今まで仮想通貨に関する記事を書いていましたが、今回は株式投資の際に出てくる用語にクローズアップしたいと思います!
みなさんは「自社株買い」という言葉を聞いたことがありますか?聞いたことはあるけど、自社株買いをする目的や懸念点までは知らないという方がほとんどではないでしょうか。
今日は「自社株買い」について分かりやすく解説していきます!
目次
自社株買いとは?
「自社株買い」とは上場企業が現在発行している「自社の株式を市場から買い戻す」ことを指します。
鋭い質問ですね。では「何のために 自社の株式をわざわざ買っているのか?」ということについてまず解説していきたいと思います。
自社株買いの目的
自社株買いをする目的は主に3つあります!
➀株主への還元対策
まずは株主への還元対策です。
利益余剰金などを使い、自社株買いを行います。
利益剰余金とは、企業が生産した利益を積み立てたお金で、会社内部に蓄積されているものを指します。
株主への還元対策を考えた場合、一般的に、自社の株式が割安であると考えれば「自社株買い」を行い、割高であると考えれば「配当金」による株主還元を行う企業が多いです。
配当とは、「企業が稼いだお金(利益)の一部を、私たち株主へ支払うもの」です。
さて本題の自社株を買う理由について例を使って少し説明したいと思います。
自社の株式が割安である場合、株式の価格が低迷しているor株式の価格が停滞しているとき、企業が自社株を買い戻すことで、実質的に発行された株式(市場で公開されている株式)の数が減少します。
基本的に数か少ない商品ほど価格は上がりますよね?株式に関しても同様のことがいえるのです。
Ex)純利益 1,000万円 発行済株式数 1,000株。
1,000万円÷1,000株 = 1万円 (1株あたり純利益)
Ex2)仮に自社株買いを500株行う ⇒ 純利益 1,000万円、発行済株式数 500株
1,000万円÷ 500株 = 2万円(1株あたり純利益)
上記は分かりやすくするための極端な例ですが、発行済株数が減った分、1株あたりの純利益(価格)は上がります。
投資家保護の観点から行っている自社株買いであるため、既存株主にとっては好材料のニュースです。
自社株買いを定期的に行っている企業は投資家のことを考えていると捉えられ人気もあります。
②ストックオプション(従業員持ち株制度)
次にストックオプションによる、買戻しです。
ストックオプションとは、自社の株を従業員で保有する「従業員持ち株制度」です。
これにより従業員は自社株を一定の価格で購入することが出来ます。
株価が上がると、保有している自分の利益も増えるので、従業員は自社株が騰がるよう、より仕事に精を出すようになると考えられます。
③敵対的買収の防衛策
自社株買いを行い、自社が保有する持ち株の比率を高め、敵対的買収を避けるために行う場合があります。
また、自社株買いは株価が上がるので、敵対的買収にかかる資金も膨らみ、買収を失敗しやすくするという効果もあります。
自社株買いの懸念点
先ほど自社株買いの目的について見ていきました。目的だけ見ていると、自社株買いはいいことであると思ってしまうかもしれません。しかしながら。自社株の実自社株買いには懸念点もあります。早速おさえておきましょう!
短期マネーの売買により株価は乱高下
大規模な自社株の市場買い付け枠を設定した企業に対して、短期マネーが先回りの買いを入れて、株価が上がることがあります。
自社株買いが続いている間、株価は堅調です。しかしながら、短期マネーは「自社株買い付け終了」が発表されるときには、株を売ります。
短期マネーが注目するのは、自社株買いで1株当たり利益が増えることではなく、株の買い付けで短期的に株価が上がることだけです。「安く買付し、企業による自社株買いが終了した時点、つまり株価が上がっているときに売る」ということが肝になっています。
ファナック(6954)やアマダHLDG(6113)など、バランスシート(資産、負債、資本の面から企業の財政状態を示した会計報告書)にキャッシュをたくさん抱える企業が、自社株買いを積極化すると発表したときは、短期的に株価が急騰しました。
こうした自社株買いが絡む投機の動きには、注意が必要です!
おわりに
今回は「自社株買い」について見ていきました!自社株買いをする目的や懸念点は理解できましたでしょうか?最後にもう一度要点をチェックしておきましょう。
自社株買いをする目的は主に3つありましたね♪
➀株主への還元対策
②ストックオプション(従業員持ち株制度)
③敵対的買収の防衛策
でした!
一方で懸念点は、短期マネーの売買により株価は乱高下があります!
自社株買いが絡む投機の動きは日々チェックすることが大切です!株式投資をする上でこの記事が皆さんのお役に立てれば幸いです!