「コートを選ぶ際にはなるべくどのような洋服にも合うものを選ぶ」。これは節約に関するお決まりの文句のようになっています。しかし、発想の転換をしてみてはどうでしょう。「洋服を選ぶ際にはなるべくお気に入りのコートに合うものを選ぶ」と考えてみても良いのではないでしょうか。
ファッション全体の雰囲気を決めるのはコートです。コートにこだわりぬいておしゃれの工夫を惜しまない節約は、とても素敵だと思いませんか。
今回は、私が行っている「コートにこだわりながら節約する方法」について、コート選びのコツや他の服との合わせ方、そして気になる私の節約結果についてお話しします。
目次
コートにこだわった節約法のメリット・デメリット
コートへのこだわりを捨てないで節約する方法には、もちろんメリットとデメリットがあります。
実際、この節約方法に向いているのは、「流行にとらわれず、飽きにくい性格」の方だといえます。なぜそのようにいえるのでしょうか。
その理由を探るべく、メリット・デメリットについて具体的に確認して、自分に合う節約方法か確認してみましょう。
メリット
まずはメリットからご紹介します。主なメリット3点をご紹介しますね。
自分のファッションスタイルを簡単に確立できる
おしゃれに洋服を着こなそうとしても、自分の個性を素敵に表現したファッションスタイルを確立することは、そう簡単ではないですよね。
自分のファッションスタイルを確立する時、ポイントとなるのがコートです。コートは自分のファッションスタイルを決める枠組みであるからです。
何事も中身から決めるよりも、外の型から決めてゆくことで、それに合わせてしっかりと中身も伴ってゆくものです。コートという、外から見えやすく目立つもののコンセプト・スタイルを決めてしまうことで、洋服全体の雰囲気も統一できてしまうのです。
コート下に着る洋服を選びやすい
上の項目で触れたように、お気に入りのコートを決めることでファッションスタイルの外枠は既に確立されてしまっているので、中に着る洋服はコートに合わせてゆくだけで十分です。コートの色に合う服、コートのデザインに合う服を選んで、調和のとれたファッションを心がけましょう。
節約していてもおしゃれ度は落ちない(むしろセンスが格段に上がることも)
おしゃれだなと思う人はコートなどの目立つアイテムにこだわっています。アクセントをつけるのが上手なのです。
目立たないような場所におしゃれを施すのもとても粋ですが、一目見て恰好いい、きれいだ、と思える着こなしは印象的です。
コートにこだわることで、他の洋服がそれほど高価なものでなく目立たないものであっても、全体的なバランスを見た時にはあか抜けて魅力的に見えます。
その結果、中身の洋服は節約していてもコートでおしゃれ度は格段に上がるのです。
デメリット
メリットがあるのなら、もちろんデメリットもあります。しかし、デメリットには対処法があるので、十分補っておしゃれを楽しむことができるのです。
飽きが来る
コートに合わせた洋服選びをすることになるので、あまり多様な種類のファッションはできないという難点もあります。そのため、常に同じ系統の洋服ばかりで飽きてしまうこともあるでしょう。
しかし、コートの色に合う色は何種類か考えられます。工夫をこらせば一辺倒な組み合わせは防げるのです。
たとえば、私の場合すみれ色のコートを持っていますが、すみれ色などの紫系統であれば、黄色や白、グレー、菫色よりも濃い紫(または薄い紫)など豊富な色のコーディネートが可能です。
このように、コートの色に合う色を探すことで、色の知識も増えちょっとした趣味にもなります。「色彩検定」というものもあるので、このような検定がひょっとするとあなたの仕事にもつながることもあるかもしれません。
流行ものには挑戦できない
コートにこだわりを残した節約だけに限りませんが、流行ものに挑戦することはなかなかできません。やはり、流行ものはコインの表裏のように「流行り」があれば「廃れ」があります。
しかし、流行にとらわれないということは「オシャレでない」ということとは違います。様々な時代を生き抜いてきた優れたデザインのコートを選ぶことで、非常に洗練されたスタイルの服装を自分のものにできるのです。
流行ものに挑戦できないのであれば、いつの時代も素敵に見える服装を目指しましょう。
節約につながるコートの選び方
節約につなげるコートの選び方にはポイントがあります。
それは、①「思い切って」②「シンプルに」➂「少なく」です。ここではこのポイント3点についてご紹介します。
思い切って
せっかくコートにこだわるのですから、思い切って自分の好きなコートを選びましょう。コート選びには色に気を付けることが多いと思いますが、コートの色に気を遣う必要はありません。はっきりとした色でも、中に着る服をコートに合わせれば良いのです。どんな服にも合うコートを選ぶのではなく、直観的に着てみたいと思った素敵なコートを選びましょう。
しかし、注意すべきことはある程度の予算を決めてからコートを選ぶということです。コートは高いものだと際限なく高くなってしまうので、3万円以内などというように自分の予算を設定し、その範囲内で自分の気に入ったものを購入しましょう。
シンプルに
コートにある程度のこだわりがあるとしても、注意したいのが「シンプルなデザインを選ぶ」ということです。コートの色にはこだわっても、デザインがシンプルであれば、パンツや上着もより一層合わせやすくなります。
シンプル、といってもどのようなものを選べばよいかというと「流行に左右されない、いつの時代もすたれない」ものです。特にコートにこだわりながら節約する際には流行ものを買わないということが非常に大切な要点となります。
仮に流行もののコートを買ってしまうと、何年か経って流行が過ぎ去った時に着るのが恥ずかしくなって着用しなくなってしまうからです。すると、また別の新しいコートを購入することになるので、節約とは真逆の方向に向かってしまいます。
そのため、時代のふるいに掛けられても生き残ってきた、シンプルなデザインのコートを選ぶことが大切なのです。
少なく
コートを中心にして節約を考えるのですから、コートにはある程度お金を掛けます。長く使えるように、質の良いものを選びましょう。自分の予算に合う範囲内であればブランドものでも良いでしょう。
また、お気に入りのコートを買う代わりに、あまりたくさんのコートを買わないようにすることがポイントです。たくさん買ってしまえば、節約はできません。
私の場合、最低限、質の良いコートを真冬用に1着、春秋用に1着、合計2着しか持っていませんが、これで十分間に合います。コートの質が良いので、毎日何年も使用しても型崩れもしません。
コートに合わせた洋服選びのコツ
コートの選び方を抑えたところで、次はお気に入りのコートと合わせた、他の洋服の選び方について確認して行きましょう。大事なポイントは次の2点です。
コートに合う洋服のみを揃える
コートにこだわる節約方法では、徹底的にコートに合わせた洋服選びが大切です。この時に特に大切なことはコートに合う色を選んでゆくということです。どの色にも合う色は白なので、上着なでは白いものを揃えておくと上手く使い回せます。
また、色の濃淡にも注意して選びましょう。私の場合は先程お話ししたように、すみれ色のコートを愛用していますが、比較的“濃い”すみれ色です。したがって、下に着る洋服を選ぶ際にはなるべく薄いものを選ぶようにしています。この点でも、白という薄い色の服は非常にコートとの組み合わせが行いやすいです。
高すぎず質の良い洋服を、ジャンル別に異なる色で1着ずつ選ぶ
コートにこだわった節約なのですから、色だけでなく、その質や値段を注意深く見ることが大切です。
まずは、色を選ぶ際に注意することについてお話します。色については、私がコートの下に着る洋服選びの際に大切にしている決まりがあります。それは「洋服1ジャンルにつき1着、異なる色を選ぶ」という決まりです。
この説明だけでは分かりにくいので、もうすこし具体的に説明しようと思います。私を例にすると、コートはすみれ色なので、黄色や白、グレー、すみれ色よりも濃い紫(または薄い紫)、青または水色が合います。
毎日着る洋服なのでなるべく一辺倒なファッションにはしたくありませんよね。したがって、私の場合は上着は白のセーター、水色のニット、グレーの丸首の長袖シャツ、下はクリーム色のスキニーパンツ、すみれ色よりも薄い紫のスカート、濃い青のジーンズを着用しています。
それぞれジャンルも色も異なる上着3枚とスカート・パンツ類3着をうまく組み合わせて着こなすことで、持っている洋服も6着だけで済んでしまいます。
次に、値段についてですが、「質の良い洋服を最低限」そろえることがポイントなので、多少値が張っても良いものを選びましょう。質の良いもの、といってもブランドものでなくて大丈夫です。2000円から5000円以内の上着・パンツ・スカートを選びましょう。私の場合、パンツはユニクロのものが質が良く長持ちするのでこちらを愛用し、スカートや上着などは3000円ほどでお気に入りのお店にて購入します。
実際にどれほどの節約ができるのか
それでは、いままでご紹介してきた方法で私はどれほど節約ができたのでしょうか。
私は数年前までは毎月大体1万円を洋服代に費やしていました。年間12万円です。今考えるととても大きな額です。2年に1回ほどコートも買い替えていたので、毎年12万は掛かっていました。
しかし、コート選びにこだわってからは随分と節約できました。
まず最初に、お気に入りのコートを冬用に1着、春・秋用に1着と決めて、3万円ほどのコートを2着、合計およそ6万円で揃えました。
コートを揃えた同じ年には冬用の衣服(スカート・パンツ・上着)、春・秋用の衣服、夏用の衣服をそれぞれ1万5000円ほどで揃えたので合計4万5000円です。
つまりコートを揃えた年には年間で洋服代が10万5000円とすでに例年とくらべて1万5000円も安く抑えられたのです。
翌年からは、コートは買わずに済み、また他の衣服もジャンル・色が被らないように気を付け、質にも注意して選んだので、毎年年間6万円ほどで済んでしまっています。
数年前は年間12万円、今では年間6万円。コートにこだわったことで洋服代の出費が半分に抑えられてしまったのです。
最後に
あえて自分の好きなコートにこだわるということで、驚くほどおしゃれに節約できてしまうということが分かったのではないでしょうか。
私も以前は、あか抜けて素敵なコートに憧れながらも、どの洋服にも合う一般的で無難な色のコートをしぶしぶ購入していました。
しかし、「コートを洋服に合わせる」という発想をひっくり返し、「洋服をコートに合わせる」という決まりを作ったところ、6万も節約できてしまったのです。
「節約はおしゃれのガマン」ではありません。是非、「おしゃれすることこそ節約になる」ように工夫してみたくださいね。