ひと昔前なら、「食費の節約」という言葉から連想されるのは1円でも安い品物を求めてスーパーのはしごをする主婦のイメージでした。しかし現在は、インターネットを利用して価格を比較して注文する、あるいはふるさと納税の返戻品を目当てに寄附をするなど、色々な方法がありますね。でも、手作りによる食費の圧縮効果も忘れてはいけません。今回のテーマはホームベーカリー、エクセルを使って手作り食パンの製造原価を求めてみましょう。
パン屋さんは大人気
パンの文化は日本人の食生活にすっかり浸透していますね。首都圏はもちろん、地方の街にもおいしいパン屋さんは必ず存在します。独特の香りに誘われて店舗に入ってみると、色とりどりのパンが並ぶ夢のような世界が広がり、将来なりたい職業のランキングでは「パン屋・ケーキ屋」さんは大人気です。
朝食にパンを好む世代とは
おいしいパンが溢れる幸せな国に住む私達日本人は朝食に何を食べているのでしょう?年代別の調査結果がありますので見てみましょう。
調査結果によれば、朝食にパンを食べているのは60代が多いことが分かります。実は筆者とパートナーもこの世代、健康面で色々な心配が出てくる年代です。
手作りのメリット
ホームベーカリーで朝食用のパンを焼くようになったのは、自分で材料を確認できることに大きなメリットを感じたからです。塩分、糖分、脂質など、材料を確認しながら作ったパンはとにかく安心して食べられます。
食パンの材料
ではいよいよコストの確認に入りましょう。わが家はいつも食パン1斤半を焼いています。ちなみに「斤」とは食パンの単位ですね。昔の尺貫法の名残ですが、公正競争規約(景品表示法第31条に基づく協定又は規約)によって1斤は340グラム以上とされています。わが家で焼く食パンの材料は
- パン専用強力小麦粉 400g
- スキムミルク 12g
- バター 15g
- 砂糖 30g
- 塩 6g
- ドライイースト 3g
です。卵フリーなのでアレルギーのある孫にも安心して食べさせてあげられます。パン焼き機に添付されたレシピでは、塩は8~9gになっていますが、わが家では塩分控えめにしています。毎朝食べるものですからわずかな減塩努力が健康寿命を延ばしてくれると信じています。小麦粉はパン専用小麦粉を使いますが、その他の材料は身近なスーパーで手に入るものばかりを使っています。こだわりは白糖の代わりに三温糖を、塩は天然のものを使用していることです。
原価計算
ホームベーカリーの機械を購入してからは焼きたてのパンのおいしさにはまり、週に1~2回は食パンを焼いていましたが手作りのコストに関心が向いたのは最近です。エクセルを使って計算してみたら簡単に原価が求められましたので、皆さんにもご紹介しましょう。
使用単価を求める式は使用料/容量×価格で求められますので、食パン1.5斤に要する小麦粉の原価はF4のセルに
- F4=+E4/C4*D4
という式を入れることで求められます。この式を使って求めた数値は小数点を含むので、エクセルの関数を使って四捨五入しておきましょう。
- F4=+ROUND(E4/C4*D4,0)
とすれば円単位で原価が求められます。
参照元:マイクロソフトサポート
原価合計のセルF10には合計を求める関数SUMが入り、
- F10=SUM(F4:F9)
1.5斤当たりの製造原価が261円と求められました。市販の食パンの価格と比較するために、F11のセルに1斤当たりの原価を求めておきましょう。
- F11==+F10/F2
結果は1斤当たり174円でした。仮にバターを40gに増量すれば食パン1斤当たりの原価は216円でした。バターリッチな食パンといえば300円以下では購入できないと思いますので、お得感がアップします。
まとめ
いかがでしたか?市販の食パンの価格より高いと感じるか安いと感じるか、それぞれ印象は異なるでしょうね。スーパーの特売では1斤当たり100円を切る価格で食パンが販売されることもありますので、それと比較すれば高いかもしれません。しかし、自分の目で材料を確かめ、量を加減することもできる手作りならではの安心感が得られるのは何にも増して嬉しいものです。買い物に行く手間も省け、家中にパンの香りが満ちる贅沢な手作りパン、エクセルでコストを確認しながら楽しんでみてはいかがでしょう?