どんな時に襲ってくるかわからない、病気やけが。できれば起きて欲しくないことではありますが、いざ入院するというようなことになっても落ち着いて対応できるよう、できる準備はしておきたいですよね。
今回は筆者の体験を交えながら、入院した時にどんな費用がかかるのか、また、費用の支払いを軽減するにはどんな方法があるのかについて、ご紹介していきたいと思います。
目次
入院にかかる費用
入院すると、病院へ支払う費用はもちろん、ちょっとした身の回りの品など思いもよらないところで費用が発生することがあります。
前もって、どんな費用が発生するのかを知っておくと安心ですね。
病院に支払う費用
入院することになれば、お世話になる病院へ色々な支払いをすることになります。
支払いについては、各病院にも相談できる窓口がありますし、看護士さんに相談することもできます。特に初めての入院ではわからないことも多いと思いますので、恥ずかしがらずに何でも聞いてみましょう。
治療費用
入院すると、まず当然として治療のための費用がかかります。先生の診察、各種の検査など、外来で診察した時と同じような費用項目のほか、医学管理料などの入院にともなう経過管理や指導の費用も請求されます。
室料や病衣料
治療以外にかかる費用としては、室料差額や病衣料などがあげられますが、これらについては入院時にどの程度支払うかを自分で決めることができます。
例えば私のお世話になった病院では、6人部屋が差額なし、一番良い部屋は特室Aで差額が1日あたり12960円でした。節約を考えると差額なしの部屋を選びたくなるところですが、ただでさえ体調が良くないときに、無理をして静養できず容体が悪化しては元も子もありません。ここは体調の回復を第一に考え、ゆっくり休める部屋を選びたいところです。
病衣料についても同様で、自宅からパジャマを持ち込むこともできるのですが、各種検査や着替えのしやすさを考えるとレンタルした方が体の負担にならないことが多いです。この辺りは、各ケースの状況に応じて判断することになります。
支払いのタイミング
病院によっては月に2回支払いのタイミングがあるところもあるようですが、一般的には月に1度、1日~末日までの医療費がまとめて請求され、支払いをすることが多いです。
入院が月をまたぐ場合には、月末にその月の分をまとめた請求書を看護士さんが病室まで持ってきてくれます。それを持って、病院の支払い窓口で支払うことになります。
支払い方法
病院にもよりますが、現金の他、クレジットカードや銀行振り込みでの支払いができます。
私がお世話になった病院では、現金とクレジットカードの2択でした。現金を引き出したり持ち歩いたりするのが面倒だったのでクレジットカードで支払いましたが、通常のお店と同じようにスムーズに手続きができました。
入院生活にかかる費用
入院したら治療費だけを用意すればいいかといえば、そうではありません。
いざ入院生活が始まると、洗面器やコップ、タオル類、下着、暇つぶしの雑誌、テレビカードなど、意外と色々なものが必要になってきます。
私の経験で一番意外だったものは、院内で履く靴です。スリッパでいいだろうとたかをくくっていたら、「かかとがないとケガをする心配があるため、かかとのついた平たい靴を用意して欲しい」と指定がありました。たまたま入院直前に運動靴を購入していたのでそれを充てましたが、新しく買っていたとしたら結構費用がかかったのではないかと思います。
また、3度の食事以外に摂る水分やおやつは、自分で買わなければなりません。院内にも自動販売機や売店はありますが、どこもお高めの価格設定です。
お水やおやつに限らず、何か必要なものがある時には外部のお店から買ってきてもらうようにすると、無駄な出費を抑えることができます。
使える制度
入院費用が高額になってしまった場合には、医療費の支払いを支援してくれる制度を利用することができます。申請や準備が必要ですが、出費を抑えるのに役立ちます。
限度額適用認定証
全国健康保険協会の制度で、「限度額適用認定証」の発行というものがあります。
私も実際に発行してもらいましたが、クレジットカード2枚分くらいの大きさの紙の証書で、病院の窓口での支払いの際に提示すると、ある一定の金額以上を支払う必要がなくなります。
そのため、大きな金額を用意したり、持ち歩いたりする必要がなくなるので安心です。
支払うべきある一定の金額のことを「自己負担限度額」と言いますが、これはこちらが選べるものではなく、各自の収入から算出した金銭負担能力によって決められています。
似た制度
に「高額療養費制度」といって、支払い後に申請をすると自己負担限度額以上の支払い金額を払い戻してもらえる制度があります。しかしこちらは一度医療費を支払わなければならない上、払い戻しまで数カ月かかるので、入院費が高額になりそうだと思ったら早めに「限度額適用認定証」の発行申請をするのがおすすめです。
参考:全国健康保険協会
医療費控除
入院中を含め、退院後の経過観察による通院や投薬で1年間の医療費が一定額を超えた場合、「医療費控除」という制度を使って所得税から一定額を控除してもらう事ができます。
ただし、医療保険からの支給金や高額療養費制度などを充てた場合はその分が医療費から引かれるので注意してください。
この制度は、生計を一にしていれば家族全員分を合算することができます。我が家でも、他の家族の歯科治療や耳鼻科通院分を合わせてこの制度を利用しました。
参考:国税庁
まとめ
いかがでしたか?
入院中は本人も家族も精一杯で、費用のことをゆっくり調べる余裕もなくなりがちです。普段から少しでも知識を入れておけば、いざというときの助けになることでしょう。
入院費用については色々な制度もありますし、病院の相談窓口でも悩みを聞いてもらえます。もしもの時には、周囲の支援を積極的に活用してみて下さいね。