現在では1000種類以上あるといわれている仮想通貨は、それぞれのもつ目的にあった特徴をもっており、さまざまな魅力にあふれています。
例えば、ダッシュコイン(DASH) は取引速度が早いという特徴をもっていたり、イーサリアム(Ethereum)であればスマートコントラクトという特徴をもっています。
ところで、みなさんはMaker(メイカー:MRK)という仮想通貨を知っていますか?
Daiというステイブルコイン(価格が安定しているコイン)を支えるという目的のもと開発されたのが、このMaker(メイカー:MRK)という仮想通貨です。
今回は、他の通貨を支えるという他の通貨との関係性によって存在をアピールしている仮想通貨『Maker(メイカー:MRK)』について詳しく解説していきたいとおもいます。
目次
Maker(メイカー:MRK)とは
Maker(メイカー:MRK)は、Rune Christensen氏がCEOであるDaiFoundation(Dai財団)によって、2017年に開発、運営されている仮想通貨です。
Maker(メイカー:MRK)は、仮想通貨DAIの信頼性や価格の安定などをサポートするという役割を持っており、Maker(メイカー:MRK)を所有することで、Daiの管理権を獲得できるというシステムになっています。
Makerを用いた分散型プラットフォームを利用して担保集めをすることで、発行主体を集中させない仕組みを仮想通貨DAIに提供しており、仮想通貨DAIの信頼性に繋がっているといえるでしょう。また、それによって仮想通貨DAIの価格変動率を安定させる役割も担っています。
今までは、仮想通貨は価格変動率が高く、主に投機目的として注目されてきました。
しかし、仮想通貨の実用化に向けた沢山のプロジェクトが推進されてきている現在、徐々にMakerのように仮想通貨の価格変動率を最小限に抑えるアルトコインなど他の仮想通貨のサポートをする仮想通貨に注目があつまりはじめています。
2017年の仮想通貨DAIの取引開始と同時にMaker(メイカー:MRK)の取引も開始されました。取引開始時に発行された1,000,000MKRのうち530,000MKRは市場に流通し、残りの470,000MKRは開発チームが保有しました。
Maker(メイカー:MRK)に関しての基本情報は、つぎの表をご覧ください➡
仮想通貨 | Maker(メイカー) |
仮想通貨単位 | MRK |
公開日 | 2017年11月25日 |
時価総額 | ¥31,820,596,101 JPY (2018年8月17日現在) |
最大発行枚数 | 1,000,000 MKR |
公式ウェブサイト | https://makerdao.com/ |
ホワイトペーパー | https://makerdao.com/whitepaper/ |
https://twitter.com/MakerDAO |
時価総額ランキングは日々変動があるので、現在のランキングを知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/maker/
仮想通貨DAIとは?
Makerは仮想通貨DAIをサポートするために開発されたと先述しましたが、そもそも仮想通貨DAIってどんな通貨なの?とおもった方も多いのではないでしょうか。
ここで簡単に仮想通貨DAIについて紹介していこうと思います。
仮想通貨DAIは、通貨の価格が安定しているステーブルコインの一種です。
ステーブルコインには➀法定通貨担保型➁仮想通貨担保型➂無担保型の三種類がありますが、仮想通貨DAIは➁仮想通貨担保型にあたります。
➁仮想通貨担保型という名前からもわかるように、仮想通貨担保型は、通貨の価値を一定に保つための担保が仮想通貨という特徴があります。
また、非中央集権で担保がちゃんと確保されているかどうかがオープンにされているので安心して取引することができます。
仮想通貨DAIは、Ethereumのプラットフォームを利用しており、また常時価格が1DAI=1ドルに固定するペッグ通貨になることをめざして開発されました。ペッグ通貨とは、法廷通貨の裏付けのもと、法廷通貨と同等の価値で取引される通貨のことをさします。
なぜこのようなペッグ通貨が存在するかというと、法廷通貨に比べ仮想通貨の方が送金速度がはやく、送金時の手数料も安く済ませることができるからです。
しかし、価格変動の大きい仮想通貨を担保にすることで、担保である仮想通貨の価値が暴落した場合はどうなるのだろうと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
仮想通貨DAIの場合は、担保とするイーサリアムの枚数に対して発行されるDAIの枚数が減ることで、DAIの価値低下のリスクに対応しています。万が一、担保の仮想通貨の価値が低下した際の対応もあらかじめ用意されています。
仮想通貨Maker(メイカー:MRK)の特徴とは
まず、仮想通貨Maker(メイカー)の特筆すべき点は、Makerという存在によってDAIという他の仮想通貨の価格の安定や信頼性を支えているところにあります。
これを踏まえた上で、Makerの特徴についてみていきましょう。仮想通貨Maker(メイカー)の特徴は、つぎの3点があげられます。
❶TRFMと呼ばれる自動レート調整システム
❷CDPと呼ばれる独自のスマートコントラクト
❸ガバナンストークンとしての役割
それぞれ順番にみていきましょう。
❶TRFMと呼ばれる自動レート調整システム
市場が不安定になった場合に備えて、仮想通貨Maker(メイカー)は⽬標レートフィードバックメカニズム(TRFM: Target Rate Feedback Mechanism)という機能を実装しています。
この機能が動作することで、仮想通貨DAIの価値を常にドルと同等の価値に保つことができ、仮想通貨の実用性における懸念点である価値の流動性を最小に抑えることができるのです。
仮想通貨Makerの実装するTRFMを用いて、市場情報から法廷通貨の価値設定を行うことで、ドルなどの法廷通貨の価値とDAIの価値の間に乖離が生まれてしまうリスクを低減する役割を担っています。
❷CDPと呼ばれる独自のスマートコントラクト
仮想通貨Makerは、Collateralized Debt Position(担保付債務ポジション:CDP)と呼ばれるMaker独自のスマートコントラクト機能があります。
簡単に言うと、担保とする資産をMakerに預ける代わりにDAIを発行することができ、預け入れた担保資産にはアクセスすることができなくなるという仕組みです。
イーサリアムを用いて説明すると…
ユーザーはまず、イーサリアムを担保としてCDPスマートコントラクト上に預けることで、代わりに仮想通貨DAIが発行することができます。
その後、DAIで債務を、Makerで安定化手数料を支払うことで、担保として預け入れたイーサリアムを回収することが可能となります。
*安定化手数料とは…時間の経過とともに債務に累積されるお金
担保にできるトークンはイーサリアムだけでなく、様々な仮想通貨に対応予定だそうです。
担保にできるトークンの種類が増えれば、自ずとこのシステムの需要もあがっていきそうですよね。
以下がホワイトペーパーに記載されているCDPスマートコントラクトの詳しいプロセスです。
(https://makerdao.com/whitepaper/から引用)
Step➀:CDPを作成して担保を預託する CDPユーザーは最初にトランザクションをMakerに送信してCDPを作成し、次に Daiの⽣成に使⽤する担保の⾦額とタイプを別のトランザクションで送信してCDP に資⾦を調達します。この時点でCDPは担保されていると⾒なされます。
Step➁:担保されたCDPからDaiを⽣成する 次にCDPユーザーは希望する⾦額のDaiをCDPから引き出すためのトランザクショ ンを送信します。同時に、等価の債務がCDPに発⽣し、債務残⾼が返済されるまで は担保にアクセスできなくなります。
Step➂:債務を返済して安定化⼿数料を⽀払う ユーザーは、担保を回収したいときにCDPの債務を返済し、時間の経過とともに債 務に累積された安定化⼿数料を⽀払う必要があります。安定化⼿数料はMKRでのみ ⽀払うことができます。ユーザーが必要なDaiとMKRをCDPに送信して債務と安定化 ⼿数料を⽀払うと、CDPは完済状態になります。
Step➃:担保を回収してCDPを閉じる 債務と安定化⼿数料の⽀払いを完了すると、CDPユーザーは、トランザクショ ンをMakerに送信することにより、担保の全部または⼀部を⾃分のウォレットに ⾃由に戻すことができます。
❸ガバナンストークンとしての役割
仮想通貨Makerは、仮想通貨DAIを支えるガバナンストークンとしてのさまざまな役割を担っています。
Makerの所有者は、仮想通貨DAIのリスク管理やシステムに対する新しい提案から採用など、様々なDAIのシステムに関する決定の投票権を得ることができます。
多数決と同じように、多くの票を集めることができた提案がその後システムに採用される仕組みになっており、より現状に即した機能を実装することができるようになっています。
仮想通貨Maker(メイカー)の価格変動
上記のチャートは、2017年の取引開始時から2018年8月現在までのMakerの価格変動を表したチャートになっています。
Makerは、2017年1月に取引を開始し、取引開始当初は1MKR=22.10ドル、ビットコインにおいて1MKR=0.02401330BTC前後で取引が行われていました。
取引開始から2018年1月ごろまでは、Makerの価格は上場し続けており、2018年の1月下旬にはMaker取引開始以来の最高価格である1MKR=168,7ドル、ビットコインにおいて1MKR=0.13275700BTCを記録しました。
この価格上昇の背景としては、2017年12月頃から仮想通貨が注目され、ビットコインをはじめとする仮想通貨全体の価格の上昇に乗じて、Makerの価格も上昇したと考えられます。
その後、Makerの価格は下降し、1月に1MKR=1,600ドルの価値もあったMakerですが、同年4月には1MKR=500ドルまで下がりました。
4月中旬からは、また価格が上昇し始め5月の頭には1MKR=1000ドル前後で取引されるまで価格が高騰しました。
その後、Makerの価格は緩やかに減少しています。
現在は、1MKR=47,619JPYで取引されており、ビットコインにおいて1MKR=0.06729930 BTCで取引されています。
時価総額は、¥31,820,596,101 JPY で、時価総額ランキング29位にランクインしています。(2018年8月現在)
仮想通貨Maker(メイカー)の将来性
仮想通貨Makerは、仮想通貨DAIの価格を1DAI=1ドルに保つことをサポートするために開発されましたが、つまりは価格変動率が最小限に抑えることを目的にしています。
いま世の中に出回っている仮想通貨は、政府の規制やどこの取引所に上場したなどの出来事によって価格が変動しやすいため、価格変動率が高く、実用的に使えそうな通貨は少ないですよね…
このような価格変動率の高さをデメリットと捉える人々にとっては、価格変動を最小限に抑えることを目的としてる仮想通貨DAIは希望のような仮想通貨といえるのではないでしょうか。
そのDAIの価格の安定や信頼性がMakerによって支えられていることが認知されれば、自ずとMakerにも注目が集まってくるのではないでしょうか。
仮想通貨Maker(メイカー)の取り扱い取引所
残念ながら、2018年8月現時点では国内でMaker(MKR)を取り扱っている国内の取引所はありません。そのため、この仮想通貨の取引をしたいという方は海外の取引所を利用することが必要となります。
いくつか取引所を紹介していきます。
オーケーイーエックスとは先にほど紹介した、Binance(バイナンス)とHuobi(フオビ)と並ぶ中国の3大仮想通貨取引所の1つで世界最大規模の取引所といえます。
取り扱い通貨は、ビットコイン、イーサリアムをはじめ約150種類以上もの仮想通貨を取り扱っています。
またメールアドレスの登録だけで簡単に口座を開設することができます。
注意点としては、この取引所は日本円に対応していないため、日本円に対応している国内の取引所などでビットコインやイーサリアムを購入して、これらの通貨を用いてオーケーイーエックスで取引をすることが必要となります。
売買手数料は、Taker 0.15%-0.05%、Maker 0.20%-0.05%(取引数量により変動します。)です。
UKを拠点としている仮想通貨取引所で、取り扱いアルトコイン数は『BITTREX(国内でも有名な海外取引所)』に負けないくらい多く取り扱っており、新規の取り扱いコインもどんどん増えています。
しかし、2018年6月2日にHitBTCは日本居住者に向けたサービス提供を一時停止するという発表がありました。そのため、現在は日本居住者はこの取引所での仮想通貨取引はできません。(これは近々日本で会社をたちあげ、日本の決済資金法に基づきサービスを再開する見通しがあるためといわれています。)
Bibox(ビボックス)は、中国で2017年11月に誕生した仮想通貨取引所です。
Biboxは独自の通貨Bibox Token を発行していることと、運営チームにOKcoinの共同設立者とHuobi.comの中心的な創業メンバーも参加していることが特徴てきです。
また、トレードに必要な情報が一画面に収まっているうえに、国内の取引所に慣れている方には嬉しいインターフェース仕様になっています。さらには、KuCoinやBinanceといった大手の仮想通貨取引所とほぼ同じ操作性になっているので、簡単に利用することができるとおもいます。
売買手数料は、0.1%で、独自トークンであるBibox Tokenを保有していると売買手数料は通常の半額である0.05%になります。
ちなみに、知り合いを招待することで報酬がもらえるお得なサービスも提供しています。招待した知り合いの払った売買手数料のうち50%つまりは半分が永久に支払われるそうです。
Makerの買い方
取引所を紹介しましたが、海外の取引所でしか取引を行うことができないので、少しハードルが高いと感じてしまうかたもいるのではないでしょうか。
ですので、簡単に海外取引所での取引の仕方を紹介したいと思います♪
Makerを取り扱っている海外の取引所に登録
Makerは国内の取引所では扱われていないため、海外の取引所(Binanceなど)で購入する必要があります。
何故かというと、日本の取引所ではビットコインやイーサリアムなど主要なアルトコインしか購入できないためです。
国内の取引所に登録してビットコインなどを購入
海外の取引所に登録が完了したら、次に国内の取引所に登録する必要があります。
海外の取引所では日本円が使えないため、ビットコイン(イーサリアムなども可)を使い取引する必要があるためです。
そのためbitbankやzaifに登録してビットコインを購入しましょう。
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国内の取引所からビットコインを海外の取引所に送金
国内の取引所で購入したビットコインを海外の取引所に送金します。
送金が完了すれば、Makerを購入することが可能となります!
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、仮想通貨DAIの価値をサポートするために開発されたという稀有な特徴を持った仮想通貨Makerについてご紹介しました。