低金利の現在、銀行にお金を預けておくだけでは資産は増えない時代となりました。将来の為に資産運用について考えている方も多いかと思います。
株式投資を行う上でまず初めに行う事が証券会社への証券口座開設なのですが、銀行以外の場所にお金を預ける事に不安を抱く方や証券会社自体に怖いイメージを抱いている方も多いように感じます。
実は、証券会社に預ける利用者のお金は様々な法律により手厚く守られており、お金の預け場所という意味では銀行よりも安全性は高いかもしれません。今回は証券会社の安全性と資金の管理体制について詳しくまとめました。
目次
銀行へ預けたお金の安全性
証券会社の安全性を知る前に、まずは銀行へ預けている場合の安全性について確認しておきましょう。銀行に万が一の事が起こった場合、私たちのお金は次のような形で守られています。
ペイオフ(預金者保護法)
銀行が破綻した場合、破綻した銀行に口座を持つ預金者一人あたりに対し1,000万円とそれに掛かる利息について国が保護する法律です。保護の基準を超えた額については、破綻した銀行の財政業況に応じて支払われます。
したがって1,000万円を超えた額を預けている場合、超えている部分に関しては手元に戻ってこない可能性も十分にあり得ます。
同じ銀行に複数の口座を所有している場合についても、1つの口座にまとめた上で上記の処理を行う為、注意が必要です。もし、1,000万円を超えている場合は別の金融機関に1,000万円を超えない程度に移し替える等の対策を取る必要があります。
国が発行している国債については元本と金利が補償されている為、1,000万円を超える部分は日本国債で運用するという考え方も一つの手段として良いかもしれません。
証券会社へ預けたお金の安全性
次に証券会社へお金を預けた場合を見ていきましょう。証券会社へ預けたお金は以下の3段階で守られています。
預けたお金は証券会社が管理していない
証券口座に預けたお金は「信託銀行」が管理しており、証券会社が好きなように利用出来ない仕組みになっています。これは「金融商品取引法」という法律で決められていて、証券会社に万が一の事が起こった場合でも利用者のお金には手を付ける事が出来ません。
信託銀行が破綻した場合は…
信託銀行が破綻した場合、利用者のお金は「信託法」という法律で守られます。信託法には、利用者のお金と信託銀行自体の資産を分けて管理するように取り決められています。
よって、信託銀行が破綻した場合でも利用者の預けているお金は一切影響を受ける事はありません。
投資者保護基金
上記で説明した通り、原則的に利用者のお金と信託銀行の資産は分けて管理している為、利用者の預けているお金には一切影響を及ぼす事はないはずなのですが、万が一、何らかの事情で利用者のお金がなくなった場合は「投資者保護基金」から最大1,000万円まで保護を受ける事が出来ます。
つまり万が一の事があれば銀行と同様の補償がありますし、それ以前に「金融商品取引法」と「信託法」の2つの法律で利用者のお金は守られています。
口座開設にあたって
証券口座の開設に掛かる手続きは比較的簡単に行えるのですが、1つだけ聞きなれない言葉が出てきます。それは「特定口座」です。口座開設時に特定口座を開設するかしないかと問われるのですが、なんの事かさっぱりですよね?どのような口座か見ていきましょう。
特別口座はとても便利!
特定口座とは、証券会社が利用者の1年間の取引結果を「年間取引報告書」にまとめるサービスを行う口座です。口座開設にあたり「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選ぶ事が出来ます。
源泉徴収「あり」と「なし」どちらが良い?
株式投資で利益が出た場合、利益の約20%分の税金を納めなければなりません。「源泉徴収なし」の口座を選んだ場合、証券会社が作成した「年間取引報告書」を基に税務署で確定申告を行い税金を納める必要がありますが、「源泉徴収あり」の口座を選ぶと、利益が出る都度に証券会社が代わりに税金を納めてくれるので確定申告を行う必要はありません。
「それでは、源泉徴収なしは必要性がないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、源泉徴収なしの場合、確定申告を行うまでの間は株で得た利益の100%を次の取引に利用する事が出来ます。リスクを取りつつも大きく利益を狙いたい方には良いかもしれません。
源泉徴収ありは手続き面で手間が省けますし、源泉徴収なしは積極的に利益を狙う事が出来ます。それぞれの特性を踏まえ、自身にあった方を選択すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?証券会社に預けたお金は様々な法律で守られています。証券会社に対する不安や怖いというイメージが少しでも晴れてもらえたらと思います。
口座開設には申請後4日~7日ほど掛かります。ほとんどの証券会社は口座の維持管理費が無料になっているので、これを機に資産運用の一つの手段として証券口座の準備をしてみてはいかがでしょうか?