株式投資の難しそうな指標3つ(EPS,PCFR,BPS)を分かり易く解説します!

こんにちは!ライターのそうです!

今回は株式投資の際に使える指標を3つ紹介していきます。

株式投資の指標って日本語でも、英語でもすごく難しそうに感じますよね。

計算式も漢字ばかりでとっつきにくい…でも大切なのは、「どのような場面で使えるか」です。

今回は3つの指標についても分かり易く紹介していくので、「どんな場面で使える指標なのか」ということをしっかりと理解して、今後の株式投資に活かしていきましょう。

そう
今までも、様々な指標について紹介しているので、ほかの指標については以下の記事を見て下さいね!

 

EPSとは?

TeroVesalainen / Pixabay

EPSとは、正式にはEarnings Per Shareと言い、日本語に訳すと「1株当たりの純利益」の事を指します。

1株当たりの最終的な当期純利益がどの程度かを示すものになるので、単純に1株に対する利益はどれだけあるか?を確認することができる指標になります。

このEPSの推移を見る事で、企業の成長度が簡単にわかります。

また、EPSの値は、一株当たりの儲けの大きさを表している為、値が大きければ大きいほうがいいとされています。また、継続的に数字が上昇しているほうが良いです。

例えばEPS100の企業Aと、EPS200の企業Bがあり、それぞれ同じ株価1000円だった場合企業Bの方が割安であると考えられます。

 

EPSの求め方

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数

例えばですが、企業の当期純利益が100億円、発行済みの株式総数が1億枚だった場合、100(億)÷1(億)=100となり、EPS(一株当たりの純利益)は100円となります。

 

EPSが上がる場面

  • 純利益の増加
  • 発行済み株数が減少したとき

1つずつ確認していきます。

 

純利益の増加

企業の経営が上向きになったり、元々上向きなものがさらに良くなると、その期間の純利益が上昇するのでEPSが上昇します。

 

発行済み株数が減少したとき

自社株買いや株式併合等で、発行済み株数が減少する事で分母が減る事になるので、EPSは上昇します。
株式併合とは、発行済みの株式を減らす為に、複数の株式を1株に統合することを指します。

逆に株式分割などで、発行済み株数が増加すると、分母が増えることになるのでEPSは小さくなります。

株式分割についてはこちら
株式分割されると株価は上がる?メリットや効力発生日について解説します!

そう
EPSが増加することが必ずしも業績が好調という事に繋がるわけではないので、注意が必要です!

 

 

EPSの使い方

以下の2点の使い方がおすすめです。

  • 意味のある増資をしているかを判断する
  • 銘柄の適正な株価を判断する

それでは、確認していきましょう。

 

意味のある増資をしているかEPSで判断する

増資とは、資金が必要になった企業が新たに株を発行することで、資金を調達し資本金を増やす事です。

企業が成長する為には、一定期間ごとに増資をすることで、新規事業を始めたり事業を拡大していく必要があります。きちんと考えられた増資を行わないと、「希薄化」が生じ、株価も下落につながる可能性があります。

そう
「希薄化」とは、簡単にいうと「1株当たりの価値が薄められること」です。

しかし、増資後一時的に株価が下がったとしても、その後上昇してくるのであればその増資はプラスに働いていると考えられます。

その為、長期的にみてEPSが継続的に上昇していくような増資をできている企業は、株式投資をするのに適している優良企業であると判断することが出来ます。

 

銘柄の適正な株価を判断する

いきなりですが、

株価=PER×EPSで求めることが出来ます。

PERは大体15倍を下回ると割安、上回ると割高であるとされています。

 

その為、適正な株価=EPS×PER(15倍程度)で求めることが出来ます。

例えば、EPSが100円の銘柄であるとすると、その15倍程度の1500円前後が適正な価格であると考えられます。

具体的に株を保有している状態だった場合、

  • 株価が1000円まで下落した時は株価が割安だと判断され、買い注文が集まることで株価が上昇に転換する可能性がある
  • 株価が2000円まで上昇した時は株価が割高であると判断され、売り注文が集まるので、株価が下落に転換する可能性がある

という事が出来ます。

あくまでも可能性ですが、株価の適正価格から現在の価格が割高なのか、割安なのかを見る目安として利用することが出来ます。

そう
上述の2点から、EPSの値が継続的に上昇していて、投資するのに適している経営が出来ていると判断し、EPS×15倍よりも株価が安いときに検討するのがおススメです!

 

PCFRとは

Sophieja23 / Pixabay

PCFRとは、Price Cash Flow Ratioの略で、「株価キャッシュフロー倍率」の事を指します。

PCFRは、低いほどその銘柄が割安であると示しています。

また、PCFRは「今の株価に相当する投資資金の回収に、何年かかるか」を知ることが出来ます。これは、PERも同様です。

「じゃあ、PERみればよくないですか?」

という質問が飛んできそうですが、PERには盲点があるんです!そこをうまく補うための指標として活用されています。

詳しく確認していきましょう!

 

PCFRの求め方

PCFR=株価÷1株あたりのキャッシュフロー

で求めることが出来ます。また、

1株あたりのキャッシュフロー=営業キャッシュフロー÷発行済み株式数

となります。

そう
キャッシュフローとは、簡単に言うと現金の流れの事を指します。PCFRで使う営業キャッシュフローは、「本業の事業でどれだけ稼げているか」を指します。

営業キャッシュフローはキャッシュフロー計算書で求める事が出来ます。

キャッシュフローについてはこちら
キャッシュフロー計算書

 

PERの盲点とは?

PERの盲点として「売り上げが高く、それを設備投資に回している好調な会社が評価されない」という点です。

PERは、時価総額÷純利益で求める事が出来ます。あくまでも利益に着目していて、利益を設備投資に回している好調企業を見逃してしまいます。

PERだけを見ていると、

  1. 本業で多くの利益をあげ、その中の多くを設備投資に充てる好調企業がある
  2. コストがかかるため、利益が小さくなる
  3. PERに反映されない為に見逃す

という流れが起きてしまいます。

このようなPERで逃してしまう企業を見逃さない為に「お金の流れ」をみる指標としてPCFRがあります。

そう
PERのEはEarningsで利益という意味。このEをCF(Cash flow)にしたものがPCFRです!分かり易い!!

先ほど、PCFRを求める時の「1株あたりのキャッシュフロー」は営業キャッシュフロー÷発行済み株式数と解説しました。

この「営業キャッシュフロー」が注目ポイントです。少しだけ解説しましたが、営業キャッシュフローは「本業でどれだけ稼げているか」を表しています。つまり、本業の分しか含まない為、「設備投資」は含まれません。

「設備投資」は、投資キャッシュフローに含まれます。

このように「PER」では「利益なし」と判断される企業が「営業キャッシュフロー」の場合「大きな利益」を挙げていると判断することが出来るのです。

キャッシュフローについてはこちら

 

PCFRの目安

PERの目安が一般的に15倍程度と言われています。

これに対して、PCFRは大体10倍程度であると考えられます。ですが、自動車会社など設備投資の費用は業種によって異なるので、基準値にあまりとらわれないようにしましょう。

そう
あくまでも同業他社との比較で割高・割安を判断していく事をオススメします!

 

PERと一緒に使う

PERと一緒に使うべき理由として、以下の二つがあります。

  • 営業キャッシュフローが高ければいいというわけではない
  • PERに比べ認知度が低い

 

営業キャッシュフローが高ければ高いほどいいというわけではない

PCFRは、発想を転換させて考えると、「手元に資金が常にない状態」と考えることもできます。足りない分のお金は銀行からの借り入れや社債などで賄っていますが、当然利息がかかります。

具体的に多額の設備投資をしている場合、

多額の設備投資によって、現金が利益として手元に残らない

設備投資で利益が増えたが、銀行などにお金を返す為に優先的に利益を使っていく

結果として、投資家に回ってくるお金はわずか

という流れに陥っている企業も少なくありません。

短期的ならともかく、「営業キャッシュフロー」だけを見るのではなく、設備投資の費用も確認する必要があります。

その為には、「投資キャッシュフロー」で「設備投資にどのくらい使ったのか?」を確認することも大切です。

このように、ただ設備投資を多く行っていればいいわけではありません。

その為、PCFRだけで決めてしまうのは避けるべきです。

 

PERに比べ、認知度が低い

PCFRはあまり知名度が高くありません。

一方で、PERはかなり有名な投資指標で多くの人が活用しています。

チャートは、多くの人が売買を行うことで、動いていきます。

多くの人が活用している指標であるPERも一緒に併用することで、ほかの投資家の行動予測もでき、より分析に正確性が出ます。

 

BPSとは

Tumisu / Pixabay

BPSとは、Book-value Per Shareの略で、1株あたりの純資産の事です。

純資産とは、資産から負債を引いた部分の事を指し、会社が解散した場合には株主に返されるお金になります。

主にPBR(株価純資産倍率)を計算するときに利用されます。

 

BPSの求め方

BPS=純資産÷発行済み株式総数

純資産とは、貸借対照表状の純資産の欄から、「新規予約権」と「少数株主持分」を指し引いた金額を使います。

また、一株当たりの純資産の持ち分になるので、BPSの値が高ければ高いほどいいです。

 

BPSで企業の安全性を見ることができる

先ほど、「BPSは、会社が解散した場合に返されるお金である」と説明しました。

BPSが大きければ大きいほど、企業が仮に解散した場合にも、お金が帰ってくる可能性が高いと言えるので、安全性が高いと言えます。

そう
銘柄を選定する際に、ぜひBPSもチェックしてみる事をお勧めします!

 

BPSは最新の値でないことに注意!

BPSを求める時に最新の株価で計算していたとしても、純資産の部分はあくまでも、直近の貸借対照表の値が使われています。

その時にBPSが良かったとしても、直近の業績が好調でない場合もあるので注意が必要です。

 

要点チェック!

  • EPSを使うことで、銘柄の適正な株価を計算することが出来る
  • PCFRによって、PERの盲点を補って投資をする事が可能
  • BPSは、その会社の安定性を知ることができる

 

最後に

いかがでしたでしょうか?
ぜひ1つの指標でなく、紹介した様々な指標を用いて、資産運用に取り組んで見て下さい!

EPSとBPSはPER、PBRを求める時に使う指標です。

ぜひPER、PBRもチェックしていってください!

そう
以上、ライターのそうがお届けしました。今回の記事が皆さんの資産運用の手助けになれば幸いです。