独身時代とは異なり30代にもなると、結婚し出産を経て、旦那さんや家族と協力しながらお金を管理して行く必要性に迫られます。世帯収入と貯金のバランスを考えたり、旦那さんのお小遣いを考えたり、お金の管理をより一層まめに行うようになりますよね。
現在結婚していて30代である方は、特に世帯収入と貯金額の関係について気になっているのではないでしょうか。
そこで、今回fincleは30代の既婚女性を対象に、お金事情に関するアンケート調査を行い、あらゆる観点から分析を行いました。この記事では、30代既婚女性の世帯収入と貯金額の関係や、共働きの貯金事情、お金と幸福度の関係、さらにちょっと息抜きしながら読める、お金にまつわる各家庭のエピソードについてご紹介します。
目次
今の世帯収入と貯金額はどのくらい!?
30代は20代のころと比べ、毎月のお給料も随分と上がり、結果的に年収も増えますよね。この時期には結婚したり、子供ができたりと、既婚女性にとってはお金が深く関わるイベントが多いものです。
収入に合わせて毎月どのくらいの生活費を使って、どのくらい貯金に回すのか計画立てることも大切です。多くの30代女性が大体いくら世帯収入を得て、その中でどのようにやりくりしているのか、非常に気になるところではないでしょうか。
そこで、ここではfincleが実施した既婚女性の世帯収入・貯金額についてのアンケート調査の結果を見ていきましょう。
みんなの世帯収入の平均は?
30代の既婚女性100名を対象にアンケートを行ったところ、現在の世帯収入の平均は536万円、中央値は500万円との結果が出ました。fincleが行なったアンケートで得られた世帯収入のデータは、一般の世帯年収の平均とほとんど変わりません。
ただ、中央値が平均値よりも低くなっているので、実際のところ、世帯収入は500万円以下の家庭の方が多いことが分かります。アンケート結果を見てみると、500万円以下の方が約60%(100世帯中41世帯)を占めています。
そして、今回のアンケート結果で最も収入の多いケースは1200万円(共働き)でした。世帯収入が1000万円以上に達した世帯は100世帯中5世帯となっています。そして、最も低い世帯収入は200万円(専業主婦)です。一番多くの割合を占めていたのは世帯収入が500万円台の世帯です。
以上の結果を踏まえると、この収入でどのくらいの金額を貯金しているのか知りたくなってきませんか。今回のアンケートにおいては、現在の貯金金額についても調査してみました。次の項目ではその結果を確認しますね。
今の貯金はどのくらい貯まってる?
世帯収入と貯金額についても分析してみたいところですが、まずは現在の貯金金額について確認してみましょう。アンケート結果は次のようになりました。
【アンケート結果:図】
この結果から、100万円~300万円の貯金がある世帯が最も多いことが分かります。貯金額と平均年収の関係も視野に入れて分析してみると、100万円から300万円の貯金のある世帯の平均収入は472万円でした。
500万円以下の世帯が全体の60%を占めていることを考えると、世帯収入に見合った貯金額だと言えるのではないでしょうか。実際に、株や債券、財形貯蓄などで得た金額を省いた場合、一般的にも323万円が純粋な貯金額だということが分かっています。
ただ、貯蓄額については子供がいるかどうかということや、共働きかどうかによっても変わります。しかし、今回の結果を見てみると共働きであることと、貯金額は大して関係ないことが分かります。
どの貯金額においても一定の割合で共働きのケースが見受けられ、貯金額が100万円以下であっても共働きであるケースは珍しくありません。一方で、共働きでなくても貯金額が1000万円を超えている世帯も見られます。
さらに、世帯収入と貯金額の関係を調べてみても面白いことを発見できます。通常であれば、貯金額が多い家庭ほど収入も多いのではないかと推測してしまいますよね。しかし、実際のアンケート結果を見てみると、実は全くその予測がはずれていることが分かります。
アンケートによると、現時点で1000万円以上貯金している世帯は100世帯中10世帯でしたが、これらの10世帯を見てみると世帯収入にはかなりのばらつきが見られます。
貯金額が1000万円を超える10世帯のうち、世帯収入が1000万円台であるのは2世帯、800万円台も2世帯、700万円台が1世帯、500万円台が2世帯、400万円台が1世帯、そして300万円台が2世帯となっています。そして貯蓄が1000万円を超える世帯の世帯収入の平均は594万円となっています。
このような分布を見れば、世帯収入が多いほど貯金額も多くなるわけではないことに気づきます。特に、世帯収入が300万円台で、30代の時点で1000万円以上の貯金があるケースには驚かされますね。
女性側が仕事を辞める前に自分のお給料をよほど貯蓄していたか、あるいは相当な節約を心がけた結果として、1000万円貯めることができたのでしょう。「世帯収入が少なくて貯金が心配だ」という方にとって、勇気をもらえるデータなのではないでしょうか。
さらに、世帯年収が多いからと言って、貯金も多くなるわけではないことを示すデータがもう一つ出ています。今回のアンケート調査で最も世帯収入が多かったのは1200万円のケースでした。
そのケースの貯金額を確認してみると300~500万円となっています。世帯収入が450万円の家庭であっても、300~500万円の貯金を行なえている点を踏まえると、やはり収入が少ないからといって貯金ができないわけではないようです。
今回最も多かった、貯蓄額100~300万円の次に来るのは貯金額100万円以下です。こちらに当てはまる世帯の世帯収入の平均は513万円となっているこが分かりました。貯金額100万円~300万円の世帯の平均世帯収入が472万円であることを考えると、やはり世帯収入の多さが貯金額に影響するわけではないことが分かるでしょう。
貯金額について、3番目に多かったのが300~500万円(世帯収入の平均は582万円)、4番目に多かったのが500~700万円(世帯収入の平均は534万円)、5番目に多かったのが1000万円以上(世帯収入の平均594万円)、最後に700万円~1000万円(世帯収入の平均567万円)でした。
貯金額と世帯収入の平均に焦点を当ててみると、どの程度の貯金レベルであっても、大体平均世帯収入は500万円台となっており、それほど大差ないことが分かります。
このことから、たとえ世帯収入が多い家庭であっても貯金額が少ない場合もあり、逆に世帯収入が少ない場合にも貯金額が多いとう言うことを完全に証明することができます。
共働きとお金の関係とは?
さて、前の項目では貯金額と年収の関係について確認しましたが、次は共働きかどうかという観点から分析をしてみましょう。ここでは「共働きであることと世帯収入の関係」、「共働きであることと貯金額の関係」について探ってまいります。
共働きであることと世帯収入の関係
今回30代既婚女性100名を対象に行った調査では、共働きのケースが26名、専業主婦である方が74名との結果が出ています。最近は共働きの夫婦が多いのですが、今回のアンケート調査では約75%の家庭において、旦那さんが一家の大黒柱であることが分かりました。
一般的に共働きの家庭方が世帯年収は多くなると予想できますよね。実際、今回のアンケート調査でもその通りの結果が出ています。具体的には、共働きの家庭の場合は世帯収入の平均が603万円、旦那さんが一家の大黒柱である場合は平均498万円となっています。共働きであれば2人の収入を足すのですから、当然1人だけが稼ぎ手である場合よりも世帯収入は多くなります。
ただ、当然ながら、すべての場合にこの論理が当てはめられるわけではないことも分かっています。実際のアンケート結果を確認してみても、世帯収入が同じ1000万円のケースでも、共働きでない場合と共働きの場合のどちらも存在することが分かります。
事実、旦那さんのお給料だけでは生活に余裕がなくなることが予想されるため、共働きするという選択肢を取ることが多いものです。
しかし、今回のアンケート結果を見てみると必ずしもそうとは限らないようです。世帯収入が200万円台の家庭では、皆さん旦那さんが一家の大黒柱となっています。旦那さんの収入が300万円台であるご家庭でも、専業主婦であるケースが多く見られました。
また、旦那さんのみが稼ぎ手で、それほど収入が多くなくてもしっかりと貯金できている家庭もありました。共働きと貯金の関係についても気になるところですよね。そこで早速貯金と共働きであることの関係についても探っていくことにします。
共働きであることと貯金額の関係
さて、共働きであれば家の財布が2つ存在することになるので、貯金も貯まりやすいのではないかと思ってしまいますよね。しかし、必ずしもそうではありません。
まずは、1000万円以上の世帯収入で共働きであるケースを見てみましょう。世帯年収が最も多かった1200万円のケースにおいては、現在の貯金額は300~500万円となっています。
その一方で、世帯収入が800万円で旦那さんが一家の大黒柱であるケースの貯金金額は1000万円以上となっています。後者は前者の3分の2しか世帯収入はなく、共働きでもないにもかかわらず、貯金額は前者をかなり上回っているのです。
また、共働きで1100円の世帯収入を得ていながら、貯金金額が100万円以下であるケースも見られます。
実は、共働きは決して貯金が貯まるわけではなく、意外と思わぬ落とし穴が存在しています。その落とし穴の一つとして挙げられるのが、財布を別にしているということです。
稼ぎ手が2人である場合、財布は2つに分けてしまっている場合も多いでしょう。そのため、互いの収入を把握しておらず、支出の詳細が分からないのです。ついつい「夫が、妻が貯蓄を行なってくれているのだろう」と任せ切ってしまいますが、実際のところ互いに貯金を行なっていないことも多いのです。
また、もう一つの思わぬ落とし穴は2人の稼ぎ手がいる分、使えるお金も多いと錯覚して無駄遣いが多くなるという点です。2人分のお給料を合せれば、世帯収入も多くなるので節約意識も緩みがちです。つい高価なものを買ってしまい、後になってから、貯金に回すお金が無いことに気づくのです。
このような状況に陥らないようにするためにも、共働きの場合には「財布を1つにすること」と「毎月のお給料から貯蓄分を天引きし、お小遣い額を決めること」が必要な対策となります。
あなたの家ではこんなことある? 面白い話や愚痴について!
家庭で夫婦生活を営んでいると、旦那さんの金銭感覚が見えてきたり、面白い癖を発見したり、少しイラッと来たりすることもあるでしょう。皆さんのご家庭でもそのような瞬間に立ち会う機会はあるのではないでしょうか。
今回は30代女性のお金事情がテーマなので、この項目ではお金にまつわる各家庭のエピソードもご紹介します。共感できる点や、ご自身のご家庭とは全く違う点など様々な発見があるでしょう。それでは、早速見てまいりましょう。
微笑ましいエピソード
まずは、微笑ましいエピソードから見てまいりましょう。話を聞いているだけでこちらもニンマリしてしまいます。夫婦生活にこんな場面があったら楽しいですね。
売れなそうなガラクタでも、旦那さんの大事な宝物なのですね。子どものようにやんちゃな旦那さんが微笑ましいですね。自分の宝物を売ってまでも家計を支えようとする決心のようなものを感じられますが、肝心な宝物はたいしたお金にならない、という点が笑いを誘いますね!
ヘラクレスオオカブトのエサ代・土代をねだる様子は子どものようで、それを見ている妻としては微笑ましいと思う反面、ちょっと困ることもあるのでしょう。でも、ペットを大切に育てている姿は何とも微笑ましいですね。
この旦那さんと同じような行動を取る方も多いのではないでしょうか。人のお金で買ったお酒はもったいぶらずに飲み、自分で買ったお酒はちびちびと飲む。
人のお金で贅沢をして、自分のお小遣いを少しでもセーブしようとしている姿は何とも言えず、見ていて面白いものですよね笑
とても律儀な旦那さんではありませんか! 多くの旦那さんは、余ったお小遣いを自分のものとして貯めて(あるいは、隠し持って)おくことが多いのではないでしょうか。
別に旦那さんの分のお小遣いなのですから、返す必要はないのに、しっかりと返してくれる姿には思わず笑ってしまいますね笑
返してもらったお小遣いの使い道はどうなっているのか気になるところです。
謙虚で優しい旦那さん
次は自分が稼いでいるのに、とても腰の低い、謙虚で優しい旦那さんのエピソードです。これなら幸せな夫婦生活を営めそうですね。
「君のおかげです」なんて言ってもらえたら、妻としてはとても嬉しいですよね。旦那さんのお給料がいくらなのかなんて、ほとんど気になりません。このご家庭では、きっと良い夫婦関係を築くことができているのでしょう。
お互い、仕事と家事を分担して、それぞれが一生懸命であることに感謝の気持ちを持つ大切さを痛感させられます。
「そっちこそお疲れ様」と言ってしまいそうですね。自分で稼いだお金を、「お疲れ様です」と言いながら渡してもらえると、妻としては家の仕事を頑張って良かったと報われる気分にもなりますよね。妻の苦労も推し量ってくれる旦那さんの優しさが嬉しいものです。
「なぜ自分で稼いだお金を妻に管理されなければいけないのか」と不満に思う旦那さんもいらっしゃるのではないでしょうか。でも、このように腰の低い旦那さんであれば、お金で揉めることはあまりなさそうですね。夫婦で暮らしていくには、互いの謙虚さが必要なのかもしれません。
思わず笑ってしまうエピソード
旦那さんのお金に対する行動が、笑いを誘うようなエピソードもいくつか見受けられました。
自分のお小遣いを使いたくないがために、(悪)知恵を働かせて家計で購入しようとするずるさが笑いを誘いますね。″さりげなく″という点がちゃっかりしており、笑ってしまいそうになります。でも、妻はそんな旦那の行動をしっかりお見通しなのですね。
受け取る金額によって数え方が明らかに違うというのも、可笑しいですね! 特に、多めに渡した時にはすぐに財布にしまってしまう点は可愛らしいです!!
2歳の娘は何のことか分からずとりあえず受け取ります。受け取ったら毎回封筒の万札を全部出して、落ち葉を拾い上げて上に投げるような感じで万札を上にほり投げて、ヒラヒラ落ちていくのを見て楽しんでいます。
そして、主人が娘に「ママにあげて」と言うと娘はお金を上に投げてヒラヒラしたのを「ママ、これひらっていーよー」というのです。
何だか娘は成金で私は娘にお金を恵んで貰っているような様子にも見えてしまいます。 一通りそんな遊びをすると娘から全ての万札を回収します。
これは旦那さんにまつわるエピソードというよりは、お子さんにまつわるエピソードですね。お子さんが家族の中で一番偉そうに見える点に笑ってしまいます。
特に、お子さんはお金の価値についてまだ良く分かっていないので、落ち葉のようにひらひらとお札を舞い上げる姿は、まさに「成金」そのものです。(私もやってみたい)
旦那さんにしても、奥さんに渡す分の15万円を必ずお子さんに渡すということなので、お子さんの行動を面白がっているのでしょう。
まめな旦那さんのエピソード
家計の管理は妻が行うことが多いのではないでしょうか。しかし、ご家庭によっては旦那さんがまめにお金の管理をしている場合もあります。ここではそのようなケースのコメントを見てみましょう。
確かに、貯金のやりくりや家のローンなどについて考えるのは一苦労ですよね。それに案外お金の管理は気が抜けません。こまごまとした作業や計算が苦手な方もいらっしゃるでしょう。
でも、それらの仕事をすべて旦那さんがやってくれるので、お金の管理が苦手な方には嬉しいものです。それに、計画的に管理してくれる旦那さんであれば妻としても安心できますよね。
節約意識の高い旦那さんであれば、こちらからわざわざ旦那さんに注意することは無いので気楽ですね。貯金もきちんと貯まりそうです。でも、旦那さんがあまりに倹約家だと、逆に妻が旦那から注意されそうですね。妻の方も旦那さんにあわせて倹約する必要がありそうです。
ちょっと困ってしまうエピソード
さて最後は夫婦でお金を管理する際につきものの、困ってしまうエピソードです。どのご家庭でもそれなりの悩みがあるのではないでしょうか。ここではアンケートに寄せられた皆さんのつぶやき・ぼやきをご紹介します。
節約しようとしているはずなのに、節約になっていない状況を見ているともどかしいものですよね。効率を考えられていない点にイライラしてしまうものです。私の両親も仲は良いのですが、このような場面で言い争いになることが多いものです…笑
旦那さんにガソリンの無駄だとはっきり言ってしまえば、改善されるかもしれません。
…辛辣なコメントが寄せられました。この方のご家庭ではどのくらいのお小遣いを旦那さんに渡しているのか分かりませんが、少なくとも旦那さんは月々のお小遣いに不満を感じているのでしょう。お小遣い増やすならもっと稼いで欲しいという奥さんの不満も垣間見られます。
お金の問題になると、夫婦間で互いに不満を抱いてしまうことが多いので、些細なことでも相手の意見を受け止めながら折り合いをつけて行く必要がありますね。
「安かろう良かろう」も問題ですが、「安かろう悪かろう」も大変ですね。確かに、高いものは比較的質が良いので、長持ちし、結局は節約につながります。でも、高価なものを買う頻度が多いと家計にも響きます。
毎回説得されるのでなく、自分で値段と質のバランスを考えて欲しいと思うのは自然なことですよね。すべて高いものを買い揃えると家計や貯金にどれくらいの負担がかかるのか、具体的な数字に表して説得させるのが効果的かもしれません。
お金の管理ができていない旦那さんには一苦労するようですね。特にお子さんもいる場合には、夫婦だけの問題ではなくなってくるので、親としてお金の管理にも気をつける必要が出てきます。
お小遣いを減らすことで不満も生じてしまうかもしれませんが、それくらいの措置を取らなければ、節約の重要性に気づかない場合も多いのでしょう。
アンケート結果から見る、幸福度とお金のリアルな関係とは?
今回のアンケート結果を見て、非常に興味深いのは世帯収入と幸福度の関係です。幸福度と経済的な豊かさは密接に関係するものですよね。ある程度お金があれば安心して暮らすことができるので、精神的にも余裕を感じられるようになるはずです。
また、今の時、この言葉は滅多に聞かなくなりましたが、女性には「玉の輿」で自分の幸せを実現しようとする認識がありました。このような言葉が存在するくらいですから、経済的に豊かな男性と結婚することは幸せにつながると考えられていました。
しかし、近年では世界的に人々の幸福度を測る試みが成されており、経済的な豊かさという観点からだけでなく、精神的な幸福度が計測されるようにもなりました。世界的に最も心が満たされている国民の多い国として、ブータンを有名ですよね。
この国はお世辞にも経済的に豊かであるとは言えませんが、精神的な幸せを感じている国民の多い国なのです。豊かさと幸せの基準について書かれた記事もあるので、気になる方はご参考にしてみてくださいね。
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このように、幸福度とお金は必ずしも密接に関わり合っているわけではないことを証明するデータがfincleのアンケート結果からも得られました。
調査では、30代の既婚女性100名に、「今幸せですか」という質問を投げかけ、「はい」「いいえ」「どちらともいえない」の3つの選択肢の中から1つを選んでいただきました。結果として「はい」と答えた方は全体の75%、「いいえ」と答えた人は全体のおよそ5%となりました。どちらともいえないは約20%となっています。
全体的な幸福度は非常に高いことが窺えます。そして、「はい」と答えた方の世帯収入の平均は536万円、「いいえ」答えた方の平均世帯収入は650万円、「どちらともいえない」と答えた方の平均は455万円であることが分かりました。
「はい」と答えた方の世帯収入が「いいえ」と答えた方の平均世帯収入を下回っている点に注目できるでしょう。この結果を見ても、やはり収入が多いからと言って幸せだと決めつけられないことが証明できます。
実際のアンケート結果をより詳細に見てみると、年収200万円台のケース(100世帯中5世帯)すべてにおいて「はい」の回答が寄せられています。お給料が少ないほど幸せを感じない人が多いのではないかと思ってしまいますが、そうではないのですね。
実際に寄せられたコメントも見てみましょう。
たとえ200万円台の収入であっても、旦那さんに余裕がある時には妻の好きなものを買ってきてくれるなんて、とても嬉しいですよね。頻繁に好きなものを何でも買えるほどお金を持っていなくても、このように感謝の気持ちを込めて何かプレセントしてくれるほど幸せなことはありません。お金よりもこのような心の交流が幸福度に結びついていのですね。
また、妻側も「お小遣いの残りでプレゼントなんて酷い!」と思うのではなく、「わずかばかりでも、お小遣いが残った時にプレゼントしてくれるのが嬉しい」と思えることで、夫婦間の幸福度も増すのでしょう。
また、次のようなコメントも寄せられています。
お金に興味が無い旦那さんを決して責めず、その代わり妻がしっかりと管理しているのですね。旦那さんに向かって「お金の管理しっかりしてよ!」「将来のことを考えてお給料も上がるように頑張ってよ!」と文句を言わない点が非常に素晴らしいですね。
夫婦生活していく上で、お金に関する不安は尽きませんが、旦那さんのお金に対する意識を理解しようと努め、自分ができることをこなしていく姿勢が幸福度につながるのかもしれません。
世帯収入300万円台のケースにおいても「いいえ」と答えた方はいませんでした。初めて「いいえ」が出てきたのは世帯年収400万円のケースです。全体的に、世帯収入が高くなるほど、「いいえ」と答えることが多くなる傾向にあります。
最も興味深かったのが、今回のアンケート調査で一番世帯収入の多かった1200万円の方から「いいえ」の答えを受けたことです。共働きで互いに忙しく、精神的な面での余裕がないということも関係しているのかもしれません。ただ、原因はそれだけではないようです。実際に次のようなコメントが寄せられています。
確かに、お小遣いは共用なのに、明細が分からず、残ったお金がどこに行ってしまったのか不明だととても不審に思いますよね。このように、ちょっとしたことでも、分からないことがあると夫婦間の信頼関係も崩れてしまいます。たとえ、収入は多くても、お金の管理が不透明であると幸福度も下がりやすいことが窺えます。
また、幸せを感じていないケースとしては次のようなコメントも寄せられています。
稼いだお金は物理的には旦那さんのものですが、妻も日々家庭を守るという大事な仕事を持っています。家事や子育てはいくら働いてもお給料をもらえません。
もちろん、妻の方も旦那さんが一生懸命稼いでくれるからこそ、生活が成り立っているという感謝の気持ちを持つことが大切です。でも、旦那さん側も妻が家を守ってくれているから、安心して仕事ができるという認識を持つ必要があります。
お互いに対する感謝の言葉を交わさずに、自分だけが働いていると言い張ることで、夫婦間の幸福度も大きく下がってしまいます。これでは、いくらお金を持っていても精神的な安心や満足感を得ることはできません。
このケースにおいても、やはり夫婦間の関係が「いいえ」を選ぶ要因になっていることが窺えます。
その他、「いいえ」と答えた方の多くから、「収入の割にお小遣いをあげて欲しいと要求してくる」、「節約の度が過ぎて、損している」などの声を寄せていただきました。夫婦間でお金の使い方に対する意識が異なると、お互いに不満を抱くようになり、幸福度も下がりやすいのでしょう。
また、「どちらともいえない」と答えたケースと比べてみても、「いいえ」と答えたケースの方が平均世帯収入の金額が多い点が印象的です。
以上の結果を踏まえて、お金と幸福度の関係について言えることは、お金が増えれば増えるほど、そのお金に対する管理の仕方やお小遣いの使い方に関する問題が出て、夫婦間に距離が生じやすくなるとういうことです。その結果として、お金が多くなると、幸福を感じなくなる割合が多くなるのです。
お金とは私たちの生活を支える大切なツールでありながら、幸福度を下げる要因にもなるコインの表裏のような存在であると言えるでしょう。大切なのは夫婦間で常に感謝の気持ちを共有し合い、お金に対する互いの認識を認めあうことなのですね。
最後に
世帯収入が多ければ貯金も増えるわけではないこと、収入が多ければ幸せ度が増すわけではないこと、この2点について今回のアンケート調査で浮き彫りになりました。この2点は自明のことではありますが、実際にアンケートを行って本当にその通りの結果が出たので、嘘ではないことに正直驚きました。
また、30代はちょうど結婚したばかりであったり、子供が幼かったりなど、お金に関わる問題が非常に多くなる時期です。寄せられたコメントを見てみても、夫婦間の関係を良好に保つことで幸せな生活に繋げられるのだと分かります。夫・妻への感謝の気持ちを忘れずに持ち、伝えることで、お金のめぐりも良くなりますよ。