臨時福祉給付金の対象者と申請方法をわかりやすく解説するよ!

突然ですが、臨時福祉給付金という制度を皆さんはご存知でしょうか。電車内やテレビの広告で、赤い頭巾をまとった忍者が「確認じゃ!」と言っている宣伝を見たことがある人もいるかもしれません。臨時福祉給付金は、平成26年4月に行われた消費税増税で家計が苦しくなった、所得の少ない人の生活を支えるために発足した給付金です。

今回は臨時福祉給付金の制度の概要と、その申請方法や条件についてご紹介します。加えて所得が少ない人の生活を支える生活保護の制度についても着目し、普通の生活を送るためのこれら制度の大切さについてお話していきます。

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臨時福祉給付金について

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まず臨時福祉給付金という制度の概要についてご紹介していきます。

臨時福祉給付金とは

臨時福祉給付金は、平成26年度4月に実施された消費税増税による影響を緩和するために、実施された給付金制度です。対象となる方はざっくり説明すると所得の少ない方です。もちろん給付金を受けるためには必要条件を満たす必要がありますが、消費税増税によって生活が今まで以上に苦しくなってしまった方に対し、新たな制度等の対応を行うまでの臨時措置として給付金が用意されています。

この臨時福祉給付金を受け取る場合、自身が住んでいる市町村によって申請できる時期や申請方法が異なるため、詳細を知りたい場合には、自分の地域の広報等への確認が必要です。ないしは、厚生労働省給付金専用ダイヤル(0570−037-192)が用意されていますから、こちらへ電話することでも確認は可能です。

給付条件は?

平成29年度の臨時福祉給付金を受け取ることができる人は、平成28年度臨時福祉給付金の支給対象者となります。

平成28年度臨時福祉給付金対象者とは

この対象者は詳しく説明すると、平成28年度分の住民税の均等割(市町村民税)が課税されていない人が対象となります。ただし本人が、住民税の均等割で課税されている人の扶養となっている場合、生活保護制度の対象者の場合には”対象外”となります。

住民税について

住民税とは、先に登場した市町村民税と道府県民税の総称を指します。東京都民であれば、市町村民税は23区のみ特別区民税、道府県民税は都民税という名称となります。住民税は、その住んでいる地域の住民が地域社会にかかる費用を分担するというイメージで課されている税金です。

先に紹介された「均等割」というのは、一人ひとりの所得金額に関わらず定額で設定されている税金です。一般的によく知られている、聞いたことがある人もいるであろうものは「所得割」と呼ばれるもので、これは前年度の所得金額に応じて税額が設定されるものです。

住民税は、基本的には自分の所得や年金で得られる収入が非課税限度額を超えた場合には課税されます。会社に勤めている人であれば、給与明細書に「住民税」の項目はあるでしょうし、課税額も記載されているはずです。

臨時福祉給付金などの関係で、自分に課せられている税金の状態を調べたい場合には、市町村の税務担当課など税金担当の部門へ直接問い合わせる必要があります。ちなみにかなり重要な個人情報となりますから、電話等での問い合わせでは回答できない場合があります。必ず本人が直接出向くようにしましょう。

参考文献:確認じゃ!臨時福祉給付金(経済対策分)

どのくらいもらえるの?

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臨時福祉給付金の制度についていくらか分かったところで、気になる金額等についてご紹介していきます。給付金で受け取れる金額に対して、どのように思うのかは人それぞれなので分かりませんが、少なくとも生活を支えるために国が直々に支えてくれると考えると、有り難い制度であることには変わりありません。

どのくらいもらえるの?

気になる支給額は、対象者1人に対して1万5千円です。またこの支給は1回限りとなります。この金額は平成26年4月に実施された消費増税において、生活していくには欠かせない食料品にかかる支出金額の増加分を参考にしています。平成29年度に対象となっている臨時福祉給付金は、平成29年の4月から平成31年9月までの2年半が対象となっています。食料品増加分の金額は1年あたり6千円を基盤としているため、2年半分を対象と考えると1万5千円となります。

この2年半という期間ですが、これは消費税率が10%まで上がるという話と、軽減税率導入という話が2年半延期されたことから来ています。国も経済対策の観点から、社会全体の所得を支えよう、所得の少ない方へも安心してもらおうという考えから、生活にかかる影響分である”1万5千円”という金額を一括支給することに至ったのです。

どんな人がもらえるのか?

先にも紹介しましたが、平成29年度臨時福祉給付金を受け取るためには、平成28年度の臨時福祉給付金対象者でなければなりません。もっと分かりやすく紹介すると、平成28年度の臨時福祉給付金対象者は、その前年度分の住民税が課税されていない人を指します。

ただ先にも紹介した通り、課税している人に生活を支えてもらっている場合(扶養に入っている等)、生活保護の制度を受けて生活を支えてもらっている場合には対象外となります。

住民税が課税されない収入とは

住民税が課税されない収入ですが、給与所得を受けている人の場合、単身であれば100万円、夫婦であれば156万円、夫婦で子供が1人いる場合には205.7万円、子供が2人なら255.7万円となります。

年金等で生活している場合には、その年金の受給額によって課税か非課税かが決まります。単身で65歳以上であれば155万円、未満であれば105万円です。夫婦で65歳以上であれば211万円、65歳未満であれば171.3万円です。

給与所得の有無、単身か夫婦か、子供の数など様々な用件で非課税となる限度額は変わります。そのため、収入額がこの限度額に達していないのであれば臨時福祉給付金を受けられる可能性はあります。自分の状況を知りたい場合には、市町村の税担当の課などに出向き、相談してみましょう。

主婦でももらえるの?

主婦という肩書きだからもらえない、ということはありません。もし専業主婦でパートタイムの仕事なども行っていない人であれば、収入がないということになりますから、平成27年度分の住民税は課税されていないことでしょう。ただ今までバリバリ仕事をこなしていて、様々な事情で専業主婦になった場合には、前年度の所得額によって住民税の課税対象となっている場合もあるので、確認は必要です。

加えて、臨時福祉給付金の対象外となる人は「課税対象者に扶養されている場合」が挙げられます。そのため旦那さんの収入によっては対象外となることがあります。先に紹介した住民税非課税限度額を超えた収入を旦那さんが稼いであるのであれば、対象外となります。

条件をもう一度確認しよう

主婦の他、無職の場合や学生の場合はどうなるのか、という問い合わせもよくあるようですが、基本的には条件が合致していれば支給対象となります。もちろん無職であっても学生であっても、親などの扶養に入っていて、その人が課税されていれば対象外となります。生活保護を受けていても対象外です。

加えて学生であれば注意したいのが、アルバイト等の収入額です。アルバイトの収入は立派な給与所得です。年間100万円を超える所得になれば、住民税の課税対象となります。

参考文献:臨時福祉給付金をもらえる人ともらえない人は?申請方法まとめ

申請してみよう

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もし条件に当てはまり、臨時福祉給付金を受け取れる対象者なのであれば、申請してみましょう。生活に困っている時に、少しでも生活の役に立つ制度があるのであれば、活用しない手はありません。しっかり申請方法を確認し1万5千円を受け取って、生活のために利用してください。

申請方法は?

まず平成29年度臨時福祉給付金を受け取るためには、平成28年の1月1日時点で住民票があった地域での申請が必要になるという点を注意してください。また申請期間や方法は市町村によって異なりますから、今回基本的な申請方法はご紹介しますが、実際に申請する際には、事前に条件地域でのホームページ等を確認し、その地域における申請方法を必ず確認してください。

まず申請書を手に入れましょう。平成28年1月1日に住民票のあった市町村で申請書を受け取り、必要事項を漏れなく記入しましょう。必要書類等を用意する必要もあるので、出来る限り時間に余裕を持って申請することをおすすめします。申請書記入、必要書類を用意、添付し終えたら、各地域の受付期間内に郵送か直接持ち込みで提出しましょう。

給付金を受け取る条件を満たしている場合には、申請書に記入した口座に入金されます。もし口座を持っていない場合には、申請先に相談しましょう。

 

よくある質問や注意事項

申請時、様々な疑問やどうすべきか分からない点が浮かぶと思います。臨時福祉給付金においてよく挙げられている疑問点についてご紹介していきます。

平成28年度支給対象者だが、支給金を受け取っていない場合は?

平成29年度臨時福祉給付金を受け取ることのできる対象者は、平成28年度臨時福祉給付金の支給対象者とされていますが、平成28年度の給付金を受け取っていない人もいることでしょう。ただ平成28年度の対象者であることが条件ですから、支給金を受け取っているか否かは関係ありません。受け取っていなくとも、対象者であれば平成29年度分として用意されている1万5千円は受け取ることができます。

もちろん何度も言いますが、扶養親族となっている場合、生活保護の対象となっている場合には支給対象外です。

ホームレス等住居を持たない場合は?

中には住民票がないという方もいるかもしれません。その場合には、住んでいる市町村にて住民票の手続きをすることで臨時福祉給付金の申請は可能です。この場合は平成28年1月2日以降であっても、手続きによって申請が可能になるので、対象であれば諦めず、手続きを踏んでしっかり給付金を受け取ることをおすすめします。

DV被害などの被害から逃げるため、住民票を移している場合は?

DV被害や虐待などを理由に、自分の身を守るために住民票を移していたりする場合には、その現在の住民票がある市町村への申し出によって支給を受けることができる場合があります。つらいかもしれませんが、現在住んでいる市町村へ問い合わせ、よく相談し、対象であれば臨時福祉給付金を受け取りましょう。

参考文献:確認じゃ!臨時福祉給付金(経済対策分)よくある質問

生活保護と臨時福祉給付金について

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臨時福祉給付金を受け取ることのできない対象外の項目に「生活保護の対象」とあります。臨時福祉給付金についてご紹介しましたが、普通の生活を支えるために存在する制度である生活保護についてもご紹介させてください。

生活保護の場合は、給付金を受け取れない

今回の主軸である臨時福祉給付金は、生活保護の対象、被保護者となっている場合には支給対象外となります。というのも、生活保護制度では最低限度の生活が保証されるだけの支給額がすでに設定されています。もし給付金が支給されたとしても、収入として認定され生活保護制度の方からその金額を差し引かれてしまうため、本人の手取りにはなりません。

生活保護の制度とは

生活保護という言葉は耳にしたことがあっても、その概要を詳しく知っているという人は少ないのではないでしょうか。この制度は”普通の生活”を送ることが難しい人に対して、”健康で文化的な最低限度の生活”を保障する目的があります。加えて自立した生活を送ることができるようにサポートする目的もあります。

最後にもご紹介しますが、”普通の生活”や”健康で文化的な最低限度の生活”への考え方が人それぞれ違いますから、生活保護への批判やバッシングが生じているのも現実です。ただいずれにせよ、経済的にも社会的にも弱い立場に置かれてしまった人達の助け舟となっていることは確かです。

生活保護について相談、申請する場合には、その地域にある福祉事務所や役場などの生活保護担当に相談しましょう。

生活保護を受けるためには

厚生労働省が提示している生活保護を受けるための要件には、

生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

引用元:生活保護制度 厚生労働省

とあります。基本的には自立を助長するための制度であるので、生活費に企てることのできる資産等があるのであれば、それをまずは積極的に活用することが推奨されています。例えば利用できる資産として挙げられているのが貯金や土地、家です。貯金を切り崩し、利用できていない土地を売却するなどして生活費に当てることが勧められています。

また働くことができるのであれば、当たり前のことかもしれませんが、働くことを勧めています。生活保護の制度ではなく、国民年金やその他の給付金制度などを受けられるのであれば、それらを優先することが勧められます。親族等から援助を受けられるのであれば援助を受けるように勧められます。

生活保護制度は、あらゆる援助や活用できそうなことを駆使しても、ないしはそれが全く駆使できない状況において受けられる制度だと考えて良いでしょう。厚生労働省が出す最低生活費とその世帯における収入を比べた時、定めている最低生活費に満たない生活に追い込まれている世帯に対しては、保護制度が適用されるのです。

生活保護に至るまでの流れ

生活保護の申請や相談は、先に紹介した福祉事務所などの生活保護担当が受付てくれます。制度の説明や得ることのできる資金の活用等々について説明してくれるので、困った時にはまず一度足を運びましょう。申請を行うと、生活保護制度を受けることができるかどうか、調査が実施されます。生活状況について確認するために家庭訪問が行われたり、貯金など資金についての調査、仕事に就けるかどうか等、上記で紹介した要件を確認していきます。

生活保護制度を受けることができると、毎月保護費が支給されます。これは厚生労働省で確認することのできる最低生活費から年金や収入を差し引いた金額となります。自立が目的ですから、保護費を受給している最中は、収入を毎月申告しなければなりません。就労への指導や助言なども行ってもらえます。

生活保護の申請には、臨時福祉給付金のように事前に必要な書類などはありません。ただし制度について当人が理解する必要がありますから、必ず生活保護担当の下で事前に相談する必要があります。また事前に必要な書類はありませんが、申請後調査のため、通帳の写しや給与明細書が必要になる場合はあります。

参考文献:生活保護制度 厚生労働省

生活保護の現状

ちなみに現在、生活保護を受けている世帯で、65歳以上の高齢者の世帯が過去最多となり、受給世帯の半数を超えていることが厚生労働省の調査で分かっています。50.8%が65歳以上の高齢者なのですが、そのうち9割は単身世帯と聞きます。

2014年6月時点で、高齢者世帯の内約6%が生活保護を受給していると言います。年金の受給額が低い、または年金がない状態で、身寄りもないため、生活保護制度に頼るしかない高齢者は増えており、高齢者の貧困は深刻化していると言います。

 

参考文献:生活保護、高齢者が初めて50%超す 厚労省調査

給付金などの制度は”恥”なのか?

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最後に臨時福祉給付金や生活保護といった、生活を支えるための給付金制度に対する厳しい声についてご紹介していきます。今回紹介する番組の話は聞いたことがある人も多いかもしれません。貧困や”普通の生活”への価値観は人それぞれ違いますが、給付金制度などを受けることは本当に”恥”と言われるものなのでしょうか。

生活保護制度についてのバッシング

生活保護制度を受けている女子高生についての番組があり、そのニュースに対して沢山の批判が寄せられたことが一時期話題になりました。その番組では女子生徒が母子家庭という経済事情により、専門学校への進学をあきらめたというお話が主軸となっていました。

その番組では、2人で生活しているアパートに空調がないことなど、厳しい経済事情における生活の様子を伝えていましたが、番組放送後、その映像の中に高価なイラスト用のペンがあったという指摘や、女子生徒のTwitterが特定され、映画を観たり、1,000円のランチを食べていることが曝され、批判の的となりました。

批判をした人達の意見としては、映画といった娯楽や、外食にかかる費用などを知って「生活の余裕がまだあるのではないか」「もっと切り詰めた生活の中で苦しむ人もいるのではないか」などが挙げられるのではないでしょうか。

ただ生活保護制度を受給する条件や、生活保護制度を受けていない人から見た「貧困」への考え方などの違いが、このような批判、バッシングにつながったのではないかと考えています。

貧困とは何か

「貧困」と聞くと、私などはどうしても「衣食住が満足に行うことのできない」様子を思い浮かべてしまいます。食事も摂れない、衣類もない、住むところもない、といったギリギリの状態での貧困は「絶対的貧困」と呼ばれています。栄養不良や低所得、教育が満足に受けられないなどの状態を指していると言えます。

ただこの絶対的貧困においては、社会保障などで貧困をなくそうという動きもあり、先進国などでこのような状態の貧困の様子を見ることは、あまりなくなったかのように思えます。

しかし、この絶対的貧困とは別の概念が生まれました。それが「相対的貧困」です。英国の社会学者であるピーター・タウンゼントという人が提唱した「相対的剥奪」という概念では、「最低限の衣食住が保障されていれば、人間的な生活が送られていると言えるのだろうか」という問題提起が為されました。

これが今回時々言葉として登場した”普通の生活”への基準の違いにつながります。国毎に違う”普通の暮らし”の概念が出来ていなければ、その人は「絶対的貧困」ではなくても「相対的貧困」だと考えられるわけです。

ちなみに日本の憲法では「相対的貧困」の考え方に近いですね。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳っているわけですから。

 

参考文献:絶対的貧困と相対的貧困

死ぬぐらいなら援助を受けてほしい

私も「貧困」という言葉について考えた時に、「絶対的貧困」のイメージが湧いてしまったのと同様「相対的貧困」について定義づけるのはなかなか難しいことだと思います。いくら日本の憲法での権利が「相対的貧困」に近い考え方だと言っても、今回の女子生徒の件で生じたような批判はどうしても起こりやすいものでしょう。

ただ私は、どうしても生活が苦しくなり、でもこのような批判や自分自身のプライドが許せなくて生活保護制度を受けることができず、そのまま死んでしまうくらいならば、援助を受けてほしいと思っています。

今回の臨時福祉給付金も、生活保護も、受けられる制度は受けた方がいいと考えています。何故なら苦しんでいる人を支えるために用意された制度なのですから。

まとめ

臨時福祉給付金は、消費税増税の影響で生活が苦しくなった人を一時的に支えるための給付金制度です。平成29年度を受給するためには、平成28年度の臨時福祉給付金の対象者である必要はありますが、条件を今一度確認し、受給できるのであれば、しっかりと制度を頼り、生活を支えるために利用することをおすすめします。

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