スキー向け保険は1日でも加入できる? 旅行前にまずは確認!

冬は毎週のようにスキーを楽しむ方も、毎週でなくとも最低1回はスキー旅行に出かける方も多いことでしょう。冬の主なレジャーの一つであるスキーを楽しむのであれば、スキー保険について是非知っておきたいところです。なぜなら、スキーは他のレジャーよりも事故の起こりやすいアクティビティであり、その分万が一に備えてしっかりと対策を講じる必要があるためです。

しかし、スキー向け保険は単独で提供されているのを見かけないので、あまりその存在を知らない方も多いのではないでしょうか

そこで、今回はこれからスキー向け保険に加入しようと考えている方のご参考となるように、スキー向け保険の補償、必要性や注意点、各社の保険についてご紹介します。

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スキー向け保険とは

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事故の多いスキーでは、万が一に備えて何かしらの保険をかける必要性に迫られます。まずは、スキー保険というものが一体どのような保険であるのか把握するために、基本事項について確認していきましょう。

スキー向け保険とは

スキー向け保険とは、スキーを行う際に起こるリスクに備えた保険のことです。自分が怪我を負った、あるいは最悪の場合死亡した時にかかる経済的な負担を補償してくれます。全国スキー安全対策協議会の報告書によると、スキー場で起きた事故により怪我を負った人の70%以上が、中度から重度の怪我を負っているというデータが出されています。

またスキー向け保険では相手に怪我を負わせてしまった場合に負担する賠償の一部を補償してもらうことも可能です。スキーは他のレジャーと比較して他人に怪我を負わせる確率の高いレジャーです。したがって、この補償が付いているということに大きな意味があるのです

ただ、「スキー向け保険」として提供されている保険は少なく、レジャー保険や普通傷害保険でカバーされることが多くなっています。したがって、今ご自身が加入している保険の補償で、スキーで生じるリスクをカバーすることができれば、改めてスキー保険に加入する必要はありません。これについては後ほど<注意点>の項目で詳しくご紹介するので、興味のある方はそちらをご参照くださいね。

参考元:全国スキー安全対策協議会の報告書

スキー保険は1日単位で加入することができる

スキーをはじめとしたレジャーは冬シーズン限定です。そのため、日常的に保険に加入しておく必要はありません。一般的には年に数回しかスキーをしない方も多いのではないでしょうか。

したがって、スキー向けとして利用できる保険には1日から加入することのできるプランが用意されています。現在スキー向け保険が単独で扱われていることはほぼ皆無ですが、普通傷害保険やレジャー保険などの他の保険で、スキーでのリスクに備えることができます。

1日単位のプランであれば、国内旅行傷害保険で加入することができます。というのも、国内旅行保険には、リスクの可能性がある様々なアクティビティに備えた補償が用意されているためです。この補償を通して、スキーでのリスクにも備えることができるのです。また、1泊2日、3泊4日など、1日単位で加入することができるためスキーの補償も1日単位でカバーされるのです。

ただ、国内旅行保険についてはプランによって「携行品損害」の補償が無い場合もあります。したがって、スキー板を破損させてしまったり、盗難に遭ったしまったりした場合には、補償を受けることができないという点に注意しておきましょう。

一方で、レジャー保険や普通傷害保険でスキーのリスクをカバーする場合、契約は1日単位ではなく1年単位となることがほとんどです。これらの保険は年間5000円以上かかるものであるため、スキーのリスクをカバーするためだけに加入してしまうと非常に割高になってしまいます。スキー以外にも加入する目的を持っているのであれば、加入しても良いでしょう。

また、年に何度もスキーを行うわけではない方にとっても、レジャー保険や普通傷害保険は割高になってしまいます。年に2~3度、スキーレジャーを楽しむのであれば、国内旅行保険を通してスキーのリスクに備えるのが適切でしょう。

関連記事:国内旅行保険って必要? クレジットカード付帯や携行品も補償される!

どこで加入できる?

スキー向け保険は一体どこで加入することができるのでしょうか。加入方法としては次の3つを挙げることができます。人それぞれ自分に合った加入方法は異なるので、ご自身の都合に合わせた加入方法を選ぶようにしましょう。

スキー場

スキー場の窓口でも保険に加入することが可能です。この加入方法は、特段普段からスキーに行くわけではない方におすすめです。1日のみのスキー向け保険であれば200円ほどで加入することも可能です。

たとえ、1日のスキーレジャーであっても思わぬ事故を起こしてしまうことがあるので、しっかりと加入しておきたいものです。ただし、すべてのスキー場で加入することができるわけではないので、当日現地でスキー保険に加入することができるか、スキー場に確認の連絡を取るようにしましょう。

メジャーな損保に連絡を取る

加入したいスキー保険を見つけたら、直接電話で連絡を取って加入する方法もあります。「保険に加入したい」という連絡を入れると、会社から資料が届けられます。これらの資料に目通しして、自分に合うプランを見つけたら、損保に再度連絡を入れて加入手続きを取るという形を取ります。

インターネットから申し込む

スキー向けの保険はインタネットから申し込むことも可能です。損保に連絡を入れるなどの手間を省きたい方、忙しくてなかなか時間の取れない方におすすめの申込方法です。

ただ、保険の補償を自分で理解して、プランも自分で組む必要があるため、どの補償が必要か自分でしっかりと把握できていることが大切です。どのプランがいいのか判断し難いという方は、直接損保に連絡を取る方法が無難でしょう。

個人賠償責任補償が大切

スキーで多い事故は、自分だけでなく相手にも怪我を負わせてしまう事故です。特にスキーは他のスポーツよりも、相手に怪我を負わせることの多いレジャーです。

したがって、スキーを楽しむのであれば、万が一の場合に備えて「個人賠償責任補償」を付けておく必要があります。相手に怪我を負わせてしまった場合には多額の損害賠償を負担しなければなりません。しかし、スキー向け保険に加入して、この補償を付けることができれば、賠償額の一部分を補償してくれるため、自己負担も多少軽くなります。

自分の怪我に備えることももちろん大切ですが、何と言ってもスキー向け保険に入る一番の目的はこの個人賠償責任補償を付けるということなのです。

ただ、個人賠償責任補償は、ご自身が加入している他の保険で既に付帯している可能性があります。そのような場合には、改めてスキー保険に入る必要は無いと言えるでしょう。これについては、また後ほど<注意点>の項目で詳しくご説明しますね。

加入目的は?

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スキー保険の加入目的としては、どのようなものを挙げることができるのでしょうか。保険の加入目的を知るためには、その補償内容を確認する必要があります。ここでは、加入の目的をつかむために、スキー保険の補償内容についておさえて行きましょう。

補償内容

スキー保険の補償は大きく3つのカテゴリーに分けることができます。それは「怪我に対する補償」、「他人を傷つけてしまった時に備えた損害賠償補償」、そして「スキー用品のリスクに備えた補償」です。

補償の具体的な内容としては「死亡・後遺障害保険」「通院保険」「入院保険」「携行品損害保険」「救援者費用等保険」「個人賠償責任保険」が挙げられます。ここでは、それぞれについて確認します。

死亡・後遺障害保険

スキー中に事故で負った怪我が原因となり、死亡してしまった、あるいは後遺障害が残ってしまった場合に生じる負担を一部補償してくれます。

通院保険

スキー中に負った怪我が原因となり、入院した場合にかかる負担を一部補償してもらうことができます。

入院保険

スキー中に負ってしまった怪我が原因で入院することになった場合に、入院費用の一部を補償してくれます。

携行品損害保険

スキー中、物にぶつかり、スキー板を破損してしまう場合もあるでしょう。盗難に遭う可能性も考えられます。スキー板が破損したり、盗難に遭ったりした場合には、携行品損害保険金で負担の一部を補償してもらうことができます。

この補償は保険によって始めからセットされているケースと、自分で特約として保険に追加するケースの2つに分かれます。したがって、加入前にはそれぞれの保険を比較して確認する必要があります。特約として追加する場合は月に数百円かかるので、保険選びの際には、この点についても注意が必要です。

救援者費用等保険

スキーはたいていの場合、山深い場所で行うことが多いですよね。スキー中に遭難してしまったり、雪崩に巻き込まれてしまったりすることが無いとは言い切れません。万が一、遭難や雪崩に巻き込まれてしまった場合には、捜索・救助活動を行なわなければなりません。救援者費用等保険は、その際にかかる救助費用などを補償してくれるものなのです。

個人賠償責任保険金

スキーは特に、他人に怪我を負わせてしまうことの多いレジャーでもあります。万が一、スキー中に他人にぶつかって相手に怪我を負わせてしまった場合には、賠償責任を負うことになり、多額の負担がかかります。このような時、スキー向け保険に加入していれば賠償責任で負うことになった負担の一部を補償してもらうことができるのです。

注意点

引用:PAKUTASO

怪我をしやすい・させやすいスキーを行う際には、非常に心強いスキー向け保険ですが、加入を検討する際には注意しなければならないこともあります。ここでは、特に気を付けたい事項について確認してみましょう。

スポーツ傷害保険でカバーする際には割高になる

スキー向け保険は、現在単体として扱われていることはほぼ皆無の状態です。その代わりに、各損害保険会社のスポーツ傷害保険や国内旅行保険の一部として扱われている場合がほとんどです。

国内旅行保険を利用すれば、1日単位で保険に加入することができますが、スポーツ傷害保険に加入する場合は、スキーのみではなく他のスポーツも保険の対象範囲となるため、割高になってしまいます。

したがって、年に2、3回程度しかスキーをしない方は、スポーツ傷害保険よりも国内旅行保険に加入する方が適していると言えます。何度もスキーに行く、あるいはスキーの季節以外には別のスポーツを楽しむ方であれば、スポーツ傷害保険への加入がおすすめです。

個人賠償責任保険には既に加入している場合がある

スキー向け保険に加入する際に最も気を付けたいことは、個人賠償責任保険にはすでに加入している可能性があるということです。スキー向け保険に加入する際には、他人に怪我を負わせてしまうことに備えるために、この補償を目当てに加入する場合が多いでしょう。

ただ、個人賠償責任保険はご自身の加入している傷害保険や火災保険、自動車保険などで特約として付けている場合が多いものです。個人賠償責任保険に2重に加入していても、倍の補償を受けられる訳ではないので、加入が被ってしまうと無駄な出費となってしまいます。

スキー向け保険に加入しようと考えている方は、加入前に必ずご自身が既に加入している他の保険で個人賠償責任保険を付けているかどうか確認してみましょう。

提供している会社は

引用元:photoAC

スキー向け保険は、それ自体が単独で提供されているわけではなく、国内旅行保険やスポーツ傷害保険に含まれています。

基本的に、国内旅行保険の場合は1日単位から加入でき、スポーツ傷害保険であれば短くて7日、あるいは1年契約などの長期間の加入が可能です。国内旅行保険とスポーツ傷害保険のどちらに加入すべきかは人により異なります。これについては、また後ほど詳しくお伝えしますね。

ここでは、最初にスキー向け保険の選び方についてご紹介し、その後に国内旅行保険とスポーツ傷害保険の両方に関する各社の保険をご紹介します。

スキー向け保険の選び方

スキー向け保険はどのように選べば良いのか、それはご自身がどのくらいの頻度でスキーを行うか、そしてどれほど補償を付けたいのかによります。

年に数度スキーを楽しむ程度の方であれば、1日単位から加入することのできる国内旅行保険を選びましょう。その一方で、充実した補償を付けたい方、あるいは年に何度もスキーをする方であれば、損保各社の傷害保険に加入する必要があります。

また、「保険はお金がもったいないから、最低限度の補償が付いている保険だけでいい」と希望される方は、個人賠償責任保険だけでも加入しておきましょうスキーでは他人に怪我を負わせてしまう事故が多いので、この保険が非常に重要です。相手との交渉を保険会社の専任担当者が引き受けてくれる示談交渉が付いているかどうかについても確認しましょう。

提供している保険会社

さて、スキー向け保険の選び方を確認したところで、次は各保険会社がどのようなスキー向け保険を提供しているのか、確認してみましょう。ここでは、JCB、あいおいニッセイ同和損保、損保ジャパン日本興亜、グッド保険サービス、NTTドコモ、au損保(あうて)についてチェックしてみますね。

JCB

JCBは個人賠償責任保険のみに加入したい方向けの「日常生活賠償プラン」を提供しています。こちらは毎月たった150円で家族全員が対象となり、最大1億円の補償を受けることのできる点がメリットです。

また、示談交渉が付いているので、事故が起きていざ相手の方と賠償などの相談を行なう必要のある時には、保険会社の担当者に引き受けていただくことができます。

加入・解約は気軽に行うことができるため、スキーの季節に限って加入できるというのも注目ポイントです。

公式ホームページ:JCB

あいおいニッセイ同和損保

あいおいニッセイでは、スキー向け保険が取り扱われています。保険は、スキーだけでなく、スポーツ全般に備えられたものとなっています。

あいおいニッセイのスキー向け保険には3つのプランがあり、それぞれ「備えプラン」「安心プラン」「充実プラン」となっています。「備えプラン」には後遺障害保険・死亡保険・入院保険・手術保険・通院保険の5つの補償が付いています。個人賠償責任補償は付いていませんが、他の保険で既に補償されているという方にはおすすめのプランです。

一方「安心プラン」は「備えプラン」の内容に加えて個人賠償責任補償、受託物賠償責任補償、携行品損害補償が付けられています。特に個人賠償責任はスキーで相手に怪我をさせてしまうことに備えて入っておきたい保険です。

3つ目の「充実プラン」は、「安心プラン」に備えられている補償に加え、「法律相談費用補償」と「弁護士費用等補償」の2つが付いています。この補償を付けていることで、弁護士の助けが必要となった時にすべて任せることが可能です。自分のみでは、法律などの専門知識に関連することは分かりません。専門家の力を借りなければならない場合には非常に心強いプランです。

公式ホームページ:あいおいニッセイ同和損保

損保ジャパン日本興亜

損保ジャパンでは「THEケガの保険」という保険が提供されています。この保険は様々なレジャーを行う際に加入しておきたい保険です。プランやコース、補償内容を自分で自由に選ぶことができるので、ご自身の必要に合わせてプランを組むことができる点が大きなメリットです。

「THEケガの保険」で付けることのできる補償としては、傷害、賠償責任、携行品損害、受託品賠償責任、救援者費用です。怪我に備えた傷害補償以外は、すべてオプションとなっているので、非常に自由度の高い保険であると言えるでしょう。

公式ホームページ:損保ジャパン日本興亜

グッド保険サービス

グッド保険サービスでは「スポーツ・レジャーの保険」を取り扱っています。この保険はスキーのみならず、ゴルフやスキー、テニス、釣り、スケートなどのリスクをカバーしてくれる保険です。スキーだけでなく、他のスポーツ・レジャーが趣味の方にはおすすめの保険です。

契約期間は1年間。補償内容は死亡・後遺障害保険、入院保険日額、通院保険金日額、個人賠償責任保険、受託品賠償責任保険、救援者費用保険、携行品損害保険となっているので、基本的な補償でしっかりとカバーしてくれる安心な保険です。

ただ、幅広いスポーツ・レジャーに対応しているので、スキーのリスクに備えるということだけを目的としている方にはあまり向いていないかもしれません。

公式ホームページ:グッド保険サービス

NTTドコモ

1日単位でも加入することのできるスキー保険としては、ドコモの「スポーツ・レジャー保険」を挙げることができます。この保険では、本人をはじめとして家族が加入することも可能です。

1泊2日の場合には300円で加入できるので気軽に利用できます。死亡・後遺障害保険金は297万円、入院日額は4000円、賠償責任は2000万円、携行品損害は10万円まで補償されます。ただ、難点は通院の補償が付いていないということと、ドコモユーザーしか利用することができないという点です。また、雪崩や遭難のリスクに備えたいのであれば、救援者費用が補償されている別の保険を選ぶ必要があります。

公式ホームページ:NTTドコモ

au損保(あうて)

1日単位のスキー保険で最も補償が手厚く、バランスの取れた良心的な保険を提供しているのは、au損保です。au損保の場合は「国内旅行保険」に加入することでスキーのリスクをカバーします。この保険も本人のみならず、家族も一緒に加入できます。また、auの利用者でなくとも加入することができる点が非常に大きなメリットとなります。

その特徴は何と言っても、他の1日単位で加入可能な保険と比べて補償が一段と手厚いにもかかわらず、保険料が安いという点です。具体的な金額を挙げると1泊2日で262円しかかかりません。この保険料で死亡・後遺障害の補償が500万円、入院日額が4000円、通院日額が5000万円、救援者費用の補償が200万円となっています。

ドコモと比較してみても、全体的に保険金を多く受け取ることができますね。また、ドコモには付いていない救援者費用を受け取ることも可能です。

ただし、1つ難点があるとすれば、携行品損害が補償されていないということです。つまりau損保の国内旅行保険に加入していても、スキー板が盗難に遭ったり、壊れてしまったりした時には補償を受け取ることができないのです。盗難・損傷のリスクに備えたいという方は注意したいところです。

ただ、全体的に見て1日単位でスキー向け保険に加入するのであれば、au損保が最も良心的だと言えるでしょう。これからスキー向け保険に加入しようか検討している方は、内容を確認してみてくださいね。

公式ホームページ:au損保

最後に

引用:PAKUTASO

スキーをするのであれば万が一の事態に遭遇した時に対応できるよう、保険には是非加入しておきたいものです。

ただ、今回の一番の注意点としてご紹介したように、スキー保険に加入する際には、個人賠償責任補償が既にご自身の加入している他の保険に付帯していないか確認を取る必要があります。スキー向け保険の補償が他の保険で既にカバーされている場合には特に加入する必要は無いとも言えるでしょう。

ご自身の希望に合わせて、補償内容や契約期間が適切なスキー向け保険をお選びくださいね。