20代と30代におすすめ!女性保険の選び方や比較ポイントについて

女性には子宮がんや乳がん、子宮筋腫、そして妊娠・出産などの多くのリスクがつきまといます。特に女性特有のがん(乳がん・子宮がん)は、20代〜30代の若い方も患う恐れのある病気です。

できれば、こんな病気にはかかりたくないものですが、女性特有のがんにかかりやすい家系であったり、身近にこのような病気で苦しんでいる方がいたりすると、「私も女性保険に入った方がいいかな」と思うことがあるでしょう。

そこで今回はこれから女性保険に加入しようと思っている方、初めて女性保険について知ったという方向けに、女性保険のメリット・デメリット、保険の比較や選び方、そして本当に加入する意味はあるのかについてご紹介します。

 

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女性保険とは

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女性保険は女性特有の病気を手厚く補償してくれる保険です。

日本女性は「子宮がん」「乳がん」にかかる確率や、これらの女性特有のがんで死亡する確率が高いことで知られています。国立がん研究センターの調査によると2014年時点では、死亡数が多いがんの中で乳がんが第5位となっており、また2012年時点では女性がかかる確率の高いがんの第1位に乳がん、第5位に子宮がんが挙げられています。

 引用:国立がん研究センター がん情報サービス

このデータから、女性特有の病気のなかでも、子宮がんと乳がんは生死にかかわる重大な病気であるにもかかわらず、患いやすいがんであることが分かるでしょう。

万が一これらの病気にかかってしまった時には確実な治療を受けたいものです。そのためにも、女性保険について知っておく必要がありますよね。ここでは、女性保険の基本事項についてご紹介します。

参考元:国立がん研究センター がん情報サービス(2017年著者調べ)

女性保険とは

女性保険とは、乳がんや子宮がんなどの疾患や、その他の女性特有の病気にかかった時に補償してくれる保険です。なぜ医療保険とは別に、女性のための保険があるのかというと、女性の方が男性よりもがんにかかる確率が高いからです。

日本人は2人に1人ががんにかかると言われており、そのうち3人に1人ががんで亡くなります。そして、がんが発生しやすい部分には子宮や乳房が含まれているのです。このように、女性の方ががんの発生しやすい部位が多いため、男性よりもがんにかかりやすいのです。また、病気以外にも、女性の場合には出産や妊娠などで入院することもあるので、特別医療費がかかりやすい傾向にあります。

このように、女性は特に医療にお金がかかりやすく、重点的な補償が必要となるために女性保険が設置されているのです。

女性保険の対象となる病気とは?

女性特有の病気に備えた女性保険ですが、そもそもこの保険で言われている「女性特有の病気」とはどのようなものがあるのでしょうか。ここで一度確認してみましょう。

女性特有の病気として代表的なのは子宮がんです。子宮がんには「子宮頸がん」「子宮体がん」の2種類があり、特に「子宮頸がん」は20代、30代で患う確率が高くなっています。

また、子宮に関連した女性特有の病気としては子宮筋腫を挙げることができます。これは特に悪い病気ではありませんが、月経痛の悪化や不妊を招いてしまうこともあります。子宮筋腫の手術を行う場合には、大体の場合10万円~20万円が必要となります。

もう一つ、女性の病気として有名なのは乳がんですよね。乳がんには2種類ありそれぞれ「非浸潤がん」「浸潤がん」と呼ばれています。「非浸潤がんは乳管・小葉内部の細胞ががん化してたまっている状態を意味します。一方で「浸潤がん」とは、がん化した細胞が全身に転移してゆく状態を指します。

乳がんにかかる費用は健康保険を利用した場合、3割負担となるのでおよそ18万円となります。放射線治療の費用は3割負担で12~16万円、ホルモン治療の場合は5万~21万円となります。

この他にも、帝王切開月経不順更年期障害不妊症などの症状は女性特有の疾病と言えるでしょう。ただ、これらの症状については、通常の医療保険でも補償が付きます。要するに女性保険とは、補償をさらに上乗せしてくれる保険を意味するのです。したがって、加入していないと非常に困るというものではありません。

しかし、少しでもお金を残して子どもの養育費を確保したいという方は女性保険に入っておくと良いでしょう。というのも、保険の補償はこどもの養育費にも回すことができるからです。女性保険への加入がどのような方におすすめなのかについては、「どんな人におすすめ?」で詳しくお伝えしますね。

一般の医療保険との違い

女性保険と一般の医療保険はどのように異なるのでしょうか。

女性保険に加入している場合、女性特有の病気になった時には手術給付金・入院保険給付金は一般の医療保険の1.5倍~2倍となります。「女性保険」という名の通り、女性特有の病気にかかった場合には、特に手厚い補償を受けることができるのです。

この「手厚い補償」としては次のような項目を挙げることができます。

  • 5年ごとに生存給付金を受け取ることが可能である
  • 女性特有のがんにかかった場合、初めてがんになった際に受け取ることのできる一時金は50~100万円増加する
  • 女性特有の病気にかかった場合、通常の入院保障日額に5000円上乗せされる
  • 女性特有の病気により入院した場合には、入院保障日額が一般の医療保険の2倍となる

このように、女性保険のサポートは非常に手厚いのです。しかし、これほど手厚い分、やはり保険料は通常の医療保険よりも割高になってしまいます。女性保険はお得な保険ではないのです。したがって、女性特有の病気以外の疾病や、怪我全般に関するリスクを守りたい場合には、一般の医療保険の方がお得である場合が多いのです。女性保険と一般の医療保険の両方を良く比較してから加入を決めましょう。

いつ加入すればいい?

女性保険への加入で注意したいことは、加入へのタイミングです。加入するのに最も良いタイミングは、女性特有の病気が発症しやすい20代から30代の時期です。なぜなら、20代から子宮がん、30代から乳がんの患者数が急激に増えるためです。

また、これから子どもを産みたいと考えている方も女性保険を検討すると良いでしょう。ただ、妊娠中に加入する場合は、「部位不担保」という条件での加入となります。

「部位不担保」というのは、体の特定の部分の病気に関しては補償の対象外となり、給付金の対象とならないことを意味しています。したがって、子供が欲しい方は、妊娠前に加入する必要があるという点に注意しましょう。

どんな人が加入すると良いの?

女性保険は、人によって必要性の高い方とそうでない方に分かれる保険です。それではどのような方に必要な保険なのでしょうか。これから女性保険に加入しようとしている方は、本当に自分にとって必要な保険なのか見極めるためにしっかりと確認しましょう。

シングルマザーの方

保険の給付金は子どもの養育費・生活費に充てることが可能です。この点を考慮に入れれば、一般的な医療保険と併用する形で女性保険に加入しておく価値があるでしょう。

万ば一の場合に、少しでも生活や養育費の足しになれば、働きながら子育てする母親にとっては大きな助けとなります。最優先である生命保険、そして次に大切な医療保険・学資保険に加入しており、さらにまだ余裕のある場合には女性保険について考えてみると良いでしょう。

女性特有の病気の恐れがある方

家族や親族の多くが女性特有の病気にかかっており、そのような病気にかかりやすい家系であると判断される場合には、ご自身も保険に入っておきたいと思われるかもしれません。

このように比較的リスクが高い場合には、女性保険に加入しておくと安心です。誰もが必ず女性特有の病気にかかるわけではないので、特に女性特有の病気のリスクを恐れている方におすすめの保険です。

乳がんで切除した乳房の再生を望む方

女性保険には乳房の再生費用を補償してくれるものもあります。一般的な医療保険・がん保険の場合、乳房の再生手術は補償の対象外となってしまいます。したがって、病気の治療だけでなく、乳房の再生についても重視している方には、女性保険に加入しておくことがおすすめです。

メリット

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女性保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか。加入の際の参考として、ここではメリットについて確認して行きましょう。

給付金の額が増額される

女性保険は、「女性特有の病気を手厚く保障する」と宣伝されているだけあって、女性特有の病気にかかってしまった場合には、入院給付金などが増額されます。

たとえば、同じ保険会社の保険であっても、女性保険とそうでない保険の入院給付金を比べてみると、女性保険の方が1万円以上上乗せされることがあります。また、女性であれば人目が気になり、個室での入院を希望することもありますよね。女性保険で入院給付金をいただければ、1日平均7000円から8000円程度かかる個室にも余裕をもってお金を払うことができます。

公的医療保険対象外の先進医療も補償の範囲内

先進医療は公的医療保険の対象外であることが多いものです。がん・難病も先進医療により治療することができるようになりましたが、やはり保険の適用外です。

しかし、女性保険であれば、先進医療までカバーしてくれる場合もあるので、非常に安心です。中には最先端の先進医療にかかる料金を2000万円まで補償してくれるものもあるので、万が一の場合には助けになるでしょう。

妊娠・出産時にも対応

女性保険は妊娠・出産時にも対応しています。重度のつわりが長引いた場合、帝王切開を行う場合、分娩後の入院が長引く場合には費用面でも負担がかかります。このような時に、女性保険に加入していれば補償を受けることができるのです。

死亡時の補償もある

女性保険に加入していれば、万が一死亡した場合に手厚い補償を受けることができます。たとえば、死亡保険金として1000万円受け取ることが可能な保険もあります。また、死亡の他にも高度傷害保険金を受け取ることのできる保険もあります。

デメリット

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出産関連の補償が少ない

女性保険のデメリットとして、全体的に出産による入院・帝王切開時の手術への補償が乏しいことが挙げられます。ただ、保険によって補償の手厚さは異なるので、出産関連の補償が手厚い保険を選ぶことがポイントです。また、妊娠中の女性は、「部位不担保」という条件付きになってしまう保険もあるので、その点にも注意して選びたいところですね。「部位不担保」については、「いつ加入すればいい?」をご参照ください。

女性保険は一般の医療保険よりも保険料が高額であることが多いものです。しかし、そうだからと言って女性特有の病気の治療費が高額であるとは限りません。

したがって、ご自身の貯蓄がある場合にはそのお金で治療費を賄うことができてしまいます。そのため、自分で賄える場合にはわざわざ保険に加入する必要は無いといえるでしょう。

がんに関する補償が完全ではない

女性保険には「乳がん」「子宮がん」に関する補償があります。しかし、がん保険やがん特約に加入していないと、「肺がん」「大腸がん」「胃がん」を患ってしまった場合には補償がつきません。

実は「乳がん」「子宮がん」よりも「肺がん」「大腸がん」「胃がん」になる確率の方が高いので、発症の可能性の高いがんがカバーされていない女性保険はある意味あまり役に立たないという見方もできます。

提供している会社は?

 

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女性保険は様々な会社で提供されています。保険選びでは、商品の数が多くて困ってしまうことが多いものです。したがって、ここでは女性保険選びの際に役立つ保険選びのポイントと各社のおすすめ女性保険について触れて行きます。

保険選びのポイント

女性保険も他の保険と同じように様々な会社により提供されているので、どの保険にすれば良いのか迷いますよね。したがって、保険を選ぶ際にはポイントをおさえた上で選択する必要があります。加入する前に、ここで保険選びのポイントについておさえて行きましょう。

対象範囲となる女性疾病を確認

一番大切なポイントは、補償の対象となる女性疾病の範囲です補償の対象となる疾病はそれぞれの保険によって異なります。

したがって、ご自身が発病のリスクを心配されている疾病がきちんと補償範囲に含まれているか確認する必要があります。ちなみに、補償の対象となる疾病は約款に記載されています。気になる女性保険の補償範囲はしっかりと目を通して下調べをした上で加入を検討しましょう。

妊娠・出産後に加入しやすいかどうか

女性保険は妊娠中・出産直後の加入が困難であることが多いです。この時期には加入を断られてしまったり、「特定部位の不担保」といって条件付きの加入となってしまったりする場合があります。

したがって、妊娠中や出産直後にも比較的加入しやすい保険を選ぶ必要があるのです。ただし、加入条件が寛大な保険は保険料が高額である場合もあるので、加入条件と保険料のバランスを考えて行く必要があります。

終身タイプか定期タイプか

女性保険は一般の医療保険と同じように「終身タイプ」と「定期タイプ」の2つのタイプがあります。それぞれの特徴は以下のようになります。

「終身タイプ」

一生涯、契約時と変わらない保険料で保障を確保することが可能。ただし、定期保険よりも保険料が高いので、補償内容の見直しがしにくいというデメリットがあります。

「定期タイプ」

定期タイプの場合は保険期間が制限されています。しかし、毎月負担しなければならない保険料が安いという点がメリットです。ただ、保険期間が切れ、契約の内容を更新する度に保険料の見直しを行うため、毎回更新を重ねてゆくうちに終身タイプよりも保険料が高くなってしまう点がデメリットです。

保険料と上乗せ額のバランスを見極める

保険を比較する際には、上乗せの充実度と保険料のバランスを確認することが大切です。保障が手厚ければ保険料は高くなります。どれくらいの補償が上乗せされて、保険料はどのくらいなのか検証することで、どの保険が一番バランスが取れているか見極めましょう。

おすすめの保険

保険選びのポイントが確認できたら、次はおすすめの保険について見てみましょう。ここでは「損保ジャパン日本興亜」、「オリックス生命」、「アフラック」、「アクサダイレクト生命」、「メットライフ生命」についてご紹介します。

損保ジャパン日本興亜

損保ジャパン日本興亜は女性保険として「フェミーヌ」を提供しています。この保険の特徴は、”生存給付金”と呼ばれるボーナスを3年ごとに受け取ることができる点、そして女性特有の疾病が原因の入院において手厚い補償を受けることができる点です。

3年ごとのボーナスについてはプランごとに7万5000円から15万円に分かれており、入院給付金の支払いがあった場合に受け取ることも可能です。

オールインワンタイプの女性保険なので、特約を追加することはありません。プランは3つあり、「プラン1」「プラン2」「プラン3」の3種類から選択します。高度障害・先進医療に関する補償がある点が安心です。また、不慮の事故が原因の死亡や高度障害については、通常の保険金に500万円が上乗せされます。

また入院20日以上の場合には退院給付金を受け取ることもできます。

公式ホームページ:損保ジャパン日本興亜

オリックス生命

オリックス生命は「医療保険 新CURE Lady」という終身型の女性保険を扱っています。この保険の特徴は所定の女性疾患、そしてすべてのがんが原因となって入院した場合、入院保障に日額5000円がプラスされる点です。

基本的な補償プランは「日額5000円コース」「日額10000コース」の2つで、各コースにおいてがんへの特約を追加することが可能です。女性疾病・入院・がん・手術・先進医療などの医療保険がまんべんなく備えられています。

一生涯、女性特有の疾患に備えようと考えているのであれば、おすすめの保険です。

公式ホームページ:オリックス生命

アフラック

アフラックでは「ちゃんと応える医療保険「レディースEVER」」が提供されています。この保険の特徴は保険が適用される手術、1000種類あまりがほとんど給付金の支払い対象となる、手厚い医療保障を受けることができる点です。また、放射線治療も補償範囲となっています。

プランは通院補償がある「通院ありプラン」と、通院補償の付いていない「通院なしプラン」の2種類です。このプランのどちらかを選択した後に、5000円あるいは10000円の入院給付金日額を決定します。追加することのできる特約も豊富であり、先進医療・死亡・怪我・三大疾病などの特約を付けることが可能です。

さらに、保険料の振込期間は「終身プラン」のみならず60歳・65歳払済タイプ、60歳・65歳以降半額タイプを選ぶことができます。特に平均寿命の高い女性にとっては、60歳・65歳払済タイプは非常にお得ですね。

公式ホームページ:アフラック

アクサダイレクト生命

アクサダイレクト生命では『アクサダイレクトのがん終身[女性プラン]』を提供しています。この保険の特徴は、ネット専業ならではのお得な保険料、そしてインターネットでの申込が可能な点です。

補償額は日額5000円、10000円、15000円、20000円の4つから自由に選ぶことができ、3年ごとに最大10万円のボーナスを受け取ることが可能です。

「がん入院給付金」は日額5000円、あるいは日額10000円の2つから選択することが可能です。

保険料の支払いは終身型であるため「年払い」「60歳・65歳払済」にすることができない点が不便です。しかし、がん保険全般の補償をお得にしたい方にはおすすめの保険であるといえます。

公式ホームページ:アクサダイレクト生命

メットライフ生命

メットライフ生命は外資系の大手保険会社アリコジャパンの変更後の社名です。この会社からは「終身医療保険フレキシィ[女性専用タイプ]」が販売されています。

この保険の大きな特徴は、終身医療保険に女性特有の疾病補償が追加されているという点、そして5年ごとにお祝い金が付帯するという点です。また、放射線治療が給付対象に含まれています。さらに、入院の無い外来手術においても1回2.5万円、骨盤ドナー手術での1回5万円の補償が付帯します。

この保険のプランは「スタンダードコース」と「七疾病あんしんコース」の2コースです。「スタンダードコース」の補償内容には、通院・入院・先進医療が付帯しています。

その一方で「七疾病あんしんコース」においては、「スタンダードコース」の補償内容が含まれているだけではなく、糖尿病・心疾患・がんをはじめとした7つの対象疾病にかかった時には入院保障日数が無制限となります。ちなみに通院補償は付けるか付けないか、自由に決めることができます。

公式ホームページ:メットライフ生命

最後に

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女性保険は、必ずしも加入してメリットがあるわけではないということが分かりました。女性特有の病気だからといって、治療にかかる費用が高いというわけではあないのです。そのため、ご自身に貯蓄がある場合にはそちらを費用に回すこともできてしまいます。

しかし、この記事でもお伝えしたように、シングルマザーの方、女性特有のがんにかかりやすい家系の方、手術後に乳房の再生を強く望んでいる方であれば加入したあとのメリットは大きいといえます。ご自身の状況を注意深く検討し、必要かどうか見極めてから加入を決めましょう。