法定通貨や金融商品にペッグしているスマートコインって?わかりやすく解説します!

マナ
こんにちは、fincle専属ライターのマナです!

今日は仮想通貨取引で耳にするスマートコインについて解説したいと思います!「法定通貨にペッグしているって一体どういうこと?」「メリット・デメリットはなに?」など皆さんの疑問にお答えします。

この記事を読めばスマートコインがどのような通貨なのかすべて分かるようになるので、一緒に学んでいきましょう!

スマートコインとは?

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スマートコインはビットシェアーズ内で使用されている通貨「BTS」の派生通貨です。bitUSD・bitJPY・bitBTCなどがあり現実の為替の価格に価値が関連付けられているペッグ通貨になっています。

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マナ
ペッグ通貨についてもう少し詳しく教えてもらえますか?

ペッグ通貨というのは、円やドル、金融商品などと同等の価格で固定されたコインのことです。例えば簡単に言うと1コイン=100円といった風に固定されているコインのことになります。ペッグの意味としてはpegから英単語の“留め具としての釘”という意味から来ていると言われています。

スマートコインのメリット

価値が安定していて使い勝手がいい

スマートコインの仕組みは少し難しいと感じる方もいるかもしれませんが、bitJPY・USD・BTCを使用するユーザーの視点から考えると、価値を支えるメカニズムについて知らなくても利用することができます。

プログラミングの仕組みを全て知らなくてもネットが利用できるのと同じです。

例えば、bitJPYの使い道に関してはある意味ビットコインより分かりやすいかも知れません。何がそんなに使いやすいかというと、既に多くの人が慣れ親しんでいる日本円と同等の価値をもっているからです。

1 bitJPYはその仕組み上、大体いつも1円と同じ価値を保ち続けています。他の仮想通貨のように大きく変動しません。

ビットコインの世界だと1BTCが円に対して大きく変化するので、金銭感覚が麻痺しやすくなります。昨日まで90万だったのが今日は120万なんてことがざらにあります。しかし日本円と常に平行であれば、通貨の価値が断然把握しやすくなります。

銀行を挟まずに取引が出来てしまう

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例えばbitJPYはビットコインと同じように仮想通貨としての特徴を持つため、ウォレットから別のウォレットにインターネット経由で簡単に送金することが可能です。つまり、従来の銀行システムを介さずに、米ドルと同じ価値を持った通貨をどこでも誰にでも送ることができるのです。

しかもビットコインとは違って、基本的には一回の確認でトランザクションが完了するので、大体10秒です。そのため、スケーラビリティ問題もほとんど起こらず、気持ちのいい取引ができます。

Eコマースや月額課金の決済がやりやすい

お店側が仮想通貨を受け付けたいと思っても、ビットコイン建てで代金を受け取た場合は受け取った瞬間に法定通貨に換金しなければいけません。なぜなら価値が大きく変動しているビットコインでは損失が出る可能性があるからです。

ビットコインなら一日の間に数十パーセントも目減りする可能性も否定できません。そのため価値を受け取るという用途には向いていません。最近では決済可能なお店は増えているものの、普及に時間がかかっているのはこのような理由からだと考えられます。

さらに、ビットコインは仕組み上、第三者機関を通さないと法定通貨への換金を自動化できないので、手数料が余分にかかってしまいます。

しかし、bitJPYやUSDを使えば、第三者機関を通さずに客とお店側は最初から安定した通貨でのやり取りが可能になります。わざわざ法定通貨に戻さなくても最初から法定通貨のように使えます。

ですから、オンライン上での決済のシステムにはとても向いている仮想通貨と言えるでしょう。

特に月額課金のサービスでは威力を発揮するでしょう。通貨価値が安定していることで月額課金の決済方法の一つとして受け入れられる日も近いと思われます。

支払い先を間違えにくい

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ビットコインアドレスは長い文字列が延々と続くのでかなり間違えやすいです。しかも、間違えて送付したとしてもビットコインが戻ってくる保証はありません。恐ろしいですね、、、

しかしながらスマートコインならこの問題を一気に解決できます。

BitSharesではビットコインアドレスのような長いアドレスに送金するようなことはなく、人間が読めるアカウント名に送金することになります。そのため、送金する前にアカウント名の文字列を確認しやすいと言ったことが挙げられます。

従来の銀行システムに慣れている私たちにとってはとても助かるサービスではないでしょうか♪

簡単に外貨を保有できる

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例えば皆さんがよく利用している銀行では、自国の通貨をメインで取り扱っていますよね?日本の銀行を利用してドルやユーロでお金のやり取りをしたなんてことは海外旅行前以外にはほとんどないでしょう。

また銀行によっては外貨預金も可能ですが、手数料が高い・最低預け入れ金額が高いなど、簡単に利用できないという問題があります。

他にも、自国の中央銀行が紙幣を刷り過ぎていることで自国通貨がインフレすることを心配していたとしても、自国で外貨預金の維持管理は難しいです。人によっては海外で口座を開設して資産を管理する人もざらにいます。

しかし、BitSharesの世界ではそんなことをしなくても通信環境さえあれば簡単に外貨建てで資産を保有することができるます。もしあなたがbitUSD/bitJPY市場でbitJPYをbitUSDに換金すれば、bitUSDを保有することが出来ます。上述した通りbitUSDはUSドルと同等の価値をもつのでUSドルを保有していることと同義と言えるでしょう。

確かにFXでも外貨の保有はできますが、FXは資金が十分でないと始められません。また口座開設の審査も厳しいです。このような点を考えると好きなときに好きな通貨として保有することができるスマートコインは大変便利な通貨だといえます。

カウンターパーティ・リスクがない

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マナ
カウンターパーティーリスクについて教えてほしいです。

カウンターパーティリスクとは、契約満期前に経営面で行き詰まり、契約上定められた支払いが履行されないリスクのことをいいます。わかりやすく言うと取引が成立した後に取引相手に支払い能力がなくなるリスクのことです。

カウンターパーティーリスクの例としては2014年に起きた、マウントゴックス社のビットコイン消失事件が挙げられるでしょう。このような事件が起きると取引相手が支払い不能に陥ることがあります。つまりカウンターパーティーリスクが発生してしまうのです。その際、基本的には仮想通貨のユーザーはその損失を自身で担わなければなりません。2018年にも取引所Coincheckがハッキングされてしまい、大量のNEMが盗難されました。一応保証はされたようですが…心配ですよね。

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このようなハッキングや不正アクセスによるコイン流出といった問題は、ユーザーの資本が1か所に集中してしまう、中央集権型取引所だからこそ起きてしまうことなのです。

bitshares以外にもTetherなどの法定通貨にペッグしている仮想通貨はありますが、例えば経営難やハッキング問題でTether社が潰れたり、Tether社の資産が凍結されたりした場合は、その仮想通貨の価値はなくなります。つまり、Tetherは他人のサービスに依存するので、コイン保有者以外の人間の決め事に通貨価値が左右されてしまうのです。

一方で、bitsharesは分散型取引所に対応しています。そのため、分散型取引所を利用した場合このリスクが存在しません。

スマートコインはブロックチェーンが発行しており、人間の手が加えられないところに保管されています。会社が潰れようが、銀行が潰れようが、国が潰れようが関係ありません。なのでスマートコインを持つことは銀行にお金を預けたり、他人に依存するTetherのような仮想通貨を持つよりもはるかに安全なのです。

マナ
分散型取引所と中央集権型取引所について簡単に教えてほしいです。

もちろんです!仮想通貨取引所は主に二種類あって、「中央集権型取引所」「分散型取引所(DEX)」があります。「中央集権型取引所」とは中央管理者が仮想通貨を一手に担って取引を行うタイプの取引所です。そのため中央管理者がハッキングされた場合、多額の被害が出ます。一方で通貨の流動性が高いなどのメリットもあります。

対して「分散型取引所」は中央管理者を必要としない取引所です。仮想通貨が持つ「ブロックチェーン」のネットワークを利用して、ユーザー自身が仮想通貨を保有したまま取引を行います。ハッキングによる多額の仮想通貨の流出や取引所倒産によって通貨を失うといったこともなくなります。この分散型取引によってbitsharesはカウンターパーティーリスクを低減させることに成功しています。

他にも中央集権型取引所で発生する、DDoS攻撃などによってサーバーがダウンし注文の操作ができなくなってしまうといったリスクも回避可能です。

マナ
DDos攻撃って何のことですか?

DDos攻撃とは、複数のコンピューターから標的のサーバーに、ネットワークを介した大量の処理要求を送ることでサービスを停止させてしまう攻撃です。サーバーは受け取った情報を元に自動で処理してしまうので、その結果処理が追いつかずパンクしてしまい、サーバーダウン(停止)を引き起こします。

他の金融商品に交換することが可能

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世界の近代史において、金本位制・ドル本位体制がことごとく崩壊しました。政府や中央銀行が刷るお金自体を信じられないと言った方もいるのではないでしょうか・・・?BitShares内の分散型取引所では資産をbitGoldやbitSilverなどの金融商品と同等の価値を持つコインにも交換するとが出来ます。最近ゴールドは上昇傾向にあり埋蔵量にも限りがあるので、今後さらに価格は上がっていくのではないかと言われています。ゴールドなどの金融商品として保有しておけば、将来特定の法定通貨の価値が大幅な目減りをしたとしても、ゴールドに価値がある限り自分の資産を守ることが出来ます。

ビットコインの逃避先に

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ビットコインは高い価値を保ち続けてはいるものの、ビットコイン分裂が起こるなど度々世間を騒がせます。そんあビットコインを保有している人は、これからビットコインの価格が下落すると思ったらその前にbitJPY・USDなどに交換しておけば、ビットコインの価格が下落しても影響を受けなくなります。

bitFlyerなどの取引所を利用することもできますが、これらの取引所にはカウンターパーティ・リスクがあります。しかしながら上述したようにbitJPY・USD・BTCは分散型取引所にて取引が行われるためカウンターパーティ・リスクはありません。

スマートコインのデメリット

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一方でスマートコインにはデメリットもあります。

投資向きではない

従来の仮想通貨のように価格が大きく変動しません。そのため利幅での収益は他の仮想通貨と比較して極めて低いと考えてよいでしょう。

可能性は極めて低いが価値がなくなってしまうことも

SmartCoinの価値が担保されなくなるのは、Bitsharesの価値が短時間(24h以内)に66%以上暴落してその価値が持続してしまった場合のみです。このような状況はほとんど起きることはないでしょうが絶対に起きないとも言えません。

まとめ

今回はbitsharesのスマートコインについて解説していきました。特徴やメリット・デメリットについては理解できましたでしょうか?最後にもう一度スマートコインのポイントを抑えておきましょう!!

・価値が安定していて使い勝手がいい

・銀行を挟まずに取引が出来てしまう

・Eコマースや月額課金の決済がやりやすい

・支払い先を間違えにくい

・簡単に外貨を保有できる

・カウンターパーティ・リスクがない

・他の金融商品に交換することが可能

・ビットコインの逃避先になる

・投資向きではない

でしたね?この記事が少しでも皆さん助けになっていれば幸いです。

マナ
以上、fincle専属ライターマナがお届けしました!
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