Tether(テザー)って何?テザー疑惑・オムニ(omni)などを簡単に解説!

アヤネ
こんにちは!fincle専属ライターのアヤネです。

今回は、仮想通貨Tetherのご紹介をしていきたいと思います。

アヤネ
まだあるのー?(泣)

と言わずに、仮想通貨の種類の多さは、新しい技術の多さ、と理解して近い将来、仮想通貨がこの世界をより便利に変えていく状況を想像してわくわくしてみませんか?皆さんも新しいことを始めるとき、ドキドキわくわくしますよね?仮想通貨にも同じときめきを感じることもできるのではないでしょうか?

では、さっそくTetherを見ていきましょう。

*今回は、ブロックチェーンに関する話題がたくさん出てくるので、おさらいしておこうという人はこちらの記事をチェック↓

どこよりもわかりやすくビットコインを説明!ブロックチェーンやP2Pなどの仕組みをご紹介!

Tetherの歴史

Tetherは2014年10月に運用が開始されたコインです。本社は香港にあります。Tetherは現実世界の通貨とTetherする=結ぶという意味のようですね。

公式サイトは右のURLからご覧になれます。Tether公式サイト

Tetherの仕組み―Omni(オムニ)とは?

では、Tetherはどのような仕組みを用いているのでしょうか?

Tetherはブロックチェーンの仕組みを用いて作られたオムニ(omni)というプラットフォーム(下の図の黒の部分)によって発行されているコインです。

オムニというのは、『オムニ7』や『オムニバス講義』という言葉から分かる通り、すべてのというような意味で、その分野に関係すること全部、1つのことではない、というふうにも解釈することもできるでしょう。したがって、オムニはTether以外のコインも発行しています。

Tetherの仕組み―PoR(プルーフ・オブ・リザーブス)とは?

Tetherの母体運営会社は、Tether Limitedという会社です。ユーザーはこの会社に法定通貨を預けると、Tetherを発行してもらうことができます。またTetherをこの会社に預ければ、法定通貨に換金してもらうことも可能です。TetherはTether Limitedにある法定通貨と同じ量しか存在しません。したがってTetherを法定通貨に換金してもらった瞬間に、そのTetherは消滅するのです。

Tetherは、PoR(proof of reserves プルーフオブリザーブス)というシステムを採用しています。

PoRとは、ざっくりいうと会社にはリザーブ(蓄え)があるので支払い能力があることのプルーフ(証明)になるよねという意味。

日本円をTetherに変えておいたけど、「やっぱり日本円が欲しい」となったときに「換金できません」といわれたら困りますよね?そんなことはないですよーということを示すため、「リザーブ(蓄え=法定通貨)がこれだけありますよ」というデータを公開しているのです。

アヤネ
確かに、安心感あるね

Tetherの特徴

Tetherの一番の特徴は法定通貨(円とかドルとか)と同等の価値を持つということ。簡単にいえば、1USDT=1円のようなことです。*USDTはTetherの単位です。

このような特徴を備えたコインなので、Tetherはよく『ペッグ通貨』のようなものであると説明されます。

アヤネ
ペッグツウカ?

ペッグ通貨とは、法定通貨とペッグ(peg:杭)しておいたもの、つなげておいた通貨です。

例えば、円とユーロをペッグしておきます。私は、円を所有していて日本に住んでいます。ある日突然、日本円が暴落したとします。日本円の価値はないに等しくなります。私は、日本円しかもっていないので、一文無しになってしまったかのように思われますが、日本円はユーロとつながっていいるのでユーロに換金すりことができ、無一文になることは回避できるわけです。

アヤネ
なるほどね

つまり、Tetherはブロックチェーンの利点と、価値の保障がないという仮想通貨全体のデメリットを克服し価値の保障をした通貨ということになります。

アヤネ
理想的なコインだね

ただし、2018年6月現在はアメリカドルとの交換のみです。これから日本円にも対応していきたいとしています。

Tetherのメリット

Lazare / Pixabay

①保障がある

②変動が少ない

という2点があげられます。以下で詳しく見ていきましょう。

保障がある

先ほども述べた通り法定通貨と同じ価値を持つコインであるので、他の仮想通貨に比べると保障があるとも言えます。仮想通貨は、保障がないことが一番のネックでもあったように、不安定であることがデメリットでした。しかし、Tetherは、保障があるので他の仮想通貨よりも信頼できるということがメリットと言えるでしょう。

変動が少ない

しつこいですが、Tetherは、法定通貨と同じ価値を持つコインですので、変動がおおくては困ります。法定通貨があまり変動しないのと同様に、Tetherもあまり変動しません。なぜかというと、Tetherは発行上限がなく、法定通貨と無限に交換できるので、取り合う必要がないからです。ほしい人は、普通に交換すればよいというわけですね。

*ただし、Tetherも仮想通貨なので、仮想通貨社会が崩壊するなど(価値が暴落)した場合は、Tetherの価格の急降下が予想されます。

Tetherのデメリット

TaniaVdB / Pixabay

では、こんなに完璧なTetherにはどういったデメリットがあるのでしょうか?

アヤネ
デメリットなんてなさそうだけどねー

それは、Tetherには管理者がいるということです。管理者とは、Tether Limitedのことですね。仮想通貨に使われている、ブロックチェーンというのは、管理者がいないことで手数料を安くし、かつ第三者なしでの取引の信憑性を保障するものでした。

しかし、Tetherには管理者がいるのでブロックチェーンが発明される前のような中央集権型のシステム(管理者一人が仕切っている状態)であるということが言えます。

アヤネ
なんで、中央集権型であることが、デメリットになるの?手数料がかかっちゃうってこと?

Tether Limited自体では、手数料は取っていないようです。では、なぜデメリットになるのでしょうか?

それは、管理者(=Tether Limited)が破綻したとき、あるいはハッキングに合った時に、一発KOになってしまうからです。

ブロックチェーンには管理者がいないので、どこか一点を攻撃するということはできません。したがって、ハッキングするならば、高速で偽のチェーンを作ることが必要でした。

しかし、Tetherの場合は、中枢システムが存在してしまうので、一点を狙い撃ちできてしまうのです。

アヤネ
それは、やばいやつじゃないですか!!

そうです。どんなものにも欠点はつきものですからね。このようなリスクがあるということを踏まえて運用するようにしましょう。

Tetherが人気の理由

ここからは、Tetherの人気の理由を探っていくことにします。

①価値の安定性

②法規制の抜け道

という2つの理由がありそうです。①については、さんざん上述したので、説明は割愛します。では、②について詳しく見ていきましょう。

アヤネ
怪しいにおいがする、、、わくわくしてきた!(ワクワクするところじゃないだろ!)

法規制の抜け道?

Tetherは中国当局が仮想通貨の運用を規制したことで、中国人投資家の口の端に上ることになりました。どうやらこのTetherは法規制の抜け道として使用され、このコインを通じて中国人投資家は仮想通貨を購入していたようですね。

このように法規制の抜け道として人気が出たというのは、喜ばしいことではありませんが致し方がないといったところでしょうか。

『テザー疑惑』?USDTの新規大量発行

Arcaion / Pixabay

こんなに理想的なTetherには、黒い噂があるのをご存知でしょうか?いわゆる『テザー疑惑』というやつですね。

ざっくり言ってしまうと、親会社であるTether Limitedには、本当はTetherの価値の意味付けとなるドル資産がないのではないか、言い換えると、Tetherの流通量と本社が所有しているドルの量が同等ではないのではないか、という疑惑です。

先述のとおり、Tetherは、法定通貨(2018年6月現在はドル)と同等の価値を持つコインということが売りのコインです。つまり、いつ何時でも、自分の所有するTetherをアメリカドルに換金することができる、ということが魅力のコインであると言い切ることができます。

そんなTetherが、本当はアメリカドルへの換金は不可である、かもしれないというのが今回の疑惑です。

この疑惑は、2018年1月末日のことを一般的には指すのですが、3月、5月にもこの疑惑に関係する黒い影が見受けられます。さらに、Tetherはこの疑惑以外にも契約を結んでいる銀行とのトラブルや、ハッキング被害等の不祥事があとを絶たないコインなのです。

しかし、Tetherは上記の通り、法の『抜け道』として中国人投資家が”爆買い”しているコインです。Tetherを通してビットコインを買うという図式が出来上がっているようですね。このような理由で、Tetherがいくら不祥事を起こしても人気が落ちなかったのです。

話が少しずれてしまったので、気を取り直して、まずこの疑惑の発端から見ていくとしましょう。

2018年1月31日、米商品先物取引委員会(U.S. Commodity Futures Trading Commission.通称CSTC)がTether Limitedと兄弟会社Bitfinexに調査に入りました。

これにより、世界中のTetherを所有している人たちは、恐怖や不安を感じます。「Tetherに変えた分のお金が戻ってこないかも…」と。

当然、人々はTether Limitedに外部監査を通して資産の証明をするように迫りました。しかし、Tether Limitedはそれに応じず。それだけでなく、Tether Limitedに監査に入ろうとしていた監査法人フリードマンLLPとの関係を打ち切ったとも発表したのです。

さらに、2018年3月には、Tether Limitedがたった一日で3億ドルぶんのUSDTを発行、さらに5月には約2億5千万ドル分のUSDTを発行したことが明らかになっています。

アヤネ
今は、Tetherを買わないほうがよさそうということはわかったんだけど、こんなに話題になっているってことは他にも何か問題があるのかな?

もしこのまま、中国人投資家たちの不安が敷衍していき、彼らがTetherを買うのをやめたとき世界には何が起こるのでしょうか?

それは『仮想通貨の暴落』です。

アヤネ
なんで?

このトリックを解説するにはまず仮想通貨世界の裏事情を説明する必要があります。以下で詳しく見ていきましょう。

実は、ビットコインを所有している人たちの多くは中国人です。中国政府当局が仮想通貨に対しての規制を厳しくし、中国人投資家はビットコインを所有、売買することができなくなったと思われがちなのですが、法の『抜け道』であるTetherを利用することによって彼らはまだ大量のビットコインを所有しているのです。

おそらく、それを知っているTether Limitedは、これを利用してビットコインの価値を自在に動かすことができるというわけです。

もうお察しでしょうか?そう、もし、Tether Limitedの不正が確定し、中国人投資家がTetherを買うのをやめたら、中国人投資家はビットコインを所有する手がなくなります。そうしたら、ビットコインを大量に所有している人たちがいっきになくなるので『ビットコインの暴落』が起こる可能性があるのです。

アヤネ
ヤバたにえん!(初めて使った)(表記の仕方ってこれでいいのかな)(若い子の言葉についていけないよ、、)

そうですね。この可能性があるので、大問題になっているようです。

今はまだ、ほぼ法の『抜け道』としてしか売買されていないコイン。今後はどうなっていくのでしょうか?今後もTetherの動向に注目ですね。

Tetherの取り扱い取引所

残念ながら国内の取引所では取り扱いがありません。海外の取引所で購入することは可能ですので、気になった方は海外の取引所をチェック。ちなみに、bitfinexやpoloniextといった取引所で扱っているようです。

日本の金融庁による審査は非常に厳しいのでなかなか海外の新たなコインを国内で取り扱うのは難しいようですね。

Tetherの価格

geralt / Pixabay

Tetherの価格は約1ドルです。先に説明した通りです。「安いから買いじゃん!」という安易な考えが危険なのはもうお分かりですよね。どんなコインを買う際にも言えることですが、危険性をしっかり理解して、それに納得してから購入にふみきるようにしましょうね!

アヤネ
Tetherを今購入するのは危険そうだね、、、発想は素敵なんだけどな

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回はTetherについてご紹介しました。Tetherの黒い噂があるうちは、Tetherに課金するのはためらわれますね。考え方は素敵なコインなんですがね、、、。まあ、これからの動向に要注目ですね。

また、Tetherのように価値が安定している、また別のコインも作られているようですので、気になる方はチェックしてみてください。

アヤネ
以上、アヤネがお伝えしました。