駐在保険は海外赴任に必須! 保険比較や海外旅行保険との違いは?

多くの企業が海外進出するのに伴い、社員が海外に派遣される機会も増えています。あなたも突然海外赴任を知らされることがあるかもしれません。

海外出張ならまだしも海外に住むとなれば、予想外の事態に巻き込まれる可能性が格段に高くなります。最初は滞在先の土地のことを全く知らないので、戸惑うことも多いでしょう。治安面から判断して、海外は万が一の事態が発生する確率が日本より高いので、駐在保険には是非とも入っておきたいものです。

しかし、海外赴任したことが無い限り、駐在保険についてはあまりよく分かりませんよね。そこで、今回はこれから海外赴任される方のご参考となるように、駐在保険についてご紹介します。

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駐在保険とは

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海外に赴任する場合に必要な駐在保険ですが、その内容はどのようなものなのでしょうか。初めて海外に駐在する方は非常に気になるところでしょう。

保険会社によっては、「海外旅行保険」の中の駐在員向けプランとして販売されていることもありますが、通常の海外旅行保険とどう異なるのかという点についても知りたいところです

ここでは、そもそも駐在旅行保険とはどのような保険なのか、そして海外旅行保険とどう違うのか、さらに海外旅行保険の補償内容について確認して行きましょう。

駐在保険とは?

海外に駐在される方には、駐在員向けの駐在保険というものがあります。保険会社によっては「駐在保険」として名前を変えて売り出されていますが、これは単に海外旅行保険に特約を2つ加えただけのものです。(この2つの特約については、後ほど詳しくお伝えしますね。)

このように、もともと海外旅行保険であったものを駐在員向けにしたものなので、補償の内容は海外旅行保険とほとんど変わりません。駐在員保険は旅行中の事故による怪我が原因となった傷害死亡・後遺障害そして傷害治療費用を基本契約としています。この基本契約に加え、特約として「緊急一時帰国費用」「疾病死亡・治療費用」「救援者費用」を追加します。

海外旅行保険と異なる点は、携行品のみならず家財を補償する「生活用動産補償特約」が保障内容に付いているという点です。また、「家族総合賠償責任特約」と言って、一緒に海外に住む家族も被保険者に含むための特約も備えられています。

家族で駐在する場合には、生活用動産特約・家族総合賠償責任特約の補償は家族全員で共有することになるので、家族契約プランを適用して保険料を安くおさえることも可能です。

補償の内容は?

駐在保険の補償内容の大部分は海外旅行保険と変わりません。しかし、どの点が異なっているのか、これから海外に駐在する身としては気になりますよね。

何が異なるのかというと、「家族総合賠償責任」「生活動産」が特約としてついているという点です。この2つは、一般の海外旅行保険にはついていません。それを踏まえて、早速補償の内容について確認してまいりましょう。

傷害死亡・後遺障害、傷害治療費用

日本にある自宅から出発してから帰国までの期間中に事故が起き、怪我をした場合、あるいはその事故が原因で半年以内に死亡した場合は、死亡保険金が支払われます。事故が原因で後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害保険が支払われます。

病院によって現金を支払わなくても治療を受けることができますが、このような医療機関は基本的に駐在保険を提唱している保険会社の提携病院です。海外旅行保険も同じですが、提携病院で治療を受けることができれば現金を支払わずに済むので、できる限り提携先の多い保険を選ぶことがポイントとなります。

提携していない病院を利用する場合は、預り金を預け入れるか勤務先の支払い保証書を提示するように求められます。

救援者費用

滞在先の国で急な病気になってしまった場合には、日本に残っている家族が駆けつけることもあるでしょう。その際には、航空運賃代やホテル代、捜索活動代がかかってしまいますよね。そんな時、救援者費用はこれらの費用を補償してくれます。また、家族のみならず、日本から医師を呼んだり、本人が日本へ一旦帰国したりする場合にも補償を受けることが可能です。

疾病死亡・治療費用

海外への赴任から帰国直後3日間までの間に発病した時、この特約に加入していれば全額支払われます。また、その病気が原因で死亡した場合には死亡保険金を受け取ることが可能です。帰国後、長期療養となる場合には、「後遺障害」としての対応を受けることになります。

航空機遅延費用

渡航・帰国の際に飛行機が遅れてしまった場合、宿泊代や食事代が予定していたよりも余分にかかってしまいます。そのような時に、この補償を付けていれば自己負担分の金額はカバーしてもらうことが可能です。

航空機寄託手荷物遅延費用

空港で預けた手荷物が届かない、荷物到着が送れているなどのトラブルもあるでしょう。その場合には、荷物に入れてしまった身の回り品を自分で購入する必要があります。急な出費が増えてしまいますが、航空機寄託手荷物遅延費用を付けておけば自己負担分は補償してもらえます。

緊急一時帰国費用

海外に滞在している間、祖父母、親、兄弟、子、孫が死亡したり、危篤になったりした場合には、急いで一時帰国する必要がありますよね。その場合、緊急一時帰国費用の特約を付けていれば、帰国費用を支払ってもらうことができます。

家族総合賠償責任

海外旅行保険には無く、駐在保険にのみ加えられている補償です。

これは赴任先で借りている家や、その家の持ち主の家具を壊したり傷つけたりしてしまい、法律上の賠償責任を問われた時に、賠償金を補償してくれる特約です。

また、家だけでなく、滞在先のホテルなどの調度品を壊してしまった場合にも助けとなる特約です。

さらに、自動車事故を起こしてしまった場合には、損害賠償金が請求されますよね。その場合に、損害賠償金が自動車保険でかけていた額をはるかに上回ってしまった場合、家族総合賠償責任を付けていれば、超過分を補償してもらうことが可能です。

生活用動産

生活用動産も、海外旅行保険にはない、駐在保険独特の補償です。

日本に住んでいる場合、家財にかける保険といえば「家財保険」ですよね。海外へ赴任してももちろん、自分の家財を持っているので、これに保険をかける必要が出てきます。生活用動産を特約として付けておけば、火災や盗難により家財や携行品が損傷を受けた場合には、保険金を受け取ることが可能なのです。

家財保険については、別の記事でも詳しくご紹介しているので、興味のある方はそちらをご覧くださいね。

関連記事:賃貸でも入れる?家財保険の保険料や補償対象をしっかり解説!

加入目的

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海外赴任する場合には、通常会社が保険の手続きを行なってくれますが、なぜ加入するのか目的を理解しておくことで、万が一の事態に遭遇した時には落ち着いて保険を利用することができます。そのためにも、ここで一度加入の目的についても確認してみましょう。

万が一の場合に備えるため

当然のことではありますが、駐在保険に加入する一番の目的は「万が一の場合に備えるため」です。初めて住む土地、しかも海外では、何が起るか分かりません。

まして海外なので、日本よりも治安面で不安定であることは多いでしょう。そのような場所で、万が一病気・火災・盗難に遭遇した場合には、金銭面で大きな負担を負わざるを得ません。

しかし、駐在保険に加入しておくことで、万が一の場合には保険金を受け取ることができるので、家計への負担も軽くなります。

日本語で病院や医師を紹介してもらうため

保険によっては、赴任先で急病や怪我に見舞われた時に、24時間看護師や救急医に対処方法を教えていただくことが可能です。

慣れない土地での緊急事態には言語の違いはとても大きな壁となりますし、現地においてはどのように対処したら良いのかも分かりません。したがって、緊急の場合にはどのように行動すれば良いのか安心してサポートしてもらうためにも駐在保険に加入しておく必要があるのです。

メリット

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海外に赴任する方が安心して暮らすためには必須の駐在保険ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。万が一の事態が起こっても、冷静に補償を受けることができるように、ここではメリットについて確認して行きましょう。

キャッシュレスで診療を受けることができる

駐在保険に入ることの一番大きなメリットは「キャッシュレスで診療を受けることができる」ことです。診療先の病院で自己負担せずに無料で診療してもらえるのは非常に助かりますね。

ただし、キャッシュレスのサービスを受けることができるのは一部の病院に限られています駐在保険と提携している病院でないとサービスを利用できないのです。したがって、駐在保険を選ぶ際には提携病院の数の多い保険を選ぶことが大切です。

「家族総合賠償責任」「生活動産」が付いている

そもそも駐在保険は海外旅行保険を基に、海外在住者向けに作られた保険です。そのため補償内容はあまり変わりませんが、万が一の場合に備えて「家族総合賠償責任」「生活動産」の特約を付けることができます。

家が火災になったり、盗難に遭ったり、また他人の私物を壊したり、怪我をさせてしまったりした場合、通常の海外旅行保険だけではカバーしきれません。

駐在保険であれば、駐在員には赴任先に住居があるということも含めた上で補償を付けていただけるので、海外で生活する上で万が一のことが起っても万全を期し、安心して過ごすことができます。

(アメリカ赴任の場合)自動車保険加入の手助けを行なってくれる場合もある

これは、アメリカへ赴任予定の方とって注目すべき点なのではないでしょうか。どうしてアメリカ限定で駐在保険に自動車保険加入のサポートが付いているのでしょう。

その理由は、アメリカの自動車保険の加入が非常に困難であることにあります。1人ではなかなか自動車保険に入ることが難しいので、保険会社にサポートしてもらえたらとても助かりますよね。

ただし、保険会社によってこのサービスが付いている会社と付いていない会社があります。自動車保険加入のサポートがついている会社については「提携している会社は?」で具体的にご紹介するのでそちらをご参照くださいね。アメリカに赴任する予定で、自動車を使いたい方は自動車保険加入のサポートの付いている保険を選びましょう。

デメリット

見知らぬ海外の街に長期滞在する場合は、たとえデメリットがあっても駐在保険には入る必要があります。ただ、駐在保険のデメリットを知っておくことで、「こんなはずではなかったのに」といった状況は避けることができるので、加入前にはあらかじめ一通り確認してみましょう。

対応してくれない療養費がある

駐在保険は多くの補償が付いており、海外で長期間生活する方には非常に心強い保険です。しかし、必ずしも全ての場合に補償が付くとは限りません。実は対応しない療養費も存在するのです。

具体的には、「持病を含む既往症」「歯科疾病」「妊娠・出産費用」がそれにあたります。これらが補償されないことを忘れず覚えておきましょう。

駐在保険を提供する保険会社が多い

保険は多くの会社が提供しており、駐在保険もその例に漏れません。多くの保険会社が商品を提供しているので、自分で駐在保険を選ぶ際には非常に迷います。

大切なのは、何に注目して保険を選ぶのかということです。選び方のポイントについては<提供している会社は?>の項目で詳しくお伝えするので、気になる方はご参考にしてくださいね。

提供している会社は?

海外旅行保険や国内旅行保険と同様に、駐在保険も多くの会社により提供されています。ここではまず、保険選びの際に注目すべきポイントをおさえてから、それぞれの会社が提供する保険についてご紹介していきますね。

保険選びのポイント

駐在保険の場合は、会社側が利用している保険会社の商品を使うことが多いため自分で選ぶ機会はあまりありませんが、念のためどのようなポイントがあるのか確認してみましょう。

駐在保険の場合も、様々な保険会社が商品を提供しているので、どの保険が良いか非常に迷ってしまいますよね。したがって、保険を選ぶ際にはポイントをおさえた上で選ぶ必要があります。

保険を選ぶポイントは主に次の3つです。

  1. 契約可能な最長期間
  2. 保険加入証明書の対応言語
  3. 提携病院数

まず、「契約可能な最長期間」について確認してみましょう。保険の契約が可能な最長期間は、保険会社によってばらつきがあります。一般的に契約可能な最長期間は、大体1年から5年となっています。

通常、駐在保険を更新することは可能ですが、会社によっては保険金の審査や請求回数によって断られてしまうケースもあるという点には注意したいですね。大切なのは、ご自身が海外に滞在する期間に合った駐在保険を選ぶということです。

次に「保険加入証明書の対応言語」についてです。国によってはビザを申請する際に保険加入証明書を提出するように義務付けている場合もあります。したがって、その証明書は滞在先の言語で発行する必要があります

しかし、保険会社によって発行できる証明書の対応言語が異なるので、その保険会社が自分の滞在国の言語に対応していないと照明書を提出できず、ビザを申請できません。保険を選ぶ際には保険会社から発行される保険加入証明書が現地の言語に対応しているかどうかについて確認しましょう。

さて、最後に「提携病院数」についてご説明しますね。これは通常の海外旅行保険を選ぶ際にも大切なポイントとなっています。なぜ提携先の病院が多いと良いのでしょう。

それは、万が一病院にお世話にならなければならない時に、提携病院を利用すれば現金をその場で支払うことなく診察や治療を受けることができるからです。

つまり、一時も自分で費用を負担することなく病院を利用できるということなのです。このサービスは「キャッシュレスサービス」と呼ばれています。もちろん、提携病院以外の医療機関を利用することも可能ですが、できる限り自分のお金を支払わずに済む方が生活も楽ですよね。そのため、提携病院の多い保険を選んでおく必要があるのです。

おすすめの保険会社

保険選びのポイントをおさえたら、次は駐在保険を提供している保険会社について見てみましょう。ここでは、AIU保険会社・損保ジャパン日本興亜・東京海上日動・JALUX・ジェイアイ傷害火災・アクサアシスタンスについてご紹介します。

AIU保険会社

AIU保険会社の駐在保険は「AIUの海外長期滞在者保険」という商品名で提供されています。この駐在保険は最長で3年の契約に対応しています。

特徴は、保険選びで大切な「提携病院数」が多いということです。AIUはアメリカを中心に世界55か所以上の医療機関と提携しています。そのため、窓口で支払いう必要のない「キャッシュレスメディカルサービス」を利用しやすい保険なのです。

また、アメリカでの自動車保険加入を手伝ってくれるという点も大きな特徴となっています。アメリカでは自動車保険に入るのが非常に難しいのですが、AIUの駐在保険に加入していれば、AIUの関連会社であるAIG Travel Assistに自動車保険加入のサポートを行なっていただけるのです。

アメリカに滞在する方にとってはとても良心的な保険ですので、渡米する方は是非ご検討ください。

公式ホームページ:AIU保険会社

損保ジャパン日本興亜

損保ジャパン日本興亜の駐在保険は「海外メディカルヘルプライン」という商品名で提供されています。

キャッシュレスメディカルサービスや24時間365日の日本語対応はもちろん、医師通訳サービスや病院・医師の紹介・予約などの利用も可能です。医師通訳サービスは医師の治療を受ける場合に、必要に応じて電話による医療通訳サービスを行います。

オーソドックスな補償内容ですが、やはり大手保険会社の駐在保険なので安心して利用することが可能です。保健期間は2年間までです。

公式ホームページ:損保ジャパン日本興亜

東京海上日動

東京海上日動の駐在保険は、日本の東京海上日動海外総合サポートデスクがお客様のからの電話を24時間365日日本語で受け付けています。また、キャッシュレスメディカルサービスも付いており、基本的な部分はしっかりと補償される保険です。

この保険の特徴としては、「緊急医療相談サービス」を利用できるという点です。赴任先で急病や怪我に見舞われてしまった時には、東京海上日動の提携会社である東京海上日動メディカルサービスの看護師、あるいは救急医に24時間年中無休で対処方法についてアドバイスしていただくことが可能です。

公式ホームページ:東京海上日動

JALUX

JALUXはJALグループの会社であり、「JALファミリークラブ海外赴任者総合保障制度」という駐在員向けの保険を提供している会社です。

特徴は「家族ぐるみで幅広い補償を付けることができる点」、「便利なJALカード決済が可能である点」、「AIGグループの海外ネットワークが充実している点」です。

また、ご自身のご要望に合わせて多様なプランが用意されているので、無駄な補償を付けずに済む点も魅力的です。

ファミリークラブ海外赴任者総合保障制度」もAIUと同じようにアメリカの自動車保険加入の手伝いを行なってくれます。

弁護士費用も補償していただくことができ、やはり訴訟の多いアメリカが赴任先である場合には非常に心強い保険でしょう。

また、キャッシュレスメディカルサービスを受けられる提携病院も多く、世界55か所以上の医療機関でこのサービスを利用することが可能です。

公式ホームページ:JALUX

ジェイアイ傷害火災

ジェイアイ傷害火災の駐在保険は「ジェイアイ傷害火災海外駐在員プラン」として提供されています。

海外55都市のデスク・ラウンジがあり、現地の言葉が話せなくても安心して日本度対応を受けることが可能です。また、海外300か所以上のジェイアイ提携病院でキャッシュレス治療を受診することができ、自己負担もせずに医療機関を利用することが可能です。

さらに、充実した海外サポートが特徴的であり、赴任前に知っておきたい現地の情報がインターネットでアクセスすることが可能、また「トラベルサービス」といって海外55都市のジェイアイデスクにおいてホテル・レストランの案内や予約、交通機関やイベントのチケット手配などのサービスも提供してもらうことが可能です。

公式ホームページ:ジェイアイ傷害火災

アクサ・アシスタンス

アクサ・アシスタンスはG-Rescueという駐在保険を取り扱っています。

この駐在保険の特徴としてはテロに応じた補償を行ってくれる点です。滞在先でテロ・戦争に巻き込まれてしまった場合、行動の方法をアドバイスして、現地からの脱出手段まで手配してくれます。また、専用アプリを通じてテロや災害、事故や事件についての危険情報も確認することが可能です。

治安・成城の不安定な国では加入しておくと安心なサービスです。

公式ホームページ:アクサ・アシスタンス

最後に

海外赴任は仕事の上で自分のチャンスを広げてゆくことのできる大切な機会です。海外で自分の取り組みに集中するためにも、駐在保険には是非入っておきたいところです。

ただ、駐在保険の場合は海外旅行保険とは異なり、既に会社側が手配してくれるものなので、自分で加入手続きをすることはあまりないでしょう。

いずれにせよ、海外での滞在では何が起るか分かりません。たとえ会社が加入手続きをしてくれても、海外赴任の際には駐在保険にしっかりと入っているか確認しましょう。

 

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