ステーブルコインとは?仕組み、メリットや種類などについて徹底解説します!

Sou
こんにちは!ライターのSouです!

今回は、ステーブルコインについて仮想通貨を全く知らない人にも分かり易く届けていきたいと思います。

 

仮想通貨はお金になるのか

menartimgdesing / Pixabay

いきなり何を言っているの?と思っている方もいると思います。

1つ例を上げます。ビットコインは、一時1BTC=223万円(2017年12月17日)を記録しました。しかし現在では、1BTC=70万円弱に下がっています。(2018年11月8日 現在)

Sou
ここで一つ質問なんですが、価値が安定しない通貨をあなたはお金として使うことができますか?

「昨日は1,000円分の仮想通貨を持っていたのに、今日になったらペットボトル1本買うことすらできない価値に下がってしまった…」

これではお金として使えなくないですか!?

仮想通貨は現在の円やドルなどの法定通貨が持っている貨幣の3つの機能のうちの2つを持っていません。それは、「価値の保存」、「価値の尺度」です。

Sou
3つの機能は「価値の保存」「価値の尺度」「価値の交換」です!

「価値の保存」・・・お札や硬貨のように価値を保存することが出来る必要性。例えば、食品などは消費期限が決まっており、価値を保存することがで来ません。その為、貨幣には価値を保存できる機能が必要になります。

「価値の尺度」・・・これはモノとお金の価値を比較できる役割が必要であるという事。貨幣の価値の尺度からモノに値段をつけます。

現段階で仮想通貨は、この二つについて満たせていません。

このように、仮想通貨をお金として使うためには大きなデメリットが存在するのですが、それを解決する仮想通貨がステーブルコインです!

 

ステーブルコインとは

klimkin / Pixabay

ステーブルコインとは、価格変動が起きない仮想通貨のことをいいます。

上記で説明しましたが、仮想通貨には、需要と供給のバランスが崩れ、価格が安定しないというデメリットが存在します。

このデメリットを補う仮想通貨がステーブルコインです。

価格が一定という点から、実生活で使いやすい仮想通貨として、注目を集めています。

Sou
安定した仮想通貨=ステーブルコインというイメージですね!

 

各ステーブルコインについて

ステーブルコインという一つの括りのなかにも、それぞれ違った特徴を持つ三種類のコインがあります。

  • 法定通貨担保型
  • 仮想通貨担保型
  • 無担保型

それぞれ詳しく解説していきますね。

 

法定通貨担保型

法定通貨担保型は、ドルや円などの法定通貨の価格と連動させているステーブルコインです。決められている通貨によって価格が担保されており、いつまでも法定通貨に交換する事が出来ます。

しかし、その法定通貨の国の経済状況の影響を受けてしまうという点があります。

例えば、アメリカのドルと連動しているTetherというステーブルコインでは、アメリカの経済状況が不安定になってしまうと、その価格は大きく影響を受けてしまいます。

ドルや円などのほかに原油や金等に連動するステーブルコインも存在します。

Sou
よく言われる「ペッグ通貨」は、この法定通貨担保型の事を指しています。

 

仮想通貨担保型

仮想通貨担保型は、他の仮想通貨を担保とし、価値を保証しているステーブルコインです。

しかし、仮想通貨自体がまだ不安定である中で、担保も不安定である仮想通貨という点が仮想通貨担保型の欠点であると言えます。

ビットコインや、イーサリアム等、比較的有名な仮想通貨を担保とすると、価格の安定が見込めますが、それでも法定通貨担保型に比べると価格変動のリスクは大きくなります。

そこで、仮想通貨担保型のステーブルコインは裏付けとして、過剰な預金をかけることで、ある程度の価格変動には対応できるような仕組みになっています。

分かり易く説明すると、1ドルのステーブルコインを1つ発行する際、担保とするコインを2ドル分預金することで、200%の担保となります。これだけの担保があれば、担保にしているコインの価値が下がったとしてもある程度の価格変動に対して対応ができるという事です。

 

無担保型

無担保型は、そのままの意味で担保を持たないステーブルコインです。無担保型では「シニョレッジ・シェア」という手法によって、価値の安定を可能にしています。

シニョレッジとは、貨幣発行益の事を指します。

1万円(額面)ー20円(1万円製造コスト)=9,980円(シニョレッジ)となります。

各国の政府や、中央銀行は世界を代表するような通貨(ドル、ユーロなど)と自国の通貨レートを比較し、価値がある程度一定に保たれるように調整を行っています。

この調整方法がシニョレッジ・シェアというもので、世界に流通している紙幣の量の増減によって、調整することが出来ます。

紙幣もモノと同じように、供給量を増やせば価格が下がり、供給量を増やせば、価格が上がります。

無担保型のステーブルコインも同じような原理で価格を安定させています。

Sou
詳しく説明すると、とても難しくなってしまうのでここでは割愛します。無担保型でもしっかり価格を安定させる仕組みがあるという事を分かって頂ければOKです

 

ステーブルコインのメリット

次に、ステーブルコインのメリットについて解説していきます。

一般的に挙げられるメリットは以下のとおりです。

  • 価値が安定しているため、資産を守ることができる
  • 税金の手続きが楽にできる

それぞれ詳しく解説していきます。

 

価値が安定しているため、資産を守ることができる

やはり、何度も特徴として紹介していますが、価格の変動リスクが少なく安定して資産を守ることが出来るという点がステーブルコインの一番の大きなメリットになります。

現在は、投機的な役割を担っている仮想通貨ですが、通貨として普及させる事ができる力をこのステーブルコインは持っていると考えられます。

 

税金の手続きが楽にできる

現在の仮想通貨は価格変動が大きいという点から、仮想通貨での支払いを行うと手続きがややこしくなります。それに対し、ステーブルコインは価格が安定しているため、楽に手続きを行うことが出来ます。

 

代表的なステーブルコイン

具体的なメリットが分かったところで、次にどのようなステーブルコインがあるのか確認していきましょう。

 

Tether(テザー/USDT)

 

Tetherは先ほども例として挙げましたが、米ドルに価値が連動している法定通貨担保型のステーブルコインとなります。

Tetherは、一番最初に発行されたステーブルコインです。Tetherは実際担保となる分のドルを保有していないのではないか?という疑惑が話題になり、まだ真相がわからず信用性については低めな状態が続いています。

動き方の分かりにくい仮想通貨の相場に比べ、ドル相場は比較的分かり易いので、利用のしやすさが特徴です。

Tether(テザー)って何?テザー疑惑・オムニ(omni)などを簡単に解説!
↑fincleではTetherについても詳しく解説しているの併せてご覧ください

 

LCNEM

NEMウォレットを開発しているLCNEMが世界で初めて日本円を担保に仮想通貨を発行しました。LCNEMでは、法的対策として、以下のような事を行っています。

それは、LCNEMはステーブルコインを「前払式支払手段」として販売しているという点です。「前払式支払手段」はプリペイドカードや商品券のように、法定通貨で前もって支払われたものに対して、ポイントのような形で価値が保存されていくものを指します。

この「前払式支払手段」にはほかにスイカ等が当てはまります。

この手段を使っている理由として、今の仮想通貨規制の状況では、仮想通貨交換業の登録を受けるのは非常に難しく、今後も難しいのではないかと考えられるからです。

 

Maker(DAI)

 

Makerというこのステーブルコインは、仮想通貨担保型のステーブルコインで、イーサリアムを担保にしています。少しややこしいのですが、DAIという仮想通貨を安定させるためにあるトークンとなります。

仮想通貨とトークンの違いについては以下の記事で詳しく書いてあるので、併せて確認してみてください。

トークンと仮想通貨って何が違うの?違いを徹底解説!

Sou
また、それぞれのステーブルコインについては違う記事で詳しく紹介していきたいと思います。

 

ステーブルコインの課題

ステーブルコインにはさまざまなメリットがありますが、それと同様にデメリットも存在します。

ここでは、実際にどのようなメリットがあるのか確認していきます。

主なデメリットは以下のとおりです。

  • 中央集権的に運営されると危ない
  • 本当に担保が保証されているか確認ができない

 

中央集権的に運営されると危ない

いくら安定的なシステムとはいえ、ステーブルコインの運営の中心となっている会社が事件を起こし、信頼を失った場合、安定的な取引を行うのは不可能になります。

 

本当に担保が保証されているか確認できない

法定通貨担保型の場合、発行しているコイン分の担保相当量の通貨を保有しているのかを確かめるすべはありません。

担保を保有せずにステーブルコインを発行するという詐欺行為を行う事も可能性として十分に考えられます。

 

盗難などによる返済義務がない

ステーブルコインが盗難されたり、運営会社が倒産するなどしても法定通貨と交換した際と同等の資産保証するような規制がないのでそのような場合には何も手を打つことが出来ません。

 

要点チェック!

  • ステーブルコイン=安定した仮想通貨
  • ステーブルコインには、法定通貨担保型、仮想通貨担保型、無担保型の3種類がある
  • 価格変動が起きない、税金を納めるのが楽な点がメリット
  • まだ十分な安全性がなく、さらなる法整備等が必要

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、ステーブルコインについて解説していきました。まだまだ現実的に解決しなければならない問題があります。しかし、ステーブルコインには、仮想通貨を投資的なものではなく、貨幣として普及させる可能性が大いにあると感じています。

今後どのように実証され、社会に浸透していくのかについてアンテナを張ってチェックしておきましょう。

Sou
以上、ライターのSouがお届けしました。