ふるさと納税の存在が世間に認知されるようになりましたね。かしこく活用すればお得に返礼品が手に入るとして、人気の制度となりました。賢い人は普段の生活にかかる食費を削減するのに活用しているとも聞きます。しかしお得な部分ばかりが強調され、問題点が指摘され始めているのも現状です。ふるさと納税について挙げられている問題点と、納税する時に注意すべき点についてまとめました。
目次
ふるさと納税の問題点とは
ふるさと納税は確かにお得な制度であることに変わりありません。しかし本来の意図がずれ始めていることにより、様々な問題も指摘されています。挙げられている問題点を詳しく見ていきましょう。
本来の意図が伝わらない?
ふるさと納税の概要は「寄付」となっています。ふるさと納税が始まった背景には、自分の生まれ故郷にお金を寄付できるという考えがあります。生まれ故郷で育ってきたのに、住民税は生まれ故郷ではなく今住んでいる場所に支払いますよね。そこで「生まれ故郷に寄付ができますよ」という制度がつくられました。生まれ故郷だけでなく、応援したい、寄付したい自治体を選ぶこともできます。
しかし寄付のお礼として贈られる返礼品の豪華さばかりが強調されている現状があります。返礼品が豪華であればあるほど、寄付した人はお得な気分になりますよね。しかしその「返礼品豪華合戦」を自治体が繰り広げた結果、寄付の額から換算した返礼品の値段が上がっているのです。要するに寄付した金額の大半が結局個人に戻っているんですよね。寄付側は嬉しいですが、ふるさと納税の概要から考えると「大丈夫なのかな?」と疑問視してしまうのは確かです。
また本来禁止されていることを行う人の存在が、返礼品の問題を広げています。返礼品には家電製品や金券といった品物もあります。それをオークションなどで転売する人が現れたのです。税金が個人に還元されていると考えると、良い気持ちにはなれませんよね。
参考文献:ふるさと納税サイト【ふるさとチョイス】
富裕層の節税対策になっている?
またふるさと納税は仕組みを理解し、必要な手続きを行えば圧倒的にお得な制度となっています。しかしこのお得な制度は、お金がある人ほど多額の税金を節税できる制度でもあります。確定申告を行うことで税控除を受けることができるのですが、その税控除額は総務省のふるさと納税ポータルで確認することができます。年収の高い世帯であればあるほど、全額控除額も高くなります。限度額ギリギリまで寄付を行い、実質2000円で還元率の高い返礼品を得ることができれば、かなりの余りがでます。
参考文献:総務省 ふるさと納税ポータルサイト
見直すべき項目
上記のような問題点から、専門家の間では「ふるさと納税」の制度について見直すべき項目が挙げられています。総務省でもこの制度の趣旨について呼びかけがありますが、問題点がすぐに解消することを期待することはできません。
項目として最初に挙げられるのが、換金率の高い返礼品を禁止するということです。自治体のせいではなく、制度を悪用した人のせいで、このような案が出ているのは何だか悲しいことです。また寄付金額に対して返礼品の価格の割合を制限すべきではないかという声もあがっています。
参考文献:「急増!ふるさと納税を問う」(時事公論)
ふるさと納税の注意点
このような問題点を指摘されてしまうと、せっかくふるさと納税をしてみようと考えていた人も躊躇してしまうかもしれません。が、ふるさと納税の仕組みをしっかりと理解し、言い方が悪いかもしれませんが、欲深い考えさえ持たなければ問題視されることはないでしょう。
ふるさと納税を理解しよう
冒頭にも書きましたが、ふるさと納税はあくまで「自治体への寄付」です。仕組みを理解し、必要な手順を踏めばお得に返礼品を得ることができますが、自治体を応援するために制度を活用することを忘れないでください。
ふるさと納税は、総務省のポータルサイトでも寄付したい自治体を選ぶことはできますが、仕組みが理解しやすいように「さとふる」や「ふるさとチョイス」など専門サイトも開設されています。返礼品や寄付金額が一覧になっており、選びやすいので、サイトを活用することをおすすめします。どんな自治体のどんな返礼品が人気なのか、ランキング形式で確認することもできるので、まずはどんなものか見るだけでも楽しいですよ。
確定申告を忘れずに
ふるさと納税はサイトや書類を通じて寄付を行い、そのお礼として返礼品を受け取ります。ここまでなら本当にただ寄付をして、お礼を受け取っただけになります。ふるさと納税は確定申告で寄付したことを伝えることで、支払った寄付金額が実質2000円になるのです。
実質2000円で済むことと返礼品の豪華さだけが強調されすぎた結果、先に紹介した問題点が浮き彫りになったのだと思います。お得に制度を活用したいのであれば、確定申告は忘れないでくださいね。
まとめ
返礼品の豪華さばかりが際立ってしまい、ふるさと納税の本質が伝わらなくなってしまったのが、問題点が浮き彫りになった原因だと考えられます。また制度を悪用し、返礼品をオークションなどで販売する人の存在によって、制度そのものが悪い印象になってしまうのは悲しいことです。制度の本質を理解した上で、寄付を行ってほしいものです。