皆さんは仮想通貨のTezos(テゾス/XTZ)を知っていますか?
Tezosはビットコインやイーサリアムの欠点を補う機能を備えた仮想通貨として知られています。
また、Tezosは2014年から始まったプロジェクトで2017年に実施されたICOでは約230億円を集めるなどとても注目を集めた通貨です。
さらに、このICOに対し集団訴訟が発生するなど、度々話題となっています。
今回はそんなTezosについて詳しく解説していきます!
目次
Tezosとは?
Tezosは先ほども解説したとおり、ビットコインやイーサリアムの欠点を補う機能を兼ね備えた仮想通貨です。
例えば、ビットコインで採用されているPoWではなくTezosではPoSを採用しています。
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↑PoS・PoWに関して詳しくはコチラをご覧ください
ビットコインで採用されているPoWは一般的にマイナスイメージとして認識されています。
よって、TezosではPoSを採用することでビットコインの欠点を補っているのです。
他にもさまざまな機能でTezosは通貨としての優位性を確立しています。
後ほど詳しく解説していくので、まずは基本情報をチェックしていきましょう!
通貨名 | Tezos |
通貨単位 | XTZ |
発行上限 | 約7.6億枚 |
時価総額 | 約880億円 |
ホワイトペーパー | https://tezos.com/static/papers/white_paper.pdf |
公式サイト | https://tezos.com/ |
公式Twitter | https://twitter.com/tezos |
時価総額ランキングでは現在19位(2018年8月現在)に位置しています。
また、取引価格は1XTZ=146円(2018年8月現在)で取引されています。
2017年12月に一時1XTZ=1000円前後の値を付けていましたが、その後は200円前後で安定しています。
Tezosの特徴
Tezosの基本情報が分かったところで、次に特徴について確認していきましょう!
ハードフォークを必要としない通貨
皆さんはハードフォークという言葉をご存知でしょうか。
例えば、ビットコインキャッシュ(BCH)やイーサリアムクラシック(ETC)はすべてハードフォークによって誕生した通貨です。
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基本的にハードフォークというのは、元々あった通貨に重大なバグや修正箇所があった際に発生します。
例えばビットコインは開発チーム内で勃発した意見の不一致により、仲違いする形でビットコインキャッシュへとハードフォークされました。
また、イーサリアムでも同様にTHE DAO事件をきっかけにハードフォークが実施されました。
Tezosでは、本来であればハードフォークせざるを得ないような修正箇所が見つかった場合でも通貨としての互換性を残したまま修正ができるように改良されています。
具体的には、ネットワーク・トランザクション(取引)・コンセンサス(同意)プロトコルをそれぞれ独立させることによりこのような修正方法が可能となっているのです。
PoS(Proof of Steak)による承認システムを採用
Tezosではブロックチェーンの承認作業においてPoS(Proof of Steak)による承認システムを採用しました。
PoSとは、単純に取引の検証作業を手伝った量(PCの計算量)に比例してもらえるのではなく、その仮想通貨の保有量や保有年数に比例して新規発行の仮想通貨が貰える仕組みです。
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PoSはPoW(Proof of Work)による承認システムより優れているとされており、Tezosだけでなくイーサリアムでも採用されています。
上記リンクで詳しく説明しているため、ここで詳しい解説は避けますがPoWには51%問題や一部のマイナーによりマイニングが独占されてしまうなどの問題を抱えています。
また、従来の仮想通貨では既存システムの改善に対する報酬というのは殆どりませんでした。
Tezosではそのようなものに対しても報酬を出すような仕組みを確立しているため報酬を得ることが可能となっています。
進化したスマートコントラクト
イーサリアムはスマートコントラクトという機能が備えられたことで大きな注目を集めました。
これにより、契約をする際に必要な仲介者やコスト・時間が掛からなくなり革命的な発明とされてきました。
TezosではこのスマートコントラクトにFormal Verificationという実証機能を搭載することでさらにスマートコントラクトの実証性を向上させています。
具体的には数学的なシステムを利用することでこの実証を可能にしているのです。
それにより、間違いが許されないような契約の際にスマートコントラクトの実証性をさらに向上させるのでより信頼性が増すといっても過言ではないでしょう。
集団訴訟問題が発生
先ほど、TezosはICOで約230億円もの資金調達に成功したと解説しました。
しかし、Tezos内部で内紛が発生したことによりトークンの配布が行われず大きな問題となったのです。
これを受けICOに出資した投資家たちはTezosに対し集団訴訟に踏み切り、大きな危機に陥る結果に。
その後さまざまな問題が有りながらも、Tezosは運営開始に向け最終テストに入ったことを報告しました。
その報告を受け、2018年8月にこの支払い請求は裁判所において正式に却下され事態は収束することが出来ました。
Tezosの将来性
Tezosの特徴が分かったところで、次に特徴について確認していきましょう!
ビットコイン・イーサリアムの展開次第か
元々Tezosはビットコイン・イーサリアムの欠点を補う通貨として誕生しました。
つまり、Tezosが注目を集める時というのはビットコイン・イーサリアム両通貨に何か問題が発生した時といえるでしょう。
実質的に両通貨が仮想通貨のツートップとして君臨しているということを考えると仮想通貨業界自体への影響も計り知れません。
実際、ビットコインの価格が大幅下落すると他の通貨も一緒に下落するのが通例となっています。
現状では、両通貨は価格の上げ下げはあるものの通貨としては開発が進められ順調にロードマップを進んでいます。しかし何か問題が起こった場合、Tezosが両通貨の新たな選択肢として役割を担うことができれば大きな注目を集めるでしょう。
信頼を再び獲得できるかどうか
特徴の部分で解説した通り、Tezosは投資家より集団訴訟をされていました。
その後プロジェクトメンバーを再編するなどして訴訟自体は却下出来ましたが、投資家からの信頼は落ちたといっても過言ではないでしょう。
再びこのような出来事があれば通貨の価値が落ちるのは必須であり、そこからの再起が難しいことは間違いありません。
通貨としての価値は認められているだけに、今後地道に投資家からの信頼を集めていきたいところです。
Tezosの取引所
国内取引所でTezosは取り扱われていません。
Tezosを取引したい場合は、海外の取引所を利用する必要があります。
主にこれらの取引所で取引が可能となっています。
取引所 | 国 | 手数料(Maker/Taker) | 取り扱いコイン数 |
HitBTC | 香港 | -0.01%/0.1% | 400種類以上 |
Gate.io | 香港 | 0.2% | 140種類以上 |
Tezosの買い方
Tezosがどこで買えるの分かったところで、次に買い方を確認しましょう。
Tezosを取り扱っている海外の取引所に登録
Tezosは国内の取引所では扱われていないため、海外の取引所(Binanceなど)で購入する必要があります。
何故かというと、日本の取引所ではビットコインやイーサリアムなど主要なアルトコインしか購入できないためです。
国内の取引所に登録してビットコインなどを購入
海外の取引所に登録が完了したら、次に国内の取引所に登録する必要があります。
海外の取引所では日本円が使えないため、ビットコイン(イーサリアムなども可)を使い取引する必要があるためです。
そのためbitbankやzaifに登録してビットコインを購入しましょう。
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国内の取引所からビットコインを海外の取引所に送金
国内の取引所で購入したビットコインを海外の取引所に送金します。
送金が完了すれば、Tezosを購入することが可能となります!
おわりに
今回は仮想通貨のTezosについて詳しく解説しました!
ビットコイン・イーサリアムの欠点を補うために開発されたTezos。
集団訴訟をされるなど悪い意味で仮想通貨業界を賑わす形となってしまいましたが、ICOで多額の資金を集めたことから分かる通り通貨自体には大きな期待が寄せられています。
今後、真摯に通貨を開発していくことが出来るかどうかが鍵となってきそうです。
最後に、もう一度Tezosの特徴について確認しておきます。
- ハードフォークを必要としない通貨
- PoS(Proof of Steak)による承認システムを採用
- 進化したスマートコントラクト
- 集団訴訟問題が発生
このようになっています!
今後どのような動きを見せるのか注目して見守っていきましょう。