初めての投資信託。投資信託の仕組みと商品内容は?

投資信託はプロにお任せできる資産運用ということで、初心者でも比較的安心して購入することができます。

では、その運用のプロとはどのような専門家のことなのでしょうか。

商品についてもどのような内容なのか気になりますよね。

今回は、投資信託がどのような仕組みになっているのか、また、商品はどのように組まれているのかを簡単にご紹介したいと思います。

投資信託の仕組み

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投資信託は一つの会社がすべての業務を担うのではなく、「販売会社」「投資信託運用会社」「受託会社」と大きく分けて三つの役割に分類されます。

販売、運用、資産の保管といった業務を専門機関がそれぞれの役割を果たすことで成り立っています。

1. 販売会社の役割は?

主に投資信託の販売をする会社で、銀行や郵便局、証券会社が行っています。

投資信託の販売だけでなく投資家の口座を管理したり、投資信託の換金、分配金・償還金の支払いを行ったりもしています。

また、投資家が資産運用を行う際の疑問に答えたり、相談に乗ったりといった投資信託の窓口業務も行っています。

販売会社によって品ぞろえや購入手数料などが異なりますので、投資信託を購入する際には販売会社を詳しく調べることをお勧めします。

商品取り扱いの多さと手数料について

商品取り扱いについては、ネット証券が一番多く、次に大手の証券会社銀行と続きます。

手数料についてもネット証券が一番安いとされています。次に大手証券銀行の順番となります。

ネット証券は店舗を持たないため、様々なニーズに対応することで自社の良い点を引き出していると言えます。

2. 投資信託運用会社の役割は?

主に、投資信託を作り運用する、というもっとも重要な役割を担っています。

投資信託を作る」というのは、投資家から集めた資金(信託財産)の運用方針を決め、受託会社に運用を指図することを言い、この権限は運用会社が持ちます。

例えば、経済や金融情勢などに関する様々なデータを収集・分析し、「株式や債券などどの証券を選んで買うのか? 」「投資先は日本国内か国外か? 」「保有の割合をどうするのか? 」など、ファンドマネジャーと呼ばれる専門家が指示を出します。

運用の指示を出すのが運用会社、資金を使って実行するのが受託会社になるわけです。

投資信託の法律である信託法上、運用会社は「委託者」と呼ばれます。

3. 受託会社(信託銀行)の役割は?

信託銀行は、運用会社からの指示に従い、投資家から集めた資金を運用(株式や債券などの売買)・管理するほか、投資信託における金庫番のような役割も果たしています。

また、投資家から集めた信託財産は、信託銀行の運転資金とは区別して保管・管理されているため、仮に信託銀行が倒産してしまっても、投資家の資産は保護されます。

このことを分別管理と言います。

信託銀行と運用会社がそれぞれ独立していることで、信託財産は守られ、ルールに従って運用されます。

信託法では「受託者」と呼ばれています。

以上のように3社がそれぞれの役割をはたして初めて投資信託が成り立っているのですね。

4. 受益証券とは?

投資信託を購入する人のことを投信の法律では、受益者と呼びます。

受益証券とは、受益者の権利を示すもので、以前は運用会社が投資家に対し発行していました。

現在、振替機関や口座管理機関の帳簿(振替口座)はパソコンで管理されているため、受益証券がなくても受益者の権利はしっかり把握できるようになっています。

投資信託の仕組みは、投資家の権利や資産はしっかり守られる態勢が整えられていますね。

それでは、次に商品の中身を簡単にではありますが見ていきましょう。

商品内容の組み合わせ

投資信託は、投資信託協会が定める「商品分類」によって細かく分けられています。

商品分類は、「どの資産に対して投資しているか、収益の源泉とするのか」といったことを投資家が理解しやすいようにするため制定されています。

商品分類の区分について

商品分類の主な区分は以下のようになっています。

  1. 追加購入ができるタイプか: 一定期間限定購入の単一型、いつでも購入可能な追加型の2タイプに分かれます。
  2. 投資対象となる地域: 国内海外国内及び海外の3区分です。
  3. 投資対象となる資産(収益の源泉): 株式、債券、不動産投信、その他の資産、資産複合の5区分です。
  4. 独立した区分: MMF(マネー・マネージメント・ファンド)、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)、ETFの3区分です。
  5. 補足分類: インデックス型特殊型の2タイプです。

※「4. 独立した区分」と「5.補足分類」については、当てはまる商品のみの記載となります。

例えば、追加購入のできる追加型で、国内の株式に投資する投資信託では、「追加型/国内/株式」というように表記されます。

商品分類については後日改めて詳しくご紹介する予定にしています。

株式と債券の仕組みを知っておく

今回はまず「3.投資対象となる資産」の株式債券の仕組みをご紹介しておきたいと思います。

投資信託は主に株式と債券で構成されているため、知っておくことでより投資信託が分かりやすくなると思います。

株式の仕組みについて

株とは、株式会社が資金を調達するために発行する証券のことです。

株を買うということは、企業に資金を出資する代わりにその企業のオーナーになるという事でもあります。

オーナーになる(=株主になる)と出資している範囲で責任も伴うため、企業側は投資家へ借りた資金を返す必要がなくなります。

企業が銀行からお金を借りずに株を発行するのは、このような理由があるためです。

ですが、株主になれば資金を出すだけで終わりではなく、当然メリットもあります。

株主となっている企業が利益を出せば、その利益を受け取る権利が手に入りますし、株価が上がればその分の値上がり益も入ります。

また、株主優待なども受けることができますし、会社の経営にも参加することができるようになります。

逆に企業が不調の際は、株価が下がり損をするというデメリットもありますので覚えておきたいですね。

株取引は誰が売買しているのか?

株取引は大きく分けて、「個人投資家」「機関投資家」「外国人投資家」の3つに分類されます。

個人投資家: 売買単位が小さく、株価に与える影響は大きくありません。

機関投資家: 国内にある銀行や投資信託会社などプロの投資機関

外国人投資家: 外国の機関投資家という意味も持っています

機関投資家外国人投資家が株価に与える影響力は大きくなります。

外国人投資家になると円高で株が売られる傾向にあるので、ニュースなどでチェックしておくとよいでしょう。

債券の仕組みについて

債券とは、国、地方公共団体、企業などが一般の投資家からまとまった資金を集めることを目的として発行する証券です。

債券を買うということは、発行先にお金を貸すということです。

債券に投資するメリットは、定期的にクーポンを受け取ることができ、満期になれば元本を返金してもらえます。

ただ、元本保証はありませんので注意は必要です。

資金調達という点では株式と同じですが、利率や満期日が設定されている点が異なります。

投資信託の商品内容を知るには?

投資信託は商品ごとに投資の対象は異なります。

実際にご自分で投資信託を購入したときには、どのような投資対象が商品に組まれているのか目論見書(もくろみしょ)の表紙などにきちんと記載されています。

投資信託説明書(目論見書)に目を通すこと

投資信託には、商品の内容リスク運用実績や手数料などが詳しく書かれた投資信託説明書があります。

これは購入するかしないかを判断するのに必要な重要事項が書かれてあり、この説明書を読めば投資信託の内容が理解できるようになっています。

投資信託説明書の主な内容

主な内容は以下の通りです。

  1. 投資信託の目的と特色: どこに投資しているか、商品内容など。
  2. 投資のリスク: 価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスクなど。
  3. 運用実績: 基準価額や純資産総額の推移、分配金の推移など過去の実績。
  4. 手続きと手数料について: 投資信託にかかる税金や諸費用など。

記載項目や順序はすべて統一されているため、異なる商品との比較検討がしやすくなっています。

どこで入手できるのか?

この説明書は、投資信託を購入する投資家に提供することが義務付けられており販売会社(証券会社、銀行など)で入手することができます。

また、各社のHPからダウンロードしたり、郵送請求することも可能です。

購入を検討している商品をしっかり把握するためにも、投資信託を購入する前に必ず目を通しておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

投資信託は、販売、運用、資産管理と業務を分けてあることで、それぞれの専門分野を生かすことができる商品だといえそうです。

商品分類については、大まかにご紹介しましたが、一つ一つの区分を知っておくことで資産運用がより確かなものになると思います。

目論見書に関しても、ご自分でチェックポイントを知っておけば商品を検討する際に迷わなくて済むと思います。

この記事が大切な資産運用に少しでもお役に立てれば幸いです。

参考サイト: 一般社団法人 投資信託協会