扶養手当と扶養控除の違いや条件、様々な手当についてご紹介!




日本の経済事情を日々の生活から見ていくと、消費税増税といった生活が圧迫されるような制度ばかりが目に付きがちです。しかし生活をサポートしてくれる手当は多数存在しています。もちろん公的な制度もありますが、企業などが独自にサポートしてくれる手当も存在しているので、その存在を知っているかいないかで、生活の悩みの克服しやすさは変わってくることでしょう。

そこで今回は扶養手当を主軸に、その概要や申請方法、またその他にも生活に活用できる様々な手当についてご紹介していきます。

引用元:photoAC

 

扶養手当について

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まず扶養手当の概要についてご紹介していきます。扶養手当は扶養控除とよく間違われがちですが、概要を確認すれば別物だということが納得できるかと思います。

扶養手当とは

扶養手当は、配偶者や子供を持つ職員を対象に渡されるお金です。主に生活を援助するという目的で支給される扶養手当ですが、1点難点を挙げるとするならば、この手当が会社の義務ではないということです。ですから聞いたことがあっても、扶養手当の制度がある会社に勤めていない場合には支給されません。そのため扶養手当の制度がある会社であっても、その金額や扶養手当に適用される条件などは、会社によって違います。

加えて、会社ごとの就業規則に従って至急されることが多いため、上限金額や最低限支払わなければならない金額も特にありません。条件も年齢が対象となる場合や所得金額が対象となる場合があるので、気になる場合には、自分の勤めている会社に確認する必要があります。

扶養手当と扶養控除の違い

上の概要からも分かるように、扶養手当は会社が定めている特別な物です。一方、扶養控除は言葉がよく似ていますが、扶養控除を定めているのは国です。扶養控除はしっかりと条件が定められており、16歳以上の扶養親族の有無と所得税の計算によって控除額が決まります。

会社によって異なる、ということはなく、以下の条件金額が所得から控除されるといった形を取ります。

  • 16歳以上 38万円
  • 19歳以上23歳未満 63万円
  • 23歳以上70歳未満 38万円
  • 70歳以上 48万円

参考文献:「扶養手当と扶養控除って何が違うの?」 2つの違いを税理士がわかりやすく説明

支給額はどのくらい?

先にも紹介している通り、支給額は会社の規定によって異なりますから、今回紹介する支給額はあくまで参考だと思ってください。正確な支給額を知りたい場合には、自分の勤めている会社に問い合わせることが必要です。

例えば国家公務員であれば、配偶者に対して13,000円、子供1人に対して6,500円とされています。もちろん国家公務員の中でも地方公務員は自治体ごとに制度が異なります。おおよそこのぐらいの金額が支給されるだろうという仮定の話だと思ってくださいね。

また民間企業であれば相場として、配偶者に対して10,000円、子供1人に対して3,000〜4,000円とされています。会社によって規定が違うため、1人1,000円という会社ももちろんありますし、もっと手厚く子供1人に対して数万円支給してくれる会社もあると聞きます。

扶養手当の条件について

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では、扶養手当を受け取る場合にはどうしたら良いのでしょうか。扶養手当を受ける場合の条件についてご紹介していきます。

扶養手当の条件

何度も繰り返し言いますが、扶養手当を設けていない会社もありますし、条件は会社ごとに異なります。ただ扶養手当という名前からも分かる通り、被扶養者であることが最低限条件であることは間違いないでしょう。しかし”扶養手当が支給される被扶養者”にもまた条件が必要になることがあります。

例えば国家公務員の場合、内縁関係を含む配偶者、満22歳に達していない子供や孫・兄弟姉妹、満60歳以上の父母・祖父母、重度心身障がい者が被扶養者となります。

公務員であっても、所属する団体、自治体によって条件が異なることがあるので、上記で紹介した条件が全てではありません。

共働きの場合は?

例えば共働きだった場合、扶養手当を受けることのできる条件は満たせるのでしょうか。条件は会社毎に違いますが、1つ確実に言えることは、夫婦それぞれが別の会社に勤め、その会社が2つとも扶養手当を用意していた場合、どちらか一方からしか手当を受けることはできないでしょう。

扶養の形は、大抵男性が女性を扶養する形を取ることが多いですが、法で定められているわけでもありませんから、その場合には扶養手当が大きい方の扶養に入ることをおすすめします。時には男性が女性の扶養に入ることもあるでしょう。

共働きなら節税効果も?!

ちなみに共働きであれば、収入の多い方の扶養に入ることで節税効果も見込めるってご存知でしたか?例えば先に紹介した扶養”控除”を受けられるのであれば、所得税を軽くすることができます。控除は税率を差し引いてくれる制度です。ただし扶養手当が高額な会社に勤めているのであれば、”控除”よりも”手当”の方がお得感を感じることもあるので、扶養控除も扶養手当もしっかり確認して、どちらがよりお得なのか、シミュレーションしておきましょう。

申請してみよう

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扶養手当の概要が分かったところで、早速申請してみましょう。もちろん今回紹介するのはあくまでも参考なので、会社によっては特有の申請方法が待っているかもしれません。ただ前もってシミュレーションしておけば、変に慌てることなく申請することができることでしょう。

申請方法

扶養控除とは違い、公的な制度ではない扶養手当ですが、大抵の企業では就業規則にのっとって申請条件や申請方法を定めているところがほとんどかと思います。もちろん扶養手当そのものが存在しない会社もあれば、規定はなく社長が決めたルールに従って・・・という会社もあるかもしれません。

基本的には社会保険や所得税における扶養基準が基盤となっています。

申請するための条件とは

例えば先に述べたような社会保険、所得の扶養基準の観点から、配偶者や子供の収入面に関する制限が条件として提示されている場合があります。制限額には103万円や130万円が規定されている場合が多いです。もちろんざっくばらんに、収入制限はないという会社や、扶養されている側の収入が働いている本人より低ければOKなんて会社もあります。

あとよくある条件には「同居の有無」が挙げられます。同居していて収入も制限額内である場合に、扶養手当が支給される、といった会社もあります。「年齢」の場合もあります。子供なら満22歳以下でなければならない、親であれば満60歳以上でなければならない等です。

必要書類について

必要書類も、会社によって独特な提出物があるかもしれません。ただ基本的には扶養者であることを申告する「被扶養者申告書」は欠かせないはずです。以下でご紹介する例は公務員や私立学校の教職員などが対象となる共済組合においての被扶養者の申告についての例です。

民間企業であれば企業が定めている規定に沿って、提出物が決まってくるので、ここまでみっちりと用意する必要がない場合もありますし、以下の例と同様に提出物を求められる場合があります。ただいずれにせよ扶養手当は公的制度ではないので、受け取れるのであれば多少必要書類を用意するのに面倒に感じても、しっかりと用意し、支給金額を受け取りましょう。

配偶者で無職・無収入または年間の収入が130万円未満の場合

  • 被扶養者申告書
  • 戸籍妙本や続柄の記載された住民票といった組合員との続柄が確認できる書類
  • 扶養申立書
  • 国民年金第3号被保険者届
  • 年金手帳の写しなど、基礎年金番号が確認できる書類

無収入の場合には、所得証明書(給与収入が上がっている場合には退職したことが分かる書類も添付)が必要とされています。

年間130万円未満の収入がある場合には、給与収入、事業・不動産・雑収入等、年金収入といった収入の元が分かる書類が求められます。

もし学校へ通っている場合には在学証明書、内縁関係ならばそれが確認できる書類が必要とされます。

 

収入が年間130万円以上〜180万円未満の場合

収入が年間130万円以上〜180万円未満であっても、以下の必須書類と、収入の元を証明できる書類、在学しているのであればその証明書、内縁ならその事実が分かる書類が求められます。

  • 被扶養者申告書
  • 戸籍妙本や続柄の記載された住民票といった組合員との続柄が確認できる書類
  • 扶養申立書
  • 国民年金第3号被保険者届
  • 年金手帳の写しなど、基礎年金番号が確認できる書類

参考文献:被扶養者の申請手続き

他にもある?!様々な手当

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今回着目したのは扶養手当ですが、他にもまだまだ手当は存在しています。その中のいくつかは会社によって呼び方が違うだけで扶養手当と同等のものも含まれますが、探してみると生活を支えてくれる、頼りになる手当は多数存在します。ぜひ自身の勤めている会社や配偶者の勤めている会社に確認してみましょう。

家族手当とは

扶養手当の他に、よく名前が挙げられるのが家族手当です。これも配偶者や子供のいる人を対象に渡されるお金であり、会社の福利厚生の1つとして挙げられます。扶養家族がいる、いないによって生活費にはやはり差が生じますよね。そこで生活にかかる費用負担を少しでも軽減しようと会社が独自に制定してくれる手当となっています。

家族手当も公的な制度ではありませんから、扶養手当はあるけど家族手当はない、という会社もあれば、もちろん両方ないという会社もあります。それどころか扶養手当も家族手当も会社が独自に制定した福利厚生ですから、どちらがどのようなものだという明確な定義はありません。名称が異なるだけで、ある会社の扶養手当がある会社の家族手当と同等の制度であることも、少なくありません。

配偶者手当とは

配偶者手当は、その名の通り”配偶者”にのみ支給される手当のことを主に指します。ただし、この手当においては、会社独自の制度とはいっても珍しい存在と言えるでしょう。配偶者だけに着目した手当はあまり存在しないと聞きますから、初めて聞いたという人もいるかもしれませんね。

手当受給率は少ない?!

ちなみに今回紹介した扶養手当、そして家族手当、配偶者手当を用意している企業は実際にはあまり多くありません。例えば厚生労働省の調査によると、家族手当制度のある会社とない会社の割合はおおよ7:3となっています。7:3と聞くと「案外多いんじゃ?」と思うかもしれませんが、約4社に1社は手当がないと聞くと印象が変わりますよね笑。

と言っても、何度も申し上げた通り、公的な制度ではありませんから、決して会社に対して、手当が多い少ないを責めることはできません。もしもこれらの手当の有無が気になるようでしたら、会社へ直接確認するか、転職サイトなどを通じて確認することをおすすめします。いくつかの転職サイトには求人票で手当の有無を確認することができたり、転職前に手当で受け取れる金額まで確認できるサイトもあります。

参考文献:共働きにおける扶養手当について キャリアパーク転職

手当見直しという現状

しかしながら、ニュースや報道で小耳に挟んだ方もいるかもしれませんが、手当の見直しも行われています。国家公務員において、2017年度から配偶者手当を減らすという法案が可決、成立されています。これの目的は、扶養手当を見直すことで女性の就労意欲を高めよう!というものです。もちろんただ減額したわけではなく、扶養する子供がいる職員へは手当が拡充されるといった動きもあります。

参考文献:国家公務員の配偶者手当、17年度から減額 改正給与法が成立

まだまだあります、こんな手当

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会社勤務に関係する手当と言えば、先に紹介した扶養手当、家族手当、配偶者手当がよく挙げられますが、”手当”であればまだまだ沢山あります。ここでは公的制度もいくつかご紹介します。税金の支払いや生活費の出費などに追われて生活が大変という方は、自分の条件などを見返して、受けられる手当は受けることをおすすめします。頼れるものに頼れる時には、しっかり頼ってくださいね。

児童扶養手当

家族関連の手当で、こちらも有名な手当です。離婚や死別など、父母のどちらかしか養育を受けることができない家庭のために設けられた手当です。支給してくれるのは地方自治体です。支給の対象は子供が0歳から18歳までの世帯が対象となります。

いつから受け取れる?

児童扶養手当の管轄は地方自治体です。ですから住んでいる地域の地方自治体の規則にのっとって申請する必要はあります。ただ基本的には申請が受理されれば、その翌月から支給金額の計算が開始されます。支給金額は毎月振り込まれるのではなく、4月と8月と12月、4ヶ月に1度指定した口座に振り込まれる形が取られています。

支給額

支給額は、その家庭の所得金額と子供の数によって変わります。所得額に合わせて変動するので所得の計算式を知っておくと良いでしょう。ちなみに全部支給を受けられる場合だと、2017年4月〜は42,290円が支給額となっています。所得に応じた一部支給であれば42,280円〜9,980円まで変動します。

子供が2人いる場合には、第2子分の加算額が全部支給で9,990円、一部支給で9,980円〜5,000円となります。第3子以降は全部支給で5,990円、一部支給で5,980〜3,000円、1人につき加算されます。

ちなみに児童扶養手当を受ける際、参考となる所得の計算式ですが、
所得=【給与所得控除後の金額】+【養育費の8割】+【8万円】+【下記の諸控除の金額】

となります。

障害児福祉手当

心身に重度の障害があり、生活する中で常に介護の必要がある在宅の20歳未満の児童に対して支給されるのが障害児福祉手当です。所得金額によって制限はありますが、こちらも住んでいる地域の自治体で申請が可能です。支給額は2月、5月、8月、11月に月14,600円分がまとめて支払われます。

母子・父子家庭への住宅手当

こちらは自治体にもよりますが、ひとり親家庭において児童扶養手当だけでなく、住宅についての手当、補助を行っている地域もあります。20歳未満の児童を育てている、家賃が10,000円以上のところに住んでいる、民間住宅を借りているなどといった条件によって、支給されます。ひとり親の方は、児童扶養手当だけでなく、こちらの手当も確認しておきましょう。

免除などの制度も

手当だけでなく、公的制度で支払うことになっている金額を減額・免除してもらうなどの制度も活用しましょう。

例えば収入が少ないなどの理由で国民献金や健康保険の支払いが困難だという方は、自治体へ相談しましょう。支払うのに十分な収入が得られるまで、期間的に支払う金額を減らしてもらったり、免除できる場合があります。支払いが滞ってしまいそうなのに、そのまま放置し、支払いを辞めてしまえば、後々自分が困ることになります。そうなるよりは、正直に現状を相談した方が老後の心配も減ることでしょう。

また保育料も自治体によって異なりますが、免除や減額できる場合があります。公共交通機関の中には、ひとり親家庭を対象とした定期券の割引購入や乗車賃割引、無料乗車券の発行などが用意されています。

参考文献:児童扶養手当だけじゃない!母子家庭が頼れる支援制度をまとめてご紹介

どの手当もココに注意!

ただいずれの制度も注意しなければならないことがいくつかあります。これら手当は、自分たちが困っていると自動的に支給が開始される、自治体の方から案内がくる、といった制度ではありません。あくまでも自分の力で調べ、確認し、申請しなければ受け取ることはできません。

確認していく中で、支給される月が決まっている手当もありますから、ある程度余裕をもって下調べをし、早め早めの行動を取って申請する必要はあります。手当自体はとても有り難いものですが、その恩恵を受けるのに人任せにしてはいけません。必ず、受けられる手当がある場合には、自分から動きましょう。

福利厚生の重要性

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最後に今回ご紹介した扶養手当など、会社の福利厚生についての重要性についてお話していきます。どうしても会社に勤める時には、会社で働いた分の給料や勤務時間などに注目しがちですが、福利厚生も会社を選ぶ上ではとても重要なポイントだと考えています。

福利厚生がどのように会社選びに影響するのか、お話します。

福利厚生を確かめる

 

会社毎に用意されている福利厚生は違います。よくあるもので言えば、今回紹介した扶養手当や家族手当の他に以下のようなものが挙げられます。

 

  • 住宅手当、社宅
  • 交通費
  • 財形貯蓄
  • 企業年金
  • 育児補助
  • 健康診断補助
  • 保養所
  • 食事手当

その他、女性の社会進出や就労意識の高まりもあって出産手当がある会社もあります。これら代表的な福利厚生が充実していれば、支給される金額はかなりの額になることが分かります。私が以前勤めていた会社では住宅手当が2万だったと思うのですが、年間24万円も受けられていたと考えるとなかなかな額ですよね。

 

福利厚生を調べるために

とはいえ福利厚生は企業独自に用意しているもので、企業ホームページを見ただけですぐに内容が把握できることは少ないかと思います。そんな時に役立つのが転職サイトです。

求人情報には福利厚生面を重視している企業であれば、しっかりアピール項目として表記していることが多いです。充実していればしているほど、それは自社アピールにつながるわけですから、隠すことはほぼないでしょう。むしろ記載が少ない場合には、ない可能性が高いと考えてもいいでしょう。ただ支給金額については、さすがに企業へ入社しない限りは確認しようがないので、あくまでどのような制度が整っているかを知るためには、転職サイトは活用しがいがあります。

どうしても金額まで詳細に知りたい場合には、転職エージェントに相談する手もあります。人対人のやり取りであれば、エージェントは企業の人と直々にやり取りをしているわけですから、もしかしたら細かな部分を確認するのに、間を取り持ってくれるかもしれません。

福利厚生にはこんな目的が

元々福利厚生は、働いている人への経済面での支援だけではなく、その人達の働くモチベーションをあげたりする目的が挙げられます。

働く人側から見れば、福利厚生ではなく、働いた見返りに受け取ることのできる給料をアップしてほしい!と思う人も多いかもしれません。しかし会社としては、働いてくれる人のモチベーションが下がってしまって、離職されてしまうと、生産性が悪くなって会社としての意味がなくなってしまいますよね。

 

もちろん会社によっては経費削減のため、福利厚生にはあまり力を入れず、その分給料を上げるといった取り組みをしている所もあります。けれどもよく話題にあがる「ブラック企業」への入社を避ける指標としても、福利厚生の重視はあながち間違っていないのではないかと考えています。

働くことや仕事に対する目的は人それぞれ違いますが、充実した生活を送るために、扶養手当や家族手当などの福利厚生を今以上に意識しても良いのではないでしょうか。

まとめ

今回扶養手当についてご紹介しました。扶養手当は企業が独自で用意している、働いている人の生活を支えるお金を指します。よく似ている言葉で扶養控除がありますが、控除とは違い国の制度ではないので、詳しい条件や支給額については、企業に確認を取る必要があります。

企業によっては扶養手当を実施していない会社もありますから、もしこの手当を受けられるかどうか気になる場合には、自分から勤めている会社へ問い合わせてみてくださいね!