今回は、仮想通貨界隈でふつふつと話題になっている、『ビットコインキャッシュ』についてご紹介します。
*『ビットコインキャッシュ』の単位には何種類かあるようで(見るサイトによって異なった単位を使用していたので、気が付いた)、BCHやBCC、BTC等があるようですが、ここでは、一番一般的な単位、BCHを使用します。
目次
ビットコインキャッシュの歴史
『ビットコインキャッシュ』。この仮想通貨をご存知の方は少ないのではないでしょうか?実をいうと、私も知りませんでした。
「仮想通貨の種類多すぎ!!」こう思われたかたも多いはずですよね。一説によると、世界には、約1500種類あると言われています。これならば、知らないコインがあるのも納得ですね。
ではここからは、未知のコイン、『ビットコインキャッシュ』の歴史について見ていきましょう。
ビットコインとビットコインキャッシュは同じもの?
そうです!と強く首肯はしがたいのですが、ビットコインの親戚のようなものではあります。が、全く別のコインと考えておくべきでしょう。
ビットコインキャッシュは、2017年8月1日にできた、比較的新しいコインです。ビットコインがハードフォークされたため、生み出されました。
ハードフォークとは?パート1
「いや、待って。ハードフォークってなんぞや?」と思いましたよね?
ハードフォークというのは、ざっくりいうと、『システムの変更』のことです。
従来のシステムから、新たなシステムへと移行するということ。
スマートフォンのアプリのアップデートを想像していただけるとわかりやすいかと思います。(だいぶ違うので、「まあ、アップデートに似てる更新みたいな感じね」くらいにとらえておいてくださいね。詳しくは後述します。)
ビットコインの誕生
ここからは、ハードフォークに至ったまでの経緯を時系列を追ってみていきたいと思います。
スケーラビリティ問題とは?
ビットコインは取引量が増加するにつれ、取引スピードの低下など、問題が露見するようになっていました。
簡単に言えば、取引の場所が少なくなってしまうため、取引のスピードが遅くなってしまうということです。これをスケーラビリティ問題と言います。スケール(広さ、規模)+アビリティ(能力、キャパ、容量)という英単語の組み合わせですね。
もう少し詳しく説明していきます。仮想通貨の根幹には、ブロックチェーンという仕組みがありましたね。(ブロックチェーンに関しては下記のサイトをチェック)
スケーラビリティ問題というのは、取引を行う場所(ブロック)が、取引量が増加するにともなって足りなくなってしまったことをさします。
ビットコインは、1つのブロックに記録できる取引の量が、1MBと少なかったため、取引量が増えると、すぐに容量がパンパンになってしまいました。
そのせいで、新しいブロックの作成が間に合わなくなってしまい、結果として取引スピードの低下が発生してしまったのです。
どこよりもわかりやすくビットコインを説明!ブロックチェーンやP2Pなどの仕組みをご紹介!
Segwitとは?
はい、以上のようにして、ビットコインに問題が発生しました。まあ、しかし、問題が発生したら解決法を考えるのが人間の常ですよね。この時も様々な解決策が提案されました。そのうちの一つが、segwitの装着です。
そんなこころの声が聞こえてきそうですね。(え?私の心の声だって?)では、今度は、segwitについてご説明いたしましょう。
segwitとは、ブロックの中に保存する取引データを圧縮するというものです。無駄を省いたりすれば、データを圧縮できる。こうすれば、1MBであっても、沢山の取引を収納できるというわけです。
しかもこれは、ソフトフォークと言われるもので、ハードフォークとは違い、下記のような問題が発生しないのです。(ソフトフォークについては、下記で説明します)
この提案には、主に、ビットコインの開発に携わった『コア派』と呼ばれる人々は賛成したようです。
しかし、ここで反対派が登場します。中国で巨大なマイニングプール(巨大コンピュータを用いて、取引承認作業やブロックを作成すること)を行っている団体、通称『アンリミテッド派』が猛反対します。
ASICBoostとは?
『アンリミテッド派』の猛反対の理由は、このsegwitを搭載してしまうと、ASICBoostという機能が使えなくなってしまうからというもの。
このASICBoostというのは、マイニング(取引承認作業やブロックの作成をすること)を効率よく行えるシステムのことで、先の中国の団体などはこのシステムを用いて荒稼ぎしていました。したがって、このシステムが使えなくなってしまうのは、非常に困ることなんですね。
「え、反対派なんて無視しちゃえばいいじゃん」って思いませんでしたか?そうはいかないんです。物事はそう単純にはいかないのが世の常ですもの。
なぜ、反対派を無視することができないのかというと、このような巨大マイニングプール団体が取引承認作業の大半を担っているので、ビットコイン側としても、この人たちにいなくなられては困るわけです。
Bitmain社とは?
Bitmain社もマイニングプールを行っている会社です。上記のような拮抗状態にしびれをきらしたこの会社が、「segwitを導入するなら、ハードフォークする」と言い始めます。
ハードフォークとは?パート2
「え、ハードフォークされたらなんかまずいの?」という疑問が浮かんできますね。実は、少しだけ問題があるので以下で詳しく紹介していきます。
ハードフォークとは、先述の通り、一言で言ってしまえば『システム変更』のことです。このシステムの変更、何が問題なのかというと、従来のシステムとの互換性がなくなるということです。
互換性というのは、つながりのこと。すなわち、従来のシステムとのつながりがなくなってしまうということです。
たとえの癖が強すぎて、わかりにくいので、他のたとえを使うと、『ワードが寝て朝起きたら、今までのと全然違うシステムになっていた』というような感じ、ととらえていただければ良いかなと思います。
少しだけ専門的な言い方に近づけると、チェーンによってつながれたブロックはハードフォークをして従来のものとの互換性がなくなる=チェーンが分岐します。
ちょうどフォークの先のように、ブロックチェーンの先端が枝分かれするようなイメージですね。ハードフォークはこのように理解しておけば、問題ないでしょう。
まあしかし、変化するということは、いいほうに変わろうとするということ。なので、新しいビットコインのシステムを追加、修正した全く新しい機能を搭載した仕組みになるということです。
*ちなみに先ほど少し出てきたソフトフォークというのは、ハードフォークとは違い、従来のものとの互換性があるということです。問題が発生しないのはそれゆえです。もう少し詳しく説明すると、ソフトフォークは今まで積み上げてきたブロックを全て書き換えることを意味します。
Bitmain社のハードフォークによって起こる問題
はい、ここでこうは思いませんでしたか?「えっ。反対派がハードフォークをしてくれるの?すごい、いいことのような気がするけど、、、」と。
そうですよね、そう思いますよね。しかし、ここにも問題があります。1つ目は、ハードフォークをすることは、リプレイアタックがおこりうるということ。
簡単に言ってしまえば、不正取引が行われる可能性があるということです。(詳しくは後述します)
2つ目は、ハードフォークをして分岐するということは、2つ目のコインが誕生するということを意味するということ。
新しくできたコインが毎回メジャーなものになるわけではありません。(なので、ハードフォークをするからといって毎回新たなコインが生まれるわけではない)
しかし、今回のBitmain社はこの新たなコインのほうには、Segwitをつけずに、つまるところ、ASICBoostを自由に行えるコインをつくろうと計画しているのです。
ビットコインから分裂したということで、この新しいコインには初めから信憑性があります。
なので、ビットコインよりも儲かることがわかったら、良い機能が搭載されていることがわかったら、こちらのコインのほうが人気が出てしまうことも考えうるということ。
とどのつまり、ビットコインは信頼が揺らいで、新たなコインは信頼を獲得し、Bitmain社のようなマイニングプールを行っている会社は大儲けできるということを意味します。
妥協策
さあ、ここで、ビットコインに関わるたくさんのお偉いさんたちが集まって会議を開きました。みんなの思惑が重なり、譲歩に譲歩を重ねた結果、『Segwit2xの搭載』ということで妥協しました。(多少誇張が入っていますが、お気になさらずに)
Segwit2xというのは、ブロックのサイズを2MBにまで拡大するというもので、ハードフォークに分類されます。(ただし、ASICBoostは行えない)
Segwitとは違い、ハードフォークにすることで、賛成派、反対派ともに落ち着いたというわけです。
ViaBTC社とは?
と、思ったらここで思わぬところからパンチを食らいます。ViaBTC社というこれまた中国のマイニングプールを行っている会社が登場します。この会社、急にハードフォークを行ってしまったのです。
ついに、ビットコインキャッシュが誕生してしまいました。このコインは、ASICBoostが使えます。大儲けできるわけですね。
ビットコインキャッシュの特徴
*ビットコインキャッシュのホワイトペーパーは基本的に、ビットコインのホワイトペーパーと同じです。
ここからはビットコインキャッシュの特徴をまとめていきます。
①ブロックサイズが8MBに拡大
②リプレイプロテクション
の2つが大きな特徴として挙げられます。以下で、詳しく説明していきます。
ブロックサイズの拡大
ビットコインキャッシュの歴史の章でもご説明しましたが、ビットコインの分裂問題の根幹をなしていたものは、スケーラビリティ問題でした。この問題をどう解決するか、でもめていたので、もちろん、ビットコインから生まれたビットコインキャッシュは、この問題を解決している必要があります。
そこで、ビットコインキャッシュは従来のビットコインのブロックが1MBだったのに対して、8MBまで対応へと変化しました。
リプレイプロテクション
リプレイプロテクションとは、リプレイアタックを防ぐ(プロテクト=守る)という意味です。
リプレイアタックとは?
一般に、リプレイアタックとは、データの送信、転送を不正に行うことです。ユーザーがあるシステムにログインする際に送信するデータを盗むというとわかりやすいでしょうか。これは、反射攻撃、リプレイ攻撃とも呼ばれるようです。
さて、ここで問題になっているリプレイアタックは、ブロックが分裂するとき、つまりハードフォークのときに危惧されるものです。ハードフォークを行うと、2つのブロックができるわけですが、『2つのブロックがある』ということを悪用するのです。
ここにブロックAと分裂後のブロックBが存在すると仮定します。登場人物は、正規ユーザーあやねちゃんと悪人けんとくんと悪人の仲間みくちゃんです。あやねちゃんは、みくちゃんが悪人とは知らないという設定です。
*実際の人物とは関係ありません。
あやねちゃんは、ブロックAを介して悪人の仲間みくちゃんに1BTC を送りました。けんとくんはこのあやねちゃんの送信データを盗みました。けんと君は、この盗んだデータを用い、ブロックBを通じて、美玖ちゃんに10BTCを送ります。
このとき、通常時であれば、ブロックを作成・承認している人が、「二重取引だ!おかしいぞ!」と気づき、取引は行われません。しかし、ハードフォークを行った場合、ブロックAとブロックBはつくりが同じなので、ブロックBを作成・承認する人は「1回目の取引かな?」と錯覚してしまい、気づけないのです。
これがリプレイアタックの仕組みです。このリプレイアタックを守る仕組みがリプレイプロテクションです。この仕組みがしっかりとしているので、分裂時も安全であったといえます。
ビットコインキャッシュが人気の理由とは?
ビットコインキャッシュはなんと人気ナンバー4なのです。人気の理由には以下のようなものが挙げられます。
①ビットコインの分裂で有名になった。(ブランド力がある)
②ビットコインの進化系という信頼感
③ビットコインキャッシュが基軸の取引所が開設される等、使用範囲が広い
ビットコインキャッシュ決済可能店舗
③についてコメントを加えると、ビットコインキャッシュが基軸(4番バッター、メイン)の取引所coinEXが開設されましたりと、知名度を上げていっています。
その人気にあやかって、ビットコインキャッシュ決済可能店舗が登場してきました。(ビットコイン決済可能店舗よりは少ないですが。)
やはり飲食店の導入が多く、都内にも数店舗確認することができました。こちらも随時追加があると思いますので、気になったお店は調べてみるのがよいかと思います。
参考としていくつか店舗をピックアップしてみると、ウナギ料理専門店 川昌さんや、ベルギービールとチーズ サンタルヌーさん等がありました。
ビットコインキャッシュ取り扱い取引所
取引所 | 手数料 | 取り扱いコイン数 |
bitFlyer | しばらく無料 | 7 |
bitbank | 無料 | 8 |
Zaif | 0%(M)、-0.3%(T) | 5 |
QUOINEX | 0,25% | 7 |
GMOコイン | 無料 | 5 |
BITpoint | 無料 | 5 |
みんなのビットコイン | 0,25% | 3 |
coincheck | 無料(M・Tともに) | 12 |
BTCBOX | 0,1% | 4 |
Fisco | 0%(M)、0,3%(T) | 3 |
BitTrade | 0,3%(M)、0,7%(T) | 6 |
M=メイカー(コインを送る)、T=テイカー(コインを受け取る)
ビットコインキャッシュの価格
2018年6月19日の価格を見てみると、なんと約9万6千円!ビットコインキャッシュは仮想通貨人気ランキング第4位の通貨というだけありますね。
但し、価格は毎日変動するので始める前には必ずチャートをチェック!チャートの見方は、下記のリンクをクリックしてみてくださいね!
【初心者向け】仮想通貨のチャートの見方を図を使いわかりやすく解説!
最後に
いかがでしたでしょうか?今回は、ビットコインキャッシュについてご紹介しました。少しでも興味をそそるような記事になっていいたら幸いです。