ニュースを見ていると、日経平均株価と並んでTOPIX(トピックス)という言葉を耳にしませんか?
日経平均株価は日本経済新聞社が東証一部の中から、日本を代表する225銘柄を選んで平均をとった株価というのはご存知の方も多いと思います。
しかしながらTOPIXが何かを説明できる人はどの程度いるのでしょうか。
TOPIXとは、東証株価指数(Tokyo Stock Price Index)の略で、実は日経平均株価同様、日本の景気動向を読むのにとても重要な指標なのです!
株式投資を行うのにTOPIXは避けては通れません。まだTOPIXを知らない人は、この機会に意味をしっかり理解しておきましょう。
この記事ではTOPIXの説明はもちろん、日経平均株価との違いや、TOPIXの動きを見ることで何が分かるのかをわかりやすく徹底解説します!
目次
TOPIXとは?
TOPIX(トピックス/東証株価指数)は、Tokyo Stock Price Indexを略で、東証一部に上場するほぼすべての銘柄を反映した株価指数です。
もちろんですよ!
株価指数は株価を一定の計算方法によって数値化したものであり、個々の銘柄ではなく取引所全体や銘柄群といった複数の銘柄を対象にしています。
株価指数を見ることにより、株式市場全体の相場の動きを総合的に読み取ることができます。
(SMBC日興証券参照:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ka/J0029.html)
さてTOPIXの算出方法ですが日経平均での「単純平均」とは違い、「加重平均」で算出されます。
簡単にいうと、単純に株価を足し合わせるのではなく、株価と株数を掛け合わせた時価総額を足し合わせることで算出しています。
単位はポイントで表されます。
TOPIXの利点
TOPIXの利点について確認しておきましょう!
日本市場の動きを正確に知れる
TOPIXは、全銘柄を対象としており、かつ時価総額をベースとして算出されていることから、人気銘柄の1、2銘柄が動いたくらいでは指数全体への影響は大きくありません。
そのため、日経平均株価よりも、「正確に日本株市場の動きを反映している」と考えられます。
TOPIXの欠点
TOPIXにも欠点があります。
内需株の動きに左右されやすい
それは、「内需株の動きに左右されやすい」という点です。TOPIXは東証一部銘柄の時価総額によって算出されます。
内需関連株とは
一般に内需関連株は、住宅建設や公共事業、企業の設備投資、個人の消費支出などの国内景気に左右され、また地価や賃料などの不動産市況の影響を受けることもあります。
また、輸入を行っている企業や輸入製品に依存する企業などの場合は、円高の時に利益が増え、円安の時に利益が減る傾向があります。
併せて外需関連株についてもおさえておきましょう。
外需関連株とは
一般に外需関連株は、海外の景気動向や為替相場に業績が左右されやすく、特に為替面では、円安の時に利益が増え、円高の時に利益が減るという特徴があります。
(SMBC日興証券 はじめてでもわかりやすい用語集 参照:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/na/J0484.html)
時価総額で算出するTOPIXは、銀行株や証券株など国内でサービスを提供している時価総額の高い企業(内需関連株)の影響を受けやすいと言われています。
そのため、外需株、つまり輸出関連企業の株価動向を把握するには、向いていないといえます。その代わり、内需株の動きを知るには、適した指標だと考えられます。
次に日経平均株価についても簡単に理解しておきましょう!
日経平均株価とは?
日経平均株価とは、東証一部に上場する企業から選ばれた225銘柄の株価を足し合わせ、単純平均した指数のことです。
日経平均株価は「日経平均」や「日経225(ニーニーゴ)」などとも呼ばれています。
この225銘柄には、東証一部の6セクター、36業種から、業績の良い企業が選ばれるのですが、日本人なら誰もが知っているような、日本を代表する企業が名を連ねます。
銘柄の入れ替えは基本的には毎年10月初めに行われ、倒産や上場廃止、第二部への指定替えなどがあった場合は、臨時で銘柄の入れ替えが行われています。
単位には円・銭が使われています。
日経平均株価の利点
幅広い業種の概況を知れる
日経平均株価は、36業種の幅広い業種から銘柄が選別されており、幅広い業種の概況を反映しているのが特徴です。よって、市場の概況を知りたいときには、使いやすい指標だと言えるでしょう。
日経平均株価の欠点
➀外需株関連による変動
外需関連株が変動するだけで指数が大きく動いてしまうという点です。
日経平均株価は、構成銘柄の中で大きな割合を占める、海外の景気や為替変動に左右されやすい「ハイテク関連株」や「輸出関連株」によって変動しやすい傾向があります。
このような特徴から、日経平均株価は「外需関連株の動きを知るのに適している」と言えます。
反対に国内向けにサービスを展開している企業(内需株)の動向を詳しく知りたい人には向いていないです。
②東証一部の13%しかカバーしていない
日経平均株価はは、東証1部上場銘柄数1682社のうち225銘柄、全体の13%程度しかカバーしていません。
しかも、株価だけが計算の対象です。つまり、値動きの大きい銘柄が225銘柄の中に入っていれば、日経平均の値動きは上下に激しいものとなります。
かつてはソニーの株価、現在ではユニクロのファーストリテーリングの株価が動くことによって日経平均の変動は大きいといわれます。
ひと握りの銘柄の影響を受けやすい特徴があります。
補足になりますが、日経平均と似た指数にNYダウがあります。
これはアメリカで使用されてい株価指数です。
なんとこのNYダウは採用銘柄数が日経平均よりさらに少ない30銘柄です。
NYダウの長い歴史の中で、最初から採用され続けているのはGEだけです。競争力が落ち、社会ニーズにマッチしなくなった銘柄はダウから消え、それに替わる新たな銘柄が入ってきます。
NYダウも株価だけが計算の対象です。しかもわずか30銘柄ですから、短期的には上下の動きが激しくなります。
日経平均もNYダウも、こうした株価だけを算定対象とした指標であることを理解しておく必要があるといえます。
その通りです。TOPIX、日経平均株価のいずれかを見ていればいいというわけではないのです。どちらも併せてチェックするようにしましょう。
TOPIXと日経平均株価、どちらを参考にすべきか?
先ほども説明したように、日経平均株価の銘柄は優良株が多いので、現在の日本の経済や景気の動向が把握しやすい指数です。
また、外需関連株の動きについて知りたいときには、日経平均株価を確認することをおおすすめします。
一方でTOPIXは東証一部の全銘柄の時価総額を見ています。そのため、人気が高い銘柄が動いても指数全体への影響は大きくありません。
以上のことを踏まえると、日本株全体の動きを見たいときはTOPIXを見ると良いでしょう。内需関連株の動きについて知りたいときには、TOPIXを確認しましょう!
TOPIX | 日経平均株価 | |
---|---|---|
算出開始日 | 1969年7月1日 | 1950年9月7日 |
対象銘柄 | 東証一部に上場している すべての日本企業 | 東証一部に上場している 日本企業から独自の基準で選ばれた225銘柄 |
単位 | ポイント | 円 |
算出方法 | 時価総額による(株価×株数)加重平均 | 株価の単純平均 |
特徴 | 内需関連株の動きを知ることが出来る | 外需関連株の動きをしることが出来る |
投資に慣れてきたらNT倍率もチェック
NT倍率とは、日経平均株価÷TOPIXで求めることが出来ます。
「NT倍率」が上昇していると、「日経平均株価の上昇率>TOPIXの上昇率」となります。
つまり、内需株<外需株となり、外需株の方が買われていると判断することが出来ます。
逆に、「NT倍率」が下落していると、「日経平均株価の上昇率<TOPIXの上昇率」と読むことが出来ます。つまり、外需株<内需株となり、内需株の方が買われていると判断できます。
このように、NT倍率を見ることで、現在どの業種の調子がよく、また悪いのかについてその時の流れを確認することが出来ます。
おわりに
今日はTOPIXと日経平均株価の概要や違いについて見ていきました!多少なりとも参考になりましたでしょうか。
内需関連株や日本株全体の動きについて知りたいときには、TOPIX、外需関連株や日本経済の概況や景気について知りたいときは日経平均株価をチェックしましょうとお伝えしました。
しかしながら、株式投資を行う上では、これら2つの指標はチェックしておき事はもちろんのこと、自身が所有する個別銘柄の動向についてもきちんと把握しておくことが重要です。
株式投資に慣れてきたら、是非NY倍率も参考にしてみてください!
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。