皆さんは巷間で話題の「確定拠出年金」をご存知でしょうか?
「確定拠出年金」というのは老後の資金を作る制度のことを指します。確定拠出年金にはiDeCoなんかが相当しますね。
また確定拠出年金には個人型と企業型があります。どのような違いがあるのでしょうか?この記事で詳しく説明していきますね♪
確定拠出年金とは?
冒頭でも申し上げた通り、確定拠出年金とは簡単に言ってしまえば<老後の資産作り>です。
昨今の日本は、低金利なので銀行に預金していても大して金利が付きませんね。そんな今だからこそ、老後に備えて確定拠出年金を利用する人が増えているのです。
日本の年金制度
おそらく一般的な年金制度とは「国民年金」のことです。日本の年金制度は3つあるのですが、そのなかの一つが確定拠出年金です。以下で3つの年金制度について解説していきます。
- 国民年金
- 厚生年金(2017年に共済年金と併合)
- 確定拠出年金
国民年金
国民年金とは原則として20歳以上60歳未満の日本居住者に加入義務が課せられる年金のことです。
老後の資金としてはこれが最も有名な年金制度ですね。「老齢基礎年金」とも呼ばれます。
学生などは所定の手続きを踏むと納付猶予期間が与えられますが。
この年金は*立場によって支払い方法が異なりますが、保険料は一律毎月1万6260円です。
*国民年金法によって3つの立場に分けられます。区別は以下の通りです。
第一号被保険者 | 自営業、学生、フリーター等 |
第二号被保険者 | 民間の会社員や公務員などの厚生年金保険や共済組合に加入している人 |
第三号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている20歳~60歳までの配偶者 |
厚生年金(2017年に共済年金と併合)
厚生年金とはサラリーマンなど日本国内の企業に勤めている「労働者」が加入する年金制度です。
保険料は厚生年金保険料+国民年金保険料になるため少々高額になります。
しかし、この保険料の半分は企業が支払っています。労使折半ですね。
ちなみに厚生年金は加入して25年以上たっていて、原則として65歳以上の方が受け取ることができます。受給額は以下のようにして求めることができるのでご参考までに載せておきます。
受給額=定額×報酬比例×加給年金
- 定額…1625円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数
- 報酬比例…基本的に定額と同じ年金額
- 加給年金…厚生年金保険に20年以上加入しており、65歳に到達した時点で扶養されている配偶者や子供がいる場合に加算されるもの。対象者に応じて加給年金額が変わる。
対象者 | 加給年金額 | 年齢制限 |
配偶者 | 基本的に224,300円 | 原則として65歳未満 |
1,2人目の子供 | 各224,300円 | 18歳未満。または重度の障害のある20歳未満の子。 |
3人目以降の子供 | 各74,800円 | 18歳未満。または重度の障害のある20歳未満の子。 |
(日本年金機構のホームページ参照)
確定拠出年金
確定拠出年金とは新たに加わった年金制度で、毎月一定の掛け金を払い、自分で資産運用するものです。
ほかの2つの年金と異なり、加入は任意で、かつ各々の運用成績により老後(原則として60歳)に受け取る金額が変わります。
確定拠出年金は60歳になった時点で10年以上加入していることが原則ですが、10年に満たない場合は遅くとも65歳までに支給が開始されます。
確定拠出年金では将来的に3つの給付金を受け取ることができます。
- 老齢給付金…原則として60歳から、年金または一時金として支給
- 障害給付金…高度の障害を負った場合、年金または一時金として支給
- 死亡一時金…死亡時に一時金として支給
確定拠出年金には2種類あるので以下で詳しく見ていきましょう。
確定拠出年金<企業型>(企業DC)
*DC=Defined Contribution Plan
企業型は会社の退職金制度の一種です。導入していない会社、また導入してはいるが加入が任意のもの、加入対象者が限定されているものがあります。
原則として掛け金と口座管理料は会社が負担ですが、掛け金は本人が上乗せできる場合もあります。
掛け金は一般的には人件費として計上されているようです。
企業型の場合は納付先の金融機関、運用商品を個人で自由に選ぶことはできませんが、会社が指定した商品の中から運用商品を指定することができます。
この資産は企業の資産とは別に管理されるので、会社が倒産してしまってもこの資産は影響をうけません。
この制度は従来の確定給付企業年金(DB)とは異なり、会社が運用責任を負う必要がないので企業にとってもメリットのある制度です。
確定給付企業年金とは?
*DB=Defined Benefit Plan
確定給付企業年金はあらかじめ、従業員が受け取る金額が決まっているものです。
DCは個人の運用成績によって受け取ることができる金額が異なっていました。一方でDBは掛け金の運用を会社が行い、損失が出ても利益が出ても一定の給付額を受け取ることができます。
DBもDC同様、企業の外部で運用されることになるので万が一会社が倒産してしまっても資産には何の影響もありません。
しかしDBは運用で損失が出てしまった場合、企業側に多大な負担がかかってしまうというデメリットがあります。
確定拠出年金<個人型>=iDeCo
一方で個人型=iDeCoは加入は*個人の意思(任意)ですが、掛け金や口座管理料は個人負担となります。
*ただし、国民年金納付している20歳以上60歳未満などの加入資格あり
もちろん、納付先の金融機関や運用商品は個人で選ぶことができます。
詳しくはこちらから→個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)って?メリット・デメリットは?上限金額についても徹底解説します!
個人型と企業型の違いのまとめ
この2つには以上のような違いがありました。以下に表でまとめておきます。
企業型(企業型DC) | 個人型(iDeCo) | |
加入方法 | 任意(加入資格あり) | 企業による |
掛け金 | 自己負担 | 会社が負担(個人で増額可能な場合あり) |
口座管理料 | 自己負担 | 原則として会社が負担 |
金融機関の選択 | 選択可 | 選択不可(企業が選択) |
運用商品の選択 | 自由に選択可 | 限定されているが選択可(企業が選んだものから選択) |
確定拠出年金のメリット・デメリット
ここからは確定拠出年金のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
確定拠出年金のメリット
大別すると4つのメリットがありそうです。
- 非課税
- 控除あり
- 会社が倒産しても大丈夫
- 死んでしまっても、自己破産してしまっても大丈夫
以下で詳しく見ていきます。
*非課税
一般的に資産運用で得た利益に対して、税金を払わなければなりません。この課税のことを「源泉分離課税」といい20,315%の税金がひかれてしまいます。
しかし、この確定拠出年金は運用が非課税となるので利益をそもまま手に入れることができます。
またこの利益を受け取る際にも税金が非課税または控除が受けられるのでかなりお得ですね♪
*控除あり
個人型つまりiDeCoに関しては、住民税と所得税から掛け金が差し引かれるのでその分お得になります。
企業型DCに関しても、自分で増額した掛け金分は差し引かれるのでお得ですね♪
*詳しい計算方法はこちらの記事をご覧ください↓
個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)って?メリット・デメリットは?上限金額についても徹底解説します!
会社が倒産しても大丈夫
企業型DCの場合、掛け金の運用は外部委託なのでもしも会社が倒産してしまって問題ありません。
死んでしまっても、自己破産してしまっても大丈夫
先程も少し触れましたが、万が一積み立て途中で死亡してしまっても死亡一時金として資産を受け取ることができます。
また自己破産してしまった場合も、受給資格は残るのでお金を受け取ることができます。
確定拠出年金のデメリット
- 60歳まで引き出せない
- 手数料がかかる
- 運用先が少ない
60歳まで引き出せない
一番のデメリットは60歳まで引き出せないことです。
「急にお金が必要になった!」や「少し引き出したいんだけど、、、」となってしまっても60歳までは引き出すことができません。
ただし、このおかげで計画的に老後の資産を積み立てることもできるのでどう捉えるかは自分次第ですね♪
手数料がかかる
また運用や口座管理料がかかってしまうこともデメリットです。
しかし一般的な投資信託よりも運用手数料は安いので、老後の資産作りのために投資しておきたい方にはぴったりかもしれませんね。
運用先が少ない
またこの確定拠出年金は最近できたばかりの制度なのでまだまだ運用できる商品が少ないのが現状です。
運用先が少ないということはリスクを減らす分散投資がしにくいということを意味しています。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回は確定拠出年金についてご紹介しました。最後に本稿のまとめをします。
確定拠出年金とは?
- 最近できた年金制度
- 加入は基本的に自由
- 60歳まで引き出せず、多少の手数料もかかってしまうが、企業の動向に左右されない・非課税・控除が受けられる
以上のポイントをしっかり押さえておきましょう♪