ビットコイン分裂はどうして起こったの?原因を徹底解説します!

マナ
こんにちは、fincle専属ライターのマナです!

ビットコインについて調べていると、「ビットコイン分裂」という単語に出くわしたことはありませんか?一体何のことかわからない方も多いのではないでしょうか?私も「えっ通貨が分裂するってどういうこと?」と不安になりました。

そのため分裂が起こった原因やその後のビットコインのやビットコインから派生して新しくできたコインの価格などについて調べてみたのですが……。そこまで難しいことではなく、仮想通貨取引をする上で知っておく必要がある情報だということがわかりました。

というわけで今回は「ビットコイン分裂」について見ていきましょう♪

ビッコインの分裂はなぜおこったの?

仮想通貨の中で最も有名なビットコインですが、2017年8月に分裂騒動で世間を騒がせました。そもそもビットコインの分裂はなぜ起きるのでしょうか?ここではその理由について詳しく解説します。

まずはビットコイン分裂についてしっかりと理解するためにも、ブロックチェーン技術というものを理解しておきましょう!

マナ
ブロックチェーン技術という言葉はよく耳にしますが、よく知りません。どういう技術なのかわかりやすく教えてほしいです泣

もちろんです!仮想通貨の取引は世界中で常に行われており、その取引内容は記録され続けています。当たり前のことですが、放置していたらただただ無限に取引記録が溜まっていきますよね?不正が行われないよう安全に管理するためにも、ある一定の時間毎にまとめて1つのブロックにしているんです。その1つ1つのブロックを鎖のように繋げていくからブロックチェーンと言います。

ブロックチェーンは分散台帳システムを採用していています。ブロックチェーン上において、1つの取引台帳を複数のサーバーに分散させて保存し、取引のたびにすべてサーバーのその取引内容を確認し、正しいと認められたものをブロック(台帳)に記録していきます。

私たちが持っている紙幣や硬貨は以前誰が持っていたのかは知ることは出来ませんが、ビットコインに関しては全てのBTCに“Xさん→Yさん→Zさん”に渡ったという記録が記載されているのです。

この記録をすべて改ざんするには、世界中のすべてのビットコインのサーバーをハッキングし、一からその記録をすべて書き換えなければいけません!この書き換えには量子コンピューターレベルの処理速度が必要となるようで、不可能だと言われています。

マナ
ブロックチェーンってどのように作られているんですか?

いい質問ですね♪ブロックチェーンは勝手に作られるわけではありません。マイナーという人たちがマイニングという行為をすることで、ブロックチェーンのブロックが生成され、取引の情報を記録することが出来ます

では早速、ビットコイン分裂が起こった原因について探ってみましょう♪

ビットコインの処理データ量

geralt / Pixabay

ビットコインネットワークが処理できるデータ量は、最初から10分ごとに1ブロックという決まりがあります。これは成長スピードを抑制するためでもあり、サイバー攻撃に対する安全策でもありました。(希少価値を高めつつ、処理を丁寧に行いハッキング等を防ぐ狙いがありました。)

しかしながら、ビットコインマイナーの中には、マイニングの遅さにいら立つ人も出てきてしまったのです。そのため一部のマイナーは、「ブロックのデータ容量をより大きくしたい」と考えました。簡単に説明すると、短時間でより多くのコインが採掘され、より多くの取引が処理できるということです。これに対しビットコイン派の考えは、「データ容量を大きくすると、資金が潤沢なメガ・マイナーに対し、小規模マイナーが不利になる」というものでした。

マナ
なるほど。ビットコインの処理能力の低さが対立を生んでしまったのですね。

そうなんです。ビットコインはPoWというアルゴリズムを採用していて、マイニングには誰でも参加できることになってはいるものの、マイニングの処理には強力なコンピュータや多くの電力が必要になるため、ある程度の資金が必要になります。実際、ビットコインマイナーはコンピュータや電力や土地が安価な中国に集中していて、マイニング工場的なものが建設され、それを資産のある人がバックアップしているという構図も出来上がっています。

マナ
ビットコイン派の人たちは、非中央集権的、脱体制的な思想に支えられていたはずのビットコインが、現状よりもさらにお金持ちに支配されてしまうのではないかと心配しているわけですね。

FincleではPoWについてまとめてあります。詳しく知りたい方はこちらをチェック♪

仮想通貨取引で見かけるPoSやPoWって?違いは何?仕組みを徹底解説!

 

tpsで比較したビットコインの処理能力

ビットコインの処理能力って他と比較してどの程度なのでしょうか。1秒間あたりの処理能力について比較を行ってみました♪

マナ
すみません、tpsって何のことでしょうか?

tpsとはトランザクション(一連の処理を1つのグループと考えたもの)をどれくらいこなせるかを表す単位です。tpsの前にある数字が大きいほど、処理能力は高いということになります。

以下、比較してまとめてみました。

ビットコイン・・・7tps

イーサリアム・・・15tps

クレジットカード(VISA)・・・8000tps

マナ
クレジットカードと比較するとかなり遅いんですね…これじゃあ確かに遅いと感じてしましますよね。

スケーラビリティ問題

kschneider2991 / Pixabay

実はビットコインは需要の高まりとともに、ビットコインユーザにとっても問題となる事象が発生してしまいました。それはスケラビリティ問題です。

マナ
ところでスケーラビリティ問題って書いてありますが一体何のことでしょうか?

たくさんの人が取引に参加すると多くのデータのやり取りが行われます。そのぶん取引にかなりの時間がかかってしまうんですよね。先ほど少し説明しましたが、ビットコインはブロック生成に時間がかかります。そのため、大量のデータが送られてしまうと、取引情報の記録が追い付きません。そのため承認に時間がかかってしまいます。

取引の承認が遅い=ビットコインでいう送金詰まり状態=スケーラビリティ問題発生が発生ということが起こってしまい問題となってしまいました。

ビットコイン分裂後のビットコインの価格

 

特に分裂後に大きな価格変動は見られませんでした。一応分裂騒動が大きな問題にならないように7月31日以前にビットコインユーザーだった人には、同じ額面のビットコインキャッシュも割り振られたようです。しかし、「1円」と「1ドル」の価値が全然違うように、「1ビットコイン」と「1ビットコインキャッシュ」の価値もまったく違うので一概にたくさん儲かったとは言えませんね(笑)。

ビットコインの価格で大きな変動をみせたのはむしろ2017年12月の仮想通貨ブーム時でした。なんと当時は1ビットコイン=190万円を示しています。その後ブームが落ち着くと1ビットコイン=80万円ほどの価格となりました。2018年7月20日現在の価格は、1ビットコイン =約83万円になっています。

しかしながら価格は変動しているので是非チャートをチェックしてみてください!

チャートの見方は、下記のリンクをクリックしてみてくださいね!

【初心者向け】仮想通貨のチャートの見方を図を使いわかりやすく解説!

ビットコインの分裂で生まれた「ビットコインキャッシュ」

少しだけビットコインキャッシュの特徴の特徴に触れておきますね!ビットコインとビットコインキャッシュには主に二つの大きな違いがみられます。

①まずはブロックサイズの拡大です。

ビットコインキャッシュの歴史の章でもご説明しましたが、ビットコインの分裂問題の根幹をなしていたものは、スケーラビリティ問題でした。この問題をどう解決するか、でもめていたので、もちろん、ビットコインから生まれたビットコインキャッシュは、この問題を解決している必要があります。

そこで、ビットコインキャッシュは従来のビットコインのブロックが1MBだったのに対して、8MBまで対応へと変化しました。

②次にリプレイプロテクションの採用です。リプレイプロテクションとは、リプレイアタックを防ぐ(プロテクト=守る)という意味です。

マナ
リプレイアタックとは?

リプレイアタックとは、データの送信、転送を不正に行うことです。ユーザーがあるシステムにログインする際に送信するデータを盗むというとわかりやすいでしょうか。これは、反射攻撃、リプレイ攻撃とも呼ばれるようです。ビットコインの取引において特に問題になっているリプレイアタックは、ブロックが分裂するときに危惧される行為です。

ここにブロックAと分裂後のブロックBが存在すると仮定します。登場人物は、正規ユーザーあやねちゃんと悪人けんとくんと悪人の仲間みくちゃんです。あやねちゃんは、みくちゃんが悪人とは知らないという設定です。(*実際の人物とは関係ありません。)

あやねちゃんは、ブロックAを介して悪人の仲間みくちゃんに1BTC を送りました。けんとくんはこのあやねちゃんの送信データを盗みました。けんと君は、この盗んだデータを用い、ブロックBを通じて、美玖ちゃんに10BTCを送ります。

このとき、通常時であれば、ブロックを作成・承認している人が、「二重取引だ!おかしいぞ!」と気づき、取引は行われません。しかし、ハードフォークを行った場合、ブロックAとブロックBはつくりが同じなので、ブロックBを作成・承認する人は「1回目の取引かな?」と錯覚してしまい、気づけないのです。

このリプレイアタックを守る仕組みがリプレイプロテクションと呼ばれており、ビットコインキャッシュには備わっています。

さて、さっそく価格の話に移っていきましょう♪

発売当初は、1ビットコインキャッシュ=555ドルでした。通常、仮想通貨は発売当初は0.001ドル台からスタートするなど価値がほとんどありません。そのため子の価格からは、ビットコインキャッシュがいかに期待された通貨であったかがわかるでしょう。2017年12月は空前の仮想通貨ブームもあって、1ビットキャッシュ=42万円まで価格を伸ばしました。その後、他の通貨と同じように価格を下げたものの、2018年7月20日現在の価格は日本円で約9万1000円です。現在の価格は9万2000円前後で落ち着きを見せています。

※Fincleではビットキャッシュに関する記事もわかりやすくまとめています、気になった方は是非下記のリンクからアクセスしてみてください!

ビットコインキャッシュ(BCH)とは?スケーラビリティ問題・Segwit・リプレイアタックについても解説!

ビットコインの分裂で生まれた「ビットコインダイヤモンド」

まずは簡単にビットコインダイヤモンドについてお話します。

ビットコインダイヤモンドは、2017年11月24日に公開された仮想通貨の中では比較的新しい通貨です。ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)に続き、ビットコインからの分裂によって生まれました。ビットコインのデメリットを補うために開発されたこの通貨は、➀新規参入者の障壁を低くすること、➁プライバシーの向上、➂安価な取引手数料の上記の3つを主な目的として、分裂したと言われています。

さて、ビットコインダイヤモンドのその後の価格について見ていきましょう。

ビットダイヤモンドに関してもビットコインから分裂したため、当時ビットコインを所有していた人は1BTCにつき10BCDが配られました。

そのため、公表当初からビットコインダイヤモンドの保有者がある程度存在していたので、他のアルトコインと比べると高値で取引されました。1BCD=0.0075~0.009BTCで日本円にするとだいたい7000円から8000円ほど。2018年1月13日には、ビットコインダイヤモンドの価値が1088%もあがるという大暴騰が起こりました。

1月の13日正午には日本円にして1BCD=約4000円にすぎなかったのが、わずか12時間後には約3万9千円まで高騰しました。その後、約12時間で1万5千円と落ち着きましたが、この事件によってビットコインダイヤモンドの知名度が上昇したことでしょう。

はっきりとした原因はわかっていませんが、一般的に考えられる理由として一部の力をもつ投資家が大口買いを行ったことか、この通貨に関する好材料なニュース(例えば、有名取引所がこのコインを扱うと発表したなど。)が出たことがあげられます。しかしBitcoinDiamondに関する好材料なニュースは報じられていないので、前者の可能性が高いと考えられています。

BitcoinDiamond(ビットコインダイヤモンド)の価格は、約250円(2018年7月20時点)となっており、時価総額は約34億円で40位にランクインしています。

※Fincleではビットコインダイヤモンドに関する記事をまとめています!是非読んでみてください!

Bitcoin Diamond (ビットコインダイヤモンド)とは?特徴や取引所、将来性などについて詳しく解説!

まとめ

Gellinger / Pixabay

今回はビットコイン分裂について見ていきました。原因は理解できましたか?

今や誰もが知っているビットコインですが、その運営のあり方にはたくさんの問題がることが明らかになりました。これらの問題を解決すべく様々な派生コインが新たに生まれました。コインが分裂したら価格が下がるのではないか?分裂してしまったコインはその価値を維持できるかなど、様々な不安材料はあるものの、今のところ急激な価格暴落は見られず、安定しています。やはりあのビットコインから派生したということもあり、仮想通貨としてのブランド価値も高いのでしょう。

とはいえ、通貨の価格は「各国政府の通貨に対する取り締まり」や「企業が仮想通貨に関するプロジェクトを始める」などの動きがあると価格が大きく変動します。所有する場合はその情報をある程度まめにウォッチしておく必要がありそうです。

※ビットコインから派生した通貨は上記で説明したにビットコインキャッシュ・ビットダイヤモンドのほかに、ビットコインゴールド・ビットコインプライベートという通貨があります!今回説明できなかった通貨に関しては後日加筆します!次回の更新までお待ちください(泣)