シングルマザー向け。妊娠から出産に関わる費用と補助金

赤ちゃんをお腹に宿したとき、誰もが幸せいっぱいであるときだと思う人もいるでしょう。しかし、そういうケースばかりではありません。配偶者となる相手が死別してしまったり、妊娠を機に相手が豹変して突然別れを告げられたり、実は結婚してみたらまったく違う別人になってしまった、そこから離婚して一人で出産を試みるシングルマザーもいるのが現実です。

今あなたはどのような状況でこの記事を見ているのでしょうか。出産までかかる費用が心配になってる人もいるのではないでしょうか。実際一番大変なのは出産が終わって、育児がスタートしてからのほうが多いのです。子供を産み育てることは容易ではありません。時系列に沿って、シングルマザーを検討している人、もしくはシングルマザーにならざる負えない方々のためにご紹介します。

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妊娠初期から妊娠中期にかけて

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シングルマザーであっても、結婚している人であっても、妊娠初期の検診ではほとんど免除はありません。妊娠初期大体6週くらいから赤ちゃんが確認できる胎嚢が見えます。しかし、どの産院でも大体妊娠検査薬の反応が出てから2週間くらいたってから病院に来てくださいと言われます。というのは、生理予定日から一週間遅れたくらいが大体妊娠4週から5週なので、胎嚢が確認できるかどうかわからない時期だからです。性行為があってからの週数はあいまいなので、妊娠検査薬をしてからおおよそ2週間たってから受診をすると胎嚢が見え、心音が確認できます。まずは焦らないで妊娠検査薬をして2週間くらいたってから産婦人科へ受診予約をしましょう。そうでないと胎嚢が見えなければ余計に受診費がかかります。

そのあと、妊娠9週を目やすに母子手帳が交付されます。母子手帳が交付されると検診補助券が発行され、自治体によっても変わりますが、おおよそ14回ほど検診費が補助される補助券が発行されます。その補助券があるとかかる受診料が補助されますので、妊娠中の受診はほぼ無料に近い状態になりますが、初期の検査料だけは実費になります。

初期の検査料は、血液検査や梅毒、エイズ、子宮頸がんなど赤ちゃんを妊娠していくうえでリスクがないかどうかの検査をします。産婦人科によっては検査費用が変わりますので、最初に下調べをしておくといいでしょう。特に個人の産院は初期費用が1万円を超えてくるところが多いです。しかし、大きな出産予約のできる病院では、特にリスクの大きい妊婦さんを優先的に受診できる体制を整えていることが多いので、個人産婦人科で受けることが多いようです。

妊娠中期から後期にかけて

このころは、ほとんど補助券で妊婦検診が受けられるので、特に問題がなければ検査料は実費になりますが、おおよそ2万円から4万円程度で済むことが多いです。このころは、出産に向けて用意する用品など、産院から指定されたものを買い揃えたり、補助券が効かない時の妊婦検診料を払ったりということがあります。妊娠というのは病気ではないので、よっぽどのことがない限り健康保険はききません。

健康保険がきく場合は、例えば風邪をひいて風邪薬を出してもらったり、保険適用の検査が必要になった場合など、体調を崩して受診した場合と一般の人と同じ扱いです。シングルマザーであっても残念ながらそれは変わりません。産まれてから大きく変わってきます。

出産費用について

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【出産育児一時金】というのをご存知でしょうか?この出産育児一時金というのは、社会保険、国民保険加入者であれば受けられる一時金で、出産費用に充てられる非常に大きな給付金です。申請方法や、充当方法は産院によっても違います。病院に直接振り込んでもらう仕組みを取り入れているところもありますが、42万円(平成2017年現在)が支給されています。

出産の費用はおおよそ46~52万円程度かかるといわれています。また、分娩費と入院中の食事は別会計になりますので、おおよそ退院時には4万円から10万円程度かかるようです。経産婦の場合は、入院日数も少なくできるので、通常初産婦が1週間入院しなくてはいけないのに対し、4~6日以内で退院でき、入院費も安くすることができます。初産婦は入院日数を減らすことは難しいので、どの位出産費用を別で用意しないといけないのか確認を必ずしましょう。

病院によってはケースワーカーが在中し、支払い方法の相談もできます。一括で支払えない場合は分割での支払いを可能としてくれる産院もあります。シングルマザーで出産する場合でも出産費用が減免されることはありませんので、まずは相談することが先決です。ケースワーカーは親身に相談に乗ってくれます。

病院によって出産費用も方針も違いますし、分娩方法が普通分娩なのか、帝王切開によっても費用が全然違ってきます。普通分娩であればおおよそ上記の通りになりますが、帝王切開は保険が適用になります。帝王切開するということは、それなりに母子ともにリスクがある状態とみなされるので、保険が適用になり、また生命保険に加入している場合は、保険金が下りることもありますので、出産が帝王切開になりそうな場合は保険会社にも確認をしておくといいでしょう。

出産してから国や自治体から受けられる補助は?

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①児童扶養手当

児童扶養手当というのは、地方自治体から給付される手当金で、母子家庭・父子家庭が育児をしていく中で、両親そろっている世帯よりも生活が困難であると考え、4カ月に一度支給してくれるものです。1カ月約4万円程度×4カ月分ごと支給してくれるので、かなりこれは大きな生活の助けになります。振り込み方法や、給付月などはお住まいの自治体に確認しましょう。ただし、親と同居している場合は減額されたり支給されないことがあります。

②児童手当

児童手当とは、国から給付される手当で、これは母子・父子などの片親家庭のみならず、すべての育児をしている家庭が受けられる手当金です。一人につき1万円で、子供の人数分支給されます。また、多子の場合は増額があり、三人目からは一定金額でしばらく給付されます。これも4カ月に1回給付されるので助かりますよね。

③医療費助成制度

母子家庭であれば、医療費控除が受けられます。普通であれば大人も体調を崩して受診する場合受診料を取られますが、母子家庭であれば母子ともに受診料が国が負担してくれることがあります。これも自治体によって支払い方法など違いますので、必ずお住まいの区市役所へ聞いてみましょう。

④その他にも

収入の状態に応じて、健康保険料や年金などが免除になったり、子供が保育園、小学校などに通う場合、保育料や学年費、給食費など免除にしてもらえることがあります。妊娠中は補助券などで妊婦検診が免除されることがあっても出産費用までは免除があまりありませんが、出産後はいくらでも助成される制度があるのです。

泣き寝入りしなくても子供を育てられる方法はいくらでもある

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シングルマザーになってしまうきっかけやケースというのは人それぞれあるでしょう。例えばご主人を死別されてしまった場合、保険に加入していれば保険金が入ったり、公的遺族年金など支給されるお金もあるでしょう。出産までは仕事もたくさんできませんし、生活費に充てたり、出産費用に充てることもできるのではないでしょうか。

意思疎通がうまくいかなかったり、パートナーとの相性が合わないという場合は、おなかの子供の父親として認知をしてもらうことを求めることも難しいですし、養育費も取れるかわかりません。調停を行う中で話し合いを進めていけば、支払いの請求もできるかもしれませんが、妊娠というのは精神的にも不安定になり、一緒にいることもできない相手と戦うのはとても苦しいものです。しかし、養育費はお腹の子供の権利であり、母親の権利ではありません。子供の親となる責任として、戦う姿勢ができる女性は本当に素敵ですよね。

もしくはパートナーが不貞やドメスティックバイオレンスなどあなたに危害を加える場合は、養育費や慰謝料を請求することができます。この場合も妊娠中であり、信頼していたパートナーの豹変などで精神的にも参ることが多いですが、請求することさえできれば、あなたと子供の生活が少しでも保障されます。出産してから子供を育てながら働くということは非常に難しいことです。生まれてすぐに預けることができない上に、集団生活に入れば子供は免疫力のない幼児はこれでもかというくらい体調を崩します。「私にはできるから別に何もなくてもいいわ。」と強がらないことです。子育ては何があるかわかりません。子供の権利は取れるものはとっておいた方が得策でしょう。

生活ができないと心配な場合は、先に行政のケースワーカーに相談して生活保護を受けることも一つの手です。自分の両親からも親戚からも協力が得られない場合は、見栄を張らず、生活保護を受けることも子供との生活をする上では非常に大きな助けになります。色々と制約はついて回りますが、まずは子供と自分の生活を最優先に考え、意地を張らずに相談してみましょう。

まとめ

筆者も1度は離婚をして子供を育ててきたシングルマザーです。沢山調べ、沢山恥もかいてきましたが、子供たちの笑顔には救われ、何度も奮い立ち、生活を共にしてきました。シングルマザーで出産し、苦労してきた親類や友人もたくさんいますが、子供がいてくれるからと頑張っている人たちは沢山います。どうか泣き寝入りせず、おなかに宿った命と向き合い、どうしていったらいいのか一人で悩まず、相談できる場所を探して相談してみましょう。恥ずかしがることはありません、子供は親の宝であり、国の宝でもあるのですから。