最近、ブロックチェーンを活用した「DApps」というのが話題になっていますよね。
という方も多いのではないでしょうか。わたしもそうでした…しかしDAppsについてよく調べていくと、実は様々な可能性を秘めていることが分かってきました!今回はそのDAppsについて徹底解説していこうと思います!
目次
DAppsとは?
そもそもなんて読むのかわからないという方も多いのではないでしょうか?まず、読み方をおさえておきましょう♪
DAppsの読み方
「ディーアップス」もしくは「ダップス」と読みます!人によって読み方が異なるようで、どちらも知っておくといいかもしれません!
では、さっそく本題に入ります!!!
DAppsとはDecentralized Applicationsの略で「非中央集権・分散型アプリケーション」のことを指します。
従来のアプリケーションには管理者がいるため中央集権的と言われていますが…DAppsには管理者がいないのです!完全に分散された新しいアプリケーションなんです。
DAppsの定義って?
以下、DAppsの定義をまとめてみました♪
①アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること。
わかりやすく言うと、ソース(プログラムコード等)が公開されており、中央の誰かがオペレーションをしなくても、コードだけで勝手に動くということです。
あの有名なビットコインなどがそうであり、マイナーがそれぞれに利益を追求するだけで全体の管理者がいなくても、送金オペレーションが動くシステムがこれにあたりますね♪
これらは、ブロックチェーンという技術に基づいています。仮想通貨に似ていても、ブロックチェーンに基づかないアプリ(rippleなどの中央のコンセンサスによるもの)は、DAppsとはいえないのです!
②アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること。
簡潔にいうと、トークンによる経済圏が成立していることを意味します!ビットコインの場合、利用はビットコインというトークンを使ってなされ、送金手数料もビットコインで支払います!マイナーは、ビットコインによって報酬を得ます。
③アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。
要は、中央の主体が決めるのではなく、ユーザーのコンセンサスで仕様の変更などが行われることを言っています。
(The General Theory of Decentralized Applications, Dapps、http://doublehash.me/what-is-dapps/参照 )
もちろんです!ではさっそくメリットから見ていきましょう!
※ブロックチェーンってなんぞや?と思った方は下記の記事を読んでみましょう♪かなりわかりやすくまとめられています!!
どこよりもわかりやすくビットコインを説明!ブロックチェーンやP2Pなどの仕組みをご紹介!
DAppsのメリット
何といっても、DAppsの最大のメリットは「非中央集権的」であることですね!
現在、世の中に存在しているほとんどのサービスには中央管理者が存在しています。
私たちのお金を管理している銀行などもこれにあたりますね。
・管理者により多額の利用料の搾取される可能性
・アクセス集中によるサーバー落ちなど
が発生する恐れがあるのです。
もちろん銀行などの国から信用を置かれている機関であれば、多額の利用料の搾取が行われるとは思えませんが、そうでないサービスを利用する際はやはり心配になりますよね。
Dappsのデメリット
一見完璧に見えるDAppsですが、実は課題も残っているのです。
・手数料が高くなる可能性
・スケーラビリティ問題
・セキュリティー問題 などなど
仕組みが難しいのですが、できるだけかみ砕いて説明しますね♪
例えば、仮想通貨を使用した取引には手数料が必要です。
ブロックチェーンによって、情報が蓄積され、取引も増加すると、その分、ブロックのスケールアップが必要となります。結果手数料が増えてしまう可能性があるのです。
ゲームやソーシャルアプリ類のDAppsは、たくさんの人が参加し、多くのデータのやり取りが行われます。そのぶん取引にかかるスピードがかなりかかってしまうんですよね。
「取引の承認が遅い=ビットコインでいう送金詰まり状態=スケーラビリティ問題発生」が発生ということがしばしばあるのです。
しかしこれを解決してくれる、Loom networkというプロジェクトも最近始まっています!
スケーラビリティ問題に関してはこれからもっと改善されていくことが期待できそうです♪
そうですね…TheDAOのようにハッキングされる可能性もあり、「かなり安全です!」と言い切るのはまだ先になりそうです。
TheDAO事件って?
2016年6月、360万ETH(当時の価格で43億円ほど)がハッキングによって盗み出されました。調達した資金がハッカーによって不正送金されてしまったのです。
事件の概要だけ聞くと、ブロックチェーンを利用しているイーサリアム自体に脆弱性があったと勘違いする方が多くいます。
しかし、脆弱性があったのはイーサリアム上のプロジェクトである「The DAO」内のコードであって、イーサリアムのスマートコントラクトに異常があったわけではないのです。
つまり、セキュリティーの弱さはイーサリアムにあったのではなく、「The DAO」の中にあったのです!
いえ、Quantstampのような企業がDAppsのセキュリティ問題を解決しようと精力的に動いていますよ!
また上記で説明した、DAppsの定義にもあったように、DAppsは、ユーザー同士で相談し使いやすい方向へ柔軟にアップデートしていくことが出来ます!
セキュリティー面も今後より強化されていくかと思います!
DAppsの代表例
ここまでいろいろとDAppsのことについて紹介してきましたが、次は具体的にDAppsとしてあげられる代表例をご紹介していきます!
ビットコイン
有名なビットコインもDAppsの一つになります。
上記したDAppsの定義に当てはめても、ビットコインはこの定義をすべて満たします。
ビットコインをDAppsとしてみるということは、非常に重要なことです!しっかしと抑えておきましょう♪
※ビットコインについてもっと知りたい方はこちらをチェック♪かなりわかりやすくまとめられています!!
どこよりもわかりやすくビットコインを説明!ブロックチェーンやP2Pなどの仕組みをご紹介!
イーサリアムのスマートコントラクトを利用したDApps
イーサリアムはスマートコントラクトという機能を持ち合わせています。
もちろんですよ!少し英語の授業みたいになっちゃいますが…理解してもらえるように頑張ります♪
スマートコントラクトは英語表記にすると…smart contractとなりマス。これを日本語に直訳すると賢い(=smart)契約(=contract)という意味になります。
賢い人って、計算が早かったり、処理能力が高いですよね…
じゃあこれを人からシステムに置き換えてみると…処理スピードが速い…つまり「自動化」してしまえば、効率よく・処理能力も格段にあがりますよね!このsmartは「自動化」と考えると分かりやすいです。
スマートコントラクトとは契約の自動化(自動実行される契約)といえます。ここでいう「契約」とは、書面上で作成された契約のみをさすのではなく、「取引行動全般」をさします。
あらゆる契約行動をプログラム化し、自動的に実行しようとするものがスマートコントラクトです。
このスマートコントラクト機能を利用したDAppsがイーサリアムプラットフォーム上にいくつか存在しています!
以下、スマートコントラクトを利用する代表的なDAppsを紹介していきます!
※Fincleではイーサリアムについての記事もまとめています。併せてチェックしてみてください♪
イーサリアム(Ethereum:ETH)とは?特徴や仕組みなど徹底解説!
【ゲーム】
イーサリアムスマートコントラクトを利用したDAppsで現在最も代表的なのはゲームとなっています。その一つがBitPet(ビットペット)です!
BitPet(ビットペット)は2018年3月2日にリリースしたばかりの新しいDAppsゲームです。
かわいいキャラクターを売買・育成・配合・ミニゲームで遊ぶことができます!
ETHを入金しないとキャラクターが持てない課金ゲームですが、ただのゲームではなくゲーム内で仮想通貨を稼ぐこともできるんです。
そのため現在参加者が爆発的に増えています。
【分散型取引所(DEX)】
多くの分散型取引所(DEX)がイーサリアムプラットフォーム上に構築されています。
分散型取引所(DEX)とは取引を管理する「運営主体」が存在せず、個人対個人で取引が行われる取引所のことです。分散型取引所における資産の管理や取引記録は、全てその分散型取引所の存在するブロックチェーン上において行われるため、誰でもアカウント上の資産や注文履歴、取引記録などを見ることができます。
ここで、有名な分散型取引所を一つ紹介しておきましょう!
有名といえば、EtherDelta(イーサデルタ)です!イーサデルタは、古くからあるイーサリアム形式の分散型取引所です。分散型取引所の中でも利用者が多く、イーサリアム基軸通貨としていることもあって、安心して利用できる取引所の一つと言えます!
【その他】
現在多くのサービスや企業が様々なICO(トークン発行)プラットフォーム上でトークンを発行し資金調達を行っています。
ICOとはInitial Coin Offering=新規仮想通貨公開の略です。企業が資金を調達する際にオンライン上で多くの人から資金を募るクラウドファンディングや新規株式公開(IPO)などに似た仕組みを持っています。
つまり、資金調達をおこないたい企業やプロダクトチームなどが「仮想通貨を発行して資金を調達する」次世代の資金調達方法です。
ここでイーサリアムプラットフォーム以外でICOを行い、DAppsとして機能しているものを1つ紹介します♪
CryptO BnBです!シェアリングサービスである、AirBnBのイーサリアムプラットフォーム版になります。(因みに、本家のAirBnBが運営しているわけではないようです。)
支払いをイーサリアムのスマートコントラクトを利用して行っていきます。
CryptoBNB: An AirBnB alternative promising a smarter blockchain for better travel 参照
また、詳しいICOの説明はこちらの記事でも紹介しておりますので、気になる方はご覧ください!
【初心者向け】ICOとは?概要からメリット・デメリットまで徹底解説!
DAppsの将来性
DAppsのCEOであるDavid JohnstonはDAppsに関する説明書の中で以下のことを述べています。
Dapps have the potential to become self-sustaining because they empower their stakeholders to invest in the development of the Dapp. Because of that, it is conceivable that Dapps for payments, data storage, bandwidth and cloud computing may one day surpass the valuation of multinational corporations like Visa, Dropbox, Comcast, and Amazon that are are currently active in the space.
少しまとめてみると…
“DAppsはより発展していく可能性を秘めています。なぜなら、DAppsはステークホルダーに対し、DAppsの発展における投資を促すことが出来るからです。これにより、支払いやデータの貯蓄、クラウドコンピューティングなどが可能になると考えらています。そしていつか、VISAやアマゾンをはじめとした、世界有数の企業を凌駕していくことでしょう。”
これは期待大ですね。
デメリットが改善されることはもちろんですが、様々な機能が拡張されることでしょう!
まとめ
今回はDAppsについて解説しました!どうですか?少しでもDAppsについて理解を深めることができましたか?
今後、更なる発展を遂げるであろうDAppsを見守っていきましょう!
・DAppsは非中央集権の分散型アプリケーションである。
・管理者により多額の利用料の搾取される可能性や、アクセス集中によるサーバー落ちなどがない
・セキュリティー、手数料、スケーラビリティ面で課題が残っているが、これを解決するプロジェクトが動き始めている。
・DAppsの仕組みは、ビットコイン、分散型取引所をはじめ、さまざまなところで利用されている。
・将来的には、世界有数の企業を凌駕する可能性がある。