今回は、具体的に仮想通貨(コイン)についてみていきたいと思います。
周知のとおり、仮想通貨には様々な種類があります。ただ、その全部が日本で取引できるのかというとそうではありません。(日本で取り扱いのないコインを、日本国内にいながら買うこともできるようですが。)
今後数記事にわたって、日本で取引できる仮想通貨を一つずつ特徴をまとめつつ、紹介していきたいと思います。
まずは、ビットコインについて誰よりもわかりやすくご説明します!よろしかったら、その他の記事もぜひチェックしてみてくださいね!
目次
ビットコインの歴史
さて、日本で(世界で?)一番有名な仮想通貨と言えばなんでしょうか?そう、ビットコインですよね。誰もが一度は耳にしたことがあるであろうビットコイン。
しかしながら、まだまだビットコインを実際に保有したり取引を行ったことがある人が少ないのが現状です。
その理由としてやはり一番大きいのは、そもそもビットコインやブロックチェーンが何なのか分からない、または調べてみたものの内容が難しすぎて、途中で諦めてしまったという方が多いからなのです。
ですので、まずはビットコインの概要について見ていきながら、私が分かりやすく説明していくことにします!
ビットコインは誰が作ったのか?
ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトという方が匿名で発表した論文の検証をするために、2009年、オープンソースでの研究がなされ、生み出されました。2010年には、初の取引所が開設され取引が開始されました。
もっと詳しく→そもそも仮想通貨とは?仮想通貨の仕組み・法定通貨との違いを簡単に説明!
ピザが初めての取引に?
当初は、もちろん、需要が少ないので、ビットコインの価値はほとんどありませんでした。
しかし、とある人の思い付きがきっかけでビットコインと実際のもの(ピザ)との取引が行われました。これが初めての商取引であったようですね。
ちなみに、この取引が行われたのは2010年の5月22日だったので、5月22日は『ビットコイン・ピザ・デイ』というお祭りになっています。
MT.GOXとは?
2010年にはもう一つ大きな変化が起こります。それが、MT.GOXという取引所の開始です。MT.GOXというのは、のちに世界最大のビットコイン取引量を誇るようになる取引所です。当時、日本円とビットコインの直接取引が可能であった、ただ一つの取引所です。
中国人の活躍?『爆買い』により注目度UP
よく2011年ごろから、ビットコインが徐々に注目を集め始めます。2011年6月には、違法薬物購入にビットコインが使えるサイトの登場という事件もあったようですが。
2013年には、中国の富裕層の間でビットコインが話題となります。規制の厳しい中国では、自国の通貨で他国の通貨を買うことが困難だったことが理由に挙げられるようです。
そして彼らは、例によってビットコインを『爆買い』したのです。これにより、一気にビットコインの価格が高騰しました。
しかし、同年、こちらも例により、中国政府がビットコインを金融機関の事業として扱うことを禁止します。その結果、価格は下落します。(暴落ほどではない)
『マウント・ゴックス事件』
2014年には、一大事件が起こります。それが『マウントゴックス事件』。
そうです、先ほど取り上げた、あの世界最大の取引を行っていたMT.GOXがハッカーによる攻撃を受け、約85万BTC(BTCとはビットコインのこと。ビットコインを数える単位)を盗まれたと発表しました。
しかし、この事件はこれだけでは終わりません。実は、MT.GOXの元経営者であるマルク・カルプレス氏の不正が発覚。横領していたことが明らかになりました。実際にハッキングされたのは、ごく一部であったようです。
ですが、この事件はビットコインの知名度をあげるのに一役買ったと言わざるを得ないでしょう。ここから、ビットコインの知名度はうなぎのぼりにあがっていきます。
消費税がかからない?
2016年、日本である法律が成立しました。それが、以前まで消費税がかかっていたビットコインの獲得に2017年以降は、消費税がかからないというもの。これが大きな起点となって日本でビットコインが普及していきます。
コインチェックによるNEMの流出問題
2018年。皆さんも記憶に新しいでしょう。コインチェックによるNEMの流出問題が起こります。返金は始まっているようですね。詳しい内容は下記のリンクをチェック!
大手取引所Coincheckの取引が一時中止、一体何が起こっている?
そして現在に至ります。コインチェックの問題でさらに知名度があがった仮想通貨。これからの活躍に期待ですね。
ビットコインの特徴
ここからは、ビットコインの特徴をまとめてみたいと思います。ここでKEYとなるのが、『ホワイトペーパー』です。
ホワイトペーパーとは
『ホワイトペーパー』とはメーカー等が自社の製品の優位性を訴えるために発表する論文のことです。仕組みや安全性を訴えるものと考えておけばいいかと思います。ビットコインに関して言えば、サトシ・ナカモトが発表した論文のことです。
もしご自身が新しい仮想通貨に手を出す時にはチェックすることをおすすめします。検索すれば簡単に読むことが可能ですが、かなり難しいです。
一応、ビットコインのホワイトペーパーをまとめておきましょう。
この論文は、12個の項目から成り立っています。以下で、私なりに各項目ごとをまとめてみました。ご覧ください。
概要
今までのインターネット上でのお金の取引には、電子署名というシステムが用いられてきたが、これには第三者の仲介が必要になり、仲介者の二重使用予防が必要なため、このシステムの利点は損なわれる。そこで、私(サトシ・ナカモト)はP2Pマネーを用いて二重使用問題を解決したいと思う。
1,イントロダクション
従来の取引には、信頼を確保するため、第三者の仲介が不可欠であった。しかし、第三者を挟むということは仲介料が発生するということだ。したがって、小規模での取引は不可能であった。さらに、非可逆的な取引(=支払いをキャンセルできない)をインターネット上で行うことは不可能であった。
だが、その問題を私は、暗号化されたシステムを第三者の代わりとしてつかうことによって解決しようと思う。これが可能になれば、売り手が詐欺にあうことも減るであろう。(商品は発送したのに、いちゃもんをつけられてお金が払われない!なんてことを無くすことができるでしょう)
2,取引
コインを二重に使用していないかどうかを確かめるために、今までは第三者を通していたが、これは無駄である。であるならば、全取引を取引を行うもの全員が見れるようにすればよい。
3,タイムスタンプ・サーバー
先ほどのシステムを作るために、タイムスタンプ・サーバーを使用する。これは簡単に言えば、アルバイト等でよく使用されるタイムカードと同じである。(この時間に、このコインはここに存在していましたよーってことがわかります。)
4,プルーフ・オブ・ワーク
プルーフ・オブ・ワークとは、簡単に言えば、各取引を承認するために必要なデータのことである。これを作り、後述すること(5を参照)を行うために、ビットコインの場合、取引には10分かかる。この10分という空白の時間の間に、不正が行える。(2回取引を行うこともできちゃうね。)
ここで、この時間に不正が行われないようにするために、一時的にパスワードを設ける。
ここで、不正をしようとすると、ブロック(取引の情報が示されているもの)を書き換えなくてはならない。このブロックを書き換えることはすべての複雑な作業を一からやり直さなければならないため、不可能に近いといえる。
さらに、すべての取引は記録されているので、一つのブロックを書き換えたければ、すべてのブロックを書き換える必要が生じる。したがって、こちらも不可能に近い。
また、多数決でものごとを決めなければならないときも、例えばお金持ちなら2票、貧乏人は1票というような差別なく、ひとり1票しか投票できないので不正をすることはできない。
5,ネットワーク
では具体的に取引を一連の流れ一連の流れとしてみていきたい。
コインを送る→取引承認に参加している全員(コンピューター)に取引情報を通知
→この全員がそれぞれブロック(取引履歴)を書く→すべてを照会し、正当性を確保する(全員が同じものを作成していれば正当性の証左になりますね)
→プルーフ・オブ・ワークを算出(難しい計算をして答えを見つける)→算出次第、見つけた人は全員に発見の報告をする
→全員が、取引が有効である(不正はない)と確認次第、ブロックを承認する
→新たなブロックを作成することで承認を示す(=過去の取引履歴の書かれたブロックが1本のチェーンでつながれているのでその一番先に新たなブロックをくっつける)
このことをよく取引承認レースって例えるみたい!6,インセンティブ
上記のようなシステムを維持するためには電気代等何かとお金がかかる。これでは、誰もやりたがらない。
そこで、新たなブロックを作成したもの(=コインの生成者)には、コインを与えることで解決を図る。また、この人は取引手数料も受け取ることができる。
このシステムには、不正を抑制する働きもある。不正を行って得られるものと、行わずにブロックの生成者になるほうが得だからである。
7,ディスク・スペースをリクレイムする
新たなブロックを生成したら古いブロックは破棄してよい。破棄したところで既存のシステムへのダメージはない。破棄しても、このデータを追跡することが可能であるので、不正はできない。また、追跡可能な仕組みを保存しておくためのスペースも問題ない。
8,簡易版支払い検証
取引をするたびにいちいち上記のような手順(5を参照)をする必要はない。
ユーザー(取引を行う人)は、ブロックを作成してくれる人のうちの一人に、いざとなった時に、過去のデータをさかのぼることができるデータのコピーをもらうことで、簡易的な取引が可能である。したがって、検証はいつでも可能ということだ。
しかし、ハッキングに合った場合、簡易版では騙され続けてしまう。
対処法の1つとして、不正なブロックをコンピューターが感知したら、ブロック全体(過去の取引も含む)と不正が行われているであろう箇所のブロックを比較し、不一致が確認できるシステムを構築することがある。ただ、頻繁に取引を行うようであれば、簡易システムは使わないほうが、安全であろう。(不正発覚時の手間が省けるため)
9,価値の結合や分割
ビットコインは少額でも取引可能であるがゆえに、高額を取引したい場合厄介なことが起こる。ビットコインは取引するときは毎回、1コインごとに履歴を書き加えていかなければならない。
そのため、1コインを取引する場合は楽であるが、1000コインを取引するときは1000コインにそれぞれ履歴を書き加える必要がある。非常にめんどくさいことになることがおわかりであろう。これは、コンピューターにもかなりの負担がかかる。
では、どうするか。法定通貨に例えて説明すると、1円玉しか存在しなかった世界に100円玉、1000円札をつくることで履歴を書き加える回数を減らせば良いということである。こうすることで、コンピューターの負担も減るのである。
10,プライバシー
アルバイトの契約等でプライバシーに関する契約を結ぶ時の困り文句は、『個人情報は、関連する団体もしくは、信頼のおける第三者機関に限る』といった文言である。
しかし、これは全取引を公開しているビットコインのシステムにおいては不可能である。
では、ビットコインはどのようにしてプライバシーを守っているのかというと、取引を行う際に公開するのは、取引の履歴だけで、その他の個人情報は一切公開しないという手法をもちいている。この手法は、証券取引等でも使われている。
さらに安全性を高めたければ、各取引ごとに違うアドレス(お金を送信するので、メールを送信するときと同様にアドレスが必要)を使用するという方法がある。
アドレス制作時に、『公開鍵』(アドレスのこと)と『秘密鍵』というのが自動で生成されるので、手元に『秘密鍵』があることが、アドレスの証明になる。
ただし、一度に大量の送金を行った場合、同じアドレスから大量にコインが送金されていることがばれてしまうので、個人を特定される危険は高まる。また、その人が特定されてしまうと、その人が関わった過去の取引も露見してしまう可能性は否めない。
11,計算
ここで、ハッカーのほうが偽のブロックを高速で作成してしまう可能性について考えてみたい。
どういうことかというと、始めに、ブロックの作成について補足しなくてはならない。(5を参照)
”新たなブロックを作成することで承認を示す(=過去の取引履歴の書かれたブロックが1本のチェーンでつながれているのでその一番先に新たなブロックをくっつける)”という段階で、過去の取引履歴が書かれているブロックの連続体(これをチェーンと呼ぶ。ゆえにブロックチェーンと呼ばれている)が複数あった時には、より長いほうを信頼するというシステムがある。
より長いほうのチェーンを信頼するので、不正をするためには、過去の取引をすべて書き換えざるをえないので基本的に不可能であるが(4を参照)、もし仮に高速でブロックチェーンを作ることが可能なハッカーが現れたとして、これが成功する確率を考えてみたいということ。
これが可能であったとしても、ハッカーがコインを盗んだりというようなビットコインのシステム全体を乗っ取れるわけではない。
なぜなら、取引を行う際には、”この全員がそれぞれブロック(取引履歴)を書く→すべてを照会、正当性を確保(全員が同じものを作成していれば正当性の証左になる)”という工程が存在するからである。
つまり彼が、不正なブロックを作成しても、ほかの参加者に承認してもらえないからである。
せいぜい彼ができるのは自分の取引のデータを改ざんして自身が最近払ったコインを取り戻すことくらいである。
しかし、ここでは、ハッカーが正規のブロックチェーンよりも高速にブロックチェーンを作成することが可能であると仮定して、ハッカーが遅れを取り戻し、正規のブロックチェーンとの差が縮められる可能性は、不可能に限りなく近い。(実際の論文では、ここを数学を用いて実証しているが、今回は省略)
次に、送り手がハッカーである場合を考えたい。つまり、可逆的な取引(=支払いキャンセル可)を可能にするという手法ついて考えてみる。
これを行うためには5で取り扱った工程を行っている数分のうちに、偽のブロックチェーンを受け手に送信する必要がある。
これを行われてしまったら、受取人は5で解説した工程をコンピューターが行っているうちに、ハッカーが偽のブロックチェーンを作成できる確率を計算してみる。(煩雑なので今回は割愛)こちらも、不可能に等しいことがわかる。
12,結論
本論文では、インターネット上における新たな送金システムについて提案した。
従来のシステムでは不完全だったところを修正し、ハッカーによる不正が不可能になっていく、P2Pネットワーク(=公開取引+プルーフ・オブ・ワーク)を提案した。
各コンピューター(ブロックを作成する人)は、最低限の情報を送信するだけでよいので、プライバシーを保つことができる。また、ブロックの作成に参加するのも、しないのも個人の自由である。参加した際の報酬は上記の通りにすればよい。
以上がビットコインのホワイトペーパーの概要です。
一言でまとめると、P2Pネットワークを用いたブロックチェーンという仕組みによって、ビットコインは作られており、強固なセキュリティ対策を行っているコインだということです。
*かなり、書き砕いているため、本文の意味と若干異なるところもありますが、簡単に言うと上記のような内容です。ご参考までに、本文のURLを張っておきます。
ビットコインと他の仮想通貨との違いとは?
「でさ、他の仮想通貨と何が違うの?」という疑問が生じてくる頃でしょう。
実は、他の仮想通貨に技術的に勝っている部分はないに等しいのです。
もちろん、ビットコインは一番初めに作られた仮想通貨であるため、普及率が高く、使用可能な店舗も多いです。しかし、ビットコインは『他の仮想通貨の先駆け』である、ということ以外に、技術的には大きなメリットはありません。
ただ、他の仮想通貨は、『ビットコインの技術の模倣と改善』で『ビットコインとうちはここが違いますよ』と言っているのにすぎない、といった言い方もできるでしょうが。
ビットコイン以外の他の仮想通貨の特徴については、fincle内の別の記事で紹介しています。気になったコインがありましたら、そちらもご覧ください。
人気の理由とは?
ビットコインが他の通貨に比べて人気の理由は
①最初のコインである
②人気があり、有名なので安心感がある
③取引可能範囲が広い
ではないかと思います。以下で詳しく見ていきましょう。
最初のコインである
どの分野でも、歴史上はじめて~を作った人物や、~の理論を見つけて人物は人気が高く、尊敬を集めていますね。
それと同様で、”はじめて”や”先駆け”、”歴史の長さ”を重要視する風向きが関係しているように私は思います。
人気と名声による安心感
飲食店ではよく、『お客がお客を呼ぶ』などと言ったりしますが、こちらも同様でしょう。『人気が人を呼び寄せ、名声が安心感を呼び起こす』といった具合でしょうか。”友達、家族、知り合いが使っているということが、一番の信頼になる”というのが定石のように思えます。
取引可能な店舗、取引所が豊富
これが一番の理由になるのではないかと思いますが、とにかく、取引可能な店舗、取引所が多いということ。具体的な決済可能な店舗、取引所に関しては後述します。
ビットコイン取り扱い取引所
ビットコインを取り扱っている取引所は2018年6月現在、国内では14か所存在します。
取引所 | 手数料 | 取り扱いコイン数 |
bitFlyer | 取引所 0,01~0,15 Lightning 0,01~0,15 販売所 しばらく無料 | 7 |
bitbank | 無料 | 8 |
Zaif | -0.05(M)、-0.01(T) | 5 |
QUOINEX | 無料 | 7 |
GMOコイン | 無料 | 5 |
DMM Bitcoin | 無料 | 7 |
BITpoint | 無料 | 5 |
みんなのビットコイン | 無料 | 3 |
coincheck | 無料(M・Tともに) | 12 |
BTCBOX | 無料 | 4 |
Fisco | 無料 | 3 |
Lemuria | 0%~0,13% | 1 |
BitTrade | 0,2% | 6 |
Bitgate | 無料 | 1 |
kraken | 0%~0,26% | 16 |
M=メイカー(コインを送る)・T=テイカー(コインを受け取る)
ビットコイン決済可能店舗
ビットコイン決済が可能な店舗は、通販サイトも含めると枚挙にいとまがないほどたくさんあります。
ここでは、ほんの一部を列挙するにとどまりたいと思いますが、気になるお店は、一度検索してみるのが良いですね。
私の調べだと、大手、ローカル関係なく、飲食店の導入が多いように感じました。ローカルな地域でも取り入れられているというのが魅力ですね。
一例として、大手通販サイト:DMM.COM、家電量販店:コジマ・ビックカメラ・ソフマップ、大手眼鏡量販店:メガネスーパー、大手旅行会社:H.I.S。
ビットコインの価格
2018年6月13日の価格を例にとってみると、1BTC =約72万円!!
ビットコインの取引が始まった当初は、ほとんど価値のなかった通貨が今では、こんなに高額で取引されています。た、高い、、、。取引開始当初からビットコインを所有していた人は『億りびと』と呼ばれる方々になっているのでしょうね。
ただし、価格は毎日変動するので、始める前にはしっかりチェックしてくださいね。チャートの見方は別の記事(下記のリンク)をご参考に。
【初心者向け】仮想通貨のチャートの見方を図を使いわかりやすく解説!
さいごに
いかがでしたでしょうか?今回は、ビットコインのいろはをご紹介しました。ブロックチェーンという何やら難しい単語も登場してきましたが、この仕組みは仮想通貨を始めるうえで確実に理解しておいてほしいシステムです。すべての仮想通貨の根幹を担っているシステムですからね!
長くなってしまいましたが、最後まで通読し、理解していただけると幸いです。