お見舞の際には、相手への心遣いとしてお見舞金、あるいはお見舞品を贈ります。しかし、そもそもお見舞金とは何のためにあるのか、そしてお見舞金はいくら準備すれば良いのかといった疑問にぶつかります。
また、お見舞金には金額から封筒の種類、そして渡すタイミングまで気を付けなければならないポイントが非常に多いものです。せっかく心を込めて贈るのであれば、きちんと礼儀を守り、優しさの感じられる贈り方をしたいですよね。
今回は、相手を思いやる気持ちを伝えられるよう、お見舞金の作法についてご紹介します。
お見舞金とは
引用:PAKUTASO
親戚や親しい方が病気・事故・怪我で入院された時には、お見舞いに行きますよね。その際には手ぶらで訪れては相手に失礼となってしまうので、「お見舞い品」あるいは「お見舞金」を準備し、対面時に手渡します。
ただ、厳密に言えば、本来お見舞金というのは家族や親戚などの身内が入院した場合にのみ贈られるものです。というのも、お見舞金は「お金は渡すから、必要なものは自分で買ってね」という意味が含まれているからです。
それでも、最近はある程度お見舞金の決まりも緩くなり、友人や知人、職場でお世話になっている方に贈られる場合も多いものです。本来は身内以外にはお見舞金でなくお見舞品を渡すものであるからこそ、お見舞金を渡す時には「何を贈ろうか迷いましたが、お見舞品の代わりにお贈りします」と言い添えるのですね。(お見舞金渡し方については後ほどご紹介します。)
お見舞金を渡す際に大切なのは、相手への気遣い・思いやりです。そのためにも、相場や封入の仕方、渡し方などについて確実に抑えておく必要があります。それらについて、これからじっくり見て行きましょう。
お見舞金の相場は?
お見舞金の相場は一体いくらなのでしょうか。大事なことは、相手に気を遣わせないような贈物をすることです。一般的な相場をおさえておくことで相手にも気苦労を掛けずに済みますよね。まずは、相場を確認し、それからタブーとされる金額についてご紹介します。
一般的な相場
お見舞金は渡す人と当事者の関係性によって相場が変動します。見舞金を渡す相手が親戚でなく、親しい方や仕事でお世話になっている方の場合は、あまりに多額であるとかえって相手に気を遣わせてしまうことにもなりかねません。
そこで見舞金の相場を確認しておくことが大切です。渡す人と当事者の関係別に相場をまとめてみると以下のようになります。
- 身内(親、兄弟、親戚、祖父母、孫など) →5,000円~10,000円
- 友人 →3,000円~5,000円
- 仕事上でお世話になっている方 →3,000円~10,000
- ご近所の方 →3,000~5,000円
以上から、お見舞金は全体的に3,000円~10,000円の間の金額が妥当であるということが分かりますね。
また、仕事上でお世話になっている方に見舞金を贈る場合は、何人かの有志で見舞金を募る場合が多いものです。その場合、1人あたりが出す金額は3,000円が妥当です。さらに、職場でお世話になっている相手であれば、「部下」「同僚」「上司」によって相場も変わってきます。それぞれの目安としては以下のようになります。
- 部下へのお見舞金→5,000円~10,000円
- 同僚へのお見舞金→3,000円~5,000円
- 上司へのお見舞金→一般的に目上の方に現金を渡すのは失礼だと考えられているので、お見舞金ではなくお見舞品を贈りましょう。詳しくは<気をつけること>の項目をご参照ください。ただ、お見舞品を購入する際の相場としては3,000円から10.000円程度となっています。
タブーとされる金額とは
たとえ相手に気を遣わせないように、相場の範囲内の金額を用意しても、まだ注意すべき点が残されています。それは「タブーとなる金額は避ける」ということです。
具体的にどのような数字がタブーとして挙げられるかというと、「4」「6」「9」です。ご存じの方も多いかとは思いますが、「4」は死を連想させるもの、「6」は無を連想させるもの、「9」は苦を連想させるものとして避けられているのです。
一般的に見ても、病院やホテルの部屋番号などではこのような番号は避けられていますよね。これらの数字は、見舞金においてもそぐわない数字として見なされているので、マナーとしてしっかりおさえておきましょう。
ただ、「6」が好ましくない番号であることを知らない方も多いのではないでしょうか。「4」「9」以外に「6」も避けると言うことを覚えておきましょう。
また、「4」「6」「9」以外にも「13」も避けたいものです。日本ではそこまで問題にされていませんが、外国においては「13」が不吉な数字として認識されています。個人が入院されている場合には避けやすい数字ですが、何人かの有志が集まって見舞金を募る時には合わせた金額が「13」にならないように十分注意しましょう。
お金以外の贈り物は?
引用:PAKUTASO
見舞金は必ずしもお金である必要はありません。先ほどご紹介したように、見舞金の相場に該当する品物をプレセントするという方法もあります。それに、本来家族や親戚などの身内以外の方には現金ではなく、お見舞品を贈ることが礼儀となっています。したがって、お見舞金以外のものを贈るのはむしろ礼儀正しい作法なのですね。ここでは、お金以外に何を贈れば良いのか、ご紹介していきます。
喜ばれる定番の品
喜ばれるものとしては花、お菓子、果物です。年配の方には緑茶や玉露、口当たりの良い中国茶などの高級茶を贈ると喜ばれるでしょう。また、女性の方にはハンドクリームも普段使いとして重宝しますね。
ただし、お菓子や果物などの食品に関しては食事制限がない方にのみ送るように考慮しましょう。食事制限のある方には花を贈ると気分も晴れて良い贈物になりますよ。ただし、花は注意すべきことも多いお見舞品です。これについては、「注意すべきプレゼント」の項目で詳しくご紹介します。
また、お見舞いや快気祝いなどのシチュエーションに沿った贈り物に特化した通販サイトなどもありますので、是非そちらも参考にしてみて下さい。
定番以外の贈物
またこれらの定番プレセント以外にも、相手が好むものを贈ると喜ばれます。本が好きな方には本を、雑誌が好きな方には雑誌など、入院中に気晴らしとして楽しめるものを贈りましょう。また、入院中の退屈しのぎとしてパズルなどもおすすめです。
あらかじめ、相手の方の好みを確認しておくと良い贈り物ができますよ。
どのようなギフトが人気があるのか、気になる方はこちらのサイトをチェックしてみてください。
注意すべきお見舞品
お見舞品としてのプレゼントには注意して選ばなければならないものもあります。
最初に挙げられるのが生花です。生花は病院によっては感染やアレルギーを引き起こす可能性のあるものとして、持ち込みを禁止されていることもあります。したがって、生花をプレゼントする際にはあらかじめ病院に問い合わせる必要があります。
また、生花には縁起の悪いものもいくつかあります。たとえば、入院中に特に避けたいものは鉢植えの花です。鉢植えの花は「根付く」ということから「寝付く」という言葉を連想させます。また、葬儀用に使われることの多い菊の花や、血を連想させる赤い花、百合などの匂いの強い花も避けたいものです。さらに、「死」や「苦」を連想させる縁起の悪い語呂合わせのシクラメンや、花が落ちてしまう椿などもタブーです。お花を贈るのであれば、お花屋さんできちんとお見舞い用にアレンジされた商品を選べば安心です。
次に気を付けたいのがパジャマやスリッパです。これらの品は病床生活を長引かせるような印象を与えるので、お見舞品としては適切ではありません。一見入院中に必要なアイテムである気もしますが、相手に失礼な贈り物となってしまうので控えましょう。
縁起物のプレゼント
入院された方には、何気ない気遣いが嬉しいものです。早く治るようにと願いを込めた縁起物には、非常に勇気付けられます。縁起物として贈ることのできるお見舞品はタオルです。タオルは水場で流すものであるので、「(病気を)水に流す」という良い意味を含んでいます。タオルであれば入院中も頻繁に利用するので非常に嬉しいお見舞品となりますよ。
通販サイトを利用する
お見舞金のお返しをしたいけど、病み上がりや忙しい合間を縫ってお店に行きお返しを選ぶのはなかなか大変ですよね。
そのような時に便利なのが通販サイトですが、一般的な通販サイトの場合は「なにを買えばいいのか」「形式に沿ったラッピングしてくれるのか」心配になる人も多いでしょう。
そういった不安を解消してくれるのが、ギフトに特化した通販サイトShaddy(シャディ)です。
シャディではおすすめのギフト商品を購入することができ、のし・ラッピングを無料で利用することが可能です。
常時1万点以上の豊富な品揃えなので、きっと送りたいギフトを見つけることができるでしょう。
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渡し方は?
お見舞の際には、相手を気遣った渡し方を行うことが大切です。梱包から、お札の入れ方、渡し方、送り方について気を付けなければならないことがたくさんあります。ここでは、それらについて詳しくおさえていきましょう。
梱包
見舞金を手渡す際に必須のアイテムが紅白の「祝儀袋」(または、無地の白封筒・左側に赤線の入った封筒)です。
祝儀袋の紅白の結びきり・あわじ結びの水引は簡単にほどけないことから、一度限りであって欲しい出来事に利用します。「二度と病気が訪れないように」という願いのこもったものなのでこちらをきちんと付けましょう。
基本的には紅白の祝儀袋を使用するのが最善ですが、不幸事にこのような華やかな祝儀袋を使うのは病気を祝っているようで抵抗があるという方もいらっしゃるでしょう。その場合には白い封筒や左に赤い線の入った袋でも問題ありません。これらの封筒を使うのは、①相手の病気がとても重い時、②火事や地震など災害のお見舞の時、③死産・流産のお見舞の時、④一般的な病気・怪我のお見舞の時です。したがって、①~③の場合に当てはまる時には、祝儀袋ではなく、白の無地の封筒あるいは左に赤い線の入った封筒を使用しましょう。
ただし、紅白の祝儀袋は「完全な回復を祈っている」という前向きなメッセージが込められたものなので、決して失礼にはあたりません。また、入院は決して喜ばしいものではありませんが、だからと言って不祝儀袋を使うのは避けたいものです。必ず祝儀袋か白い無地の封筒を用意しましょう。
また、現金を封入するので二重の封筒を使用したくなりますが、こちらも避けましょう。「二重」は繰り返しを意味しており、入院が繰り返されることを示唆するからです。
熨斗(のし)の有無については議論の分かれるところではありますが、基本的には付けないのが無難です。熨斗はもともと縁起物として贈物に添えていたアワビが起源です。縁起物につけるということなので、お祝いの気持ちを込める際につけるということですね。しかし、お見舞の際にはお祝いの気持ちを表したら非常に失礼にあたります。したがって、熨斗は付けない方が好ましいといえるのです。
これらの祝儀袋・封筒には、上部の中央に「お見舞」あるいは「御見舞」と書き、下の中央に自分の名前を記します。また、基本的に上司にお見舞金を贈るのはあまり好ましくありませんが、贈る場合の御包みには「御見舞」ではなく「御伺い」あるいは「祈御全快」と書くのがマナーです。
下部に記載する名前が複数名になる場合には、目上の方が一番右になるように書きます。連名が4人以上になる場合は、代表者の氏名のみを記し、左に代表者の氏名よりも小さな文字で外一同と記載します。全ての連名者の名前は別紙に記載して、お金と一緒に袋の中に封入しましょう。
夫婦の名前を書く際には、夫の氏名を書き、名前の左側に妻の名前のみ(苗字は省略)記入しましょう。
お札の入れ方
封入するお札は新札でなく、普段使っているお札を選びましょう。新札には「病気になるのを待っていた」という意味が含まれているので非常に失礼です。
普段使いのお札であれば「新札を揃える間もなく駆け付けた」という意味になるので、弔事やお見舞いなどの場合はこちらを利用するのが礼儀です。ただ、あまりにもしわが寄っていたり破れそうであったりする場合には相手に失礼となるので避けましょう。どうしても新札しか無い、という場合には折り目を付けてから封入するようにします。
そして大事なお札の向きですが、実はお金の入れ方ははっきりと決まってはいません。ただ一般的には表側にお札の肖像が見えるように入れます。
いつ渡すか
お見舞金を渡しにお見舞する際には訪問するタイミングを考えることが大切です。入院直後や手術の前後は、家族や親戚などの身内でない限り面会は避けましょう。
入院後4、5日経った頃、あるいは手術後2、3経った頃に家族の方に面会ができるかどうか尋ねるのが妥当です。また面会時間は、昼過ぎの14時から15時の間が落ちついており、ちょうど良い時間帯です。
渡し方
見舞金は訪問してどのタイミングで相手に手渡せば良いのでしょうか。基本的には、お見舞いの対面の最初に手渡します。見舞先の相手の調子により、あまり長く対面できないこともあるので、対面してすぐ、最初に手渡すことが好ましいでしょう。
そしてお見舞金を手渡す時の言葉が非常に大切です。渡す時にかける言葉のポイントとしては次の2点を挙げることができます。
- 何が良いか迷いましたが、お見舞品の代わりに差し上げます
- 相手を気遣う言葉(「どうぞごゆっくり休養なさってくださいね。」)
これらの言葉を掛ける時には何よりも、相手を気遣い、思いやる心を持って接することが大切です。
また、①の「何が良いか迷いましたが、お見舞品の代わりに差し上げます。」という言葉は欠かせません。なぜなら、本来はお見舞金ではなく、お見舞品を贈る方が好ましいからです。<お見舞金とは>でご説明したように、家族・親戚などの身内以外の方には本来お見舞金ではなく、お見舞品を贈ることが礼儀です。ただし、最近はこのような決まりも緩くなっているためお見舞金を贈るようになったのです。
郵送を利用する場合
入院中の相手が遠方にいるという場合は、直接訪ねて面会するのは難しいでしょう。そのような場合にはお見舞金を郵送で送ることになります。しかし、現金はなかなか普通の郵送サービスで送ることができませんよね。誤って普通郵便で送ってしまうと法律違反を犯すことになります。
そんな時に重宝するのが、日本郵便が提供している「現金書留」のサービスです。このサービスを利用すれば、法律を犯すことなく現金を贈ることができます。現金書留を利用する際の注意点としては、「専用封筒が必要」であること、そして「ポスト投函せず、郵便局窓口で手続きを行う」ことです。専用封筒は郵便局窓口で購入することができます。
また、現金書留では封筒・手紙を封入することができるので、お金は祝儀袋あるいは白い封筒に包んで送りましょう。対面でのお見舞ができない分、手紙で温かい言葉を添えると気持ちを伝えることができますよ。ただ、お見舞の手紙を書く場合には、いくつか注意しなければならないことがあります。それらの注意点についてご紹介しますね。
関連記事:現金書留のサイズや料金、追跡方法をどこよりもわかりやすく徹底解説!
お見舞いの手紙
お見舞の手紙には、普通の手紙よりも気を遣って書きましょう。様々な注意点があるので、まずは初めに注意点について挙げて行きますね。
- 時候の挨拶を省略する
- 忌み言葉を避ける
- 無理に励ましの言葉を書かない
- 病状については尋ねない
- 追伸は使わない
入院は緊急のことなので、時候の挨拶は省略します。したがって、冒頭からすぐに「先日、入院されたことを知りました。この間お会いした時にはお元気な姿を見ることができたので、想像もつかず、大変驚いております。」というように、入院の知らせを聞いて驚いている旨を伝えましょう。
また、「四(死)、九(苦)、再び、また、重ね重ね、枯れる、流れる、長い、去る、落ちる、重なる、まだまだ」などの病気の繰り返しや悪化を連想させるような忌み言葉は避けるように十分注意しましょう。
入院されている方をどうにかして励ましたい気持ちから、激励の言葉を添えたくなりますが、根拠のない励ましはとても無責任です。すぐ良くなる、絶対に治る、○○なら効くなどといった言葉は、図らずとも相手に不快な思いをさせてしまうことがあります。
ゆっくりと休養を取って欲しいという思いやりの言葉と、回復を祈っているとの言葉を添えましょう。それだけで十分気持ちは伝わりますよ。
気をつけること
お見舞金を渡す際には、渡し方や訪問の仕方まで気をつけるべきことがたくさんあります。ここでは、注意しておきたいことについていくつかご紹介します。
年上の方には「お見舞品」を
実はお見舞金はどの方に渡して良いものではないという見解があります。そもそも、お見舞金とは、相手が喜ぶ品が何かよく分からないため、代わりに現金を贈って相手の好きなものを手に入れていただくために贈るものです。したがって、そのまま現金を渡すことは、「必要なものは自分で買ってください」という意味を含んでいます。
そのため、お見舞いとして年上の方を訪問する際には最初から「お見舞品」を選んで手渡すのが礼儀となっているのです。しかし、病気見舞いの場合には目上の方に現金を贈っても失礼ではないと考えらえてもいます。何かと意見の分かれるところですね。
ただ、相手によってはお見舞金を渡されるよりも品物を渡された方が気を遣わなくて良いと思うこともあるので、お見舞品を贈るのが無難でしょう。
仮に現金を贈る際には、御包みには「御見舞」ではなく「御伺い」あるいは「祈御全快」と書くように気を付けましょう。
長居は禁物
お見舞は本来相手の方を気遣って行うものですが、相手の立場からするとそれなりに体力と気力を消費するものです。何としてでも相手を励ましたいという思いは嬉しいものですが、長居をすることで相手を疲れさせてしまうこともあります。対面時間の目安としては、10分~15分が望ましいところです。
突然のお見舞いは避けよう
「病気で入院した方をすぐにでも訪問したい」、「気晴らしとしてサプライズで相手を喜ばせたい」と思われるかもしれません。特に親しい方が入院された場合にはそのような気持ちが募るでしょう。しかし、焦って突然訪れてしまうのは相手の方に迷惑です。あなたにも誰とも会いたくない時や、自分の姿を見せたくない時がありませんか。お見舞は本人に直接会うことが大事なのではなく、回復を願う気持ちが大切です。
相手の方の心の準備が出来た時に訪れれば、お互いとても良い時間を過ごせますよ。お見舞をする場合には、相手の家族の方に直接お見舞に行っても良いか事前に確認を取りましょう。また、家族の方には入院先の病院名のみを尋ね、行き方・面会時間などは病院に問い合わせましょう。家族の方も、看病で疲れていることが多いので、本人のみならず、家族の方にも余計な負担を掛けないように注意することが大切です。
また、子連れでお見舞いするのもあまり好ましくありません。喜ぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、子供がいると元気な姿を見せなければと気を張って相手を疲れさせてしまいます。入院中はできる限り落ち着いて対面できるような環境を作ってあげましょう。
大勢でお見舞いしない
仕事でお世話になっている方をお見舞いする場合は、お見舞金を出し合った有志全員でお見舞いをしたいところ。しかし、一気に大勢で訪問されると相手に体力的・精神的負担が掛かってしまいます。お見舞いするのにふさわしい人数の目安は1~2人です。
したがって、会社内でお見舞いを行う場合には代表者を選び、その人からお見舞金を相手に手渡してもらうのが妥当です。ちなみにお見舞品の場合には、部署で一つ選んで手渡すと良いでしょう。
会話の内容に気を付ける
入院中は相手が精神的にも落ち込んでいる場合が多いでしょう。そのような場合にはかける言葉にも注意が必要です。仕事に関する話で焦らせたり、相手の見た目がやつれている、疲れてみえるなどといった指摘で落ち込ませたりしない気配りが必要です。また、病気の調子について踏み込んで聞いたり、世間話として不安を呼び起こすようなニュースなどについて話したりしないように心がけましょう。
話しても良い内容としては、ゆっくりと休んで欲しいということ、そして、入院してしまったので寂しいという気持ちです。このように、相手に安心感を与えるような言葉を使ってお見舞をすることが大事ですよ。お見舞の際には、相手を気遣い安心感を与えることが何よりの励ましとなるのです。
お見舞金、もらった場合のお返しは?
お見舞金やお見舞品をもらった場合には、お返しが必要です。お見舞いのお返しは一般的には2種類あります。それは全快の報告を兼ねた感謝のお返し「快気祝(全快祝、御礼)」と完全に治癒していないけれど、一旦退院・自宅療養に切り替える際のお礼「御見舞御礼(快気内祝、退院内祝)」です。
「快気祝」や「御見舞御礼」についてはどの程度の相場で、どのような形でお礼を贈れば良いのでしょうか。ここでは、お礼の相場とお返しについて確認します。まずは相場から見てみましょう。
お返しの相場
お返しはお見舞いに来ていただいた方への感謝と報告の表現です。お返しとしての目安の料金は、いただいたものの2分の1から3分の1程度です。半額程度が良いと覚えておきましょう。
お見舞金あるいはお見舞品としていただいたものの金額を基に、お返しの金額を考えてみると以下のようになります。
- (お見舞金、お見舞品が)10,000円→(お返しは)3,000円~5,000円
- 5,000円 →2,000円~2,500円
- 3,000円 →1,000円~1,500円
職場の有志からお見舞金・お見舞品をいただいた場合には、1人ずつ個別にお礼を送らなくても大丈夫です。皆で分けられるようなものを贈りましょう。
何を贈るか
さて、お見舞いのお礼の相場を確認しましたが、お礼として一体何を贈れば良いのでしょうか。お見舞金のお礼にはお金ではなく、品物をプレゼントします。
お返しとして縁起の良いものは「形に残らないもの」です。病気や怪我が残らないようにという願いが込められているのです。
具体的には、食べて形に残らないものや洗い流せるものを選ぶと良いでしょう。特に洗剤などの日用品、お菓子などが喜ばれます。
「後に残さない(=病気をなくす)」ということで、砂糖・石鹸・チョコレート、「食べて消える(=病気を消す)」ということで、油・そうめん・お菓子など、「水に流す(=病気を洗い流す)」という意味からタオル・石鹸・洗剤などが適切な贈物です。また、最近は駄洒落ではありますが「今、治りました」という意味を込めて今治タオルが贈られることもあります。
ギフトに特化した通販サイトでも、今治タオルをはじめさまざまなギフトを購入することができます。
わざわざお店までに行くのは難しい…という人はチェックしてみてください。
贈るタイミング
お見舞のお礼は贈るタイミングも重要です。正式な挨拶とお礼のお返しは退院してから10日後あたりがちょうど良いでしょう。いつまでにお返しを贈らなくてはならないという決まりはありませんが、遅くなってしまったとしても、退院後30日以内には済ませられるように取り計らいましょう。
回復した姿を直接見せに行くのが一番ですが、やむを得ず対面できない場合や、お互い距離が離れている場合にはお礼の電話をするか手紙を送り、お見舞のお返しを発送します。メールやラインで退院を知らせることもありますが、親しい方であっても必ず電話あるいは手紙で感謝と回復の報告を行うのが礼儀です。
退院できない場合
お見舞金・お見舞品をいただいても、回復が遅くなかなかお礼を贈れない場合もありますよね。お礼がしたいけれども思うように退院できないのは辛いものです。そのような場合には経過報告のはがきを通じて、感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。
はがきだけでなく、お礼の品も贈りたいという場合には御見舞御礼・御礼としてお返しするのが適切です。
最後に
お見舞金を贈るには実にたくさんのマナーをおさえる必要がありますね。金額の相場、タブーとされているもの、そしてお見舞金を渡すタイミング。あらゆる点に細やかな心遣いが必要です。しかし、相手のことを考えて準備したお見舞金からは、その金額以上にあなたの気持ちが伝わってくるはずです。何よりも、相手の回復を祈りましょう。