書留のサービスの中でも最も耳にする簡易書留。郵便局窓口で郵便物の発送をお願いする際、「書留のオプションはご利用になりますか」と尋ねられることも多いでしょう。
でも、郵便サービス自体に使い慣れていないと、そもそも書留や簡易書留が何のことだか分からないですよね。その場で郵便局員の方に尋ねることもできますが、自分で詳細を理解していた方が、郵便物に適した最善の送り方をよりスムーズに選択することができます。
今回は、郵便の書留サービスのうち、最もよく使われる簡易書留の料金や配達日数、利用方法などのサービスについて詳しくご紹介します。
また簡易書留の他にも、様々な配送サービスについてご紹介しているので、こちらもご覧ください!
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引用:PAKUTASO
簡易書留とは
簡易書留とは、定形郵便・定形外郵便・ゆうメールなど、補償や追跡サービスが付いていない発送方法に、補償・追跡サービスを付けることのできるサービスです。補償・追跡機能が付いているので、重要な荷物を送る際に適しています。
書留サービスの中でも、一番よく聞く簡易書留は具体的にどのような特徴を持っているのでしょうか。早速特徴的な点を見てまいりましょう。
直接手渡しの配達
簡易書留で郵送した場合、送り先の相手へは対面・直接の手渡しの形で配達が完了します。その際には、受取人からサインまたは印鑑をもらうことが定められています。手渡しなので、ポスト投函とは違い、盗難などによる紛失を免れることができます。
送り先の相手が不在の場合には、郵便受けに不在連絡票が投函されます。不在票が投函された場合には、再配達を頼むか、配達を行なった郵便局に直接出向いて受け取りに行くか、あるいは受取に最も適した郵便局・別の住所に転送してもらうかの3つの方法のうち、どれか好きな方法で受け取ることが可能です。
再配達については、当日中の再配達も可能です。不在票が投函された日の19時頃までに、電話を通して再配達希望を伝えた場合は、21時頃までに無料で再配達してもらうことができるのです。
追跡可能
簡易書留は追跡機能が付いています。Webを通して利用できる追跡サービスにおいては、荷物引受時、配達担当郵便局到着時、荷物お届け時が記録に残されるので、大事なチケットや書類が相手に届いたか、確実に確認することが可能です。また、受け取る方も郵便配達状況が気になるはずなので、追跡番号は必ず相手にも報告するようにしましょう。追跡番号は、郵便局窓口で発送手続きを行う際に手渡される受領証に記載されています。受領証・追跡方法については、また後ほどお伝えしますね。
土日・祝日も配達可能
簡易書留は平日のみならず、土日・祝日の配達も可能です。定形外郵便・定形郵便・個人利用向けゆうメールは、日曜・祝日には配達されませんよね。しかし、簡易書留のオプションを付ければ、日曜・祝日にも配達することが可能となります。
そのため、日曜・祝日を挟む場合に、急いで郵送したい方には便利なサービスとなるのではないでしょうか。ただし、簡易書留の手続きは直接郵便局窓口に赴いて行う必要があるため、郵便局が閉まっている土日・祝日は手続きを行うことはできません。例外的に、一部の大きな郵便局やゆうゆう窓口が設置されている場所であれば手続きを行うことができます。
また、注意すべき点は、届け先が個人でなく、学校や会社である場合です。大半の学校・会社は土日・祝日が休みとなるので、簡易書留がこれらの曜日に届けられても、手渡しする相手が不在のため、郵便局で数日保管されることになります。送り先が休業日なのに、速達オプションまで付けて郵送してしまったら、損してしまいますよね。したがって、簡易書留を送る際は、土日・祝日も配達されるということだけでなく、送り先の休業日も考慮に入れて、上手く送れるように取り計らいましょう。
書留の中で最も使い勝手の良いサービス
書留といいうと、簡易書留を思い浮かべますが、実は全部で3種類あります。今回ご紹介している「簡易書留」と、現金を送る「現金書留」、そして簡易書留よりも補償額の多い「一般書留」です。
ただし、簡易書留だけでも30万の補償が付いており、一般書留よりも安い料金で送ることができるのです。また、「現金書留」は名前の通り、現金を送る際に利用するものなので、そもそも利用できる場面が限られています。このことから、この3つの書留の中で「簡易書留」が最も安く安全に届けることのできるサービスであるといえます。
現金書留については次の記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:現金書留のサイズや料金、追跡方法をどこよりもわかりやすく徹底解説!
局留め、私書箱宛が可能
簡易書留のサービスは局留め・私書箱宛が可能です。オークション・フリマアプリなどで面識のない方と取引する際には、あまり自分の住所を教えたくないという方も多いでしょう。個人情報を守るためにも、相手に住所を教えることなく、荷物を自宅の最寄りの郵便局で受け取れる局留めは、非常に心強いサービスです。
また、私書箱宛も、普段から郵便物が多い方、自分の住所を知らせたくない方が利用するのに便利なので、そこに届けてもらえれば、受け取る側も助かりますね。
3つのオプション
簡易書留には3つのオプションサービスが付きます。具体的には次の通りです。
- 速達のオプション
- 配達日指定のオプション
- 代金引換のオプション
速達サービスのオプションを付け、夕方の5時までに郵便局窓口に差し出せば、たいてい翌日中には配達が完了します。
また、配達指定日を利用すれば日曜・祝日も含めて自分の指定した日に郵便物を届けてもらうことが可能です。誕生日ギフトを送る際に最適なオプションですね。また、「平日は郵便物が受け取れないので、日曜に届けて欲しい」という方には助かるオプションです。
代金引換は、配達時に送られてきた商品の代金を、その場で支払うことのできるオプションです。代金引換のオプションを利用する場合は、別途260円が必要となります。簡易書留の場合、代金引換は引換金額30万円まで可能となっています。
参考元:日本郵便(2017年著者調べ)
一般書留よりも送料が安い
一般書留の場合、手紙やはがきなどの郵便物にオプションとして付けると430円、ゆうメールに付けると370円の料金が基本運賃に加算されます。しかし、簡易書留であれば手紙・はがきなどの郵便物やゆうメールどちらに付けても310円しか加算されません。
ただし、一般書留と簡易書留の大きな違いは損害賠償額です。一般書留の場合、損害賠償額は10万円まで、簡易書留の場合は5万円までと定められている点に注意しましょう。ダイヤモンドや宝石などの貴重品を送る際には、簡易書留でなく一般書留を利用するのが適切です。
3通りの支払方法
簡易書留の支払方法は3通りです。
- 現金支払
- 切手支払
- 現金と切手両方を併用
切手支払であれば、オークションなどで切手を安く手に入れて、その切手を使って料金を支払うという裏技があります。これなら、お得に簡易書留を利用することができますね。
ただ、切手支払の際には注意しなければならないことが1点あります。それは、提示された料金を上回らないようにするということです。切手支払の場合は、たとえ料金を上回って支払ってもおつりをいただくことができません。したがって、切手のみで、ぴったりの額を支払えない時には、切手と現金を併用しましょう。
簡易書留で送れるもの
簡易書留に適した郵便物とはどのようなものでしょうか。早速、簡易書留で送ると便利なものについてご紹介して参ります。
簡易書留は追跡サービスや補償が付くため、大事なものを送る際に利用するのに適しています。大事なものと言ったら、仕事上で必要な書類や受験の願書などの重要書類、イベント、コンサートなどのチケット、通帳、印鑑、クレジットカードなどです。
また簡易書留を利用できる郵便サービスは次の通りです。
- 定形郵便物・定形外郵便物・郵便書簡
- はがき
- 雑誌などの定期刊行物
- 学術刊行物
- ゆうメール
- 心身障がい者用ゆうメール
この6つ以外の郵便サービスには、簡易書留が適用できないので、注意しましょう。
参考元:日本郵便 書留をご利用いただけるサービス(2017年著者調べ)
簡易書留で送れないもの
引用:PAKUTASO
一方、簡易書留で送れないものとはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
金・銀・ダイヤモンドなどの約款で定められている貴重品は簡易書留で送ることはできません。これらは高価なものであるため、損害要償額が50万までしか対応していない簡易書留には適していないためです。貴重品を郵送するのであれば、損害要償額が500万円まで対応している一般書留を利用しましょう。
ただし、一般書留の場合は損害要償額を申し出ない限り、その額は10万円にとどめられるという注意点があります。
また、<送れるもの>でご紹介した郵便物に当てはまらないものは郵送できません。簡易書留では現金の郵送も行っておらず、代わりに現金書留のサービスがあります。現金を送りたい時には、現金書留を利用しましょう。現金書留の詳細については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:現金書留のサイズや料金、追跡方法をどこよりもわかりやすく徹底解説!
簡易書留の配達日数は
簡易書留を利用する際は、重要書類を送る場合が多いので、配達が完了されるまでの日数が気になりますよね。簡易書留の場合は、配達にそれほど時間を要しないようです。ここでは、具体的な配達日数について確認して行きましょう。
配達日数
簡易書留の場合、配達日数は普通郵便と同じ日数を要します。つまり、一部の遠隔地を除けば、差出日の翌日・翌々日には配達されるということなのですね。ただし、台風などの季節で天候が悪い場合、帰省などで渋滞が起りやすい期間は多少遅れる可能性もあります。
速達の利用が可能
簡易書留に速達オプションを付けない場合、翌日あるいは翌々日には配達されます。しかし、確実に翌日までに届けたい場合や、遠隔地に郵送したい場合は、速達のオプションを付ける必要性が出てくるでしょう。
速達サービスを付け、17時までに郵便局で差出を済ませれば、ほとんど翌日には配達が完了されます。(郵便局によって、何時までに差出せば翌日に速達が届くかは異なります。)ただし、17時を過ぎてしまった場合には、翌日に届けることは不可能なので注意が必要です。急ぎの場合は、必ず17時までに差出を済ませましょう。
また、速達の料金について、簡易書留と併せて速達を利用する場合は、手紙・はがきなどの郵便物、定形郵便・定形外郵便の重さにより料金が変わります。最低は280円、最高は650円かかります。
速達の料金について、詳しくはこちらをご覧ください。
受取人が不在の場合、保管期間は何日?
既にお伝えしているように、簡易書留は受取人に手渡しで配達されます。そのため、受取人が不在の場合には、簡易書留は最寄りの配達拠点にて保管されることになります。
それでは、何日保管されるのかというと、10日間の保管期間が設けられています。この10日間のうちに、不在票を受け取った受取人から何らかのレスポンスがあれば、無事届けられることになります。
しかし、この保管期間が過ぎてしまう場合はどうなるのでしょうか。その場合には、保管されていた郵便物は差出人のもとへと送り戻される仕組みになっています。
料金は?
簡易書留は、手紙・はがきなどの郵便物、定形郵便・定形外郵便・ゆうメールの送料に310円プラスして利用できます。つまり、有料オプションであるということなのです。
したがって、「各郵便サービスの基本料金」+「簡易書留料金310円」が全体の料金となります。
「各郵便サービスの基本料金」は重さや封筒のサイズなどにより変動するため、送るものごとに全体の料金も変わります。
また、簡易書留のサービスにプラスして速達や配達日指定のオプションを利用することも可能です。これらのオプションを付ける場合は「各郵便サービスの基本料金」+「簡易書留料金310円」+「オプション料金」が全体の料金となります。
速達は最低280円から利用でき、料金は重さ・サイズにより異なります。配達日指定の場合は最低31円から利用可能で、平日・土日・祝日により料金が異なります。平日の場合は31円、日曜・祝日は210円、ゆうメールの場合は曜日に関係なく、いつでも51円の料金が別途かかります。ちなみに、指定できる配達日は、差出日の翌々日から10日以内の何れかの日にちできます。
速達サービス・日付指定サービス料金の詳細については、参考元をご参考ください。
参考元:日本郵便 オプションサービスの加算料金一覧(2017年著者調べ)
簡易書留の利用方法は?
簡易書留を利用する場合には、そのままポストに投函せずに、郵便局窓口で発送手続きを行う必要があります。この時に受領証が作られます。受領証についてはまた後ほど詳細をご説明しますね。ここでは、簡易書留のサービスを付けて実際に発送する際の手順について確認しましょう。
送りたいものを封入し、赤字で「簡易書留」と記す
まずは自分で封筒・包みを用意し、送りたいものを封入、梱包します。現金書留の場合には専用の封筒が必要ですが、簡易書留の場合にはごく普通の封筒が用意できれば問題ありません。
梱包・封入し終えたら、赤字で「簡易書留」と見える場所に記入します。ポイントは「赤字で」書くということです。また、自分の手書き以外に、郵便局に置かれている「簡易書留」の印鑑を押すのも良いですよ。
郵便局にて「書留・特定記録郵便物受領証」を手に入れる
送りたいものの準備が整ったら、郵便局へ向かいましょう。簡易書留には「書留・特定記録郵便物等差出票」が必要です。これは、通常郵便局に置いてあり、無料で手に入れることができます。この「書留・特定記録郵便物等差出票」は2枚重ねとなっており、1枚目が郵便局の控えである「書留・特定記録郵便物等差出票」、2枚目が送り主の控えである「書留・特定記録郵便物等受領証」です。
1枚目の「書留・特定記録郵便物等差出票」
2枚目の「受領証」
なぜ簡易書留は郵便局からしか発送できないのかというと、簡易書留では発送完了の記録と受取の記録を取る必要のあるサービスであるためです。
必要事項の記入
「書留・特定記録郵便物等差出票」を入手したら、必要事項を記入しましょう。記入は2か所となります。差出人の氏名・住所と受取人の氏名を記入します。下の写真の赤い囲いの部分が差出人の氏名・住所欄、黄色い囲みの部分が受取人の氏名です。
「書留・特定記録郵便物等差出票」を窓口に提出する
記入を完了したら、送りたい封筒と「書留・特定記録郵便物等差出票」を一緒に窓口に提出します。この時には「簡易書留をお願いします」と伝えましょう。
料金を支払う
簡易書留の依頼をした後、残りの手続きは郵便局員の方が行ってくれます。「該当する郵便サービスの基本料金」+「簡易書留料金310円」の値段が提示されるので、その料金分を支払います。支払方法は3通り。切手支払と現金支払い、切手・現金両用です。切手支払の際には、提示された料金を上回らないように注意してくださいね。切手支払で余分な額を出してしまうとおつりをいただくことができません。
受領証を受け取り、手続き完了
「書留・特定記録郵便物等差出票」を提出すると「受領証」を受け取ります。この「受領証」には、「お問い合わせ番号」が記載されており、追跡サービスの際にこの番号を入力することで配達状況を確認することが可能です。
受領証とは?
引用:PAKUTASO
郵便局窓口で簡易書留での発送を依頼する際、最後に「受領証」と呼ばれる控えが手渡されます。この受領証とは、郵便局で記入する「書留・特定記録郵便別受領証」の2枚目の部分です。この受領証は何のために手渡されるのでしょう。
今まで確認してきたことを思い出してみてください。簡易書留は追跡機能のついたサービスでしたよね。追跡サービスを利用する時には「お問い合わせ番号」が必要です。そう、この「お問い合わせ番号」は受領証に記載されているのです。つまり、受領証は追跡機能を利用する際に必要なものなのです。
「お問い合わせ番号」が記載されている場所は、見やすいのですぐに分かりますが、「お届け先のお名前」の欄のすぐ右隣りに記載されています。下の写真の赤で囲んだ部分ですね。
この番号は、お届け先の相手にも、知らせておくように配慮しましょう。番号を連絡しておけば、相手も配達状況を確認することができ、安心して郵便物の配達を待つことができます。
追跡方法
簡易書留をはじめとした書留オプションには追跡サービスが付いています。書留では通常重要なものを送るので、配達状況が気になることでしょう。郵便物の配達状況が確認できる追跡サービスは不安要素を無くしてくれる優れものです。ここでは、簡易書留を利用する際に使いたい追跡方法についてご紹介します。
追跡サービスの利用に必要なもの
追跡する際に必要なものは受領証に記載されている「お問い合わせ番号」です。受領証は郵便局で記入した「書留・特定記録郵便等差出票」とセットになっている2枚目の用紙を指します。受領証は″お客様控え“として窓口での手続きの際に手渡されます。
追跡方法
受領証に記載された追跡番号を確認できたら、日本郵便のホームページ内の「個別番号検索」のページを開きます。
このページが開けたら、お問い合わせ番号(追跡番号)を記入する欄に番号を入力し、「追跡スタート」のボタンを押しましょう。これで配達状況を確認することができます。
注意点
普通の郵便サービスのみでは送るのが躊躇される、重要な物品を郵送する際に役立つ簡易書留ですが、注意すべき点もいくつかあります。1つずつ確認して行きましょう。
コンビニからの発送不可
簡易書留は郵便局窓口にて「書留・特定記録郵便物等差出票」を受け取り、必要事項を記入する必要があるため、コンビニから発送することは不可能です。簡易書留は窓口のみの発送である点が少し難点です。
ポスト投函不可
簡易書留の場合は<利用方法は?>でご紹介したように「書留・特定記録郵便物等差出票」を郵便局で受け取る必要があります。したがって、ポスト投函してしまうとたとえ荷物に「簡易書留」の文字が赤字で記され、書留分の切手が貼られていれも、通常の郵便物として扱われてしまいます。コンビニに設置されているポストに投函する場合も、簡易書留とはなりません。
受取人の不在時はポスト投函されない
受取人が不在である場合、郵便物はポストに投函されません。したがって、タイミングが悪いとすれ違いになり、郵便物を受け取るのが遅れてしまいます。不在であることが多い相手に郵送する場合は、配達日指定のオプションを付け、相手が確実にいる日に届くように配慮する必要があります。配達日指定についての詳細は、<簡易書留とは><料金は?>の項目をご参照ください。
最後に
今回は簡易書留についてご紹介しました。大事な書類・荷物には補償を付けることが大切です。郵便サービスには補償が付いていないものが多いので、そのような場合には簡易書留のオプションを付けましょう。ただ、宝石・金銀などの貴重品には、より大きな補償額が設置された一般書留を利用しましょう。簡易書留と一般書留の違いもおさえながら、安心・安全な郵送を行なってくださいね。