業と認められた会社であるという点です。上記にも記載しましたが、「株価の上昇がより期待できる銘柄」として厳選されています。
東証1部以外の銘柄も構成銘柄として含まれる
日経平均株価やTOPIXと違い、東証1部上場銘柄以外の銘柄(東証2部、マザーズ、ジャスダックなど)も構成銘柄に含まれている、という点もメリットに挙げられます。
東証1部上場銘柄でなくても利益や収益性の面で優れている銘柄であれば、構成銘柄に採用されるということです。もし採用されれば、知名度が上昇するという点で株価にとってプラスの影響が期待できます。
JPX日経インデックス400のデメリット
構成銘柄から漏れてしまった、銘柄が構成銘柄の成長率を上回ってしまう事も
仮に2年連続で大きな赤字になってしまい、JPX日経インデックス400銘柄から漏れてしまった会社があるとします。
しかし、実はこの会社の株価は、JPX日経インデックスの選定時期には偶然下降気味であっただけで、その後大きく上昇したのです。
さらに悪いことには、次のJPX日経インデックスの選定時にはもうすでにこの会社の株価は上昇しきってしまっていて、また選定外になってしまった。
というように、急激な成長を見せる銘柄を見落としてしまう特徴もあります。
日経ジャスダック平均
日経ジャスダック平均とは、東京証券取引所ジャスダック市場上場銘柄を対象にした株価指数です。日本経済新聞社が計算し、公表しています。
ジャスダック市場とは
新興企業や、ベンチャー企業を対象に株式市場を展開しています。東証一部や東証二部に対して、上場の基準が比較的緩くなっています。
日経ジャスダック平均の算出方法
日経ジャスダック平均 = みなし額面換算後の構成銘柄の株価の単純平均 ÷ 除数
日経ジャスダック平均は、日経平均株価と同じように単純平均で計算しています。
みなし額面
2001年10月の商法改正までは、株には額面がありました。額面が50円の株の場合、投資家は1株50円で購入していたという事です。額面は、20円、50円、500円、50000円の4種類でした。
例えば、額面50円の株を20,000株購入する場合と、額面50,000円の株を20株購入する場合、合計は100万円で同じになります。
しかし、この場合だと、額面の大きい株が少し上がるだけで、平均を大きく釣り上げてしまいます。その為、日経ジャスダック平均では、みなし額面を50円にそろえ、計算することでそのような問題を解決しています。
除数
この除数というのも少し説明が必要です。
例えば、株価1000円のA社、B社、C社の3つがあります。この3つの平均はもちろん1000円です。
計算は、3000÷3=1000となりますよね。この3が除数になります。場合によっては、この除数を調整することがあるので、詳しく見ていきます。
仮に銘柄Aが株式分割をし、1株を2株にしたとします。その時1株当たりの値段は、500円になります。
株式分割されると株価は上がる?メリットや効力発生日について解説します!
そのまま計算すると、500+1000+1000=2500
2500÷3=833.333・・となります。
しかし、A社が持ち株100を、「1:2」に株式分割をした場合
1000(株価)×100(株数)=100000
「1:2」の株式分割後
500(株価)×200(株数)=100000
このように株数が増え、一株当たりの額が変わるだけで、A社の株の価値が変わるわけではありません。
その為、2500÷除数=1000となるようにしなければいけません。
このときの除数は、2500÷2.5=1000となるので、2.5が正しくなります。
このように、株式分割などに応じて調整する、割る数の事を除数と言います。
ジャスダック指数
日経ジャスダック平均との違いは、算出方法です。日経ジャスダック平均が単純平均なのに対して、ジャスダック指数は加重平均となります。
日経平均株価とTOPIXの違いと似ています。
MSCIジャパンインデックス
これは、日本人には少しマイナーな指数となります。この指数は外国人投資家が主に用い、日本の約320企業の株式を時価総額比率で加重平均し指数化したものになります。
様々なインデックスを紹介しましたが、これらのインデックスを利用した投資方法もあります。
インデックス投資
インデックス投資とは、日経平均やTOPIX等のインデックスと同じ値動きを目指す投資信託に投資をする方法です。
運用される商品をインデックスファンドと呼び、インデックスファンドには、運用会社が独自に銘柄を選定している投資信託や、ETFといった種類があります。
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インデックス投資の特徴
インデックス投資の特徴としては以下の2つがあげられます。
ある指数に合わせて価格が変動する
最初にも書きましたが、インデックス投資は、ファンドがインデックスと同じように値動きをします。どのインデックスを使ったファンドにするかが非常に重要なポイントになります。
分散投資がしやすい
インデックスファンドは、株式だけでなく、債券や不動産投資信託などを組み合わせたものもあるため、分散投資がしやすいのも一つの特徴です。様々なインデックスに合わせたファンドが存在します。
インデックス投資のメリット
ここからはインデックス投資のメリットを見てきましょう。
運用コストが低い
投資信託には、購入時や運用時に高めの手数料がとられますが、インデックスファンドは株価指数に連動するというシンプルな作りのため、手数料が低く抑えられています。中には、0.1%や0.2%の手数料で、インデックス投資を可能としているファンドもあります。
投資利回りが安定している
インデックス投資は市場平均と同じ程度の利回りを目指しています。市場平均と聞くと、少ないと感じる方も多くいると思いますが、長期間で比較した際、インデックス投資は*アクティブ投資よりも成績が良いと一般的には言われています。
*アクティブ投資とは?日経平均やTOPIXなどの市場平均よりも良い利回りのものに投資しようとすることをいいます。
もちろんインデックス投資よりも良い利回りをだすアクティブ投資もありますが、株式投資初心者が数多くあるアクティブ投資から見つけ出すのは非常に難しいと考えられています。
簡単に始めることが出来る
インデックスファンドには、初心者にも簡単に始めることのできる商品がそろっています。株式投資のように企業の経営状況の分析などを行う必要がなく、また定額から購入することが出来ます。
インデックス投資のデメリット
デメリットについても確認していきましょう。
分かり易いが故に投資の知識が身につかない
インデックス投資の場合、投資をするインデックスファンドを決めてしまえば、特になにも考えずにコツコツと投資をするだけになります。
個別の銘柄に対しての投資を行う場合には、その会社の経営状況や、経済の流れ等の勉強が必須なので、勉強不足につながる事は大いにあると考えられます。
このように学習や経験を積むことが出来ないという点は、大きなデメリットになるかもしれません。
「インデックス投資だけを行うから別に知識はいらない!」と考えるのは自由ですが、その勢いのまま、アクティブ投資に手を出すと痛い目をみるという事だけは理解しておきましょう。
大きな利益を上げる事は難しい
インデックス投資の場合、市場平均に連動するので、それを大きく上回る結果を上げる事は出来ません。
インデックス投資が日経平均株価、TOPIX、などの指数に連動するように幅広い銘柄に分散投資をしているので、どこかの銘柄の株価が急上昇したとしても、違う所で足を引っ張る銘柄が出てきます。
その為、短期間で大きな利益を上げる事は非常に難しいです。
安定しているとはいえ、マイナスになることもある
安定しているとはいえ、あくまでも投資です。絶対に得をするという事はありません。「安定しているから安心だ!」と思い込むのではなく、あくまでも投資であるという事を頭に置いておきましょう。
要点チェック!
- インデックスとは市場全体の流れを表す指標のこと
- インデックスには6つの種類が日本ではよく使われている
- インデックス投資とは、インデックスと同じ値動きを目指す創始信託に投資すること
- インデックス投資は手軽に始められ、損をすることも少ないが大きな利益をあげることは難しい
最後に
いかがでしたでしょうか?今回は皆さんも一度は聞いたことのある指数について、解説していきました。様々な指数を紹介しましたが、株式投資のひとつの参考にしてください!