現在では1000種類以上あるといわれている仮想通貨は、それぞれのもつ目的にあった特徴をもっており、さまざまな魅力にあふれています。
例えば、ダッシュコイン(DASH) は取引速度が早いという特徴をもっていたり、イーサリアム(Ethereum)であればスマートコントラクトという特徴をもっています。
ところで、みなさんはKin(キン:KIN)という仮想通貨を知っていますか?
このKinという仮装通貨は、新しいシェア経済において人と人とをつなぐことを目的に開発されたそうです。
今回は、カナダの大手メッセージアプリ会社である『Kik』によって開発されたKin(キン:KIN)についてご紹介していきたいとおもいます。
目次
Kin(キン:KIN)とは
Kin(キン)は、英語の『kinship』を語源としており、この言葉は人と人とのつながりという意味をもっています。
Kin(キン)という仮想通貨は、新しいシェア経済において人と人とをつなぐことを目的に開発されました。
Kin(キン)は2017年9月にKikとよばれるカナダの大手メッセージアプリ会社で開発されました。
Kikの創設者兼CEOであるTed Livingston(テッド・リビングストン)氏は、『私たちの目標は、KINトークンを世界中でもっとも使用頻度の高い仮想通貨にすることだ。そのため、より多くのKikユーザーにKINを利用してもらうことは、この目標を達成するための重要なステップである。』と語っています。
Kikアプリは、私たちがよく利用しているLINE同様にメッセージアプリの1つで、おもにアメリカのティーネイジャーを中心に人気のあるソーシャルネットワーキングサイトです。私たちにとっては、あまり聞き覚えのないアプリですが、三億人以上のユーザー数をかかえる人気のアプリです。(ちなみに私たちにとって身近なメッセージアプリであるLINEは国内外合わせて、ユーザー数が2億2000万人ほどなので、LINEよりも規模の大きいアプリといえます。)
KinはこのKikアプリを中心に、ソーシャルネットワークなどのデジタルサービスでのシェアの拡大をめざしています。
Kin(キン)についての基本情報は、次の表をご覧ください。➡
仮想通貨 | Kin (キン) |
通貨単位 | KIN |
公開日 | 2017年9月12日 |
最大発行枚数 | 10,000,000,000,000 KIN |
時価総額 | ¥14,156,589,785 JPY |
公式サイト | https://kinecosystem.org/ |
ホワイトペーパー | https://kinecosystem.org/static/files/Kin_Whitepaper_V1_Japanese.pdf |
https://twitter.com/@kin_foundation |
時価総額ランキングは日々変動があるので、現在のランキングを知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/kin/
仮想通貨Kin(キン:KIN)の特徴
Kin from Kin Foundation on Vimeo.
Kinの特徴については、つぎの3点が挙げられます。
❶ ICOにおいて110億円の調達に成功
❷ Kikアプリという基盤の存在
❸ Kin基金の設立
順番にそれぞれ見ていきましょう♪
❶ ICOにおいて110億円の調達に成功
先述したように、KINを開発したKikという会社は3億人以上ものユーザー数を抱えているので、KINはICO当初から非常に注目を集めていました。
実際、2017年9月12日にKikがICO(イニシャル・コイン・オファリング)でKINトークンセールを実施した際には、Kik社が目標としていた資金額1兆トークン、日本円にしておよそ140億円相当には届かない結果となったものの、117ヶ国から約1万人もの投資家がICOに参加し、1億ドル、日本円にして110億円の調達に成功しました。
ICOには、有名なブロックチェーンの専門の投資機関である、Blockchain CapitalやPolychain Capitalなども参加しており、話題をよびました。
❷ Kikアプリという基盤の存在
先述したように、KINはカナダのメッセージアプリであるKikアプリから開発された仮想通貨なので、すでにKikアプリというユーザが3億人を超える大きなコミュニティが基盤として存在しているといえます。
KINトークンは、将来的にはKikアプリにおける決済用のトークンとして利用されることが決定しており、これは将来性があるといえるでしょう。また、後述しますが、公式サイトでは将来の明確なユースケースも紹介されているので、Kikアプリのユーザーが増えるにつれて、KINトークンの需要が上昇することが期待できます。
さらには、KINトークンを開発する前の試験的な試みとして、KINの基盤であるKikアプリ上で2014年〜2016年にKikポイントというプログラムを行いました。
このKikポイントプログラムは1日に平均して300,000のトランザクション数、ピーク時には260万ものトランザクションが行われました。これは、ビットコインネットワークのトランザクション数の約3倍もの取引量であり、Kikアプリ上でのKikポイントの需要の高さを証明する形となり、このことからKikアプリにおけるKINトークンの高い需要を期待できます。
一方で、これだけの膨大なトランザクションに耐えられるのかといったような懸念点も上がっています。
しかし、KINトークンではハイブリッドのブロックチェーンシステムを構築するなどしてこのような問題に対応しています。
実際にKINトークンは2018年5月に今まで利用していたステラネットワークからステラとイーサリアムのハイブリッドシステムに移行することを発表しました。
これによって、イーサリアムの流動性にすぐれた点とステラのスピードに優れた点の両者を利用することが可能となり、KINトークンのトランザクション速度が向上すると考えられています。
❸ Kin基金の設立
Kin基金は、KINトークンの価値を高め、将来性をひろげるために設立されました。
この基金によって、消費者が価値を見出すことのできるようなデジタルサービスのオープンエコシステムの育成と、これらサービスの開発、改善を継続的に行うことができ、またユーザーを魅了するような持続可能なプラットフォームを他のエコシステムパートナーの開発者に提供することが可能となりました。
また、非営利団体であるKin基金はKinエコシステムを公平に管理することができると考えられており、KINのサプライ(供給)とKinリワーズエンジン(Kin Rewards Engine)の運営管理を行なっています。
Kin基金は先述したように、エコシステムの開発や改善を日々行なっているので、KINの予備資金を流通させずに開発資金として確保しておくという形態をとっています。
そのため、Kinの最大発行枚数(総供給量)10,000,000,000,000 KINのうち60%がスマートコントラクト上に確保され、Kinリワーズエンジン(Kin Rewards Engine)に配分されます。
そして、毎年、残りのRewards割り当ての20%が定期的にインセンティブとして、5%がKin基金の運営とマーケティングに利用されています。
ユースケースの設計
こちらでは、Kik社が提示しているKINのユースケースについて、すこしみていこうとおもいます。
ユースケースその➀ :メッセージの優先表示(shoutout messages)
上の図のようにグループ内での発言の際に、KINトークンを支払うことで、30秒の間、優先的にメッセージを表示することができる機能です。
表示された側のユーザーは、KINトークンを獲得することができます。
ユースケースその➁:チップでの支払い(tipping)
基本的にはインスタグラムやTwitterのように、他のユーザーが投稿したコンテンツに『いいね!』するのと同じ感覚だと思います。面白い話やおめでたい話など、自分が良いなとおもう内容に、すぐにKINトークンをチップとして送ることができる機能です。
上記の図では、左の人がジョークを行っており、このジョークを気に入った人がチップをあげようとしている場面です。
ユースケースその➂:ボットマネタイズ(bot monetization)
KINトークンに対応しているお店とチャットすることで、メニューの注文から支払いまで行うことができるサービスです。
上記の図は、ユーザーが注文したいピザの種類を頼み、KINトークンで支払いをおこなっている様子です。注文者が簡単に注文できることはもちろん、配達側からするとおつりなど小銭を準備する必要もなく、商品を手渡すだけで配達を完了することができるので両者にとって便利なシステムですね。
ユースケースその➃:ブランドミッション(brand missions)
ブランド側が提示する商品をPRしたり、アンケートの回答などを行うことで、KINトークンをユーザーが獲得することができるシステムです。
PR動画などの企業案件は有名なYouTuberしか行えないイメージですが、一般人でもPRするだけでポイントを獲得できるのはうれしいですよね♪
上の図では、「Sweet Corner」というブランドがユーザーに新しいフレーバーのアイスクリームを食べているセルフィーをとれば0.5KINトークンを提供しますと呼びかけている場面です。
仮想通貨Kin(キン:KIN)の価格変動
このチャートは、2017年9月28日から2018年8月8日までのKINトークンの価格変動を表しています。
KINトークンは、2017年9月に取引を開始し、取引開始当初は1KIN=0.000093ドル、ビットコインにおいて1KIN=0.00000002BTC前後で取引が行われていました。 Kikアプリという基盤によるたかい信頼性のわりには、安価な草コイン(アルトコイン)として注目をあつめました。
高い信頼度の割には価格は上がらず、同年の12月中旬ごろまでは上がるどころか徐々に価格が下降していました。
しかし、12月中旬を過ぎた頃からKINトークンの価格は上昇しはじめ、2018年の1月7日にはKINトークン取引開始以来の最高価格である1KIN=0.001306ドル、ビットコインにおいて1KIN=0.00000008BTCを記録しました。
この背景としては、2017年12月頃から仮想通貨が注目され、ビットコインをはじめとする仮想通貨全体の価格の上昇に乗じて、KINトークンの価格も上昇したと考えられます。
その後、KINトークンの価格は下降してしまいましたが、2018年に入ってから現在まで、2017年と比較すると底をあげた価格帯1KIN=0.0002ドル前後で取引されています。
2018年5月には、約5ヶ月ぶりに1KIN=約0.0003ドルという高値を記録しました。
この価格上昇の背景としては、coindeskが主催したconsensus2018が影響しているのではと考えられています。
現在は、1KIN=0.018723JPYで取引されており、ビットコインにおいて1KIN=0.00000003BTCで取引されています。
時価総額は、¥14,156,589,785 JPYで、時価総額ランキング59位にランクインしています。(2018年8月現在)
ソーシャルネットワーキングサービスの業界においては、ひとたび注目が集まると期待値が一気に高まる傾向があるので、同業界に関する出来事によって、KINトークンの価格は大きく変動する可能性があります!
仮想通貨Kin(KIN)の取り扱い取引所
残念ながら、2018年8月現時点では国内でKin(KIN)を取り扱っている取引所はありません。そのため、この仮想通貨の取引をしたいという方は海外の取引所を利用することが必要となります。
いくつか取引所を紹介していきます。
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/kin/#markets
このサイトで、KINトークンが最近どの取引所で取引されたかをみることができます。
メルカトックスは、イギリスを拠点とする中規模の仮想通貨取引所です。
メルカトックスは、現時点では日本語には対応していませんがGoogleの翻訳機能を利用すれば問題なく、簡単に取引を行うことができるとおもいます。
また、ICO直後の草コインなども多く取り扱っているのが特徴的です。
売買手数料は、一律0.25%となっています。一般的な海外取引所は、 売買手数料0.1%~0.15%が多いので少し割高といえます。
yobitはビットコインやイーサリアムをはじめとした有名仮想通貨はもちろん、多くのアルトコインを取り扱っており、仮想通貨の取り扱い数は1000種類以上といわれています。
マニアックなコインも多いことから、中〜上級者向けの仮想通貨取引所といわれています。
しかしながら、yobitの運営会社が身元を明かしていないことで運営会社の存在を確認することができず、急に取引所がなくなってしまう可能性もないとは完全にはいえません。
UKを拠点としている仮想通貨取引所で、取り扱いアルトコイン数は『BITTREX(国内でも有名な海外取引所)』に負けないくらい多く取り扱っており、新規の取り扱いコインもどんどん増えています。
しかし、2018年6月2日にHitBTCは日本居住者に向けたサービス提供を一時停止するという発表がありました。そのため、現在は日本居住者はこの取引所での仮想通貨取引はできません。(これは近々日本で会社をたちあげ、日本の決済資金法に基づきサービスを再開する見通しがあるためといわれています。)
仮想通貨Kinの買い方
取引所を紹介しましたが、海外の取引所でしか取引を行うことができないので、少しハードルが高いと感じてしまうかたもいるのではないでしょうか。
ですので、簡単に海外取引所での取引の仕方を紹介したいと思います♪
仮想通貨Kinを取り扱っている海外の取引所に登録
Kinは国内の取引所では扱われていないため、海外の取引所(メルカトックスなど)で購入する必要があります。
何故かというと、日本の取引所ではビットコインやイーサリアムなど主要なアルトコインしか購入できないためです。
国内の取引所に登録してビットコインなどを購入
海外の取引所に登録が完了したら、次に国内の取引所に登録する必要があります。
海外の取引所では日本円が使えないため、ビットコイン(イーサリアムなども可)を使い取引する必要があるためです。
そのためbitbankやzaifに登録してビットコインを購入しましょう。
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国内の取引所からビットコインを海外の取引所に送金
国内の取引所で購入したビットコインを海外の取引所に送金します。
送金が完了すれば、Kinを購入することが可能となります!
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、アメリカを中心に人気のあるアプリKikが提供する仮想通貨Kinについて詳しく説明しました。
現時点では仮想通貨Kinは、まだKikアプリ上で使用することはできませんが、Kinをつかった決済システムを開発中なので近い将来、Kikアプリ上で友人間の送金や、デリバリーやネットショッピングでの支払いができることが期待できます。
また、現時点ではバイナンスなどの大規模な仮想通貨取引所には上場していないので、大手の取引所に上場することができれば、価格の上昇を期待できると思います。
あまり注目されておらず価格も比較的安価であるいま、投資の対象としては大いに魅力のある優良な銘柄であるといえます♪