今回は各国の仮想通貨事情の第二弾として発展途上国での仮想通貨事情をまとめていきます。
発展途上国の田舎のほうには銀行がなかったり、政治が安定していないため通貨下落の心配がつきまといます。
しかし、仮想通貨は銀行の口座を開設しなくても取引や資産を管理することができ、かつまた国の情勢によって価値が変化するものではないので政治が安定していなくても安心して資産を管理することができるツールです。
仮想通貨が発展途上国でさらに飛躍することを願って。では以下で細かく見ていきましょう!
*今回の記事ではわかりやすくするために大きく2分割したら先進国/発展途上国のどちらに属するか、という点で主観的に国々を分けています。
第一弾はこちらから→各国の仮想通貨事情①ー先進国での法規制はどうなってるの?簡単にまとめます!
目次
初めに
この記事ではケニア・南アフリカ・ナイジェリア・ジンバブエ・トルコ・ネパール・インド・フィリピン・タイ・ブラジル・アルゼンチン・ベネズエラについて取り上げていきます。
アフリカ大陸
ケニア
まずはケニアの仮想通貨事情から。
2018年6月こんなニュースがありましたね。
◆ケニア、初の仮想通貨ATMを設置◆
ケニアの首都、ナイロビに初の仮想通貨ATMが設置され、現金でBTCやLTCを購入可能。アフリカでは、4年前に南アフリカに設置されており、2台目となる。なお、アメリカではすでに2000台以上が設置されている。
— Huobi Japan (@HuobiJapan) June 19, 2018
あまり知られていませんが、日本には仮想通貨のATMが20弱あり、アメリカには2000台程度のATMがあるようです。
この事実を踏まえるとこのアフリカ大陸における仮想通貨ATMの少なさがわかりますね。
ただ、このATMの設置は大きいものでケニアで仮想通貨という概念が広がっていく契機となったのではないでしょうか。
現在ケニアでは、一部の大学内やホテルでの仮想通貨決済が可能となっているようです。
具体的な規制はまだできていないようなのでこれからどのような規制をかけていくのかが大きなカギになりそうです。
南アフリカ
南アフリカはアフリカ大陸で初めて仮想通貨ATMを設置した国でもあります。
そんな南アフリカではビットコインへの注目も高く、インターネットでよく検索されているようで、政府による仮想通貨に対する規制も緩いということです。
これにより、ブロックチェーンを使った新たな技術の開発が盛んにおこなわれてるようです。
南アフリカと言えば、治安が最悪ということで有名ですが、治安が最悪=発展している最中ということなのでこの事実を鑑みても南アフリカが今急速に発展しているということがよくわかりますね。
ナイジェリア
アフリカ最大の人口を誇るナイジェリア。ナイジェリア国内ではかなり仮想通貨が普及しているようです。
ただ、ナイジェリアの政府は南アフリカの政府とは対照的に仮想通貨に対してあまりいいイメージを抱いていないようです。
おそらく、仮想通貨が闇取引(麻薬とかの取引)に利用されることを懸念しているのでしょう。闇取引に対する規制を除いて、技術面では仮想通貨を評価しているようなので厳しい規制が課されることはなさそうですが。
またはっきりしたことはわかりませんが、ナイジェリアで仮想通貨を使用している人たちは本当の貧困層ではないような気がします。
一般的に貧困層はしっかりとした教育を受けてないことが多いことと、大人たちが保守的だということから考えると本当の貧困層に仮想通貨が浸透しているのかどうかに関しては疑問が残りますね。
ジンバブエ
ジンバブエと言えば2008年にハイパーインフレに陥ったことで有名ですね。このジンバブエドルは2015年に公式に廃止され、現在は他国の通貨(アメリカドルなど)が使用されているようです。
ジンバブエではこのような事実をうけて、ビットコインに逃げる人が多かったようでかなり国内でビットコインが普及していたようですが、2018年5月ごろ仮想通貨の取引が全面禁止になったようです。
下の記事をお借りしてきましたので、詳しく知りたい方は以下のリンクをチェック。
ジンバブエがすべての仮想通貨関連の活動を禁止、対象企業には2ヵ月の猶予
ヨーロッパ圏
トルコ
トルコと言えば最近トルコリラの下落で大きな注目を浴びましたね。
原因はいくつかあるようですが、一番大きな話題となった原因はアメリカによる経済制裁でした。アメリカ人牧師の逮捕と保釈をめぐってトルコとアメリカは対立しており、この対立から経済制裁へと発展してしまったようです。
この下落を受けてトルコでは仮想通貨へと非難する人が増加し、仮想通貨の取引量が一気に増えました。
アジア圏
ネパール
続いてはアジアでの事情を見ていきます。
現在ネパールでは仮想通貨の取引が全面禁止になっています。仮想通貨の取引を行ったとして過去には逮捕者も出たようです。
政府は仮想通貨の規制が出来上がるまでは取引を全面禁止するとしています。
ご存知の通り、ネパールは南アジア最貧国と言われています。この国ではまだまともな憲法すら整っていない状態のようです。そんな国で仮想通貨の規制が整うのはいつになることやら。
ネパール国内には銀行が少なく、もちろん都市に行けばありますが、田舎のほうの山に住んでいる人たちからすると近くに銀行がなく不便です。
ただ彼らは基本的にスマートフォンを持っているので仮想通貨が普及すれば、資産の管理がより楽になり、うまく運用することができれば貧困を抜け出すこともできますね。
インド
人口世界第二位を誇るインド。昨今、経済発展も著しく、またIT業界においてもインド人が重宝されています。
そんなインドでは、2018年4月に中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が仮想通貨の取り扱い停止を発表し大きな話題を呼びました。
しかし、そんなインド準備銀行が独自の仮想通貨の発行を検討していることがわかり、またインド証券取引委員会が仮想通貨に関して日本の金融庁などを視察したことも明かされました。
さらにリップルがインド市場参入を発表しました。
規制が緩和されインドで更なる飛躍をすることが予想されますね。
フィリピン
ドゥテルテ大統領で有名な?悪名高い?フィリピン。麻薬一掃など過激なことを行って国際社会からは非難されているけれど、フィリピン国内では人気のある彼の率いる国。
そんなフィリピンでは仮想通貨の取引に関する規制を行うとの発表が記憶に新しいですね。しかし、2018年4月にはカガヤン州にある経済特区(Ceza)では仮想通貨ライセンスの承認が盛んに行われているのでフィリピン政府は仮想通貨に対して寛大だといえそうです。
タイ
タイでは仮想通貨が積極的に取り入れられているようで、タイの中央銀行であるタイ銀行は金融機関向けの独自のデジタルコインの開発を行うことを発表しました。
またタイ最大の映画館経営企業であるメジャーシネプレックスが仮想通貨決済の導入を検討しているようです。
いくつかの規制はあるようですが、決して厳しいものではなく仮想通貨の安全性を担保する内容という印象を受けます。
詳しい規制についてはこちらの記事を参考にしてください→タイ証券取引委員会、仮想通貨の規制枠組みを発表
南米
ブラジル
ブラジルでは仮想通貨に対する関心が非常に高く、株取取引の2倍となっています。それだけでなく、大統領候補者であるJoão Amoêdo(ジョアン・アモエド)氏は仮想通貨を合法化すると宣言し、さらにはジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)教育機関は世界初の暗号金融学修士号プログラムの開講を発表しました。
仮想通貨への熱が最も暑い国の一つといっても過言ではなさそうですね。
アルゼンチン
トルコリラと同様にアルゼンチンでも通貨危機が起こっているようです。
そんななか、アルゼンチンの民間銀行であるBanco Masventas(BMV)は国際送金の手段としてビットコインでの送金を可能にしました。ビットコインによる国際送金を可能にしたのはBMVが初めてということです。
このような方法を使って資産を仮想通貨に換え、他国に逃がすという動きが広まっているようですね。
またアルゼンチン中央銀行がATMの規制を緩和したことで、アルゼンチン国内に仮想通貨ATMが4000台導入されることが決まったようです。
ベネズエラ
では最後にベネズエラの仮想通貨事情をチェックしていきましょう。
ハイパーインフレに陥っているベネズエラ。これをうけて2017年にはビットコインへの関心が高まり、一時ブームとなりましたが今現在は落ち着いているようです。
しかし、今はベネズエラでは政府がペトロというペッグ通貨を発行することの発表が物議をかもしています。ペトロは石油の価格とペッグされた通貨のようですが、その石油の価格との関連性が不明瞭だということ。
これからベネズエラという国がどうなっていくのか、またペトロの行く先が気になりますね。
ただ、ベネズエラ国内での仮想通貨普及率は甚だしいもので、国民は現金を手にいれることが不可能に近い状態なためほとんどの取引を仮想通貨で行っているようです。
最後に
今回は各国の仮想通貨事情第二弾と称して<発展途上国>の仮想通貨事情について書いていきました!2つの記事を通して世界の仮想通貨事情が分かったでしょうか?