世の中のお金の仕組みは、「売る」立場の人と「買う」立場の人とに分かれています。
私たちも、そのどちらの立場にも立っていますよね。そして「売る」立場の人は、買ってもらうために様々な工夫をします。
テレビのコマーシャル、毎日の新聞に入っているチラシ、そしてパンフレットやポスター。インターネットをすれば、ページのあちこちの広告や、メールなど様々なものが「買ってください!」と見ている私たちに訴えかけてきます。
欲しいものが決まっているときには、その言葉に振り回されることはありませんが、その言葉につい「買ってしまおうかな」という気持ちになることもあります。
そのうっかりで後悔することのないように、「セールストーク」や「誘惑の言葉」を見抜く力を日頃から身につけておきたいもの。
賢い消費者になるために、あなたを誘う様々な言葉について詳しくご紹介します。
買い時は今! 本当にそうなの?
我が家は持ち家なのですが、家を新築する工事のときから、本当にセールスが多かったです。
「太陽光発電の買い時は今です」が一番多かったのですが、びっくりしたのは「売り時は今です!」というセールスが来たとき。
まだ住んで一月もしないときだったので、一体なぜ? という感じでした。
もちろん今も度々「売ってください」のセールスは来るのですが…。
しかし家を購入するときにも、本当にたくさんのセールスがありました。
住宅展示場に行けば「低金利の今だから買い時ですよ!」というセールスはものすごかったです。
スーパーなどで「タイムセールですから今が買い時です!」と言われるのと、家の展示場で「買い時です!」と言われるのは全く違います。
たしかに低金利であれば、支払う利子が少ないイメージがありますが、5年先、10年先とその金利が続くかどうかはわかりません。
それに家を購入するときは、家や土地代以外にも諸経費が意外とかかってくるもの。
頭金などが十分ではない家計で、家を購入することは危険です。
大切なのは「低金利」や「買い時」、「頭金なしでも買える」ではなく、「何十年と住宅ローンを払っていける健全な家計であるか」なのです。
保険の見直しは今すべき! は本当?
保険会社と組んで新しい保険を紹介する会社が増えてきています。
最近よく見るのが、通販会社やスーパーの保険ですね。
掛け金が割安だったり、コースによっては無料で入ることができる保険など、その種類も幅広くなっています。
そのためか「保険の見直し」をすすめるセールスが多くなっています。
よく聞かれるのが「今の保険は高すぎ!」というもの。
しかし本当にその保険は「高すぎ」なのか、きちんと判断する必要があります。
医療保険は「いつから使えるのか」が鍵
保険料が安い保険によくありがちなのですが、「通院が1週間以上でないと支払われない」ものなど、期限が決まっているものがあります。
また申し込みをしてから3ヶ月は保険が適用されない、といったものもあります。
保険を見直すときには、支払う金額も大切ですが、保障内容もよく確認しましょう。
特にセールスの人と話をしながら決める場合、あってはいけないことですが、トータルで割高になる保険に契約を変更されてしまうといったことも少なからずあります。
お任せにするのではなく、自分の今までの病歴、また年齢などを考慮して万が一のときに助けになる保険を選びましょう。
車の保険は高すぎる?
車は事故の可能性が大きいことから、全体的に保険料は高くなる傾向にあります。
ネットで申し込みすれば安くなる、ゴールド免許なら安くなる、といったセールストークも多いですよね。
しかし車の保険で気をつけたいのは、安くなっても保障が十分でない場合、万が一事故を起こしたときに保障範囲内でなかったり、事故を起こした場合次回の保険料が高くなってしまうこともあるというデメリットもあることです。
自損事故での補償がないと、家の生け垣を壊した場合などは、自己負担になります。
逆に保険を使わないで、示談で済ませた方が安く済むこともあります。
大切なのは、事故が起きたときの保険会社の対応です。臨機応変に対応してくれる、信頼できる保険員さんとのつながりを持つことも大切です。
またゴールド免許は保険料が安くなりますが、車を全く運転しない人の場合も、ゴールド免許になるのが日本の免許制度。
車に乗る必要がないのなら、思い切って車を手放した方が保険を見直すよりも節約になります。
逆に車が2台必要な家庭なら、1台の保険はネットの格安保険を選んだ方が、トータル的には節約になりますよ。
まとめ
私たちの周りでよく聞くことの多いセールストーク。
どの言葉も基本は「商品を売り込むためのもの」です。
人柄に惚れ込んだから…といった人情的な意味で、セールストークに引き込まれたのではなく自分で選んだのだという人もいますが、結局無駄なことに支払うことになっていることも少なくありません。
特に大きな金額が動く家の購入や車の購入は、慎重に選ぶ必要があります。
自分で納得して選んだとしても、将来支払いに困ったり、結局手放すことになっては意味がありません。
5年先10年先を見越して、「美味しい話」だからこそ、慎重に選んでいきたいですね。