あなたは大丈夫?新型依存症「断捨離依存症」の傾向と対策

世間では「断捨離」ブームから、誰もが「モノ」への執着を捨てて、部屋をきれいにすることが、幸せへの一歩という考えを持ち始めました。

確かにモノに執着し過ぎると、部屋は片付かず、掃除がしにくいなど色々問題がありますし、買い物依存症の人が、「断捨離」に目覚めてから、必要以外のものを買わなくなったという、うれしいメリットあります。

「断捨離」は決して悪いことではなく、本来、自分にとって不要なものを、「受けない、捨てる、執着から離れる」という意味だったはずですよね、

それが最近はモノへの執着よりも、「断捨離」自体に執着してしまう、「断捨離依存症」が問題になっています。

「断捨離依存症」の傾向と対策をまとめてみました。

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「断捨離依存症」の傾向

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本来片付けとは、不要なモノを捨てて部屋を綺麗にしようというものですが、「断捨離」ではそれに、「不要なモノは受け入れない」「モノに執着しない」という心理的な発想もプラスされました。

始めは誰でも部屋をきれいにしたいという願いから始めたであろう「断捨離」ですが、本来の片付けという範囲を超えて、ただモノへの執着が無くなってしまい、気づいた時には異常なほど部屋からモノがなくなっている状態になります。

「断捨離依存症」になりやすい人の傾向として、

1.自分の部屋が、かつて汚部屋だった人

2.家族が掃除・片付けに非協力的

3.最小限のもので暮らすことから、モノを持たない過剰な行動規制に変化

などがあります。とにかくモノが増えることは「悪」で、捨てることが「善」と考えてしまうのが特徴のようです。

「断捨離依存症」の人の心理

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「断捨離依存症」は、綺麗好きな人、潔癖な人とは違い、まさに「断捨離」に依存してしまう状態のようです。悩みのある人が占いにはまってしまうように、すべてを「断捨離」にゆだね過ぎてしまう心理状態です。

元々は片付けられない人だったのに、「断捨離」に目覚めてからは、モノを捨てることに快感を覚えていきます。自分にはなにが必要で、何が不要なのかの判断力は低下したままなのに、ただモノを常に捨てる行動に走っていくのです。

また、家族が掃除や片付けに非協力的な場合、その怒りやストレスをモノを捨てる行為で発散させようとするのです。そのため、自分のものだけではなくて、家族の所有物までも無断で捨ててしまうようです。

「断捨離」で物がなくなると、部屋の掃除も楽になり、探し物も少なくなります。物事がスムーズになった気になり、それが「断捨離」とおかげだと思ってしまうのです。

「物事がうまいかない」「仕事で失敗した」「結婚できない」など、あらゆる悩みの原因をきっと「断捨離」がうまく出来ないからという考え方にとらわれてしまうのです。

 ミニマリズムと「断捨離依存症」

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ある「断捨離」にはまった芸能人には、天井の電気を全部抜いてしまい、手元の明かりだけで生活しているという人もいるようです。

一般的に、最小限のもので暮らすことを「ミニマリズム」といいますが、本人は「ミニマリズム」のつもりでも、周りから見ると、異常な精神状態に見えてしまうこともあるのです。

その線引きはとにかく難しく、電気もなく、真っ暗な部屋で生活していても、それがおかしいことだとは気づけない、本人に自覚がないのもとても問題です。

「溜め込み症候群」と「断捨離依存症」

「溜め込み症候群」とは、「モノ」を過剰に集めたり、捨てることができない「強迫性障害」で、脳の機能障害と考えられています。

この場合は精神科で治療を行うケースが多いようです。

一方、モノを捨てすぎてしまう「断捨離依存症」も、なかなか一人で治そうとしても難しいものがあります。

また、本人が気づかない場合もありますので、信頼できる誰かに相談してみて、客観的に判断してもらうのも良いかもしれません。

「断捨離依存症」の対策

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「断捨離依存症」にならないためには、「断捨離」は、生活を円滑にしていくものだという目的に立ち返りることです。そして、「モノ」を持つことは決して悪いことではないということに気づくことが重要です。

また、片付けをすることで、心の中のモヤモヤも「モノ」と一緒に整理できた、という風に考えられたら、依存することにはならないかもしれません。

悩みがあっても、決して「モノ」のせいにはしないで、「モノ」は関係ないという、客観的に自分と向き合うことが大切ではないでしょうか。

まとめ

「断捨離依存症」についてのまとめは、いかがでした?「断捨離依存症」になってしまう過程は人それぞれです。人は何かに依存してしまうと、それがなくなってしまうととても不安な気持ちになってしまいます。

片付けることは決して悪いことではないのに、「断捨離」を過度にやり過ぎてしまい、日常生活でそれがエスカレートしてしまうと、心配になってしまいますよね?

思い当たる人は人間関係をもこじらせてしまう前に、「断捨離」について今一度考えてみませんか?