株式投資において売買価格の差で利益を出すキャピタルゲインのほかに、インカムゲインと呼ばれる配当金による利益も大きな魅力の1つです。
そこで、今回は「配当金ってそもそも何?」というところから、配当利回りの多い上位5社をランキングにし、「どのくらいもらえるの?何をしている会社なの?」といった所を徹底解説していきます。
目次
配当金とは?
はい。ズバリ解説します!配当金とは「企業が出した利益に応じて1部を株主に還元する」というものです。ただ、株式を持っているだけで勝手に貰えるわけではなく、企業の利益から還元されています。
配当金=1株の年間配当金の額×保有している株数
例えば、ある企業Aの株を百株持っていたとします。企業Aが「1株あたり、1年間の保有で10円を配当金として還元しますよ」とした場合、10×100=1000で、1000円の配当金が貰えることになります。
配当金はどうしたらもらえる?
安心してください!配当金をもらうために必要な手続きは必要ありません。配当金が貰える権利最終日までに購入し、権利落ち日まで株式を保有していれば配当金をもらうことが出来ます。2018年度の配当金の権利最終日と権利落ち日の一覧を用意しました。
2018年 | 権利付き最終日 (この日までに買って) | 権利落ち日 (この日まで持ってる!) |
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1月 | 26日(金) | 29日(月) |
2月 | 23日(金) | 26日(月) |
3月 | 27日(火) | 28日(水) |
4月 | 24日(火) | 25日(水) |
5月 | 28日(月) | 29日(火) |
6月 | 26日(火) | 27日(水) |
7月 | 26日(木) | 27日(金) |
8月 | 28日(火) | 29日(水) |
9月 | 25日(火) | 26日(水) |
10月 | 26日(金) | 29日(月) |
11月 | 26日(月) | 27日(火) |
12月 | 25日(火) | 26日(水) |
残念ながら、そんなにたくさんは貰えません。企業にもよりますが4パターンに分かれています。
- 年1回・・・期末決算後(1~3月)
- 年2回・・・中間決算後(7~9月)・期末決算後(1~3月)
- 年4回・・・各四半期決算後(3ヶ月毎)
配当金のある企業でほとんどの企業は年に1回か2回になっています。中には4回配当金をもらえる会社もあるみたいなので、チェックしてみてください!
配当金の受け取り方
いざ、配当金が貰える!となった時、「あれ、どこでどうやって受け取るの?」とならないように配当金の受け取り方もしっかりと抑えておきましょう。
1、「配当金領収書方式」
これは、銀行や郵便局で配当金を受け取る方法です。配当金の額が決まってから、「配当金領収書」が株の発行会社から直接、自宅へ送られてきます。必要事項に記入・捺印し、それを持って銀行や郵便局にいくと、現金で配当金を受け取ることが出来ます。現金で配当金を受け取る喜びを感じたい!という方はこちらがお勧めです。
2、「個別銘柄指定方式」
これは、銘柄ごとに配当金を受け取る口座を設定していくと、指定した口座に配当金が振り込まれるという物です。銘柄ごとに金融口座が選べる点がポイントで、個別管理したい方にお勧めです。
3、「株式比例配分方式」
この方式は、配当金がそれぞれの証券会社の口座に入金される方法です。登録している証券会社が複数ある中で、どこか1社でこの方式を選ぶと、ほかの証券会社でもこの方式が適用されることになります。配当金をスムーズに次の投資資金にすることが出来ます。
4、「登録配当金受領口座方式」
この方法は、複数の証券会社に口座を持っていたとしても、指定した1つの金融機関の口座にすべての株式の配当金が支払われる方法です。1括して1つの口座で管理したい場合は、この方式がお勧めです。
配当利回り
これも難しい言葉じゃないんです。簡単に説明すると配当利回りとは、購入した株価に対して、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを表す指標です。
配当利回りは次のように計算します。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株の購入価格×100
1株当たりの年間配当金は、四季報の配当欄で見ることが出来ます。
例えば、配当金が1株当たり50円だとして、1株当たりの購入金額が10,000円の時、
50÷10,000=0.005
0.005×100=0.5
よって、この株価の配当利回りは0.5%となります。
気を付けるべきポイント
配当利回りは、株価が下がるほど、どんどん上昇していきます。利回りの視点からは「なんていい銘柄を発見したんだ!」と思う事があるかもしれません。
しかし、1つ注意が必要です。その株価の下落は、業績の悪化や何か問題を抱えている事で起きているはずです。どんなに利回りが高くても、業績の悪化により無配になってしまっては元も子もないので気を付けましょう。
配当利回りの目安は?
配当利回りは、東証1部上場企業において、中間決算と期末決算後の2回の配当で2%の利回りが平均であると言われています。平均の利回りが分かったところで、東証1部上場企業の利回りトップ5を紹介していきます!それぞれ過去5年分の配当利回りについても見ていきましょう。
配当利回りトップ5
順位 | 証券コード | 銘柄名 | 配当利回り(予想) |
1 | 8628 | 松井証券 | 7.10% |
2 | 8613 | 丸三証券 | 6.77% |
3 | 8616 | 東海東京フィナンシャル・ホールディングス | 5.81% |
4 | 7201 | 日産自動車 | 5.42% |
5 | 8622 | 水戸証券 | 5.14% |
更新:2018/10/1 15:38現在
第5位 水戸証券
水戸証券は名前の通り、茨城県水戸市が発症の地です。丸三証券や東洋証券などと肩を並べ、中堅証券会社に位置づけられます。以下は過去5年の配当利回りの推移です。
年 | 配当利回り |
2014年3月 | 3.63% |
2015年3月 | 3.66% |
2016年3月 | 4.15% |
2017年3月 | 2.3% |
2018年3月 | 4.77% |
2018年では、一株当たりの配当金が20円であるので、購入単位の100株購入(38,400円)した場合、年間2,000円の配当金が受け取れます。
第4位 日産自動車
4位には日産自動車がランクイン。大手の自動車メーカーで、Nissanの車を知らない人は少ないと思います。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
年 | 配当利回り |
2014年3月 | 3.33% |
2015年3月 | 2.69% |
2016年3月 | 4.04% |
2017年3月 | 4.41% |
2018年3月 | 4.8% |
- 安定的に配当利回りは高いですが、今年はさらに配当利回りが上がると予想されています。2018年度では、1株当たりの配当金が53円で、売買単位は100株単位あるので、100株購入(105,150円 )した場合に配当金として5,300円受け取ることが出来ます。
第3位 東海東京ファイナンシャル・ホールディングス
準大手に位置づけされる証券会社です。東京証券と東海丸万証券が合併して発足しました。
年 | 配当利回り |
2014年3月 | 3.72% |
2015年3月 | 3.61% |
2015年3月 | 4.58% |
2015年3月 | 4.42% |
2018年3月 | 5.17% |
2018年では1株当たり38円の配当金であるので購入単位の100株(65,400円)を購入した場合、3,800円の配当金になります。
第2位 丸三証券
第5位で紹介した水戸証券と同じ中堅証券会社に位置づけられています。
年 | 配当利回り |
2014年3月 | 6.51% |
2015年3月 | 6.89% |
2016年3月 | 6.42% |
2017年3月 | 5.36% |
2018年3月 | 6.44% |
2018年度では1株あたりの配当額が65円なので、購入単位100株なので、100株購入(95,900円)の場合には6,500円を配当金として受け取ることが出来ます。
第1位 松井証券
もともと中堅証券会社であったが、インターネット証券に参入し大きく成長した証券会社です。2001年8月には、インターネット取引専業の証券会社として、日本で初めて東証第1部に上場しました。
年 | 配当利回り |
2014年3月 | 4.77% |
2015年3月 | 3.61% |
2016年3月 | 4.64% |
2017年3月 | 3.75% |
2018年3月 | 4.56% |
要点チェック!
・配当金=1株の年間配当金の額×保有している株数
・配当金は権利付き最終日から権利落ち日まで持っているだけで支払われる
・現金で受け取りたい派・個別管理したい派・次の投資資金にしたい派・1括管理したい派で受け取り方を決めよう
・配当利回り=1株当たりの年間配当金額÷1株の購入価格×100
・配当利回りは安い株価で多くの配当をもらえるかを見る指標
・業績悪化による株価下落、利回り上昇に注意
・配当利回りの平均は2%
まとめ