自動車保険加入前に押さえておきたい、強制保険と任意保険の違いとは?

憧れのマイカーをゲットしたら、一緒に考えなければいけないのが「自動車保険」。

車を乗る人にとっては当たり前に聞いたことがあるかもしれない「強制保険」と「任意保険」という言葉。
でも乗り慣れていない方にとっては何のことかよくわからないですよね。
車に乗っている人も、何が違うのかと聞かれたら答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。

一言で自動車保険と言っても、車にかける保険は大きくこの2つに分類されます。
この2つ、一体何が違うのでしょうか?

今回はそれぞれの保険の特徴をまとめました!
マイカーを乗るうえでも大切なことですので、ぜひ押さえておきましょう!

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強制保険とは?

「強制保険」とも呼ばれていますが、正式名称は「自動車損害賠償責任保険」、通称「自賠責保険」と言います。
車に載せている車検証を確認してみてください。
分厚い説明書や車検証等と一緒にA5サイズの証書が入っていませんか?
それが自賠責保険の証明書になっています。

自動車損害賠償保障法(自賠法)という法律が定められており、原則として公道を走る全ての自動車及び原付自転車は自賠責保険に加入する義務があります。

車検を通したことがある人はご存知と思いますが、自賠責に加入していないと車検を通せません。
これは、自賠責保険の保険期間内に車検証の有効期間が収まっていないといけないからです。
そのため、自賠責保険がない場合はそもそも車検も通せない、という仕組みになっています。

もしも未加入で公道を走った場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に加えて、違反点数として6点減点の一発免停という、なかなか重い処罰が待っています。
さらに自賠責保険の加入だけでなく車両への自賠責証明書の備え付けも義務付けられており、証明書不携帯の場合は法令違反で30万円以下の罰金が科せられます。

原付の場合は自賠責保険に加入すると証明書と一緒にステッカーも交付されます。
ステッカーには自賠責保険の満期年月が記載されており、そのステッカーをナンバープレートに貼り付けなければいけません。
ステッカーの貼り付けがない場合も30万円以下の罰金が科せられるので、原付の場合は自賠責証明書とステッカーの2点セットを確認するようにしましょう。

参照:国土交通省

ほとんどの場合、自賠責証明書は車検証と一緒にダッシュボードなどに入っています。
特に持ち出したりいじったりしなければ無くす心配もありませんが、定期的に車内を確認した方が安心ですね。

自賠責の目的は?

自動車損害賠償保障法(自賠法)によると、

自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

引用:自動車損害賠償保障法第1条

とあります。
つまり、自動車事故の被害者を助けるために自賠責保険加入が義務付けられているということです。

あくまでも被害者=人を守るものであって、自分のケガや自分の車、壊した物に対する保険ではないので注意しましょう。

補償内容は?

自賠責保険は以下の3つに対して保障がついており、それぞれ被害者1名当たりの限度額が決まっています。

・傷害(ケガ)による損害…120万円まで
・後遺障害による損害…4000万円まで(後遺障害等級によって限度額は異なります)
・死亡による損害…3000万円まで

保障額は変更することができないので、これより保障を厚くしようとしても自賠責保険では対応できません。
また、上限を超えた分については自己負担となってしまいます。

保険料は?

自賠責保険の保険料は車種と保険期間に応じてあらかじめ定められています。
2017年4月時点での主な保険料は以下のようになっています。

12ヵ月24ヵ月36ヵ月
自家用乗用車15,520円25,830円35,950円
軽自動車15,130円25,070円34,820円
原付自転車7,500円9,950円12,340円

 

保険料の改定は年1回あるかないか、といったところ。
事故の統計や保険金支払いなどを加味して、増額する時もあれば減額する時もあります。
ちなみに2017年4月にも改定があり、この時には全体的に平均して6.9%の保険料引き下げでした。

改定で保険料が下がるからと言って更新時期をずらそう、とはできないので注意してくださいね。
無保険で公道を走るのは違法ですから。
ちなみに私は更新が改定1ヵ月前の3月だったので、悔しい思いをしながら改定前の保険料で更新をしました…

どうやって加入するの?

自賠責保険は基本的に車両購入時は購入先のディーラーや自動車販売店で、車検時は車検を依頼した板金屋さんなどで加入できます。
あまり自賠責保険単体を別の保険代理店に依頼するということはありませんので、特にこだわりがなければディーラーや車屋さんにお任せしましょう。

もしひいきにしている代理店や保険会社があって「どうしてもそこじゃないとダメ!」という場合はその旨をディーラー等に伝えれば対応してもらえます。

ただその場合は、同じ車に重複して自賠責をかけないように注意しましょう。
重複してはいけないというルールはありませんが、二重で加入しているからと言って保険金も二倍払われるというわけではありません。
また重複している一方を解約しても、保険料の全額は戻らないため契約者側にはメリットがないのです。
ちょっとしたことで損をしないように、契約の重複は起こさないよう気を付けましょう。

また原付の場合は車検がないため、自賠責保険の更新を忘れやすいもの。
購入したバイク屋さんなどから通知が来ることもあるので、お知らせが届いたら早めに更新しましょう。
ほかにも、原付の自賠責保険はコンビニでも契約することができます。
満期間近で急いで加入しないといけない、という時に便利ですね。

強制保険だけじゃダメなの?

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中には「自賠責だけ入っていればいい」「運転には自信があるから大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。
自賠責保険だけで十分、任意保険は必要ないと。

しかし、本当にそうでしょうか?

自賠責保険でカバーできるのはあくまで被害者となる方のケガなどだけ。
ご自身のケガも、物を壊してしまったときの賠償もカバーされません。

自分は運転に自信があっても、隣を走る車はそうでないかもしれません。
もしもらい事故に遭ったら?相手が無保険だったら?
どんなに気を付けていても100%事故に遭わない確証はありません。
もしもの時に困るのは自分自身です。

自賠責保険は被害者を守るうえでの最低限の保険のため、どうしても保障内容に不足が出てしまいます。
安心したカーライフを送るためにも任意保険へもきちんと加入するようにしましょう。

任意保険とは?

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任意保険とはその名の通り「任意で加入する」自動車保険のことを言います。
一般的に「自動車保険」というと任意保険を指すことが多いです。

強制保険の場合はどの保険会社で加入しても保障・保険料に違いはありませんが、任意保険の場合は保険会社ごとで細かい補償や保険料に差が生まれます。

自賠責保険との違いは?

自賠責保険との最大の違いは補償の広さにあります。

自賠責保険は被害者保護の観点から、被害者の身体に関する保障のみでした。
一方で任意保険の場合は相手方のケガはもちろん、運転している自身のケガや壊してしまった物への損害賠償、搭乗している自動車の修理など、多岐にわたって補償されます。

ベースとなる補償のほかに、オプションとなる特約も豊富で、保険会社ごとに特色が表れています。
補償内容が変化に富んでいることや自動車保険特有の割引制度もあり、同じ保険商品や類似の補償内容であっても条件によって、また保険会社によって保険料が異なるのも特徴の一つです。

主な補償は?

補償内容は保険会社ごと・商品ごとで異なりますが、基本となる補償は大きく7つあります。

1.対人賠償責任保険…相手のケガや後遺障害、死亡した場合の補償
2.対物賠償責任保険…自動車事故で他人の物を壊した場合の補償
3.人身傷害保険…自動車事故で自身や一緒に車に乗っていた人のケガに対して、過失に関わらず受けられる補償
4.搭乗者傷害保険…自動車事故で自身や一緒に車に乗っていた人のケガに対して、一定額が支払われる補償
5.自損事故保険…単独事故でケガをした場合の補償
6.無保険車障害保険…自動車事故で被害を受けたが、相手方が無保険で十分な損害賠償を受けられない場合の補償
7.車両保険…自動車事故で保険をかけている自動車の修理が必要になった場合の補償

主な補償は上記の7つです。
その中でも特に基本となる補償は「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」の3つ。
この3つは手厚くしておきましょう。

特に対人賠償・対物賠償は補償額を無制限にすることをオススメします。

対人事故の場合、仮に加害者となって被害者の方が死亡されたり後遺障害が残った場合、被害者の年齢や障害の程度によっては賠償額が数億円になることも少なくありません。
被害者の方が事故に遭わなければ得られたであろう収入や、介護が必要になればそのための家の改築費用なども賠償しなければいけないからです。

対物事故では、運転を誤ってお店に突っ込んだというニュースをたまに目にすると思います。
その場合、お店の修復や商品の賠償はもちろん、休業することによる損害も賠償しなければいけません。
大きな店舗でなくとも億単位の賠償になることは珍しいものでありません。

そのため、特に相手に対する補償については無制限とし、万一の時にも十分な補償を受けられるようにしましょう。

また自身のケガに対する人身傷害保険も、人に対しての保険と同様の考えから補償を厚くした方が良いでしょう。
仮に自分の過失が少なく相手方の保険で補償してもらう形になったとしても、示談交渉に時間がかかれば保険金を受け取るまでに時間がかかります。
しかし人身傷害保険は過失割合に関わらず保険金が受け取れます。
つまり、示談交渉を待たずに自身の人身傷害保険から保険金を受け取ることができるのです。
後遺傷害や死亡となるような大きな事故の場合、交渉に時間がかかることも多くあります。
そのようなときの為にも、すぐに保険金が受け取れる人身傷害保険を手厚くしておくようにしましょう。
一般的に人身傷害保険は最低保険金額3000万円と定められており、多くの人は3000万円で加入しています。
しかし色んな事故事例を見てきた立場からすると、保険金額は1億円でも多すぎることはないと思っています。

保険は万一のためのもの。
万一の時に十分活躍してもらえるように、しっかりカバーできるようにしておきましょう。

これらの基本補償に加えて、オプションとして弁護士費用であったり個人賠償特約などを付帯して自身にあった形にカスタマイズしていきます。

詳しい補償内容などについては、別の記事で改めて説明したいと思います。

どうやって加入するの?

自賠責保険と同様、ディーラーや中古車販売店など車に関するところで取り扱っていることが多いです。
ほかにも保険の来店型ショップや代理店などでも取り扱っています。

また、今ではネットで加入できる通販型も増えてきています。
「ネットで申し込むと保険料が10,000円割引!」
なんていうのもよく耳にしますよね。

どのような形で加入しても問題はありません。
しっかりとサポートしてほしいというのであれば保険代理店で、自分で補償内容も全部決められるというのであれば通販型で、というようにご自身にあった形で加入方法を選びましょう。

保険会社ごとで細かな補償内容や保険料が異なるため、数社の見積もりをとったうえで決めるのもオススメです。
比較をして自身に一番あった保険に加入することで安心感はより一層高まります。

安心して運転するために

Pexels / Pixabay

強制保険も任意保険も、安心できる車社会のために存在しています。
ですがその働きや補償の幅は大きく異なるというのがご理解いただけたのではないでしょうか。

どちらも安心して運転するうえで欠かせない保険です。
それぞれの働きを理解し、安心・安全なカーライフを送れるようにしっかりと備えましょう!

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