おからは低カロリーで、値段が安いにもかかわらず満腹感が得られる優れものです。
しかし、おからにどのような効能があり、どのように活用すれば良いのか理解せずに使っている方も多いのではないでしょうか。
またおからは、調理の仕方によってはカロリーが高くなってしまうものでもあります。
おからの性質をしっかりとおさえた上で、節約と健康の両立を目指していきましょう。
目次
なぜおからは安いのか?
おからは豆腐を作る過程で出てきた絞りかすです。一昔前はこの水分を搾り取ってポロポロになった大豆のかすは、見た目が悪いという理由から市場に出回ることなく、廃棄されていました。栄養価は高いということも知られていませんでした。そのような経緯があるために、今でもおからは安価で手に入るということなのです。
豆腐とおから、何が違うの?
豆腐とおからの一番の違いは食物繊維の量です。
豆腐には100gあたり0.4gの食物繊維が含まれていますが、おからには100gあたり11.5gもの食物繊維が含まれているのです。
大豆に含まれていた食物繊維は、大半がおからに移るということなのです。
食物繊維が多く、満腹感を得られることから、「おからは高カロリーだ」と言われることもあります。しかし、実際的な数値で確認してみると、おからは100gあたり112kcal、白米が100gで356kcalなのでそれほどカロリーが高いとは言えません。
ここで注意したいのは、100gあたり112kcalというのは水分を含んでいるおからの数値であるという点です。水分を含まない状態のおからは100gあたり200kcalなので、水分を含むと含まないとでは約2倍も差があるのです。
おからの栄養素・効能は?
おからには大豆イソフラボン・大豆サポニン・大豆ペプチド・カルシウム・大豆タンパク質・大豆レシチンといった栄養素が含まれています。
ここでは、おからの効能とこれらの栄養素がどのように関係しているのかご紹介します。
・低カロリーで満腹に
おからは食物繊維を多く含んでいます。なんとごぼうの約2倍の食物繊維を含んでいるそうです。この食物繊維は不溶性で、胃腸内で水に溶けずに水分を吸収して膨らむため、満腹になった気がするのです。
・便秘解消
おからには豆腐には含まれないサポニンという成分があります。
このサポニンが、余分な糖質や脂肪を吸収されにくくして、便秘解消の手助けをしてくれるのです。
・脂肪分解・コレステロール低下
おからに含まれるレシチンという成分は、脂肪を分解して代謝を向上させます。
また、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液はサラサラになります。動脈硬化にも効果があり、おからは生活習慣病予防の心強い味方だといえます。
・筋肉量の増加
おからは大豆からできているので、良質性の植物性タンパク質が豊富に含まれています。この大豆タンパク質が筋力や基礎代謝の向上につながります。
・バストアップ・美肌効果
大豆イソフラボンは女性ホルモンと同じような働きをします。そのため、女性らしさをサポートする役割も果たしてくれるのです。また、生理痛を軽減する効果もあり、口コミでも話題となっているので、生理痛に悩まされている方にはおすすめです。
おからの注意点!
・食べ過ぎはお腹が緩くなる
食物繊維が多く含まれているため、食べ過ぎると下痢や腹痛の症状が出ます。
1日50gの摂取を目安にし、それ以上食べないように注意しましょう。
・油分を吸収しやすい
油で炒めると油分をたくさん吸収してしまうので、カロリーが高くなってしまい、ダイエットにはなりません。
・生おからは賞味期限が短い
店頭では生おからの状態で売られていることが多いですが、豆腐と同じように長くもたないので注意が必要です。もし長く持たせたいのであれば、冷凍庫に入れて保存するか、あるいは生おからではなく、おからパウダーを使うことをおすすめします。
おからプチレシピ
最後にちょっとしたおからのレシピをご紹介します。
ここで頭に入れておきたいことは、1日当たりのおから摂取の目安です。
おからの上手な摂取方法は1日50gです。この1日50gを守って調理すれば、多すぎず、ほどよい効果が期待できます。
また、おからを使って調理する時のポイントは、「おからを使うかわりにごはん、あるいはおかずの量を減らす」ということです。
普段と変わらない量の食事におからを上乗せしてしまうと、ダイエットにも節約にもならないので注意しましょう!
・おからナゲット
おからを使ってナゲットを作れば、お肉の量が少なくても満足できます。
それでは、作り方を見ていきましょう。
<用意するもの>
鶏胸肉 200g
ドライおから 大さじ6∼7
片栗粉 大さじ3
塩胡椒 少々
生姜チューブ・ニンニクチューブ 各3cm程度
マヨネーズ 大さじ1
粉末鶏ガラスープ 小さじ1∼2
酒あるいは水 大さじ2∼3
サラダ油 大さじ1
<作り方>
1鶏肉を1cm角に切ってボウルに入れる。
2ボウルにドライおからと片栗粉、塩胡椒、生姜チューブ・ニンニクチューブ、マヨネーズ、粉末鶏ガラスープを加え、そこに酒または水をふりかけまとまるまでこねる。
3一口サイズにして、油を引いたフライパンで焼く。
4きつね色になったらひっくり返して、少量の水を注ぎ蒸し焼きにする。
5火が通り次第完成。
おからナゲットはボリュームがあって、しっかりと食べたい時におすすめですが、油を吸収してしまうのでカロリーは高くなります。
したがって、節約はできてもダイエットには向かないでしょう。
ダイエットにも良いのはおから丼です。
ご飯の量を大幅に減らせて、カロリー削減できます。
それではおから丼のレシピを見てみましょう。
・おから丼
<用意するもの>
ご飯 丼に半分
生おから ごはんと同じ
めんつゆストレート 適量
おろし生姜 適量
万能ねぎ 適量
鰹節 好みの量(多めが美味しい)
<作り方>
1ごはんを丼によそり、その上からおからをのせる。
2めんつゆ、おろし生姜、万能ねぎ、鰹節をかけて完成。
おからはお肉の代用品にもなります。
次はお肉を食べたいけれど節約したいという方、今はダイエットでお肉を我慢したいという方におすすめの「おからこんにゃく」の作り方をご紹介します。
・おからこんにゃく
<用意するもの>
こんにゃく粉 25g
ぬるま湯① 600cc
水酸化カルシウム 1.5g
ぬるま湯② 100cc
卵 1個
おから 190g
1ぬるま湯①にこんにゃく粉を少しずつ加えながら、のり状になるまでへらで混ぜ、30分置く。
2ぬるま湯②に水酸化カルシウムを加えて混ぜる。また、卵は割っておく。
3 30分後は固くなっているのでへらで混ぜてほぐす。
4そこへ卵を加え手でこねる。
5おからも加えてこね、水酸化カルシウムを溶かしたぬるま湯も加えてこねます。
6食べやすい大きさにちぎって、形を整える。
7鍋で沸かした湯に入れて30分ゆで、水気を切ったら完成。
おからこんにゃくは幅広い肉料理に肉の代用として使えます。
おからこんにゃくでから揚げ、ハンバーグ、酢豚などに挑戦してみましょう。
まとめ
おからの基本知識はしっかりとおさえられたでしょうか。
特徴や効果を知れば、上手な使い方ができ、健康も節約もできます。
また、おからを使用した料理はご紹介したレシピ以外にもたくさんあるので、おから関連の料理レパートリーを増やすと楽しく節約・ダイエットできますよ。