仮想通貨の種類は世の中に沢山ありますが、「中国版リップル」とも呼ばれ、現在注目を浴びつつあるのが仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)です!
しかしながらビットコイン(BTC)に比べ、通貨である仮想通貨Wanchain。どのような通貨なのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事を読めばWanchainがどのような通貨なのかすべて分かるようになるので、一緒に学んでいきましょう!
目次
仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)とは?
「中国版リップル」と名高いWanchainですが、最大の特徴は「違うブロックチェーンをつなげる橋渡し役」です。
リップル(XRP)は「国際送金をする際に他国の通貨に両替して送る」という面倒な手続きを踏まなくてもXRPという通貨が橋渡し役として使われることで、スムーズに送金できるようにするために使用されています。
同様にWanchainは違うコイン同士のトランザクション(取引)をつなげることができるため、ビットコイン(BTC)→WANといった形で異なる通貨で受け取ることが出来ます。
2018年3月に世界最大の取引所といわれる「バイナンス(Binance)」に上場し、取引が開始されています。
さて、Wanchainの概要について少し分かったところで、基本情報を確認しておきましょう。
通貨単位 | WAN |
通貨名 | Wanchain |
日本語名 | ワンチェーン |
公開月 | 2018年3月 |
発行上限枚数 | 2億1,000万枚 |
アルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
公式サイト | https://www.wanchain.org/ |
@wanchain_org |
(2018年8月19日)
仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)の特徴
クロスチェーンを導入
まずWanchainの特徴といえばクロスチェーンが挙げられます。
もちろんです。クロスチェーンは異なるブロックチェーン同士を結ぶ仕組みのことを指します。
例えば、ビットコインにはビットコインのブロックチェーンがあり、そこに取引の内容が記録され、ブロックが連なっていきます。
イーサリアムも同様にイーサリアムのブロックチェーンがあり、取引の記録が連なっていきます。
これらのブロックチェーンは取引が行われるだけ伸びていきますが、それぞれが独立しているので当然繋がることはありません。そのため手持ちのビットコインをイーサリアムと交換したいときには取引所を介して取引を行わなければなりませんでした。
しかしながらWanchainにはクロスチェーンの仕組みがあるので、取引所を介さずとも仮想通貨同士の交換が可能になります。
以下、簡単に例を用いて説明します♪
送金を例に説明
「ミクさんがBTCを送金したいけど、ケントさんはWANで受け取りたい」とします。
- クロスチェーンに対応していない場合
- ミクさんがBTCを送金したら、ケントさんはBTCで受け取ります。
- ケントさんは受け取ったBTCを使って、WANを購入しないといけません。
- Wanchainの場合
- AさんがBTCを送金し、BさんはWANで受け取ることが可能になります。
スマートコントラクトの実装
先ほどWanchainは「中国版イーサリアム」だといいました。そのためイーサリアムと仕組みが似ており、Wanchainにもスマートコントラクト(自動契約)というシステムが実装されています。
スマートコントラクトとは、簡単にいうと「人の手を介さずに契約を自動・正確に実行する仕組み」です。
例えば身近な例としては券売機を用いて考えてみると…
券売機は全て機械によって運営されているので、販売するにあたり人の手を介しませんよね。
人の手を介しませんが、券売機に必要なお金を入れることで券を手に入れることができます。
つまり、「必要なお金を入れて券を選ぶこと」と「券が手に入ること」という契約が機械によって自動的に行われていると考えることができます。
これにより、人の手を介さないので契約が迅速に完了し、本来その部分に掛かる人件費(コスト)も削減することができます。これと同様の考えをブロックチェーンに取り入れ、契約で発生するコストを排除し、契約時間の短縮化を図ろうとするのがスマートコントラクトの考えです。
これまでは手間や手数料がかかっていたことが、Wanchainによって違うシステム同士をつなぐことができるため、手数料・時間も削減できるというメリットがありますね。
最短ルートでの取引が可能になったと言っても過言ではありません。
プライバシーの保護
Wanchainには、他の匿名性通貨に劣らないプライバシー保護力があります。
Wanchainの匿名性は、「①リング署名」「②ワンタイムアドレス」「③プライベート・センド」という三つの仕組みによって担保されています。
因みに「①ワンタイムアドレス」はモネロで使われている技術で、「③プライベート・センド」はダッシュで使用されている技術です。
※Fincleではモネロやダッシュについてもわかりやすく解説しています。気になった方は下記のリンクをチェックしてみてください。
仮想通貨のMonero(モネロ)の特徴と今後、取引所をわかりやすく解説
仮想通貨DASH(旧ダークコイン)とは?特徴や仕組み、チャートをわかりやすく解説
では早速3つの仕組みについて詳しく見ていきましょう。
リング署名(リングシグネチャ)
リング署名とは、複数人(グループ)の鍵を一緒にすることで、誰が署名をしたかわからなくする方法のことをいいます。
さて、仕組みを簡単に説明します、
あかねさんからミクさんへ、シンさんからケントさんへ送金
あかねさん・シンさんがそれぞれ署名(サイン)するのではなく、あかねさんとシンさんが所属するグループの公開鍵を束ねて署名します。
それにより、誰が署名したのか(誰が送金したのか)を秘匿することができます。
ビットコインの場合、あかねさんがミクさんに送金する時に、あかねさんが署名する必要があります。結果として、あかねさんが送金したことが一目瞭然になってしまいます。
※仮想通貨でいう署名とは、仮想通貨の所有者であることを証明・確認するシステムのことです。
仮想通貨の世界においては署名・電子署名・デジタル署名などとも呼ばれており、送金者の確認やなりすまし・改ざんの防止のために利用されています。
ワンタイムアドレス
取引を行う際にその都度発行され、一定時間しか利用できないアドレスです。簡単に言うと「使い捨てアドレス」ですね。
アドレスがわかったとしても一定時間が経てば変更される使い捨てのアドレスなので、安全性が高いといえます。
さて仕組みを簡単に説明します。
総理大臣が国家予算を使ってに毎月100WANを友人に送金
アドレスが固定されているビットコインでは、友人のアドレス宛に100BTCが送金されていることが一目でわかります。。
1月:総理大臣→友人アドレス
2月:総理大臣→友人アドレス
しかし、モネロでは友人もアドレスが送金のたびに変わります。そのため友人が「毎月、100WANを受け取っている」ことが分かりません。
1月:〇〇※→アドレスX(本当は友人アドレス)
2月:〇〇※→アドレスY(本当は友人アドレス)
※リング署名により、総理大臣のアドレスは分からないようになっています。
プライベートセンド
プライベートセンドは、送金をしたいという人たちの取引をひとまとめにして、誰が誰にコインを送ったかわからなくする方法です。
さて、例をもとに仕組みについて簡単に説明します。
あかねさんからミクさんへ、シンさんからケントさんへ送金
①まず、送信元である2人(あかねさん・シンさん)のコインをシャッフルします。
②シャッフルした後、送信先のミクさん・ケントさんに送金予定だったコインを分配します。
仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)の最新チャート
ここではWanchainのチャートについて見ていきましょう。
2018年3月公開当時は、1WAN=4.2-5ドル程度で取引されていました。その後5月には他の仮想通貨が大きく値を下げる中、最高1WAN=9ドル(5月5日)で取引されるようになります。
どうして価格が上昇したのか理由を探ってみたのですが、5月にはWanchainに関する多くのイベントが開催されていました。
2018年5月03日にはWANがHuobiに上場しました。5月7日には杭州ブロックチェーンアライアンスと戦略的パートナーシップ契約を果たし、翌日5月8日には中国農業省対外経済協力センターとの会合に出席しています。5月11日には一帯一路イノベーションフォーラムに参加しています。
そうですね!取り締まりが厳しいと有名な中国政府に一目置かれているという点は評価ポイントかと思われます。他にもWanchainの開発に関する発表もいくつかなされました。
2018年5月23日にはWanchain Name Servie (WNS)の開発完了をアナウンスし、翌日5月24日にはWanchain Explorer 1.1がリリースされました!
5月26日にはQuantstampというセキュリティに関する監査を行う企業とも提携をむすんでいますよ。
しかしながら仮想通貨市場の衰退にはさすがに抗えず、その後は徐々に値を下げています。
2018年8月19日地点で1WAN=0.85ドル、日本円で94.87円で取引されています。
仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)の買い方
気になった方も多いかと思います。ここではKWanchainの取扱所・買い方についてわかりやすく説明します。
現在は、全世界取引高ナンバーワンの「Binance」をはじめ、「Huobi」でも活発に取引されています。
ただ…問題が…Wanchainは現在日本円で直接買うことが出来ないのです。
Wanchainを取り扱っている取引所が、日本円を取り扱ってないんですよね……
仮想通貨Wanchainの買い方についてまとめてみました!
Wanchainを取り扱っている海外の取引所に登録
Wanchainは国内の取引所では扱われていないため、海外の取引所(Binanceなど)で購入する必要があります。
何故かというと、日本の取引所ではビットコインやイーサリアムなど主要なアルトコインしか購入できないためです。
国内の取引所に登録してビットコインなどを購入
海外の取引所に登録が完了したら、次に国内の取引所に登録する必要があります。
海外の取引所では日本円が使えないため、ビットコイン(イーサリアムなども可)を使い取引する必要があるためです。
そのためbitbankやzaifに登録してビットコインを購入しましょう。
bitbank(ビットバンク)の登録方法・メリット、デメリットをご紹介!板取引・スプレッドとは?
仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)の登録方法から特徴まで徹底解説!
↑bitbankとZaifそれぞれの登録方法について詳しくはコチラ
国内の取引所からビットコインを海外の取引所に送金
国内の取引所で購入したビットコインを海外の取引所に送金します。
送金が完了すれば、Wanchainを購入することが可能となります!
利便性や信頼性、安全性という点を考慮に入れると、セキュリティ面もしっかりしているBinance(バイナンス)がおすすめです。
FincleではBinanceについての記事も紹介しています。以下のURLをクリックしてチェックしてみましょう♪
BINANCE(バイナンス)の登録方法から入金、取引方法をわかりやすく図で解説!
以下、Wanchainの流動性が高い取引所を3つまとめてみました。参考にしてみてください。
取引所 | 特徴 | 手数料 |
Binance | 香港にある取引所で取引高が世界1位。100種類以上もの仮想通貨を取り扱っています。 少額であれば、個人証明書が必要ではないので簡単に口座を開設できることも魅力です。 | 0.1% |
Huobi | 香港系の仮想通貨取引所。日本企業のSBIホールディングスと一時提携したことでも有名。 | 0.2% |
仮想通貨Wanchain/ワンチェーン(WAN)の将来性
Wanchainには「決済方法」「スマートコントラクトを実行できる」という二つの大きな魅力があります。
しかしながら毎日仮想通貨に関する記事を書いていて思うのですが、、、ほとんどの通貨がスマートコントラクトを実装しているのです。匿名性によるプライバシー保護に力を入れている通貨も多く存在しています。
ライバルとなり得る通貨を一部まとめてみました。
スマートコントラクト
・NEO
など
通貨の利用目的
・リップル
匿名性
・DASH
これらライバルとどのように差別化を図っていくかが今後の鍵となりそうです。とはいえ、スマートコントラクトと非常に高い匿名性、通貨同士を簡単に交換できるという魅力がすべてそろっている通貨は私の知る範囲ではまだありません。
そのため、今後成長していく可能性は大いにあると考えられます!
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おわりに
いかがでしたでしょうか?今回は今話題の仮想通貨Wanchainについて、深く掘り下げてみました。さてもう一度Wanchainの主な特徴について少し振り返ってみましょう♪
①クロスチェーンを導入
②スマートコントラクトを実装
③プライバシーの保護
が主な特徴でした。
この記事を読んで、Wanchainはもちろんですが、少しでも仮想通貨に興味を持っていただけたら嬉しい限りです。今後はWanchainに関する新しい情報が入り次第追記していこうと思います。