IT先進国エストニアとは?電子政府にキャッシュレス化?徹底解説します!

 

ミク
みなさん!こんにちは!fincle専属ライターのミクです♪

近年、IT技術の発展が急速に進んでいますよね。
さかのぼること約30年前の1990年ころから、コンピューターはめまぐるしい勢いで発達してきました。

2000年代に入ってからは、iphoneなどのスマートフォンの登場など、更に私たちの生活を便利なものにしてくれ、現在では私たちの生活においてなくてはならない存在といえるでしょう。

ところで皆さんは、フィンランドの東側に位置する、『エストニア』という国を知っていますか?

この国はバルト3国の中のもっとも北側に存在する国で、面積は九州の約1.2倍ほどの小国ですが、いま“IT先進国”として世界から注目を浴びているのです。

最近では、デジタル・ノマド・ビザを発行するという構想や国家としてICOをするという構想が話題になりました。

そこで今回は、先進的な電子政府の取り組みが話題となっているエストニアについて詳しくみていきたいとおもいます。

ミク
ちなみに安倍総理も2018年1月12日にエストニアへサイバー攻撃の対策などのために訪れています。

IT先進国『エストニア』の概要

PuhkusEestis / Pixabay

エストニアとは、どのような国なのでしょうか?
簡単に見ていきましょう。

国名:Eesti Vabariik (エストニア語)、日本語表記では、エストニア共和国

人口:132万人(沖縄の人口よりやや少ない、沖縄は142万人)

面積:4.5万㎢(九州の1.2倍ほどの大きさ)

首都:タリン

人種エストニア人69%、ロシア人25% ウクライナ人2% べラルーシ人1.0% フィンランド人0.6%、その他

エストニアは、ラトビア、リトアニアとともに『バルト三国』と呼ばれており、南はラトビア、東はロシアと接するヨーロッパの国です。
公用語はエストニア語ですが、国民の約30%はロシア語も話せると言われています。また、英語の教育レベルが非常に高いことでも知られています。

エストニアが電子国家と言われる理由

geralt / Pixabay

では、なぜ世界から“IT先進国”、“電子国家”と呼ばれるようになったのでしょうか?
エストニアが電子国家として注目されるようになった取り組みについてみていきましょう。

99%の行政サービスを電子化
様々な電子サービス
非居住民に対するe-Residency

それぞれ順番にみていきます♪

99%の行政サービスを電子化

e-Estonia – The Digital Society』という言葉が掲げられている通り、エストニアでは現在さまざまなものの電子化が進んでおり、行政サービスの99%が電子化済みであるといわれ、国民全員が電子IDカードを所有しています。

そして、この電子政府を成り立たせている基盤となっているのが、『X-ROAD』と言われる国家情報連携基盤です。

X-ROADは分散されたデータの情報を、素早くかつ安全に連携させることのできるプラットフォーム技術です。

X-ROADは2001年から運用が開始されており、役所や学校などの公的サービスをはじめとした様々なサービスがX-ROADを通してデータのやり取りを行うようになっています。

従来のものであれば、医療機関のデータや各種行政サービスのデータなどは各機関ごとに管理し、国民がそれぞれにアクセスするというのが一般的です。

しかしこの技術を用いることによって、分散されたデータベースが連携され、ワンストップで様々なサービスを受けられるようになったのです。

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一般的な行政サービスなら大量の紙が必要となるところを電子機器ですませられるというのは、エコにもつながりますよね

公式WEBサイトによると、現在では900以上もの組織や企業とX-ROADと連携をしており、1600ものサービスを利用することができるそうです。
また、エストニア国外ではフィンランド、アゼルバイジャン、フェロー諸島、ナミビアにも導入されているそうです。

様々な電子サービス

では、具体的にどのようなサービスが電子的に行われているのでしょうか。
ここでは、私がすごいなとおもったいくつかのサービスをご紹介したいと思います。

電子サービスその1:e-Business Register

これは会社の登記の際に用いられるシステムです。現在、エストニアの多くの新規企業は、このシステムを利用して、オンラインで会社設立を行なっているそうです。

会社登記の所要時間はなんと最短18分で済んでしまうほど、最速で会社登記を行うことができます。

ちなみに、日本で一番忙しいとされている東京法務局では1週間から10日ほどかかるそうです。

電子サービスその2:i-Voting

これは電子投票システムです。紙にかいて投票するといったような物理的な投票の必要がないため、自宅からでも職場からでも、さらには国外からでも投票を行うことができる画期的なシステムなのです。

エストニアは、2009年に世界初の国政選挙をこのシステムを利用して行いました。わざわざ行かなくてはならない手間が省け、これによって投票率があがりそうですよね。

また、海外からも投票ができるということは、海外の知見を持った人々が投票できるということなので国家がよりよい方向に向いていくのではないでしょうか。

電子サービスその3:e-School 

これはクラウド学習のプラットフォームです。行事スケジュールや出欠管理、課題などの進捗管理などを共有することができます。これによって、学校の活動が透明化し、教師にとっても、保護者にとっても便利なシステムになっています。

電子サービスその4:e-Health 

これは電子医療のプラットフォームです。

国民の出生から死亡までのあらゆる医療記録が自動的に管理、保存されています。
日本の場合、かかりつけの病院ではない病院に行った場合はその患者のカルテはなく1から作成しなくてはいけませんが、エストニアの場合はどの病院に行っても先生が患者の医療記録にアクセスすることができるので治療がしやすくなっているのです。

さらには、緊急時にアレルギーや血液型、進行中の投薬または妊娠しているかどうかなどの情報も簡単に読むことができるので、すぐに治療を行うことができます。

非居住民に対するe-Residency

IT先進国といわれるエストニアのもっとも注目すべきシステムの1つがこの『e-Residency』です。

移住権をもたない外国人を含め、非居住者でも、国民カード(電子ID)を受け取ることができます。
これによって、外国人がe-resident(電子住民)となり、エストニアの電子行政サービスなど公的プラットフォームを利用することができる試みとなっています。

このe-resident(電子住民)となることで、エストニアでビジネス用の銀行口座を開設や起業、納税もオンラインで完結することができるのです。

ちなみに、e-resident(電子住民)の申し込みはインターネットを介して行われるので、どこにいてもインターネットとパスポート、クレジットカード(100ユーロかかる)さえあれば申請することができます。
これらの申し込みを正式に終えると、後日、駐日エストニア共和国大使館でIDカードを受け取ることができます。

エストニアの豆知識!

ここでは豆知識と題して、知られているようであまり知られていないエストニア事情についてご紹介していきたいと思います。

豆知識その1:Skypeはエストニア発祥

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多くのみなさんがご存知であろうインターネット電話サービスは、もちろん日本の企業でもなく、アメリカのシリコンバレーでもなくこのエストニアで誕生したサービスなのです!

Skypeはローンチから2年もしないうちに(2005年頃)、eBayに2.6億ドルで売却され、その後、eBayからマイクロソフトに8.5億ドルで売却されています。

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ちなみに当時、スカイプに携わっていた人たちが現在、スタートアップ企業に従事していることが多く、そのような企業はSkypeマフィアと呼ばれているそうです。

豆知識その2:報道自由度ランキングが上位

国際ジャーナリスト団体で、パリに本部を置く『国境なき記者団(RSF)』が発表した《世界報道自由度ランキング2018》によると、エストニアは世界第12位に輝くほど、自由に報道ができる国だそうです。

ちなみに、このランキングは2002年から世界180ヶ国と地域を対象に、14の団体と130人の特派員、法律専門家、人権活動家、ジャーナリスト、調査員の人々が50の質問の回答をもとに行われています。

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日本は、2018年は67位にランクインしており、去年の72位から少しだけあがってますね。

豆知識その3:キャッシュレス浸透国家

近年、日常生活に現金を必要としないキャッシュレス社会が世界的に広がってます。

クレジットカードはもちろん、電子マネー、さらにはスマートホンが普及してからはモバイル決済なども行えるようになったことでお金のデジタル化が進行し、急激にキャッシュレス社会が進展しました。

キャッシュレス社会と聞くと、スウェーデンやノルウェー、デンマークなどの北欧が有名ですが、エストニアも北欧と同じくらいキャッシュレスが浸透している国なのです。

ちなみにエストニアでは、クレジットカードよりも銀行口座に直接リンクしているデビットカードの使用率が非常に高いのです。

また、エストニアの国民ベースには決済の内容などさまざまなことが管理されているため、税金は自動的に計算され、企業も個人も確定申告をわざわざする必要がありません。 そのため、エストニアから税理士や会計士の仕事がなくなってしまったともいわれています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は、ロシアの西側に位置するヨーロッパの国、『電子政府といわれるエストニア』についてご紹介しました。

今後、日本もエストニアのように電子国家化していくのでしょうか。気になるところですね。

エストニアに旅行に行く際は、クレジットカードまたはデビットカードをつくってから旅行することをおすすめします。

ミク
以上、ミクがお届けしました✌︎この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。