株式投資を行う上で、様々な指標からその株は割安なのか、割高なのかを判断していく事は必要不可欠です。
でも指標って、分かりにくくてなんか難しそうですよね。英語で書いてあるのが多いですし。
そんな疑問を解決するべく、一見難しそうだなと思う指標を分かり易く解説していきます。
株式投資をする上で判断材料は多く持っている事に越したことはありません。
ぜひここで、指標の意味を確認して、今後の投資に役立てて下さい!!
目次
RSIとは
RSIとは、「Relative Strength Index」の略になり、日本語では相対力指数と言われます。
株の買われすぎや売られすぎ等の状態を見極める事が出来る指標です。
RSIの値が高いときは、相場が順調に上昇している状態であると言えます。
株価が上昇し買われすぎている場合には売りの準備を行い、逆に売られすぎの場合には、買う準備を行う目安として利用することが出来ます。
RSIの値は、0~100の間で移動し、決して0%以下になる事はありません。
0%に近づく→売られすぎ
50%→中心
100%に近づく→買われすぎ となります。
RSIの求め方
- RSIの計算期間を決める
- 株価の前日比で「プラスになった日の上昇値幅合計」、「マイナスになった下落値幅合計」を出す
- 「上昇値幅合計」を「上昇値幅合計+下落値幅合計」で割って100をかけて%で出す
具体的な例で見ていきましょう。
1.RSIの計算期間を決める
今回の例では、5日間とします!
株価 | 前日比 | 上昇・下落 | |
12月1日 | 500 | +5円 | 上昇 |
12月2日 | 510 | +10円 | 上昇 |
12月3日 | 507 | -3円 | 下落 |
12月4日 | 500 | -7円 | 下落 |
12月5日 | 490 | -10円 | 下落 |
2.前日比で「プラスになった日の上昇値幅合計」と「マイナスになった日の下落値幅合計」を出す
・上昇値幅合計 5円+10円=15円
・下落値幅合計 3円+7円+10円=20円
3.「上昇値幅合計」を「上昇値幅合計+下落値幅合計」で割って100をかけて%で出す
5日RSI=15÷35(20+15)×100=42.8%となります。
これがRSIの求め方です。
RSIの設定期間は14日が基本ですが、自分の投資スタイルに合わせて変更する事が出来ます。
RSIの目安
70~80% 売りシグナル
20~30% 買いシグナル
となるので、覚えておきましょう!
RSIを使うのに適したタイミング
ボックス相場の時
チャートが横ばいの時
につかうのが一番適しています。
また、基本的には逆張りの際に使用していく指標となります。
逆張りについてはこちら
株の分析方法とは~ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析~
RSIの注意点
以下のような場面では、うまく機能しないことが多いです。
- 株価が急騰、急落している場合
- 株価が上昇、下降トレンドにある時
このようなタイミングで使うのは、あまりオススメできない指標になります。
RCIとは
RCIとは、「Rank Correlation Index」の略で、直訳すると「順位相関指数」を意味します。
「日付」と「株価」それぞれに順位をつけ、両者にどれだけの相関関数があるのかを数値化したものです。-100%~100%の範囲で指数化しています。
例えば計算期間を5日間とした場合、5日間上昇し続けると、100%となります。逆に5日間下落し続けた場合は、-100%となります。
RCIは株価の上昇した日数が多いと、「買われすぎ」となります。逆に株価の下落した日数が多くなると「売られすぎ」と判断されます。
RCIの求め方
複雑で分かりにくく、重要度が高くないので割愛します。目安の方が大切なので、そちらを覚えていただければ大丈夫です。
RCIの目安
80%以上→買われすぎ(割高)
-80%以下→売られすぎ(割安)
と判断されます。
RCIを使う適切なタイミング
順張りの場合
・「上昇トレンド」の時に「買い」で注文を出す
・「下降トレンド」の時に「空売り」で注文を出す
逆張りの場合
・「上昇トレンド」から反転した時に「空売り」で注文を出す
・「下降トレンド」から反転した時に「買い」注文を出す
逆張りについてはこちら
株の分析方法とは~ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析~
基本的には、どんなタイミングでも使える万能的な指標になりますが、設定期間によって適切なサインが出るかどうかに影響があります。
「9日間」が一般的な設定期間なのでまずはこの期間で試してみるのはどうでしょうか?
RCIの注意点
次に、気を付けなければいけない点として、RCIは値幅を考慮していない点が挙げられます。
「日付」と「株価」の相関関係を数値化した指標になりますが、「値幅」は考慮されていません。
その為、大きく値動きがあった日でも、小さく値動きがあった日でも同じ1日としてカウントされてしまいます。
株価が急落し回復していない場合でも、RCIは「買われすぎ」を示す場合があるので、その点は注意が必要です。
PSRとは
PSRとは、「Price to Sales Ratio」の略で和訳では株価売上げ高倍率と言います。売上高と比べて株式時価総額がどれだけ大きくなっているかを測る指標です。大きな特徴として、赤字の状態でも債務超過の状態でも計算できるのが特徴です。
赤字・債務超過の違いについてはこちら
インデックスとは?投資と関係あるの?メリット・デメリットについても解説します!
PERは求める際の計算式に「1株あたりの利益」が必要となるので、そもそも利益の出ていない赤字の会社では、計算が出来ません。
PBRも純資産が赤字の場合は計算することが出来ません。
PER・PBRについてはこちら
株の分析方法とは~ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析~
PSRの求め方
PSR=時価総額÷売上高
1株あたりの場合(計算結果は同じになります)
PSR=株価÷1株あたりの売上高
PSRの目安
PSRが20倍以上 割高
PSRが0.5倍以下 割安
となります。
具体的には、
現在は赤字だけど、「成長期待度の高い小型株」を買いたいと思った時にPSRを確認します。その時に、PSRが20倍以上の場合は、買われすぎの状態であり、割高であるので違うタイミングで買ったほうがいいかもしれないという情報になります。
PSRを使うのに適したタイミング
赤字のままIPOする企業の公募価格を算出するとき
上場したばかりの企業の判断をするとき
IPOについてはこちら
IPO(新規公開株式)とは何か?買い方やメリット・デメリットなど徹底解説!
PSRの注意点
「利益率が高いほど割高になり、利益率が低いほど割安に見えてしまう」という特性があります。
例えば利益率の低い製造業などの場合、売上が多いのにかかわらず、利益がほとんど出ていないという状態にある会社も少なくありません。
この場合売上金額が多いため、PSRが低くなり「割安」と判断されるようになってしまいます。
このような問題点を解消する為に、
同じような業種で比較をする
現在のPSRだけではなく、来期の変化率をみる事で成長性を確認する
等の方法として利用するのも一つの使い方としてオススメします!
要点チェック!
- RSIは70~80%は売りシグナル、20~30%は買いシグナル
- RSIは、ボックス相場、チャート横這いの時に使おう!
- RCIは、+80%以上が「買われすぎ」、-80%以上が「売られすぎ」
- RCIは、急激な値動きの場合は、正しい動きをしない事があるので注意!
- PSRは、20倍以上の時に割高、20倍以下の時に割安と判断される
終わりに
いかがでしたでしょうか?
今回は難しそうな英語の指標について説明していきました。
計算方法や、その指数の背景といった難しい点よりも、「この指数がどのくらいになったら、売ったほうがいいのか」等の目安をまずは理解していくのいいと思います。
色々な指標について、どんなタイミングでどんな使い方をするのかを勉強する事で、株式投資の幅を広げていきましょう!!