「ドライバー保険」というのは、自動車を購入すると耳にする機会も多くなるのではないでしょうか。簡潔に説明すると”自動車を借用した際、起こった事故を保障する保険”のことです。しかし、どのような人にメリットがあるのか、どのような契約内容なのかを把握するのは、自動車と接点がないと分かりづらいかと思います。
そこで今回は、ドライバー保険についてご紹介するとともに、そのメリット・デメリットや、保険そのものの重要性についてお話していきます。
ドライバー保険について
まずはドライバー保険について理解を深めていきましょう。一体どのような保険として提供されているのか、またそもそも保険とはどのような事態に備えて発展したものなのか、基礎的な部分からお話を進めていきます。
ドライバー保険とは
皆さんは恐らく保険証券などを持っているかと思います。ドライバー保険は、保険証などに記載されている保障の対象者であるあなたがもし、知人などの他人から自動車を借りた時、事故を起こしてしまった場合に保障してくれる自動車保険のことを指します。
後述でも詳しく説明しますが、運転免許証を持っていることが契約の絶対条件です。他人の自動車を運転するわけですから、当たり前ではありますが笑。保険証などに記載されている保障対象者のことを”記名被保険者”と表しますが、ドライバー保険は記名被保険者1名につき1つの契約しか結べないので注意してください。
ただドライバー保険に加入していると、友人に借りた車やレンタカーで事故を起こしてしまった時に安心できる保障なので、よく人の車や営業のためにレンタカーを利用する、という人は入っておいても損はないでしょう。
参考文献:ドライバー保険とは 損保ジャパン日本興亜
保険の定義
そもそも保険とはどのようなものなのでしょうか。私は普段の会話の中でも「保険をかけておきたい・・・」と”リスクに備えておきたい”といった意味合いで使うことがありますが笑、実際に商品として運用されている”保険”もリスクに対する備えであることには間違いありません。
保険は万が一のことが自分や周りの人の身に起きた際、お金の心配をしないで済むよう、予め必要となる費用を備える意味合いがあります。
分かりやすい例で言えば”生命保険”や”医療保険”でしょうか。私達が心身共に健康であることが一番重要ですが、いつどんな病気になってしまうか、いつ事故に遭ってしまうのかを予期することはできません。加えて増税やローンの増大といった支出の増加は、日々の家計を圧迫するわけですから、突然の病気や事故に備えることができないという不安もあることでしょう。
そのため、保険はその「いつ・どこで」起きるか分からない事態に備えて、予め必要となるであろう費用を蓄えておくために用意されているのです。
提供している会社は?
今回着目しているドライバー保険を提供している会社は、探してみると大手から中小まで様々です。例えば損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上、あいおい日生同和損保、三井ダイレクト損保などです。後述に、各社の特徴について詳しくご紹介いたします。
加入について
ドライバー保険に加入するメリット・デメリットを紹介する前に、加入する目的や加入条件について見ていきましょう。ドライバー保険に加入した人の意見を探してみましたので、参考にしてみてください。加入条件についても、自身が加入できる立場かどうか確認してみましょう。
加入する目的にはどんなものがある?
冒頭にも述べましたが、ドライバー保険は文字通り”ドライバー”としての立場に適応される保険だと考えていいでしょう。他人の自動車で事故を起こしてしまった場合の保障ですから、自家用車を持っていないけれど運転する機会が多いという人が加入することが多いです。
ドライバー保険が補償してくれる内容は
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 搭乗者傷害保険
となっています。他人の車やレンタカーで対人、対物の事故を起こしてしまった場合の保障、一緒に乗っていた人がケガを負った場合の保障が効きます。
もちろん事故を起こした車を保有している人が、自動車保険をかけていれば、それを利用して保障することも可能ですが、その場合自動車保険の保険料は当たり前ですが高くなってしまいます。そうなると事故を起こした当人ではないのに、所有者に負担がかかってしまいますよね。
そのような事態を回避するためにも、ドライバー保険は存在しています。運転に絶対の自信があるという人でも事故を100%起こさないという確証はありません。ましてや人の車を利用する訳ですから、ある意味所有者に迷惑をかけないためにも、加入した方がいい場合もあるかもしれませんね。
加入条件はある?
当たり前のことですが、と先に説明した通り、運転免許証を保持していない限りは加入することはできません。人の車とはいえ、運転する訳ですから当たり前ですよね笑。また必須条件ではないものの、年齢条件によって保険料に変動があるものがほとんどです。大抵21歳以上か21歳未満の2パターンが用意されています。
メリットとデメリットについて
ドライバー保険に限らず、保険というものはあくまでも”将来の不安に備えるもの”です。そのため、メリット・デメリットを確認して、自分にとって必要な”備え”となるのか把握する必要があります。ドライバー保険におけるメリット・デメリットを確認していきましょう。
メリット
保険には等級というものが存在します。自動車保険などの宣伝で「無事故なら○○円割引」といった謳い文句を聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。等級は、自動車保険やドライバー保険において、事故を起こした経歴に応じて、保険料の割引・割増を適用するという制度なのです。
最近の自動車に関連する保険の中には、ドライバー保険に加入しており、かつ無事故であった場合、自家用車購入時の自動車保険加入の際、高い等級で加入できる措置が多いと聞きます。ドライバー保険に加入していない状況から自家用車を持って保険加入を行うと、どうしても初期等級からの加入となります。
等級によっての価格の差は、保険会社によって違いはありますが、1〜20もの等級があることから幅の広さは理解できるかと思います。等級が大きければ大きいほど、割引率は大きくなります。
そのため最大のメリットは、将来的には自家用車を持ちたいという方において、自動車保険加入の際、有利になるというだと考えています。
人に迷惑をかけないためにも
また先にも説明した通り、事故を起こした自動車が自動車保険に加入されているのであれば、それで保障を補うことはできます。しかしその結果、事故歴に応じた等級制度によって、その事故車の等級は下がります。
人の車で事故を起こしてしまった上、その人の車の等級を下げてしまった、保険料の割り増しを所有者に負担させてしまったと考えると心苦しいですよね。私はドライバー保険に対し、自分の責任を自分で取るために存在する保険といった印象を抱きました。自分の起こした事故で人に迷惑をかけなくて済む、というのもメリットかと思います。
デメリット
デメリットとして挙げられるのが、ドライバー保険が適用されるのがあくまでも”他人の車”だということです。要するに保障範囲外の車を乗る機会が多い人には、そもそも適用されないため役立つ保険とはなりません。
例えば記名被保険者であるあなたが所有している自動車はもっての他です。加えて配偶者、同居している家族、役員になっている会社の車も範囲外です。ファミリーカーと社用車は適用されないのです。それらはどうしても自動車保険で補うことになるので注意してください。
割引は引き継がれない
先に紹介したメリットで、ドライバー保険の加入が自動車保険に有利に働くことがあると紹介しました。ドライバー保険にも割引制度はあります。無事故でいればいるほど得する制度があるおかげで、自動車運転に注意・集中して臨むことができますね。しかしその割引制度をそのまま自動車保険に引き継ぐことはできませんのでご了承ください。
あくまでも自動車保険加入の際、有利に働くというだけです。自家用車を将来持つ予定がないという人や、他人の車やレンタカーを借りる頻度もそんなに高くないという人にとっては、あまりメリットのある保険には感じないかもしれません。
自動車保険にはこんな保障が
ただし、自動車保険には元々「他車運転危険保障」というものが付帯されているので、自家用車があるけれど他人の車も運転する機会があるという方が、万が一事故を起こしてしまった場合でも、この保障を利用することはできます。
一日加入もできる?!
ドライバー保険は、自家用車のない人が運転する際に利用する保険ですが、頻繁に自動車運転をしない人にとっては保険加入の意義を感じづらいかもしれませんね。
しかし短期の契約で、運転時だけ、必要な時にだけ利用することができる保険も登場しています。1日単位で契約できる保険もあるので、運転頻度は低いが万が一の備えをしておきたいという方には、レンタカーを借りる日数だけ加入する、というのもおすすめです。
また1年契約のドライバー保険というものも存在します。レンタカー利用頻度の多い方などは、1年契約しておくと安心かもしれません。自分の利用頻度や、今後自家用車を持つか否かを基準に加入を決めるのもいいのではないでしょうか。
保険の選び方
ドライバー保険を選ぶ際には、どの保険会社においてもほぼ共通な部分と、それぞれの保険会社が紹介している利点を比較することが大切かと思います。ほぼ共通な部分に当てはまらなければ、加入しなくても良いんじゃないかな、と思うこともあります笑。いずれにせよ”将来の不安への備え”ですから、どの程度の備えが必要になるのかを、自身でシミュレーションしておく必要もありますね。
基本情報を確認しよう
先でも説明した通り、補償対象が決まっています。”他人の車””他人から借りた車”であることが保障範囲となる条件ですから、家族が所有している自動車や社用車は適用されないことを覚えておいてください。
ただし家族の車において、別居している親族の車であれば、加入することは可能です。ドライバー保険加入を考えた際には、自分がよく借りている車の所有者と自分の関係を明確に把握しておきましょう。
使用目的も重要
また自動車に関わる保険の場合、車の使用目的も重要視されます。「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つに分けられるのですが、ドライバー保険の場合「業務」目的だと保障対象にはならないので注意してください。なかなか複雑ですね笑。
ちなみに自動車保険の場合「業務」目的となると保険料が高くなり、「日常・レジャー」だと安くなるしくみとなっています。
借用車の種類
借用社の種類を紹介します。恐らく以下に記載する借用車以外の車を利用する、という人の方が少ないと思うのですが笑。
- 自家用普通乗用車
- 自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車
- 自家用小型貨物車
- 自家用軽四輪貨物車
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
- 自家用普通貨物車(0.5トン超2トン以下)
- 特殊用途自動車(キャンピング車)
- 二輪自動車・原付き自動車
参考文献;ドライバー保険とは 損保ジャパン日本興亜
補償内容について
保険会社によって差はありますが、
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 搭乗者傷害保険
が基本です。しかしドライバー保険の場合、そのほとんどが「車両保険」を付帯することはできません。車両保険というのは、事故によって自動車が壊れた、落書きやいたずらをされた、盗難した、など車両そのものにあった被害に対しての保険です。
自動車保険とドライバー保険について比較しても理解できるかと思いますが、ドライバー保険はあくまで運転している”人”に対する保険です。そのためほとんどの会社が「車両保険」を付帯しないというのもうなづけます。
対人賠償保険で比較する
対人賠償保険は、万が一事故を起こしてしまった際、被害者に対して補償されるものです。事故を起こしてしまった際の損害賠償額は、非常に大きいものとなることが多く、個人で補償するのは難しい額になってしまうことが多いです。でも対人で事故を起こしてしまった限りは、仕方のないことです。
ただその個人で補償するには不足している部分を補うために、対人賠償保険は用意されているわけです。対人賠償保険の手厚い保険を選ぶと安心できるのは確かです。自動車事故が引き起こす負担は大きいです。経済的負担も精神的負担も、事故を起こした自分だけでなく、互いの家族に対しても多大な迷惑をかけることになるわけですから。そのため、対人賠償保険が手厚い保険会社を比較して選ぶのも一つの手段かと思います。
対物賠償保険で比較する
対物賠償保険は、事故によって巻き込まれた他人の車や財産物に損害を与えた場合が対象となります。また事故の相手がバスやトラックといった業務車の場合、また業務中の建物へ損害を与えた場合、その相手は休業に追い込まれることがありますよね。そのような場合の休業補償や賠償金の補償も対象となっています。
対人ではないからといって、多大な金額でなくても良い、という訳ではありません。実際休業補償や賠償金は高額に請求されることもあります。事故の程度にもよるとは言え、事故を起こしてしまったことには変わりないわけですから。
保険内容によっては、事故後の示談交渉や裁判費用も対象となっていることが多いです。示談交渉においては、事故を起こした当事者同士が行うのは非常に難しいでしょう。素人な上、事故の当事者でうまく進められる方が稀でしょう。示談交渉する場合には、保険担当者が行うことで、事故後の対応をスムーズに進めることができるでしょうから、事故後の対応が手厚い保険会社を比較することも重要です。
搭乗者傷害保険で比較する
搭乗者傷害保険は、その名の通り、車に搭乗していた方が、事故によって怪我、後遺障害を負ったり、死亡といった最悪の場合に支払われる保険です。事故を起こした際の搭乗者、運転者本人に支払われる保険となっています。
運転手自体も守られる保険ではありますが、搭乗している人が安心できるという点が重要です。もし搭乗者を乗せて運転する機会が多いという人は、不慮の事故の際力を発揮する保険ですから入っておいて損はないでしょう。事故を起こさないことが一番重要ではありますが、搭乗者がいる機会が多いのであれば、この保険内容も比較しておきましょう。
保険会社の特徴を見てみよう
最後に保険会社ごとの特徴を調べてみました。私個人が「興味深い!」と思った点をピックアップしたものなので、詳しく知りたい方は一度保険窓口へ足を運ぶことをおすすめします。私が実際保険を選ぶ際には、まずインターネットや書類請求で基礎的な知識を得た後、窓口へ足を運び、プロしか知らない裏話を聞きます笑。
情報を開示している部分以外の本当のところを知るには、結局対人で相談するのが大事だと考えているので、ぜひドライバー保険を加入しようと考えている人は、相談窓口でバンバン疑問点を投げかけるのがオススメですよ笑!
損保ジャパン日本興亜の場合
今回ドライバー保険について調べる際に、参考文献として利用させていただいた損保ジャパン日本興亜が紹介しているドライバー保険ですが、損保ジャパン日本興亜には必ず付帯される「自動セット」とお客様自身が選択して付帯する「オプションセット」が豊富に取り揃えられています。
選ぶという観点では、種類が多すぎて戸惑うかもしれませんが、運転する自分自身が抱える不安に対して柔軟な提案が待っていると考えると、かなりメリットになるかと思います。
加えて気になったのが「まかせて安心 示談交渉サービス」です。対人であっても対物であっても、損害賠償請求を受けた際、被保険者であるあなたが申し出て、相手側からの同意が得られた場合には、原則として保険会社の方が示談交渉を行ってくれます。これはやっぱり心強いことですよね。
参考文献;補償内容 ドライバー保険とは 損保ジャパン日本興亜
東京海上日動の場合
普段あまり運転をせず、旅行などの機会がない限りは車を借りることもない、という人にはやはり東京海上日動の「ちょいのり保険」が便利なのではないでしょうか。ドライバー保険というのは、人の車を借りている際、万が一起こしてしまった事故に対する保険です。でも事故が起きるかどうかというのは、本当に起きてみない限りは分からない怖いものです。
しかしこの「ちょいのり保険」なら、24時間単位で加入することのできる保険なので、車を借りる時にだけ保険をかけることができるという点では、経済面でも精神面でも支えになりますよね。加えてこの保険は親や友人の車を借りる際にも使えるようです!これは本当に心強いです。
またこのご時世、自家用車を持つ若い世代は少なくなったのではないかと思います。カーシェアリングが発展した背景にも関わってくるでしょう。そのような世代も視野に入れているからか、まず保険料が非常に優しい値段となっています。車両補償なしのプランであれば1日たったの500円です。車両補償があって一番高額なものであっても1,800円しかかかりません。
また借りる車を運転する人の事前登録は必須となりますが、スマートフォンから保険サイトにアクセスし、必要事項を打ち込むだけで加入はいつでもできるのです。この手軽さは、ドライバー保険においてかなり利点となるのではないでしょうか。
三井住友海上の場合
「ちょいのり保険」と同等の補償で、車を借りる頻度が時々だという人におすすめなものに、三井住友海上の「1DAY保険」があります。
ドライバー保険の補償内容についてはほぼ同水準なのですが、「1DAY保険」においては車両そのものへの補償の有無の他、車内手荷物の損害補償プランもあります。例えばゴルフやカメラなど、高額な品物を持ち運ぶ機会が多いのであれば、それらへの損害が補償されるので不安材料が減りますよね。
また各種割引も充実しており、新規契約での割引はもちろんのこと、2回目以降の契約において割引が適応されるので、少しでも保険に支払う価格を減らしたいという方は候補に入れてもいいのではないでしょうか。
1日自動車保険は比較しやすい?!
レンタカーやカーシェアリングによって、時々車を利用する、という方は少なくないでしょう。ドライバー保険を選ぶ際には、1日自動車保険を選ぶ人も多いはずです。1日自動車保険に保険料や基本的な補償内容はどれも同水準ではありますが、それぞれがしっかり強みを持っているので、選びやすいとは思います。
実績や補償内容のバラエティから選ぶことが多くなると思いますが、例えば「ちょいのり保険」は、他の1日自動車保険に比べると割引制度は少々心もとなく感じるかもしれません。しかし自動車保険業界において、1日自動車保険を初めて登場させた会社でもあります。実績面ではかなりの自信を誇っています。
まとめ
今回はドライバー保険について紹介していきました。人の車を借りて運転する”人”に対する保険だということが分かったかと思います。もちろん事故を起こさないことが一番だということに変わりはありませんが、自家用車ではなく借りた車を運転する機会が多いという方は、検討しても良い内容の保険だと思います。自分の運転状況に合わせて、比較してみてくださいね。