突然ですが、あなたは老後の人生を考えたことがありますか?現代の日本は超高齢化社会へ突入しています。「60歳以上の方が年々増えている」などの報道を見ると、現在20代〜30代の若い世代であっても、老後について考えざるを得ないのではないでしょうか。
そこで今回は、老後にかかる生活費について調べてみました。老後にかかるお金を把握しておけば、老後を憂いながら生活せずに済むことでしょう。また老後を楽しく生きるための方法についてもご紹介していきます。
目次
老後の生活費ってどのくらい?
老後にかかる生活費はどのくらいなのでしょうか。平均的にかかる生活費を調べてみました。人によって生活様式は様々ですし、必要十分のものだけで現在生活している”ミニマリスト”と呼ばれる人達が、そのまま老後を迎えたら、生活費はもっとずっと安く済むのかもしれません。
平均22〜27万円
生命保険文化センターが行った意識調査によると、例えば老夫婦が、夫婦2人だけで生活する上で必要な生活費は平均22万円とされています。もちろんこの数値は生活費の最低金額の平均値です。そのため、必要十分生活にある程度余裕を持たせるのであれば、〜27万円くらいはかかるものと見ておいていいでしょう。
また、よりゆとりのある老後生活を送りたいという場合には、平均最低金額の22万円におよそ14万円程度上乗せできるよう見込んでおくと良いでしょう。この意識調査における”ゆとり”は旅行や趣味、生活費の充実という考え方が多く挙げられています。
確かに定年退職した老後だからこそ、ゆっくりと趣味に没頭したい、旅行へ行きたいという思いを抱える人も少なくないでしょう。ゆとりある生活を送るためには平均35万円くらいは必要だと、頭に入れておきたいものですね。
参考文献:生活保険文化センター「生活保障に関する調査」(2017年著者調べ)
収入と支出の変化
老後とはいえ、収入源のためや心身の健康を保つために、仕事をしばらく続けるという方もいるかもしれませんが、基本的には主な収入源は”公的年金”となります。老後を迎えるまでにしっかり年金を納めていれば、国民年金や厚生年金を受け取ることになります。
ただし「年金を受け取ることのできる年齢が引き上げられる」という話題も世間でよく挙げられていますよね。そうでなくとも、例えば65歳から年金を受け取れる方が、健康上の理由で60歳で退職したりすると、5年間無収入の期間が発生します。そのような受け取れるまでの不測の事態に備えて資金を蓄えておく必要もあります。
とはいえ定年退職すれば収入も減りますが、60歳を過ぎれば支出も減るはずです。収入減に伴い、突然生活がかっつかつになることはないでしょう。例えば定年退職までに完済してしまえば住宅ローン代もありませんし、ビジネス服にかかる費用もかかりません。厚生年金の保険料も支払う側から受け取る側に回ることができるのですから。
もちろん生命保険や介護保険、国民健康保険など、定年退職に関わらず発生し続ける費用もあります。しかし老後に入ったからと言って、突然大量にお金を使う機会は発生しないことでしょう。老後の生活にかかる費用を頭に入れた上で、節約や貯金を続けていれば、その点は安心して過ごせるのではないでしょうか。
老後をどう生きるか
お金に関しては、「老後を一切考えずに散財し続けてきた」という人でなければ、老後に入った瞬間に苦しい生活になる、ということはないと思います。しかし、お金はあくまでも老後の生活を豊かに過ごすための”手段”です。どのような老後生活を送るかは、あなた次第とも言えます。
収入減でも生活はできる
定年退職すると、今まで働いていた分のお給料が入らなくなるわけですから、収入が下がるのは当たり前ですよね。ただし、先にも紹介したとおり家計における支出も変化しますから、生活に関係するお金そのものが縮小するイメージになります。
そのため、収入が減ったからと言って極端に生活が苦しくなる、というわけでもありません。もちろん老後を迎える前から、収入と支出のバランスをしっかり整えておく必要はあるかと思いますが。
楽しく物事を捉えてみる
お金が目的になっていると、老後の生活に入り収入が減った時に、不安になったり落ち込んでしまうかもしれません。しかしお金は”手段”ですから、楽しむために使うことができるのが一番です。
収入が減る分、支出を減らすことを考えよう、節約しよう!と老後思い立ったのであれば、節約そのものを楽しめるようになると、心身ともに楽しい老後生活を送ることができるでしょう。趣味のためにお金を使いたいのであれば、その分お金をかけずにできることは節約に努めたりするのもいいでしょう。
最低限これだけは大事にしておきたい
老後の人生とつながりがあるのでは?と思ったのが、phaさんという方が書いた「ニートの歩き方」です。ニートと老後に一見つながりはなさそうですが、本の中にある「人とのつながり」「暇潰しにやること」「最低限のお金」があれば何とかなるという考え方は、老後の人生を楽しく生きるヒントにもつながるのでは、と考えています。
最低限のお金で生活する中で、暇潰しでDIYなどが出来れば、お金を使わずとも生活に必要なものは揃えられるかもしれません。また人とのつながりがあれば、老後の人生を楽しむ上でのヒントを交換することもでき、生活の刺激にもなるでしょう。
参考文献:pha『ニートの歩き方』,技術評論社
まとめ
老後にかかる生活費は、夫婦2人で過ごす場合には平均して22〜27万円かかることが分かりました。この生活費が把握できていれば、主な収入減となる年金を手に入れるまでに間があいてしまっても、その分の貯蓄を用意しておけば安心して日々を過ごすことができます。
ただ一番大切なのは、やはり老後を楽しく生きようとする心です。人生の後半戦とはいえ、せっかくですから楽しんで毎日を過ごしたいですよね。