1人あたりのへそくり平均額と上手な貯め方や隠し場所とは?

夫や妻に内緒でコツコツと貯めるへそくり。皆さんも挑戦したことがあるのではないでしょうか。今回はへそくりのお話しをしたいと思います。

ひょんな事からへそくりの話題になり、「思うように貯まらない」、「途中でやめてしまった」というという方が多かったので、どのようにしたら効率よく貯められるのか、コツコツ頑張って続けている人はどれぐらいの金額を貯めているのかなどを自分なりに調べてみました。

 

へそくりって何?

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そもそも「へそくり」って何でしょうか。なぜ「へそくり」と言うのでしょうか。本題に入る前に「へそくり」という言葉の意味も調べてみました。よくよく考えてみると、内緒で貯めるお金が「へそくり」…意味が全く分からないですよね。

 「へそくり」の語源

「へそくり」にもきちんとした語源があることをご存知でしたか?へそくりの語源は「臍繰り金(へそくりがね)」だそうです。漢字になっただけなので全く解決しませんね。詳しく調べてみると、諸説あるという記述も多かったのですが、有力とされるものは2つだと判明しました。

「臍」=「へそ」=「お腹」とイメージできますが、実は紡いだ麻糸をつなげて巻き付けた糸巻「綜麻(へそ)」が正しくて、昔の奥さんがその「綜麻」を内職として作っていて、それで得た賃金の中からほんの少しずつ貯めていったというのです。

「綜麻を作る」ことを「綜麻を繰る」といったため、「綜麻を繰って貯めた金」が「へそくりがね」になったという説が1つ目。そして2つ目は、「へそ」をそのまま「臍」として考えて、昔の人が銭や貴重品などを腹巻で腹に巻き付けていたことから「臍繰り金」になったという説です。

へそくりの金額

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語源が分かったところで、いよいよ本題に入っていきましょう。へそくりというと主婦が節約(倹約)しながらコツコツと貯めていくというイメージがありますが、何も主婦だけがしているわけではありません。

女性の場合

女性の場合、へそくりをしているのは圧倒的に専業主婦が多いようです。始めるきっかけとして一番多いのは、自分に収入がないという事から、日ごろの生活費を節約して自由に使えるお金(お小遣い)が欲しいということでご主人には内緒でやり始めるというものです。

11月22日は「いい夫婦の日」だそうですが、それにちなんであるアンケート結果が公表されました。大手生命保険会社である明治安田生命が実施した結果によると、20代~50代の人が貯めているへそくりの平均額はなんと898,495円だそうです。(※2016年11月現在)

参考サイト:明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査

100万円未満といえど、この金額を働いて貯めたのではなくあくまでも「へそくり」で貯めたという事実に驚きますね。それだけの金額を貯める事ができたということは、逆に考えてみるとへそくりをしなかったらその金額分を無駄遣いしていたという事にもなります。

しかも、20代という若い世代にもコツコツとへそくりをしてイザという時のために備えている人がいる事にも驚きました。いろいろなサイトを見ていると、主婦のへそくりの平均額が400万円だと記載しているサイトもありました。

男性の場合

男性の場合は、自営業の方でも会社勤めの方でも同じですが、奥さんに家計のやりくりを任せているという方が圧倒的に多いので、お小遣いの中からコツコツと貯めるという方が多いようです。

お昼は定食を我慢して立ち食いそばにするだとか、自販機の飲み物代を浮かせるためにマイボトルを持ち歩くなど、どちらかというと女性よりも男性の方がへそくりを貯めるうえでは不利だし、かなりキツイのではないかという印象を受けますね。

男性のへそくり金額はというと、同じく2016年に公表された既婚者男性の平均へそくり金額は640,000円だそうです。妻に財布の紐を握られていて、毎月ギリギリのお小遣いから捻出している割には金額が多いとは思いませんか?この中には共働きの男性も含まれているからでしょうか。

へそくりの貯め方

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昔のお給料は銀行振込みではなくお給料袋に現金が入っていて、その袋をお給料日に持って帰ると妻は「今月もご苦労様でした」などと労いの言葉をかけてから袋を受け取るのが一般的でした。

現在はほとんどの場合が銀行振込みになっているので、受け取るのは給料明細のみという事になるのですが、この給料明細すら妻に渡していない人がかなりの数いるという事が分かりました。その理由も含めてまずは既婚男性のへそくりの貯め方からご覧ください。

へそくり専用口座

既婚者男性の場合は、毎月のお給料が振込まれる口座の管理は妻、一旦振込まれた中から3万円とか5万円とかお小遣いの金額を決めて妻から貰う形を取っている人が大多数のようです。

しかし、新入社員や何年経ってもうだつが上がらない万年平社員ならともかく、年齢とともに出世もするし部下だって増えます。たまには上司らしく奢ってあげないといけません。そんな人が毎月3万や5万で本当にやり繰りしていると思いますか?

しかも、その中からやり繰りして平均640,000円という金額を貯める事は現実的に考えて不可能としか思えません。実は多くの人がお給料の振込みを2つの口座に分けて振込んでもらっているのです。

多くの企業では、希望者が申し出ればA・B2つの口座に分けた給料の振込みをしてくれます。Aは表向き(妻に給料として管理させているもの)、Bは妻に内緒のへそくり用口座です。この場合は、給料明細についても2パターン作成してもらっていれば、妻は明細と振り込まれた金額が合っているので何も問題はありませんね。

ただし、2つの口座に分けて振込むことまではしてくれても、給料明細までは2つ作成できないという企業もあります。この場合は実際に振り込まれるお給料の金額と明細の金額が異なる(振り込まれる金額が毎回明細より少ない)のですから、当然妻に明細を見せることはできませんね。

ここ数年、お給料の明細も手渡しされない企業が増えていて、毎月のお給料明細は使用している自分のパソコンで確認、必要な人だけ自分で印刷するというものです。これなら「印刷が面倒」だとか言って見せないという事も可能になります。

別口口座の金額

では、別口のへそくり口座には毎月いくらぐらいを貯めているのでしょうか。貯め方としては、大きく2つのパターンに分けられるようです。

①.基本的に毎月決まって必ず支給されるものではなく、残業代、出張手当、各種特別手当金などが発生した場合はB口座に入金してもらうという貯め方です。これなら奥さんも知らない手当てなのでバレませんね。

②.①.のような手当ても含めて毎月3万円とか5万円という決まった金額をB口座に入金してもらうという貯め方です。

私の知人にも上記のように別口の口座でへそくりをしている人が何人もいます。なぜ始めたのかと聞くと答えは皆同じで、「奥さんが毎月○○円しかくれないから」ということでした。

また、職種によっては、チップが貰えるような職業もあります。そのような職業の方は、お給料は家計に入れるけどチップは言わなければ分からないので、自分のへそくりとして貯めておくという方もいらっしゃいます。

女性のへそくりの場合

女性のへそくりの場合は男性と違って裏工作などは必要ないように思いますが、ご主人が家計のやり繰りに参加している(全ての収支を把握している)という家庭もあります。そんな場合はどのようにしてへそくりをしているのでしょうか。

このような場合は、アンケートなどに答えるとポイントになってポイントが貯まるとお金に換えられるというサイトなどを利用して、空いた時間を有効活用してへそくりをしているという方が多いようです。

家計は妻に任せきりという一般的な家庭を見てみると、「つもり貯金」が特に多いようです。欲しい物を「買ったつもり」、食べたい物を「食べたつもり」、行きたい所へ「行ったつもり」でその金額を貯めていくというものです。

また、ユニークなものもありましたのでご紹介します。ご主人の帰りが午前様になる度に3,000円とか5,000円とか一定の金額を決めて貯める、頼んだことを忘れたりお願いした買いものを忘れる度にペナルティとして1回につき1,000円貯めていくペナルティ貯金なんていうのもありました。

 

貯金との違い

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へそくりって、つまり貯蓄(貯金)ですよね。貯金と言わずにあえて「へそくり」というのは何故なのでしょうか。ここで、へそくりと貯金の違いとは何なのかについてお話しします。

明らかな違い

貯金とへそくりの違いは「内緒」なのか否かというところにあります。「私のへそくり○○円も貯まったよ」とご主人に言えるのであれば、それはへそくりではなく貯金という事になります。

コソコソと誰にも知られないように内緒でするから「へそくり」なのです。よくキッチンやリビングルームなどに置いている透明の広口瓶などにお釣りの小銭を貯めている人がいますが、あれもへそくりではなく貯金になります。

例えば、夫や妻が独身時代に貯めていた(残高あり)預金通帳をそのまま持っていたとします。この存在を夫や妻が知らないのであれば、それは立派なへそくりとなります。

タンス預金との違い

へそくりというとタンス預金をイメージする方も少なくないと思いますが、「へそくり」と「タンス預金」は全くの別物です。上記のように、誰にも知られず内緒で貯めるのがへそくりですので、家族も知っているタンス預金などはへそくりにはなりません。

昭和のお母さんが内職などでコツコツと貯めてご主人に知られないようにコッソリとタンスの中に隠すようなものであればへそくりです。ただし、現代ではタンス預金というと節税のためだったり、単に金融機関に預けずに家の中に現金を置いているという意味で使用することが多いようです。

へそくりの目的

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へそくりをする目的は人それぞれで、これといった目的や目標金額はないけど「何かあった時のために」というのが一番多いそうですが、この目的も男女では少し異なるようです。

見栄やプライド・体裁

男性の場合は、前述でも触れましたが付き合いもあります。40代や50代の男性が急に後輩から夕飯に誘われれば「お金無いから…」なんて恥ずかしくてとても言えませんし、何より体裁が悪すぎます。

外で働く男性の場合はいつ何があるか分からないので、100%バレないという保証はないのに危険な裏工作までしてへそくりを作っているのです。

自分が使うためのお金

これは男女ともに言えることですが、子育てを頑張った、仕事で大きな契約が貰えた、などと自分なりにご褒美が貰えるに値する時が来た時のために貯めるというものです。また、夫(妻)や子供、親の誕生日や節目年齢のお祝い事のためにへそくりをしている人も少なくありません。

その他に、夫(妻)とケンカをした時やストレスを発散したい時のために、飲み代やショッピング代を貯めるというのも多く聞かれました。これこそが内緒で貯めるお金「へそくり」の定義にピッタリと言えるのではないでしょうか。

いざという時のため

既婚・未婚に関わらず、誰にでも突発的な出来事が発生する事があります。例えば病気が見つかって長期の入院や手術が必要になったが生命保険に加入していない場合や、誰かの物(お店の物)を壊してしまって弁償しなくてはいけなくなったなど、いくらでも考えられます。

既婚者で多いのは、他県に住む両親が倒れたと連絡があったときなど、特に専業主婦の場合は夫に養ってもらっているという負い目があって高い交通費の事を思うと帰省したいと思っても、帰りたいと言い出せない人もいます。

また、自分の親兄弟が金銭的に困った状況になった時などは、貯金の中から貸してあげて欲しいとは言い出せないものです。そんな時に少しでも何とかできるような蓄えを準備しているという方も少なくないようです。

そして夫婦間でも、いざという時は発生します。ご主人が仕事上や友人関係で、何らかの理由によりある程度まとまった金額が必要になっとします。そんな時、どうしたらいいのかと家計簿や通帳とにらめっこをしている時に「実はこんな時のために..」とへそくりを出せれば素敵ですね。

それと、主婦が「いざという時のため」の「いざ」の中には離婚というのも含まれているようです。専業主婦の場合は特に、離婚した後の生活費などをへそくりで貯めておくという方がとても多いようです。

上手な貯め方

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前述で、へそくりをどのようにして貯めているのかをご紹介しましたが、今度は上手なへそくりの貯め方をご紹介します。生活するだけで目一杯なのにへそくりなんて無理という方や、なかなか貯まらないという方はぜひ試してみてください。

塵も積もれば山となる

こんな言葉を聞いたことがありますね。どんなに小さな物も積み重ねで山のように大きくなるという事の例えです。へそくりというのは、通常の貯蓄とは性質も考え方も異なりますので何も毎月決まった大きな金額を積み立てていくというような事をしなくて良いのです。

まずは小銭から始めてみましょう。例えば毎日のお買い物の時に受け取るお釣りの中から50円以下を全て空き瓶などに貯めていってみてください。小銭貯金のやり方は他にもいろいろとありますが、わざわざ意識してやろうとすると続かない方もいらっしゃいますので、出来る時にするという事が大切です。

100均貯金箱

100円ショップには色々なタイプの貯金箱が売られています。誰もが知っている500円玉貯金専用のものもありますし、1円玉から500円玉まで、入口は1つなのに小銭の種類ごとにそれぞれ落ちてくれるような見て楽しい貯金箱もありますので、飽きずに続けられそうな貯金箱を利用しましょう。

少し余裕がある方はぜひ500円玉貯金に挑戦してみてください。これも、わざわざ500円玉を作ろうとはせず買い物の際などにもしも500円玉が手元に来た時だけで大丈夫です。月に10回あればそれだけで5,000円ですので、知らず知らずのうちに結構な金額になります。

現金以外でへそくり

自分の物はもちろん、家族などが使わなくなった物や着なくなった衣服などを売りましょう。フリマアプリやオークションなど、「なん物が売れるの?」と思わずにどんどん売りに出してください。

どうせ使わないで処分するだけなら、たとえ100円でも収入に変えた方がお得です。ノベルティグッズや販促品で非売品なら意外と需要があって、びっくりするほど高額で売れる事もありますよ。

貰った分を引く

どういう事かというと、ご近所さんから大根を2本頂いたとします。1本100円でスーパーから買った事にして2本分の200円を貯金箱へ入れるというような感じです。お土産などを貰った場合も、だいたいの金額を予想して同じように貯めていきます。

食べたつもり、買ったつもりの「つもり貯金」と同じようなイメージです。たまに、あまり好きでない物を貰う事ってありますね。それも同じようにしていけば、好きではない物を貰っても何となく喜べるようになります。

へそくりの隠し場所

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へそくりの隠し場所と言えばタンスやクローゼットですね。しかし、万が一にも空き巣などが入ってきた場合、隠し場所としてありがちなタンスやクローゼットに入れていると防犯上よろしくありません。そこで、タンスやクローゼット以外でへそくりを上手く隠しておける場所をご紹介します。

家具の下

タンスやクローゼットの中は安全と言えませんが、その他の家具も含めて下部に袋ごと貼り付けるというものです。ジッパー式のビニール袋に入れて、ベットの下などに貼り付ければ普段そんな場所は覗いたりしませんので、引き出しなどの中に入れるよりはるかに安全ですね。

壊れた物の中

パソコンやゲーム機などをはじめ、家電は捨てるのにもお金がかかる事から、使えもしないのに家の中にそのままになっている物があれば利用できます。家電としては使用できませんが防犯的には安全といえます。ただし、夫(妻)が勝手に処分してしまうという事もあり得ますので、物によってはよく考えて選んでください。

また、壊れた物とは言えないのですが、ビデオテープの中というのも意外にいい隠し場所です。現在はDVDが主流となって録りためたビデオテープがそのままになっているお宅がたくさんあります。思い出のビデオテープだったりするとなかなか捨てられないんですよね。

このビデオテープを分解すると、へそくりをするのに十分なスペースがあるのです。思い出のビデオテープではなく、テレビ番組などを録画しただけの本当に不要なビデオテープがある方はお試しください。

季節外れの衣類

夏であれば冬物のコートやスキー・スノボウエア、冬なら水着や短パンなどというように、その時期には絶対に着用しない衣類の間やポケットを利用します。もし空き巣が入っても、衣類を一枚一枚探すような事はしませんし、夫(妻)も季節外れの衣類を引っ張り出す事はないので安全と言えます。

ネットバンクの利用

前述のように、昔はタンスの引き出しなどが一般的な隠し場所でしたが、現代はネット社会で口座もインターネット上に持つことが出来るのですから、これを利用しない手はありません。ネットバンクには基本的に通帳がありませんので、通帳の隠し場所も不要なのです。

とは言ってもATMで入出金するためのキャッシュカードは必要です。これぐらいならいくらでも隠せる場所はありますね。しかしデメリットが1つあって、一部例外はありますが入出金のたびに手数料がかかってしまいますので、ある程度まとまったら入金するなどの対策が必要となります。

注意点

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へそくりをしている人は沢山いらっしゃると思いますが、知らなかったでは済まされない注意点もあります。最後に、へそくりに関する注意点をお話ししますので参考にしてください。

相続税

一番気を付けて欲しいのは税金の事です。へそくりと税金にどんな関係があるの?と思った方は要注意です!専業主婦の場合は、結婚してから貯めたへそくりは相続税の対象となってしまうのです。家計をやり繰りして節約しながら貯めたお金ですが、もともとはご主人が稼いだお金とみなされるのです。

結婚すると、全ての財産が共有財産になるのはご存知ですよね?ただし、専業主婦の場合は妻名義や子供名義の預金通帳は名義預金といって、相続税の対象になってしまうのです。

記帳忘れ

へそくり専用の口座を作っている方は定期的に(少なくても月1回)通帳の記帳をするようにしましょう。長い期間入出金だけで記帳をしていない場合や、まとまった金額を入れたまま入出金すらせずに放置していると、記帳を促す通知が届きます。

へそくりをしている夫(妻)が不在の時に通知が届いて、自分の知らない金融機関だったりするとそれだけで「これは何?」となりますし、最悪の場合は開封されて金額までバレてしまいます。しかも、この通知はほとんどの場合、直近の入出金状況の記載までされています。

日付けの記載ももちろんありますので、「独身時代の貯金通帳がそのままになっていた」などという言い逃れもできなくなってしまうのです。

隠してはいけない場所

私がやってしまった経験から、本の間にへそくりを隠すのだけは絶対にオススメしません。本に挟むと、家族の誰かがその本を読む可能性がゼロではありません。また、それを見越したつもりで絶対に誰も読まないであろう本に挟むと、もう読まないから要らないだろうと処分される可能性もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。へそくりは自分のためだけでなく、家族のいざという時のためにも無いよりはあった方が良いものだと私は思います。ただし、夫(妻)を裏切るような、悲しませるような遊びやギャンブルのためにしている場合は別です。

いつかへそくりがバレた時に揉めたりしないような理由で、上手に節約をしながらへそくりを貯めるようにしましょうね。